四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
2024/4/7追記
AI生成した真昼さんのパジャマ?画像を後書きに追加しました。
たぶんこんな感じだな…ぐらいのイメージとしてみてください。
「…はぁ……」
本家の大きなお風呂から上がって、火照った身体を冷ますために外廊下をなんとなく歩く。
今日は……いや、体感では5日間くらいの時間、ずっと魔法の訓練をしていたので、
姉さんの『擬似瞬間移動』だけではなく、真昼さんの『魔法式の発動前待機』を練習できたのは良かったけれど、正直しばらくは同じことはやりたくない。
あの加速空間では、肉体になんの変化も起きない。
正確には1時間ごとに巻き戻されるのだけど、そのせいで
実際はそんなことはない。
疲れれば動きは鈍るし、寝なければ判断力は低下する。
そんな当然の感覚を忘れてしまうのが、あの空間だ。
「……真昼さんは、どれぐらいあの空間で魔法を練習したんだろう」
今日、『魔法式の発動前待機』を一部でも習得するまで、
そんな技術を当たり前のように使って、更にその他の魔法技術も高いレベルで習得している。
そのためには、どれだけの時間が必要だったのだろう。
どれぐらいの苦労が、努力が必要だったのだろう。
あの小さな身体で、どれだけの訓練を受けてきたのだろう。
「……敵わないわけだ」
僕だって、今まで黒羽として、四葉の一族として魔法の訓練は欠かさず行ってきた。
同世代の誰よりも実戦的な訓練を、それこそ実戦だってこなしてきた。
それでも、あの練習密度には絶対に勝てない。
誰よりも才能に溢れた人が、誰よりも長時間努力する。
それは確かに、『究極の魔法師』と言えるのかもしれない。
「…? こんなところでどうしました?」
「あ、ああいや、ちょっと風に当たりたく、て……」
突然かけられた声に振り向くと、声が尻すぼみに出せなくなってしまった。
今まさに考えていた人が目の前に現れただけでも衝撃的ですが、真昼さんはこれまで見たこともないような姿でした。
レースがたくさんついた、ドレスのようなパジャマ。
昼間のトレーニングウェアとは全然違う。
気のせいか、顔や髪まで綺麗に光っているように思えます。
月明かりに照らされた真昼さんは、華奢な体躯もあって、今にも消えてしまいそうな妖精のようでした。
「……」
「? 四月とはいえ、あまり長く出ていると風邪をひきますよ」
不思議そうにこちらを見る真昼さん。
その言葉で、ようやく僕も動けるようになりました。
「ど…」
「?」
「いや、その……真昼さんは、どうしてここに?」
「白川さんにお世話していただいて、お母様に服を選んでもらったのです。ただ生地が少し厚いので、月でも見てから寝ようかと思いまして」
服の端を少し摘んでそういった真昼さんは、僕の隣に立つと庭を見ました。
昨日、真昼さんが掘り返して、まだ土がむき出しになっているその殺風景な光景を。
「……文弥さんは、御伽話の魔法については知っていますか?」
唐突に、そんなことを真昼さんは僕に問いかけました。
まだ魔法が御伽話だった昔には、今では非現実的な魔法が多くお話になっていました。
有名なものだけですが、僕もいくつかは知っています。
「えっと……シンデレラとか、白雪姫とかですか?」
「ええ、シンデレラは別ですが、たいていの御伽話では魔女は悪人として描かれます。当時の世論からすれば仕方のないことですが、今でも魔法師は人を傷つける象徴となっています」
「現代魔法の始まりは核戦争の防止、戦力としての魔法が求められたのですから、ある程度仕方ないと思います」
特に四葉としては、魔法は力だ。
戦力としての魔法を追い求めるのは、最終的には平和のためになる。
『汝平和を欲さば、戦への備えをせよ』
銃弾の名前の由来になった、有名な格言にもそう謳われている。
「
「御伽話のような魔法……」
「ええ。それこそ、お菓子の家を作ったり、カボチャの馬車を作るような、ね?」
クスクス、と
初めて。
初めて、真昼さんの笑顔を見た。
「……内緒ですよ?」
「え?」
そう、僕に話しかけた真昼さんは、自分自身と僕を中に入れて目の前の庭の一部を覆うように結界を構築すると、目の前に更に小さな結界を作り出しました。
そして、一瞬その中の土や岩が消え去ったかと思うと、目の前にはクッキーの石畳、飴細工の骨組みでできたカボチャの馬車、そしてチョコレートケーキの馬が繋がれていました。
僕が言葉も出せなかった数秒間、それは幻術などではなく確かに目の前にありました。
結界と共に崩壊して、元の土と石に戻ったその光景をただただ呆然と見ていると、真昼さんが疲れ切ったけれど満足そうな声で話し始めました。
「今はまだ、空間魔法で厳重に遮断した中でしかこのような魔法は再現できません。ですが、いつか誰でもこのような魔法を使える。そんな世界にしたいものですね…」
「そう、ですね…」
…僕は、達也さんのことをすごいと尊敬している。
でも、深雪さんの信仰とも言える達也さんへの想いを今まで理解できなかった。
けれど、今ならわかる。
こんな
そんな人に対して、僕は何ができるのだろう。
何かをしていいのだろうか?
「いいのですよ」
「え?」
「私も、達也さんや深雪さんも、文弥さんと同じ人間です。魔法が使えるかどうか、その能力が高いか低いかの差でしかありません。たったそれだけのことで、区別や差別をするなんて愚かなことです」
「いや、それでも魔法の才能は…」
「深夜様の精神構造干渉」
その言葉に、僕の次の言葉は呑まれてしまいました。
確かに、達也さんに人工的に魔法演算領域を植え付けたのは深夜様の魔法です。
それはつまり、魔法の才能は後天的にも開発できることを意味しています。
そして真昼さんの資質とあの加速空間があれば、『精神構造干渉』を完璧なものとして、自由に魔法資質を与えたり、奪ったりすることもできるでしょう。
あるいは、もうすでに。
「私は、四葉をただ恐怖の象徴だけにするつもりはありません。将来的に、次のステージへ進めようと思っています。そのためには皆さんの協力が必要です」
文弥さん、その時は私の手を取ってくれますか?
そう告げる真昼さんは、月の光に照らされた天使のような。
そして、悪魔的な魅力に満ちていた。
主人公「文弥めっちゃかわいい! 今のうちに取り込んでおこう」
深夜様「後で真夜を見返す時に役立つからやっちゃいなさい」
ヤミちゃん「真昼さんは神さまで天使で悪魔だったんだ…」(混乱
ヤミちゃん視点の真昼さん挿絵です。
実際には荒れ果てた庭がバックなので、桜はヤミちゃんの想像ということで…(笑
【挿絵表示】
主人公が本気の一端を見せました。
錬金術じみたことをやってますが、制限がキツいので本当に魅せるだけの魔法です。
使用したのは空間魔法で『空間の削除』『空間の新規作成』を連続で行っています。
まず『空間削除』でそこにあった物質ごと空間を削除。
続けて同じ位置に『空間作成』でメルヘンな世界を創っています。
主人公的には、これでヤミちゃんやヨルちゃんをびっくりさせて仲間にしようと考えています。
結果は予想外な方向に効果的すぎたわけですが。
一応この魔法の理屈は考えましたが、宇宙物理学のややこしい話が入るので興味がある人だけ見てください。
というか本文の半分以上の分量があるので本当に覚悟してください。
私はしてませんでした(白目
『空間の削除』は空間そのものを消し去っていますが、その場合そこにある物質はどうなるのか。実は似たような現象が、現実のブラックホールで起きています。
重力によって物が落ちるというのは、物質の質量で空間が歪み、その歪みによって物質の動きが変わる現象です。言い方を変えれば、動く歩道のように空間そのものが重力の発生源へ重力の強さに応じた速さで飲み込まれているとも解釈出来ます。
地球のような星では、そうやって空間に引きずられた物体は地面にぶつかって、そこで止まりながら空間の引きずろうとする力を感じ続けます。
これが私たちが感じる地球の重力ですね。
一方で、ブラックホールは重力が強すぎてどんな物質もその力を支えられず、無限に重力によって中心へ引きずられ続けます。
重力が大きくなればなるほど空間を引きずる速度は上がり、ついには光速を超えます。そうすると物質の観測ができなくなり、その中に入った物質の『情報』はその物質の質量と運動量=エネルギー量しかなくなります。
つまり、ブラックホールは飲み込んだ空間を削除し、そこにあった物質を質量=エネルギー量のみに変換してしまうということです。
ここで真昼の『空間削除』に話を戻します。
空間を削除すると、その空間の情報がブラックホールと同様にエネルギー量を除き全て失われます。
そのままであれば、『質量爆散』と同様に質量をエネルギーに変換することになります。
しかし、ここで世界の復元力が働き、可能な限り元の空間へ戻そうとします。
元の情報が失われたまま元の空間に戻そうとするため、結果として周りの環境を模倣した空間が自然に作成されます。
空中なら大気が、水中なら水が、地中なら周りと同じ土がエネルギーから再構成されます。
ただし、生命体のような複雑系はこの限りではなく、世界が再構成しようとして失敗した結果として、構成する元素がある程度結合した状態で再構成されます。
結果的に、『雲散霧消』に近い現象が『空間削除』では起きるわけですね。
一方、『空間作成』は文字通り空間のみを作成する魔法です。
単体では物質一つない真空の空間を作成する魔法なので、他の空間魔法と違ってそこまで使い勝手が良くないです。
一応最初から物がある空間も作成できますが、その場合は発動前後のエネルギー差が凄まじいことになるため、真昼の魔法力を持ってしても見えないぐらい小さな物質しか作れません。
さて、『空間削除』は空間内の物質をその過程でエネルギーに変換してしまう魔法。
『空間作成』で一緒に物を作成するには膨大なエネルギーが必要。
では、一緒に使ったら?
『空間削除』で発生したエネルギーの再構成先を、『空間作成』で指定する。
この合わせ技によって、真昼が理解できるのであれば同質量の物質を別の物質へ変換することができます。
……閉鎖空間内で。
流石に、この魔法は世界の復元力と激しく衝突するため、現実と乖離すればするほど干渉力が必要になります。
今回は結界で世界から分離したため、それなりの時間維持することができました。
普通に結界なしで行うと、物質の変換どころか形状の変化ぐらいしかできません。
それも失敗率が高くなるので、『空間削除』のみ発動してハガレンの『傷の男』みたいになります。
なので結局、今は結界内でしか使えない娯楽用の魔法になっています。
なお、真昼は神さまごっこができて楽しいので気に入っている魔法です。