四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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お兄様のテクがスゴい(誤解を招く表現

後半はお兄様視点です。


アップデートで操作感変わると、性能上がっててもなんか嫌で前に戻すことってあるよね

「では、機械に寝てくれ」

「はい」

 

CAD調整のためにキャミソールと下着だけになった私は、大型測定器に寝そべった。

達也に見られるのは確かにちょっと恥ずかしい。

というか、脱ぐと余計に私の身体が貧相なのが見えてしまって、達也より深雪が憐れんだ視線を送っていて申し訳なかった。

ごめん、こんなガリガリの身体見せちゃって。

これでもがんばって食べてるんだよ…

 

「もういいぞ、服を着てくれ」

「はい。ありがとうございます」

 

着替え直して達也の側に立つと、私が持ってきた二つのCADがセットされていた。

不得意な魔法がないから、使いたい魔法が多くて一つだと間に合わないんだよね…

大体はフラッシュキャストで間に合うけど、カモフラージュのためにもCADには入れておく必要があるし。

 

「ずいぶんと基礎系統の魔法を多く入れているが、フラッシュキャストのためか?」

「はい、言い訳のために入れています」

「ではそれ以外の魔法を最適化しよう。何か気にするべきことはあるか?」

「あまり対物・対人の指定が得意でないので、そういった魔法の定義は詳細にお願いします」

「…意外だな、十文字先輩との試合では対物魔法を十分使っていたと思うが」

「空間上の領域を指定するのは得意なので、ああいった動かない物なら問題ないです。動き回るモノ相手だと、空間指定では通用しないので…」

 

正直空間指定のほうが断然楽。

特に対人の指定は、五感で認識しないといけないから空間指定に比べると射程も範囲も落ちる。

大体は人のいる空間ごと指定すればいいから問題ないんだけど、精神干渉系や多工程の魔法だとそうもいかなくて困る。

精神干渉系はまだ物理的に作用しないから対人の指定がしやすいけど、他の魔法は発動後の作用が目で見えるから余計に対人指定しにくい。

 

「そうか、なら空間指定と同じ感覚で対人指定できるようセッティングしよう」

 

なんでもないように達也は言うけど、それってすごいことだよ?

空間と対人じゃ全く考え方が違うのに、それを合わせるって言うんだから。

その後、深雪にコーヒーのおかわりをもらって学校の課題を一緒に解くこと1時間弱。

2つのCADの調整が終わって、地下の部屋でテストすることになった。

 

「…始めます」

 

CADに想子を流し込み、起動式を読み込む。

……うわ⁉︎ なんかいつもよりめちゃくちゃスルスル情報が入って来るんだけど⁉︎

なんかいつもと違いすぎて気持ち悪い。

なんだろう、スマホ変えたら操作感度が高すぎて違和感がすごい感じ?

いつも使っている余計な力が無くなった分、なんか力を持て余し気味な感じがする。

それでも魔法自体は最高効率で発動したので、用意された的を『破城槌』で粉砕した。

クレー射撃のように高速で飛ぶ的も苦労なく照準して破壊できたので、本当に対物・対人指定を最適化してくれたみたい。

これはちょっと怖いと思うエイミィの気持ちが分かるかも…

 

「どうだ? 精神に負荷がかかっていないか?」

「それは問題ありません。いつもと感覚が違うので、慣れるまで少し時間がかかりそうですが」

「対物照準は問題ないか?」

「はい、今までより楽に指定できます」

 

よーし、ともかくこれで準備は完了。

待ってなよブランシュ。

逃げられると潜伏先調べるのが面倒だからこっちを舐めたまま大人しくしててよね!

 

            

 

「遅くまでありがとうございました」

「構わない。ブランシュ関連で動きがあればまた教えてくれ」

「はい。それでは達也さん、深雪さん、おやすみなさい」

 

真昼が帰ったのは、結局日付が変わる直前になった。

CAD2つに魔法を詰め込んでいて、両方を調整したので調整後のチェックが深雪の倍近くかかったのが大きい。

それから、初めて俺が調整して感覚が違うこともあるだろう。

だがこちらも、真昼の魔法技術について色々と知ることができた。

 

「お兄様、真昼さんですが……非接触の汎用型CADであの高速照準はかなりの認識能力だと思います。本当に対物指定が苦手なのでしょうか?」

「それは本当だ。さっきの測定でも空間指定と対物指定では明らかに精度が違った。対物指定も十分な精度で早いから、苦手というより空間指定が得意と言った方が正確かもしれないな」

 

特に高速移動する物体の照準には、他と比べて苦戦しているように見えた。

真昼の魔法力なら、対象が移動している空間を丸ごと指定しても問題ないから、大きな弱点にはなりえないかもしれない。

だがそれより重要な情報は、真昼が使っていたCAD。

正確には、その中の感応石だ。

 

「真昼のCADは改造品だ。特に内部の感応石は特製品を使っている。それによって、非接触でもほとんど誤認識せずにパラレルキャストが可能になっている」

「研究所で製造したのでしょうか? でも誤認識がほとんどないというのは素晴らしい特性ですね」

「……いや、あの感応石が誤認識しないのは真昼が使用しているからだ。俺や深雪が使ったら一般の感応石以下の性能しかない」

「真昼さん個人に調整されているということですか? それは確かに一般化できませんね…」

「そうだが、深雪が思っているのとは違う。あの感応石の人工ニューロンは、真昼自身の細胞を使って出来ている。自分自身と同じ神経細胞、ニューロンパターンだから誤認識がほとんど起きない」

「そんな……」

「だから非接触CADの正確な操作は真昼自身の技術というより、CADの性能に依存していることになる。倫理を無視した技術だが、単純かつ効果的な方法だ」

「お兄様、私はそんな…魔法師を、自分自身を道具として扱うような技術は、存在してほしくありません。たとえそれが有効であっても、魔法師を人として扱わない技術など……認めたくありません」

 

ハッとして深雪をみると、僅かだが深雪は泣いていた。

 

「私は……あんなに痩せて虚弱な女の子に、自分自身まで道具にして戦って欲しくありません。もちろん、四葉であること、その義務も理解しています。ですが、魔法のためにそこまでしないといけないのですか? そこまで、魔法とは大事なものなのですか? そこまでして、魔法で何をしたいのですか…?」

「深雪…」

「すみません、わがままだとわかっています。でも、魔法のためにそこまで犠牲にされた真昼さんを見ると、ついそう思ってしまうのです……魔法は力です。それは確かに、社会の平和を保つための大切な戦力です。でもそれを…そのために、どこまで酷いことをしていいのでしょうか…?」

 

それは、生まれてからずっと戦闘魔法師として育てられた俺には答えられない問いだった。

そして多分、真昼にも答えられない問いだろう。

…魔法力を究極まで求めた結果がどうなるのか。

その一つの答えとして、真昼は深雪に深い影響を与えていた。

俺が思うより、ずっと大きな影響を…




お兄様のCAD調整初体験でした。
主人公はこんなに違うのかとビビってます。
たぶん普通のノーパソとゲーミングPCでFPSやった時ぐらい違うはず。
使っているCADが市販品より高性能に改造されているのも要因の一つではあります。

お兄様の調整後視点も入れてみました。
お兄様的には真昼の弱点や特徴を色々と知れたので、ちょっとだけテンション上がっていました。
深雪は初めて見る真昼の虚弱ボディにショックを受けて、さらに感応石の追撃で許容量を超えました。
体育の着替え? 真昼さんの貧弱ボディで出られるわけないので全部座学です。
クラスメイトも学校側も間違って怪我させたら…と思うと気が気じゃないので、本人含め満場一致で体育は受講していません。
同級生ですが小さすぎて母性すら出かけている深雪さん。
なお真昼本人は大して気にしてないのでさらに深雪さんが曇る…

次回こそブランシュ襲撃になるはずです(たぶん
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