四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
…そのはずです!
「真昼さん、大丈夫でしょうか…」
「大丈夫よ。一年近く一緒にいるんだし」
響子姉さんはそう言いますが、先ほどの僕に対するテンションや連れ去るといった方が正しい退出の勢いを考えると、やはり不安を拭いきれません。
基本的に真面目で静かな印象のある真昼さんに対して、常に活動的で時々やり過ぎるように見える菜摘さんは相性があまり良くなさそうにも見えます。
ですが響子姉さん曰く「真昼ちゃんは大人しすぎるからアレでちょうど良いのよ」とのことで、まだまだ人間関係は難しいな…と考えさせられました。
「お待たせしました! 真昼さまがばっちりです!」
「菜摘ちゃん、そろそろ落ち着いて?」
先ほどとほとんど同じ、つまりはちょっとおかしなテンションで扉を勢いよく開けた菜摘さんは、勢いそのままに真昼さんを押し出しました。
先ほどはフォーマルなロングスカートとブラウスでしたが、今は着物風ワンピースとでも言うような、和風のおしゃれな服装に変わっていました。
テンションはともかく、真昼さんが傍に置くだけあって菜摘さんの腕は確かなようです。
「どうでしょうか? この辺りの雰囲気には合っていると思うのですが」
「とてもお似合いですよ。あまりファッションには詳しくないですが、かわいいと思います」
「かわ……まあ、似合ってるならいいです」
「ふふ、本当によく似合ってるわ」
僕と響子姉さんの意見を聞いた真昼さんはちょっと困惑顔でしたが、菜摘さんはうんうんと納得顔で頷いていました。
「それでは行きましょうか。どこか近くで涼しい所がいいですね」
「なら高山竹林園が良いと思います。ただ少し歩きますが…」
「大丈夫です。急ぐわけでもないので」
行き先を決めていると、響子姉さんが呼んだコミューターが家の前に到着しました。
それに乗って目的地へ行くと、まだ強い日差しを竹林が遮り、程よく涼しい遊歩道にそれなりの人が歩いていました。
「まずは庭園を見て回りましょうか。店はその後で」
「はい。すぐそこで日傘も借りられるみたいですよ」
「和傘なんですね。せっかくですから借りていきましょう」
赤い和紙の傘を差して道を歩く。
身長差があるのでゆっくりだけど、見るものもあるし何より話しながらなので苦にはならない。
「ところで、お祖父様とのお話はどういった内容だったのでしょう? 差し支えなければ僕にも教えていただけますか?」
「もしかしたら手伝ってもらうかもしれませんから良いですよ。光宣くんは横浜事変の周公瑾を覚えていますか?」
「真昼さんが斃した横浜中華街の黒幕でしたね。それが関係しているのですか?」
「その背後関係の調査と、組織掌握のための準備が整いました。論文コンペの前に、片付けたいので奈良・京都でも動く必要があります。今日はその相談と許可を得るための会談でした」
「それなら直接来て頂いた理由もわかりますが、組織を継続させるのですか? 真昼さんなら壊滅させることも出来ると思いますが」
そもそも首領をあんなに簡単に仕留めた上に、情報まで握っている。
しかも四葉家は暗殺を最も得意とする組織なのだし、出来ないはずはない。
「確かに情報を元に関連組織を潰すことはできますし、その方が簡単ですがその後が問題です。結局のところ、こういった組織は利益を得られる環境があるから発生するので、今ある組織を潰しても別の組織が産まれるだけで根本的解決にはなりません」
「それでも一定の効果はあるのではないですか?」
「何もしないよりは良いですが、この方法の欠点は対応し続けるこちらの負担が減らないことです。新たに産まれ続ける敵に対して、こちらは戦闘のたびに消耗していきます。作戦自体で味方を得られない以上、いずれは限界が来ます」
「だから味方にするということですか? 真昼さんの考えを否定するわけではありませんが、今までこちらに敵対していた組織がすぐ味方になるでしょうか?」
「後半はその通りです。ですが前提が違います。私は彼らを味方にするつもりはありません……いえ、正確に言えば『体制側の味方にする』つもりはありません、と言った方が正しいですね」
…難しいな。
真昼さんは確実に体制側の人間だ。
だからすることはその方針に沿っているはず。
でも今真昼さんは、掌握した敵を体制側の味方にするつもりはないと確かに言った。
そのままの意味なら真昼さんが反体制側に行くということ。
しかしそうではないとすると考えられる方法は…
「……泳がせる。情報を得るためのアンテナにする、ということですか…?」
「やはり半分だけ正解です。私は、敵だった組織がそんなに大人しくしているとは思っていません」
「……わかりません。真昼さんは何を考えているのですか?」
「私の最終目的は、国内で起きる騒乱の最小化です。それができれば、敵が敵のまま、損害を与えてきても構いません。肝心なのは『こちらに損害が出ない』ことではなく『損害が予想できる』ことです」
「……つまり真昼さんは、敵組織をそのまま復活させることでこちらの思い通りに騒乱を起こせるようにしようとしているのですか?」
「理想はそうです。そのためにこちらから秘密裏に支援を行い、裏社会の組織の大半をカバーできればベストですね」
……とんでもない計画だ。
確かに、きちんと実行されれば間違いなく有効な方法なのは間違いない。
しかし、それはこれまでの四葉家のやり方からも外れた、完全に反体制的な行為だ。
四葉家のこれまでの超法規的活動は、違法ではあっても治安維持のためだった。
今回のことは違う。それ自体は確実に秩序の敵だし、上手くいったところで政府の敵であり続ける行為だ。
それは、とても常人の考えではない。
「国家に弓引く人間を根絶することなど不可能です。ならそれを少しでも制御可能にする方がただ弾圧するよりずっと効率的です」
「…そんなことを考えていたんですか」
「ええ、反対が予想されるので根回しと実績が必要ですので、時間をかけて進めています。今回はその一部ですね」
「……さすが、真昼さんですね…! 僕には思いつかないような壮大な計画を進めているなんて。僕に協力できることなら、なんでも言ってください! 必ず協力します‼︎」
やっぱり真昼さんはすごい…!
十師族としての責任感を持って、さらに一歩踏み込んだ大業を進める強い意志がある。
実力だけじゃなくて、精神も強いなんて…!
真昼さんは同世代で最も尊敬できる人物なのは、間違ってなかったんだ…!
ん? なんか間違ったかな…?(ジャギ感
倫理観壊れ(自覚なし)と盲目的な信徒(純粋)、こいつら混ぜたら危険だ…
真昼さんの計画を先っちょだけお見せ。
原作古都内乱編は周公瑾残党巡りツアーになります。
真昼さんが決して善人ではないことを再認識させる計画になりますね()
次は……どこの男を漁りに行くんだ⁉︎(語弊アリアリ