四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
ちょっとだけ幕間
私の計画を話すと、めちゃくちゃ感心した顔で全面的な賛成を言ってくれる光宣。
え……割とひどい計画なのにそんなすぐ賛成してくれていいの?
私から言っておいて何だけど、ここまで全肯定だとなんか逆に怖い…
「…っと、そろそろ茶屋に着きますね。休憩しますか?」
「ええ。おすすめはありますか?」
「茶室で抹茶を点てられるので、足が辛くなければそちらの体験が良いと思います」
「ではそうしましょうか」
お茶菓子付きのセットを二人で申し込んで、順番が来るのを待つ。
いい感じに庭園が見える場所に案内されて、抹茶と茶筌とお菓子のセットを受け取る。
お湯を注いで、茶筅でお茶を点てるけれどこれが難しい。
一定の速度で混ぜ続ける必要があって、しかもそこそこ時間がかかる。
軽く持ち上げて慣れた手つきで混ぜている光宣はともかく、私は置いて混ぜてるのに疲れてきた。
「……あの、よろしければ手伝いましょうか?」
「光宣くんも自分のものがあるでしょう?」
「僕はもう点て終わりましたから。熱いうちでないと美味しくできません」
確かに隣を見ると、そこにはしっかりと点てられた抹茶が置かれている。
これが教養の差ってやつか…
「……では、お言葉に甘えさせていただきます」
「いえ、ここまで人避けの魔法を使ってもらったお礼です」
「気づいていたのですね」
「この茶室に入ってからですけどね。いくらなんでもここがこんなに空いているのはおかしいですから」
まだまだ未熟です、と照れ笑いを浮かべる光宣。
出力を絞って、少しずつ強くしていったから気づきにくいよね。
それでも私のガチ隠蔽を見破るあたり、精霊の眼ってスゴい…
人避けを使ったのは内緒話(ガチ機密)を話すためでもあるけど、生の光宣を人混みにお出しすると騒動になっちゃうからね。
私はバレなければ大丈夫! 理論でどんどん魔法を使う方針だから、面倒ごとは全力で回避していくよ!
そうしている間にお茶が点て終わり、いい感じの色になった抹茶が差し出される。
軽くお椀を回して一口飲むと、張り付くような苦味とお茶の旨みが口の中に広がる。
「美味しいです。ありがとうございます」
「いえ、お粗末様です」
そう言いつつ笑顔でお茶を飲み、お菓子を食べる姿も絵になっている。
本当に顔がいいと何してても様になるな…
……ん?
「光宣くん、粉がついてます」
「え? どこですか?」
「動かないでくださいね」
別に場所を教えてもいいんだけど、手伝ってもらってばかりだと負けた気分になる。
ちょっとやり返す気持ちで茶菓子にかかっていた粉砂糖の残りを、光宣の口の端からハンカチで拭う。
やられた本人は困惑顔だ。
「教えてもらえれば良かったのですが…」
「ふふ、さっきのお茶のお礼です」
「……真昼さんって、意外と負けず嫌いだったんですね…」
そんなことを言う悪い口をもう一度ハンカチで拭いて塞ぐ。
照れ隠しなのか本気でそう思っているのかは分からないけどね。
というか、私は負けず嫌いじゃないよ。
ただやられてばかりだとバランスが取れないし、年上としてそうしないといけないだけだよ。
うん、絶対違う(確信)
「…で、結局そのまま帰ってきたのね。もう付き合っちゃえばいいのに」
「響子さん、他人事だと思って適当に楽しんでませんか?」
駅での見送りでそんなことを言われたけど、響子さんがそれ言うの?
光宣はまあテンプレ通り照れてるけど、それはからかわれたことに対してであって私に特別な想いがあるわけじゃないし。
私としても光宣はイケメンで優しいから嫌いじゃないけど、現実的に結婚にはハードルが多すぎ高すぎでちょっと無理。
あと水波ちゃんと幸せになって欲しいし。
「響子さんは自分自身のことを考えた方がいいんじゃないですか? 案外身近に縁があるかもしれませんよ」
「あら、私の心配もしてくれるの? ありがとう」
「目を背け続けても、いつかは直視しないといけませんから。
「……そうね、気をつけるわ」
ちょっと口撃の火力が高すぎたかな…?
まあでも、このぐらい言わないと響子さん気づかないしいいか。
最後は微妙な空気になったけど、別れてキャビネットに乗り込んだ瞬間、菜摘ちゃんが飛びつくように話をせがんできたので余韻もなにも吹っ飛んだ。
「真昼さま! 今日の進展はどうでしたか⁉︎」
「菜摘ちゃん、落ち着きましょう? まず私は今のところ光宣くんとお付き合いする気はないのよ?」
「大丈夫です! 想いは触れ合いを通じて育つものですから!」
うーんちょっと元気すぎ!
さすがに1回頭に一撃入れて直した方が良いかな…?
「というか離れて見ていたでしょう? それなのに聞きたいの?」
「全部見てました! でも真昼さまの話が聞きたいんです! 真昼さまの、光宣さまへの想いが!」
「ごめん、その期待は応えられないと思う…」
その後、東京に着くまでめちゃくちゃ質問攻めにされた。
全然期待するようなことは言えなかったはずなのに、なぜか菜摘ちゃんは満足していた。なぜ……?
見た目だけちゃんと恋人してる二人。
どこぞのプリンス(笑)と違って、気づかいはちゃんとできる光宣くんです。
たぶん響子さんに仕込まれてます(確信
足りないのは恋愛感情だけ……
響子さんはからかい上手やる前にちゃんと自分の恋愛考えて。
そんなんだから原作で2回も未亡人みたいになるんだ…
菜摘ちゃんは頭の中でラブコメ完結してるのか、真昼を弄れて満足したのか…
どちらにせよ、本人が幸せなのでOKです!