四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
ついにこの日が! 出発当日!
あ、席はもちろん深雪の隣です。
お兄様を見てひんやりしてるよ(汗
通路の向こうでほのかと雫が頭を下げてる。
雫! なかできチャンス逃さないで!
「深雪、寒い…」
「あっ……ごめんなさい」
「達也さんなら大丈夫。ホテルに着いてから少しは休めるでしょうし、その時にどうするかを考えていたらいいのでは?」
「そうね……お兄様にはしっかり休んでもらわないと」
「そうですよ。達也さんは仕事を背負い込みがちですから」
いや本当にね。
なまじ1人で出来ちゃうからなんでもかんでもやっちゃうんだよ。
もうちょっと頼ればいいのにね。
「真昼は本戦アイスピラーズプレイクとミラージバットでしょう? 日程が空いているけどそれでも大丈夫なの?」
「渡辺先輩がいれば優勝は逃しませんから、気楽に挑戦します」
「もうちょっと本気でやってほしいが……まあ、意気込みすぎるよりはマシか」
前の席の渡辺先輩が苦笑する。
ちなみに千代田先輩は、私にもライバル心剥き出しで挑んできてくれる貴重な選手。
決勝戦はいい勝負ができそう。
「真昼さんは婚約者とかいないの? こういう機会なんだし、一緒に居たいとか思わない?」
おぅ……キラーパスが飛んできた。
いや、私はまだ決まってないから…
「お母様が決めるでしょうけど、まだ聞いてはいません。おそらくは当主就任直前に発表になるかと」
「四葉の当主夫婦ともなればな。真由美だって婚約者はいるが花音ほどではないぞ」
「えー、そんなのつまらないじゃないですかー」
賑やかだなぁ……
っと、そろそろのはずなんだけど…
「…っあぶない‼︎」
キタ!
反対車線から車が飛んできた。
いや、本当に千代田先輩反応早いな。
知ってる私とほぼ同タイミングだよ?
「吹っ飛べ!」
「消えろ!」
「止まって!」
「みんな落ち着け! 魔法をキャンセルするんだ!」
っと、私も動かないと。
深雪と一緒に通路に立って首脳陣と圧縮言語会議。
「十文字、押し切れるか⁉︎」
「防御のみなら可能だが、想子の嵐が酷すぎる。炎までは無理だ」
「深雪、火をお願い。私は魔法キャンセルを」
「わかりました」
「四葉か、許可する」
十文字先輩は私がやることを悟って許可してくれたので、バスの車内に向き直る。
CADから魔法を呼び出し、発動しながら精一杯大声で叫ぶ。
「千代田花音、森崎駿、北山雫に命じます。『魔法をキャンセルしなさい』」
「…えっ?」
「なっ⁉︎」
「っ⁉︎」
発動した魔法は『ワンコマンド』
1分間指定した相手に命令を実行させる魔法で、時間制限はあるけれどとても使い勝手の良い精神干渉系魔法。
私の指示に強制的に従わされた3人は、意思に反して魔法がキャンセルされたことに戸惑っていた。
けど、これで無秩序な魔法式は消え去った。
深雪が火を消して、十文字先輩が障壁で止める。
結果として、一高の怪我人はゼロでこの事故をやり過ごすことができた。
「みんな大丈夫?」
「千代田先輩、大丈夫ですか?」
「え、う、うん……大丈夫…」
「駿さんも雫も大丈夫ですか? 緊急事態とはいえ、精神干渉系魔法を使ってしまったので…」
「あ、ああ……大丈夫だ…」
「…うん、大丈夫。ごめんなさい」
「無事ならなによりです」
念の為に軽い魔法を皆使ってもらう。
意図せず魔法が使えないって、下手すると今後に影響するからね…
こんなことで競技に影響してほしくない。
「真昼さん、緊急事態に適切に対応してくれてありがとう」
「いえ、皆さんの協力あってのことですから」
深雪とか十文字先輩とかね。
…あ、達也が事故現場の検証をしてる。
「すこし事故車の様子を見てきますね」
「えっ、あ、ちょっと⁉︎」
一言言ってから外に出ると、既にエンジニアメンバーが交通整理を始めていた。
事故車に近づいて中を覗くと、同じように来ていた達也が話しかけてきた。
もう『精霊の眼』で見てるみたいだね。
「真昼、どうかしたのか?」
「不自然な事故でしたから、少し様子を見たくて」
「そうか。なにかわかるか?」
その言葉に、じっと中のドライバー(の残骸)を見て答える。
「このドライバー、魔法師ですね。自爆テロかもしれません」
「やはりそうか。背景を探れるか?」
「ここでは難しいです。後でお話しできますか?」
「わかった、時間を作ろう」
うん、達也だと話が早い。
まあ背景はすでに知ってるけどね!
「ところで、魔法が同時にキャンセルされたが真昼が何かしたのか?」
「『ワンコマンド』でキャンセルしてもらいました。緊急事態でしたので」
「なるほど。あの状況では仕方ないな」
だって『術式解散』を使わせるわけにいかないからね。
たとえバレないにしても、リスクは減らすべきだし。
「あとはお任せしても?」
「ああ、深雪を頼む」
うん、大丈夫だよ。
むしろ働いてるお兄様を見て私がひんやりされそう。
「真昼さん、どうして見に行ったの?」
「四葉に対する攻撃かと思いまして。杞憂でしたので帰ってきました」
七草先輩には適当に答えて席に戻る。
やっぱり深雪は働いてるお兄様を見ていた。
お願い、頼むからステイ、深雪…
脅威度 自爆テロ<暴発ブリザード
なかできチャンスも『術式解散』も奪っていきました。
四葉らしく止めるなら、やっぱり精神干渉ですよね!
なおバス内の生徒は、いつでも魔法を封じられると知って改めてビビってます。
キャストジャミングも無しに簡単に魔法を封じるんじゃないよ!
魔法のキャンセルについて補足を。
原作でも魔法のキャンセルをすれば魔法式が消えると摩利さんが言っていましたが、発動後の魔法式は消えないんじゃ? という話をあーちゃんがしていたのでそこの辻褄を合わせます。
原作の入学編を見直したところ、魔法式の定義エラーで魔法式が消える描写がありました。
もし魔法の効果が発揮されなくても魔法式が残るなら、効果が現れるかに関わらず魔法式は残るはずです。
そうならないのは、エイドスの反発で一定以上の干渉力を持つ魔法式以外は消えてしまうこと、もう一つは魔法式が想子で出来ているために定義エラーで矛盾が起きる=無意識で魔法式を維持する意思が消えて想子供給が途絶えることで、構成要素が欠乏した魔法式がエイドスに定着する前に消えるため、と考えられます。
すると、摩利さんの言っていた『魔法のキャンセル』とは、『エイドスに定着前で、現在進行形で投射中の魔法式に与えている想子をカットしろ』と言う意味なのではないかと考えられます。
そう考えると、バスの事故での魔法(効果が出ていない)をキャンセルできて、新人戦モノリスの将輝のオーバーアタック(既に効果が出始めている)がキャンセルできない理由になるかと思います。
他に魔法式のキャンセルについて情報がありましたら感想で教えて下さい…