四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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千代田先輩との決戦です。
五十里先輩視点→千代田先輩視点と変わります


勝負と勝利と決意

「花音、大丈夫?」

「啓…」

 

決勝リーグ。

最後に残ったのは花音と真昼さん、それから他校のエース。

既に他校選手は2人に負けてしまったので、最後は真昼さんとの試合で優勝と準優勝が決まる。

そして、恐ろしいことに真昼さんはここまで領域干渉と加重系魔法しか使用していない。

しかも対策をされても、それを上回る干渉力で押し潰すという力の差を見せつけるような勝ち方で勝ち抜いてきている。

九校戦の本戦に選ばれるような魔法師を、真正面からねじ伏せて勝利する。

ある意味で、『地雷原』の干渉力勝負で勝ち抜いてきた花音と似ているとも言えなくはない。

 

「……正直言って、勝てるとは思ってない。『地雷原』ならともかく、特別に得意でもない魔法であんなに圧倒的に勝つなんて私には出来ないから」

「花音……」

「でも、だからこそ本気で戦いたい。負けるとしても力を出し切って、後悔のないようにしたいよ」

「……そうだね。僕も花音を信じてるよ。それに真昼さんが戦ってきた相手の中で、花音が1番強いのは確かな事実だ。最後まで勝ちを諦めないで」

「もちろん! 気持ちは負けないよ‼︎」

 

にっ、と花音が笑って、決勝の舞台に上がっていく。

調整でできる限りのことをしたから、あとは応援することしかできないけれど……

それでも、祈らざるを得ない。

どうか、心まで折れないように……と。

 

            

 

舞台に上がると、向かいに小さな姿が見えた。

相変わらず人形のように、かわいらしいけれど人間味を感じない衣装。

いっそ魔法を使う機械だと言われた方が諦めがつくくらいの魔法力を真昼さんは見せてきたけど、だからこそ全力で戦う。

十師族のトップに全力をぶつけられる機会なんて、これを逃したら多分もうない。

 

「それでは、決勝リーグ最終戦……開始!」

 

実況の声と同時に、開始のランプが点灯する。

まず発動するのは『地雷原』。

啓に調整してもらった上に干渉力を全力で集中したためか、この競技で初めて真昼さんの陣地に魔法が通った。

強烈な振動で、いくつかの柱にヒビが入る。

だが、それはすぐに止まってしまった。

より強力な領域干渉を再展開した真昼さんは、振動が完全に停止したことを確認した次の瞬間には重力波でこちらの氷柱に攻撃を仕掛けていた。

でも、それは啓の予想通り。

『重力波による振動』を防ぐことに特化した情報強化を一瞬集中して自陣にかけることで、1,2本の氷柱が砕かれただけで耐えることができた。

そして、この情報強化と連続して数周期分の『地雷原』が発動する。

これが私と啓の作戦。

本当に実力差がかけ離れていたら通用しないけれど、防御にも攻撃にも干渉力を割り振るということは、単純に全力の半分までしかどちらにも力を注げないということ。

なら、こっちは攻撃の瞬間だけ全力で防御して、カウンターで攻撃に全力を注げば防御が間に合う前に攻撃を通せる。

その考えは間違っていなかったようで、また少し真昼さんの陣地の氷にヒビが入り、一部は破壊寸前まで損傷していた。

行ける!

 

「……さすがですね」

 

陣地越しに、真昼さんが一言つぶやいた。

その意味を理解する前に、両方の陣地が『夜』に包まれた。

 

「実力に敬意を払い、この魔法で終わりにします……『流星群』」

「…っ!」

 

急いで光波振動系の情報強化に切り替えるけれど、全く抵抗できなかった。

光のラインが蹂躙した後には、氷の残骸しか残っていなかった。

 

「終了! 女子アイスピラーズブレイク決勝は、四葉真昼が『流星群』を見せつけて優勝だ‼︎」

 

またぺこり、と一礼して舞台を降りる真昼さん。

結局負けちゃったな……

啓に申し訳ない。

 

「花音!」

「啓……ごめん、負けちゃった」

「謝るとしたら僕の方だよ。『流星群』対策が不十分だった」

「そんなことない! 私が力不足だったから…!」

「いや、重力波のほうは拮抗できてたのだから、やっぱり僕のせいだよ……とにかく、一高で一位二位の独占は事実で快挙だ。ホテルのカフェですこしだけど、お祝いしよう?」

「……うん、そうだね。ケーキ食べたいな」

 

気をつかってくれた啓に甘えて、制服に着替えた後でカフェに向かう。

すると、ちょうど真昼さんと司波くんも同じカフェに入ろうとしていた。

 

「あ……」

「千代田先輩と五十里先輩もこちらに?」

「うん、準優勝のお祝いにね」

「そうでしたか、時間をずらしましょうか?」

「いや、そこまでしてもらわなくていいよ。花音もいいよね?」

「私は構わないわよ」

「そうですか。ではお言葉に甘えて」

 

ちょっと気まずいけど、優勝したのは真昼さんの方。

それに先輩だからと言ってそんな横暴を通す気はない。

せっかくだからということで、同じテーブルでアフタヌーンセットを注文して感想戦をする。

スコーンにクランベリージャムをつけてもぐもくと食べている真昼さんは、隣の司波くんが背が高いこともあって余計に幼く見える。

 

「あの重力波に特化した情報強化と、連続した『地雷原』は五十里先輩の作戦だったんですね」

「うん。真昼さんが『地雷原』に特化して領域干渉をかけてきたらダメだったけどね」

「そういえば、どうして振動に対する情報強化をしなかったの? 真昼さんならできたはずじゃない」

「それでは圧倒的な勝利になりませんから」

 

真昼さんは端的にそう答えると、食べかけのスコーンを置いて口を拭いてからもう少し詳しく話してくれた。

 

「確かに、千代田先輩と同じ方法で攻撃を完璧に防ぎながら氷柱を倒すことは可能です。ですが、それは既に私がされたことですから新しさがありませんし、なにより時間がかかってしまいます。お母様が見ている以上、どうしても私は『四葉』として圧倒的に勝つ必要性があるのです」

「それで『流星群』を使って勝ったってこと?」

「『流星群』は私にとっても負荷の大きい魔法ですから、可能ならそれ以外の方法で勝利したかったのです。それに『地雷原』の速度では、油断すると負ける可能性がありましたから」

「……へえ、そうだったんだ」

 

……そっか。

私、意外と真昼さんを追い詰めてたんだ。

少なくとも『負ける可能性がある』とは思ったってことだもんね。

緩みそうな口元を隠すためにケーキを一口頬張る。

同じケーキなのに、前の一口よりずっと美味しく感じた。

よし、来年は勝つ! 啓と一緒に!




はい、決勝戦でした。
花音さんマジメンタル強者のイケメン…
原作の雫と深雪のシーンと被ってますが、まあ元々軍事施設だしケーキ食べられるようなところは少ないから、試合後すぐに行けば被るよね…ということで。

更新が遅れてすみませんでした。
普通に仕事が忙しくて時間とメンタルが亡くなりました…
この後の話も更新が滞ることが予想されるので、しばらくは活動報告でのイラスト供養と設定集の更新、前の話のおかしいところの修正(主に魔法のキャンセルについて)を埋め合わせとしてしようと思います。

そしてアニメのダブルセブン編よき…
あーちゃんも可愛くてとてもよき…
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