四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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四葉本家「魔法力は十分だから(主人公は)殺さない実戦で行け」


実戦訓練……? 訓練の要素どこ…?

トレーニングウェアに着替えた私は、ガチガチに鍛えられている使用人に案内されて訓練場へ向かった。

はあ……本当にやりたくない。

四葉式訓練とか何するかわかんないし…

深夜様、何が起きるんですか?

 

『実戦訓練なのでしょう? 処分予定の魔法師と戦って処理するとかじゃないかしら。他の分家の方もいるのだし、襲撃もあると思うわよ』

 

それって魔法で殺せって言ってます?

 

『当たり前じゃない。殺すのに躊躇したら自分が殺されるわよ』

 

だから四葉式訓練はしたくないんだ!

別に人殺しはいい。ただ無意味な殺人が嫌なんだ。

というか既に私が製造されるまでの失敗作と、私の魔法資質を上げるために生贄にされた人達が何人も犠牲になってる。

あと私の魔法のミスで死んだり、研究所を裏切ろうとして脱走しかけた奴を捕獲して『出口の無い部屋(ガチ)』を作って飼い殺したり、もう何にも役に立たず反乱予備軍みたいになった調整体を殺したり。

私が来る前のこの身体の記憶でもすでに二桁の人を殺している。

研究者の両親も嬉々として娘の魔法テストに生きた人間使うんじゃ無いよ。

何が魔法防御を貫通できるかのテストだ。

そんなの適当なものに領域干渉でも情報強化でもつけてやればいいでしょ!

何が悲しくて魔法犯罪者(ロリコン)を直接殺さなきゃいけないんだ。

思わず跡形もなく消し飛ばしちゃったじゃん。

あの感情がほぼ死んでる時期でも嫌悪感があるって相当だよ!

そんなことをつらつら考えながら歩いていると、外から何かが飛んできた。

反射的にフラッシュキャストの移動系単一工程魔法でその『何か』を吹き飛ばすと、爆炎が吹き飛ばした方向に向かって噴き上がった。

……グレネードだこれ!

ひとまず全周防護障壁を展開すると、同時に真横から衝撃が。

あのムキムキ使用人が私に銃を向けていた。

拳銃では役に立たないと見るや、もう片手にナイフを持って切りかかってくる使用人改め敵その一。

外にはまだグレネードを撃った敵その二もいるし、移動して狙撃を無効化したい。

無駄にナイフで切りつけたり変に壊れた魔法式で魔法の展開を妨害しようとしたり、その辺の瓦礫を倒して私を押し潰そうとしている敵その一は邪魔なので移動系単一工程魔法で壁に吹き飛ばす。

加減速工程が無いから全身骨折してると思うけど、殺さないだけマシだと思ってね。

そのまま近くの部屋まで移動魔法で進むけれど、やはりグレネードを撃たれる。

一応発射地点も確認しているけど、撃った直後に移動しているようでなかなか敵その二を捕捉できない。

 

「……後でお母様に謝らなくては」

 

真夜様、ごめん。

でもこんなところで仕掛けてきたのは真夜様の指示なのだし、仕方ないよね?

なんとなく重厚そうな扉の前で止まる。

すぐにグレネードが発射されるのを確認して、発射地点周辺の大気全てを指定して魔法を発動する。

使用する魔法は『瞬時崩壊』

時間系魔法を応用したもので、効果はほとんど『質量爆散』と同じ。発動プロセスが違うだけで質量をエネルギーに変換するのは同じ効果になる。

違うのは指定範囲内の物質を確率でエネルギーに変換すること。その確率はこちらで決められるので、威力をかなり自由に決められる。

今回はとっさに隠れられる遮蔽物や障壁を壊せるだけの威力を、下方に集中させるように爆破形状を工夫して発動した。

四葉のお金がかかってそうな庭が一瞬で数メートル掘り起こされるのは小市民の私には心苦しいけど、後で真夜様に完全版フリズスキャルヴをあげるのでチャラにして欲しい。

 

「これで…」

 

重厚そうな扉を魔法で強引に開けて、衝撃波が来る前に飛び込んで閉める。

衝撃波で部屋自体が揺れるけど、なんとか防げたみたいだ。

そう思ったのも束の間、真横から障壁ごと吹き飛ばされて壁に叩きつけられると、内臓を握りつぶされたような痛みが走った。

あと目の前が真っ暗になって、身体が落下しているような感覚まである。

たぶん最初のは勝成さんが空気を圧縮・解放して爆風を作った。

そしてこの痛みは文弥の『ダイレクトペイン』、目の前が暗いのは亜夜子が私にだけ光が届かないようにしている。落下の感覚は夕歌さんかな。

 

「悠長に対策を考える時間はないぞ」

「ええ、そのようですね」

 

仕方ないので空間魔法を発動する。

一瞬で部屋の反対側に移動して、魔法の定義破綻を起こさせる。

ていうか、夕歌さんも勝成さんもガーディアン連れてるじゃん! ずるい!

 

「それが空間魔法か」

「普段使わないようにしているのですが、出し惜しみ出来ないので」

 

流石に四葉一族相手には、全力を出さないと魔法が通らない。

指定空間はCADを着けている腕、肘の関節から指の先端までの周囲3センチ。

対象はこの場にいる私以外の全員。

移動先は私の横。

『空間転移』発動。

 

「っ…‼︎」

「なっ‼︎」

「……なるほどね」

 

殺さず無力化するために、CADを着けている腕ごと空間を転移させる。

こちらに転移させた皆の腕は、ワープゲート越しに繋がっているので直ぐに戻せる。

そのままだとCAD操作が出来てしまうので、転移させた腕がある空間は『1センチ以上の物体と想子の移動を禁止する』と定義してある。

これで、誰もCAD操作は出来ないはずだ。

 

「まだ皆さんの腕は繋がっていますよ。ただ離れた空間を繋ぐゲートで分割しただけですから。この状態で魔法を終了すると、本当に切断されますが」

「……わかった、降参だ。空間魔法なしでの実戦訓練をしよう」

 

勝成さんの宣言をしっかり聞いて、腕を返す。

亜夜子や夕歌さんが腕をさすっているのを見るとちょっと申し訳なくなる。

でもそっちも殺す気だったんだから仕方ないよね?

 

「真昼さんは空間魔法以外の得意魔法はあるのか?」

「精神干渉魔法です。他は全て同等に使えます」

「防御のための防壁魔法はいいとして、攻撃魔法はなにか決めているものはあるか?」

「特には……その時の状況に応じて使う魔法を決めています」

「ではまずそれを決めるべきだ。真昼さんは使える魔法が多い分、それぞれの魔法を使いこなせていないように見える。一つメインで使う魔法を決めて、その魔法での戦い方を極めてみてはどうだ?」

 

おお…すごく役に立つアドバイスだ。

流石防衛省勤務、実戦的でわかりやすい。

 

「どの魔法系統が良いと思いますか?」

「特に適性の問題がなければ、加速・加重系統が良いだろう。広い状況で対人・対物に効果があり、戦法を覚えるのも難しくない。軍の魔法戦闘でもよく教えられる系統だ」

「わかりました。ではそうします」

 

とりあえず持っている特化型CADにその系統の魔法をインストールしよう。

 

「あと、私や文弥の精神干渉魔法が通るのも油断しすぎだと思うわ。領域干渉の強度はそれなりだったけど、私たちはそこに適性がある魔法師なのだから最初から対応しなさい」

「そうですね。普段より多く干渉力を使ったのは確かですが、もっと強く領域干渉が発動していれば発動できなかったと思います」

「それに余裕があるなら、もっと広く領域干渉を使った方が良かったと思いますわ。そうすれば、私の魔法は破れたはずですし」

 

夕歌さん、文弥、亜夜子にも立て続けにアドバイスを受ける。

やっぱり皆経験が違う。

どの魔法を、どう使うかの判断はまだ難しい。

訓練で慣れるしかないかな…

 

「では、次は奏太と琴鳴と戦いなさい」

「マスター、2人でやるんですか?」

「彼女はまだガーディアンがついていない。多対一になることに慣れるべきだ」

 

え? まだ戦法とか考えついていませんけど⁉︎

 

「君には深夜様の精神があるのだろう? 方針が決まればあとはそれで良いはずだ」

 

深夜様! お願いします!

 

『もうその系統の魔法戦の仕方は学んでいるでしょう?』

 

でもそれだけを使うのはやってませんよ!

 

『別にメインで使えと言われただけで、他の魔法を使うなというわけではないわ。相手が音波攻撃をしたら振動系魔法が効果的なのだからそちらで攻撃を受けて反撃は加重系でする。それでいいはずよ』

 

あっ……わかりました!

よし、流石に四葉の血族でなければなんとかなる!

行くぞー!




一瞬でCADごと腕をもぎ取って自分の横にコレクションする病弱ロリ、見た目がヤベェな…
本家と分家の全面協力で主人公のパワーレベリングがはかどる。
壁に叩きつけられた使用人は全身骨折で瀕死のところに瓦礫混じりの衝撃波を受けて無事肉片になりました。南無。
グレネードを撃ってきた方は片手片足が千切れましたがなんとか息はありました。しかしその後は真昼の治癒魔法の練習に使われて、闘志が挫けるまでは真昼と戦わされた後、廃人になるまで精神干渉魔法の的になりました。南無。
どちらも最近採用された元魔法犯罪者の戦闘員で、今回の訓練のために真夜様が用意しました。
主人公は自分のグロ実験記憶と『四葉ならまあやりそう』というメンタルなのでスルーできました。
「お? 案外メンタルは四葉らしいやんけ!」(四葉小並感

使用魔法解説:『瞬時崩壊』
時間系魔法で『原子を構成する陽子と中性子が時間経過で崩壊した』結果を持ってくる魔法。指定範囲内の原子を、設定した確率でエネルギーとわずかなニュートリノに変化させる。
実際に時間を加速するのではなく、『時間経過した未来の原子情報』を現在に反映させる魔法。達也の再成は『過去の物体の構成情報』を現在に反映させる魔法なので、どちらかというと『分解』より『再成』に近いといえる。
メリットとして『時間経過で自然発生する事象』を発生させているので、『質量爆散』に比べて発動に最低限必要な干渉力が低い。また範囲内の物質を確率でエネルギーに変換するので超低威力での発動やピンポイント破壊が可能。
デメリットは同じ威力を出す場合、『質量爆散』より多くの物質をエネルギーへ変換する必要がある。これは一部がニュートリノになり、エネルギーへの変換効率が100%にならないため。また変換率が上がるとそれに応じて必要干渉力も指数関数的に上昇するので、基本的には大量の物質を指定して低い変換率で爆発させることになる。
とはいえ、そもそも物質をエネルギーに変換すること自体が莫大なエネルギーを放出するのであまりデメリットにはならない。むしろ威力調整が可能なメリットの方が大きい。
主人公がお兄様の戦略級魔法師の立場を代われるように、意図的に効果を似せて使った魔法その一なので、外側からの観測結果はほとんど同じになる。
結果として、戦略級魔法なのに特殊な法機を使わずに接近戦でも使えるヤバい魔法になった。
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