四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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七草弘一視点です。
後半は香澄視点になります。


★十師族としての名と力 *イラストあり

「……そう簡単には手の内を明かしてはくれないか」

 

四葉真昼と真由美との試合映像を閉じる。

流石に警戒している。ほとんど新しい手を見ることはできなかった。

収穫といえば『群体制御』を見られたことぐらいだ。

制御数こそ少ないが、複数種類の物体を一群として操るのはあまり見たことがない。

普通の移動魔法で個々に指定してまとめた後は、対象の空間そのものを指定していたように見えることから、本当に複数種類の群体制御が大規模に出来るかはわからない。

だが、魔法制御を高いレベルで行えることは確かだ。

おそらく空間に対する認識能力が高いのだろう。『流星群』を目印もない一部空間にのみ展開していることからも、十文字家並みの空間把握能力があると見て良いだろう。

 

「名倉、遺伝子解析の方は?」

「そちらも対策されていました。食器その他には何も残っていません」

「何かしらの手掛かりになればと思ったのだがな」

 

四葉の分家と考えられている魔法師の遺伝子データは一部確保しているから、そこからどの家の子供か推測できると考えていたが無理だったか。

しかし食事会の中でそういった魔法を使った形跡はなかったが…

……魔法を使ったことは悟らせない、ということか。

 

「研究所の方は何かわかったか」

「いえ、そちらも以前と変わらず半民間の研究所というだけです。四葉が管理することでセキュリティは上がっていますが、元からかなり厳重であったため大きな変化ではありません」

「今のところ出自が完全に不明ということか」

「はい。元の両親と会っている様子もありません」

 

完全に四葉に情報を統制されてしまっている。

対スパイを考えれば……いや、四葉であれば当然だとも言える。

もう過去の過ちは繰り返さないということだろう。

……過去、か。

 

「名倉、今日はもういい」

「はい。それでは失礼します」

 

名倉を退室させて、サングラスを外して右眼の義眼を押さえる。

もう馴染んで違和感もないはずのソレが、今日は妙に疼くように感じていた。

あの日のように。

力及ばず四葉殿……四葉真夜が誘拐されたあのとき。

その姿に、四葉真昼はあまりに似ている。

分家からの養子というのは嘘で、実子ではないかと思わず疑ってしまったほどだ。

そんなこと、ありえないというのに。

 

「……四葉深夜の子供ではない。それ以外であそこまで似ているというのがありうるのか?」

 

今学校にいる司波兄妹が、おそらく深夜の子供だろう。

確証はないが、今までの調査結果からしても四葉真昼は真夜と深夜、どちらの子供でもない。

他に可能性があるとすれば調整体やクローンだが、よりにもよって四葉が自分の血族を元に作るとは思えない。

もちろん他の研究所が作れるとも思えないし、そんなことを四葉が見逃すわけはない。

……八方塞がりか。

今のところは、真由美から懐柔させるしかないか。

香澄や泉美もそう悪くは思っていないようだし、理由をつけてまた呼べないだろうか…

 

            

 

「すごかったね、真昼先輩…」

「ええ……そうでしたね…」

 

負けて荒れているお姉ちゃんは名倉さんに任せて、ボクたちは部屋に戻って今日の出来事を振り返っていた。

いきなり四葉の人が来たのはすごく驚いたけど、ボク達より小さいことにまず驚いた。

そして、その後の魔法の実力にも。

 

「ねえ、あのクレーの破片とかドライアイスをごちゃ混ぜにして的にぶつけたやつ。あれってどう制御したと思う? 的に当たった時点で指定していた空間内に別のものが入ってるから、定義破綻しちゃうんじゃないの?」

「空間の形状を的に触れないように変形させれば連続して定義可能ですけど、それはかなり高度な空間認識が必要になります。目印のない虚空に『流星群』を発動させられる制御力があるからこそだと思いますよ」

「そう、それもやばくない? しかも一瞬だったよね?」

「ええ……さすがは魔法力で十師族に登り詰めた一族である四葉の魔法師、ということでしょうか…」

 

ボク達より真昼さんが魔法の実力があるのは当然だと思う。

だけど、お姉ちゃんより高いレベルというのはかなり異常事態になる。

だって、お姉ちゃんは七草の中でもトップレベルの実力者で、真昼さんはそれより2歳下なのに強いって……

それってこのまま成長したら誰も敵わなくなっちゃうんじゃない?

 

「『流星群』……初めて見ましたが、凄まじい魔法でした。対人魔法として最強と言われるだけはあります」

「どうして最初から使わなかったんだろう?」

「そうしたら一瞬で試合が終わってしまいますから、私たちの参考にならないと考えたのでは? 実際に硬化魔法で防御と的の固定を両立させたり、複数物体の群体制御など技巧的な魔法の使い方をしていましたし」

「じゃあ逆になんで使ったのさ。最後までそういう技巧的な魔法で戦えば良いじゃん」

「よく考えてください香澄ちゃん。相手はお姉様ですよ? 技巧的な魔法ならお姉様も負けていません。実際に温度変化で的を割ることもしていましたし、他にもいくつか勝つ方法はあったはずです」

「……つまりどういうこと?」

「お姉様が()()()()()()のを避けたんですよ。『流星群』は今回のルールでは反則的な威力の魔法です。それを使えば試合が終わることは分かっている。逆に言えば、それを使わざるを得ないというのは他の魔法では勝負がつかないということになります」

「でも真昼先輩なら『流星群』を使わなくても勝てるんじゃないの?」

「勝てるでしょうね。でも()()()()()()()()()()()()()()()のだと思います」

「……泉美、言ってることが難しいよ」

 

なんか最近泉美が話してることが、あの狸親父に似てきてる気がする。

小難しいこと考えるのはいいけど、性格まで似てほしくないな…

 

「仮に『流星群』を使わなかった場合、お姉様に勝つために真昼先輩はかなりの本気で魔法を使う必要があります。当然お姉様もそれなりに本気でしょうから、いくつかの奥の手を使う必要があるでしょう。そうすれば真昼先輩は長時間の魔法試合での消耗と、学校の先輩に言い訳のできない負けを与えるという不愉快な結果と、他家に四葉の実力の一部を明かすという不利益が同時に発生することになります」

「えっと……つまり疲れたくないし、お姉ちゃんにも嫌われたくないし、他の奥の手を見せたくないから『流星群』で試合を終わらせたってこと?」

 

でも『流星群』1発で終わらせるのも十分お姉ちゃんにはダメージだと思うけどな…

 

「そうです。試合をすぐ切り上げて、お姉様にも敗北の言い訳を与えて、かつ既に知られている魔法ですから新たに情報を与えることはない。真昼先輩はそこまで考えて『流星群』を使ったんです。それも、圧倒的な力を見せつけるために」

「へぇ……それが家同士の関係とかそういう話?」

「はい。わざわざ群体制御を使ったり、四葉で有名な『流星群』を使ったのもそういう考えもあったと思います。実力差を見せつけるというのはお姉様より、お父様に対してだとは思いますが」

 

ああ、それならわかる気はする。

ウチが四葉に張り合っているから、実力差をはっきりさせたってことか。

 

「お父様が今後どうするかが問題になりそうです……変に四葉を刺激しないと良いのですが…」

「いやそれは無理じゃない?」

「だから問題になりそうなんです…」

 

とりあえずボク達じゃ勝てそうにないから、敵対するようなことはやめてほしいな…

それに魔法はすごくても、ボクより小さくて弱々しい女の子なんだし…

家とか魔法がどうこうじゃなくて、戦いたくないよ…




お待たせしました。七草家の2人の視点でした。

弘一さんはめちゃくちゃ真昼のことを意識してます。
右眼が疼いて仕方ないので諦めずに調査を続けています。
一般的に常識で考えれば四葉の遺伝子で調整体を秘密裏に作るなんて無理なんですよね……やっちまった奴らがいるんですが…

香澄と泉美の試合解説。
泉美が解説役として優秀すぎる…
実際に真昼は、実力差を見せつつ手の内を明かさない目的だったので、泉美はそれを正確に認識しています。
香澄の方は、真昼の見た目と魔法のギャップにただただびっくりしていました。
入学したら深雪とかいう見た目も魔法もヤバいのがいるんですけどね…

あと、新しい試みとしてこれまでの話にいくつかAI生成した挿絵を入れています。
私の技術力の限界でイメージの再現度は8割ぐらいですが『大体こんな感じ』だと思って見てください…
AIくん、やたら胸を盛るし脱がせるし制服黒くするしでもうこれ以上は再現できませんでした…
一応まだ近いイメージの私服と制服の真昼さん挿絵を置いておきます。


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