四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「真昼さま、こちらご用意しておきました」
「汗かきましたよね。タオルで拭いている間に髪のセット直しますね」
「疲れていませんか? よろしかったら、私に寄りかかって下さい」
新人戦が終わり、本戦のモノリスとミラージが締めを飾っている最中。
既に競技に出終えた私は、菜摘ちゃんにめっちゃお世話されてた。
いやホント、移動とトイレと食器使う以外全部菜摘ちゃんがやってるレベルで世話を焼かれてる。
当然だけど、これは私が命令したわけじゃない。
……いや、もしかしたら遠回しには命令かもしれないけど、少なくとも直接はお願いしてない。
新人戦ミラージバットで菜摘ちゃんは頑張ったものの、結局亜夜子ちゃんに勝つことはできなかった。
私も達也も元々菜摘ちゃんは二位を取るだろうと思っていたし、その通りに二位を取れたのだから全く悔いることはないのだけど、本人的にはできれば勝ちたかったらしい。
珍しく目に見えるほどしょぼん、としていた菜摘ちゃんに、頑張ったご褒美として何かしてあげるよ? と言ったらこうなった。
大会終了まで好きなだけ私のお世話をしたいそうだ。
いや、それでいいの? とは思ったけど、菜摘ちゃん曰く。
「普段の真昼さまは自分で色々やってしまう上に、そこまで優雅でもないので、できれば私の好きなようにやりたかったんです! でも、真昼さま自身が特に不満を言わないのでこちらからは何もできなくて…」
とのこと。雑でごめんね…
産まれてからずっとお嬢様の深雪その他の四葉家メンバーと比べると、私はその辺の所作は付け焼き刃だからね…
割と時間がない時は上手く行った時の『再成』で済ませている時があるよ。
その気になれば時間の捻出は(魔法で)できるんだけど、そこまでしなくても……って思っちゃうんだよね…
と、いうわけで。
側から見ると、私は決勝戦で頑張った従者を扱き使う悪徳主人に、お互い全く意図しないうちにさせられているのでした()
「……真昼、さすがに私でもそれはどうかと思う」
「誤解です。私はちゃんと休みをあげて要望も聞いたんです」
「はい! これは私が好きでしてることなので!」
「そう…?」
ものすごい訝しげに私達を見る雫。
菜摘ちゃんは純度100%で肯定してるんだけど、それがますます私の怪しさを増してる。
どうしよう。
どうしようもないか…
諦めがついたので、試合の方に話を戻す。
そこでは、幹比古がアシストした状況の中で、服部先輩達が暴れ回っていた。
「しかし、本戦モノリスチームは実力もさることながら、連携もきちんと取れてますね」
「そうだね。誰か1人に負担がかかっているということもないし」
「基本的に九校戦のチームは急造チームですから、ワンマンプレーになってしまうのは仕方ないですよ」
「美月としてはミキの活躍をもっと見たかったかもだけどー?」
「もう、エリカちゃん…」
からかいにも慣れてきたのか、美月も照れより呆れが多めの表情だ。
ミラージバットも深雪、ほのか、スバルが順調に勝ち進んでいるし、決勝はまた一色とのバトルになるかな?
私も割と消耗した試合の後だけど、私よりは基礎体力があるだろうし休める時間もたっぷりあったから、万全の状態で挑んでくるだろうね。
「……菜摘ちゃん。座ったらどう?」
四葉家的にデフォルトかもしれないけど、そばに立ってられると視線が…!
幸いここはCAD調整機器が積んであるキャンピングカーの隣だから他の人の観戦の邪魔にはなってないけど、それでもね…
ちなみになんでこんな中途半端な所で見ているかと言うと、本部テントは最後の追い込みで気楽に観戦できる雰囲気ではなく、観客席だと菜摘ちゃんが動き回ると他の人の邪魔になる。
ならモニターが付いてるここでいいじゃん。ということでイスと机を運んで、即席の観戦ブースを作って観ていた。
菜摘ちゃん的にもキャンピングカーの設備ですぐに飲み物やタオルを持ってこれるので大満足。
そんな菜摘ちゃんは、私の指示に少し考えて大きなタオルケットを持ってきた。
ゆっくり休むためかな? と思っていたら、大きめの肘付きイスに座った菜摘ちゃんが満面の笑顔で手を広げた。
「真昼さま、どうぞ!」
「……えっと、え…?」
「まだ身体に疲労がありますよね? 微力ながらマッサージしますので!」
ええぇ……?
なんか部屋でも散々やられたんだけど、ここでも…?
というか、なんで休んでって言ってこうなるの?
「それじゃ菜摘ちゃんの休みにならないと思うのだけど…?」
「ただ座ってるだけだと、なんか不安になるので……真昼さまに触れて居られるなら、そちらの方がリラックスできます!」
「そ、そう…」
よかったね菜摘ちゃん。男だったら今はアウトだったよ。
まあ菜摘ちゃんなら普通にマッサージするだけで変なことはしないとわかっているので、諦めてその腕の中にすっぽり入る。
菜摘ちゃんが持ってきたタオルケットは温度調整機能付きだったようで、寒くならない程度に涼しい感覚を伝えてきた。
タオルケット越しにむにむにと腕や肩を揉んでいる菜摘ちゃんは本当に嬉しそうだ。
周りの人達はさっきと別ベクトルで、より大きく引いている。
…もうどうにでもなーれー……
菜摘「お穣様に足りないものは、それは――」
「情熱、思想、理念、気迫、気品、優雅さ、妖艶さ!」
「そして何よりも ―― 時 間 が 足 り な い !!」
真昼「それはそう」
なお周りの人達は「深雪以外にそんなことする人居るんだ…」という気持ちで引いてます。
なんか一高だけ四葉家のイメージがおかしくなりそう⁉︎