四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
深雪の巫女服は派手ではない…?
後半は無頭竜さんのどん詰まり会議です
午後、いよいよ深雪の試合が始まる。
正直飛行魔法のインパクトでどうにかなりそうなミラージバットより、純粋に実力で目をつけられそうな深雪のアイスピラーズブレイクは、私にとって非常に心臓に悪い。
お願いだから普通に優秀ぐらいで収まって…!
「真昼さん? どうしたんですか?」
「なんか変に緊張してるよ?」
「……いえ、深雪がますます注目されると今後が大変だと思いまして」
「ああ…」
「それは仕方ないんじゃないか?」
また合流した二科生組も諦めムードだけど、勘弁してほしい。
私のメンタルだと四葉ムーブで目立つの大変なの!
いつミスするかわからないし…
深雪が実力を見せれば見せるほど、私はそれ以上の実力を見せないといけない。
いつまでそれができるかわからない。
もし深雪が私より優れている…いや、同じぐらい優秀であると思われるだけでも、達也と深雪の今後の生活には大きく影響する可能性がある。
四葉から逃れて、魔法師社会の柵から距離を置くには実力を隠す方がいいのに。
なんで深雪はわかってくれないの…
「うわ……また似合いすぎじゃない?」
「落ち着いた雰囲気ですね…」
「万が一にも魔法を暴発させるわけにはいきませんからね」
深雪の巫女服に皆が呆然としている。
はっきりいって、深雪の敗因になりそうなのはフライングと動揺による魔法制御のミスぐらいだよ。
……私が負けるよりは可能性があるかも。
でも十中八九勝つだろうし、そこは心配してない。
なんなら負けても四葉と疑われることに比べたらマシ。
うーん、こんなこと知られたら達也に睨まれそう。
そして、試合開始とともに高等魔法である『氷炎地獄』を使って蹂躙する深雪。
私が最後の『流星群』以外は魔法の難易度的には簡単な魔法で押し通したのに対して、深雪は高等魔法で圧倒している。
あーもう、これじゃあどっちが本戦なんだかわかんないよ。
「この魔法は……まさか『氷炎地獄』⁉︎」
「ええ、加熱によって氷柱の中の気泡が膨張し、脆くなったところで衝撃波で砕いたんですね」
「でもあの起動式はA級ライセンスがなければ……まさか⁉︎」
「もちろん私の研究所から提供しましたよ。達也が使えると太鼓判を押しましたからね」
「…はー、本当に深雪さんってすごいのな」
「こんなに高難度の魔法を使いこなすなんて…」
エリカ達だけでなく、他の観客からも深雪に注目しているのがざわめきからわかる。
美貌だけではなく、魔法も凄まじいとなればまあ仕方ない。
まだまだ興奮が冷めない中で、エリカが考え込みながら私に話しかけてきた
「真昼と深雪が対決したらどうなるの?」
「練習では私が勝ちましたよ。ただ戦術の差が大きかったですけど」
「戦術の差、ですか?」
「深雪は温度で氷柱を破壊しようとしているので、どうしても加熱時間が必要です。それに対して重力波は直接氷柱を破壊しますから温度は関係ありませんし、重力波は空間の振動なので物体の動きを抑える対抗魔法では対策できません。なので深雪がこちらの氷柱を壊す前に全ての氷柱を重力波で壊して勝ちました」
「深雪でもやっぱり真昼には勝てないか」
「それでも私の本気を出させた時点でかなり恐ろしいですけどね……ただ、深雪は魔法のコントロールが苦手です。なので私のように氷柱に干渉力を集中させて、節約した干渉力を攻撃に回すといったテクニックが使えないのは弱点といえますね」
「…一年生でそこまで高度な魔法力操作をするのは、ほとんどの生徒が無理だと思うよ」
幹比古が引き攣った声でそう返す。
まあうん、そうなんだよね…
正直私だから勝てただけで、普通なら干渉力高すぎて深雪の守りは突破できないと思う。
私も最低限の防御だけ残して、干渉力を集中させて強引に攻撃を通したし。
ただ深雪に対して速攻戦法は確かに有効だと思う。
エイミィにもう少し魔法力があれば、飛んでく氷柱に干渉力を集中させて守りを突破するのもできる…かもしれない。
でも減速領域でやっぱり止められるかも…
「でも真昼さんと深雪さんの試合は見てみたいですね」
「そうね、見栄えもするでしょうし」
「私はお母様にプレッシャーをかけられそうなので嫌です…」
本当にやめてね?
負けたら大問題だし、勝っても勝ち方によっては達也さんに睨まれそうで生きた心地がしない。
代わりにモノリスコードで目立つからゆるして…
頼むよ、無頭竜さん?
横浜中華街。
そこでは、豪華な装飾や服とは反対に顔色を悪くした男達が終わりのない議論を交わしていた。
「どうする……一高は渡辺選手も優勝して一位はほとんど間違いないぞ」
「だからといって今更止めることなどできない! 外の組織に依頼した分、金を余計に払っているのだぞ!」
「しかもそのほとんどが壊滅させられているから、残りの組織には更に金を積まねば動くまい…」
「この際多少の損失なら仕方ない! このまま一高が一位を取ったら我々はおしまいだ‼︎」
「しかし四葉がいるのだぞ……使い捨ての奴らならともかく、我々まで標的にされては…」
「そのために金を払って雇っているのだろう⁉︎ それも込みの報酬なのだからいまさら文句など言わせない!」
「幸い…と、言って良いのかわからないが……成功報酬を払う前に奴らの大半が消えたおかげで、工作資金はまだある。生き残った奴らに成功報酬を5倍にして突っ込ませればなんとかなるかもしれん」
幹部の1人の発言に、他の幹部も渋々だが頷く。
今回の八百長試合において、最大の問題となったのが四葉だった。
大漢の悪夢をたった数十人で引き起こした、悪魔の一族。
すぐに四葉真昼に対する妨害は取りやめたものの、それだけで報復から避けられるか確証がなかった。
そのため、わざわざ外部の組織に工作を外注してまで妨害したものの、結果は失敗。
さらにどこからバレたのか、実行前の組織を含む大半の外注先が潰されてしまった。
いきなり連絡が途絶えてしまい、確認に行ったところ戦闘の痕跡のみで人も書類も跡形もなく消えていた。
その鮮やかすぎる手口と、全く情報が表に出ない所から、おそらく四葉に襲われたのだろう。
その時点で国外逃亡が真剣に話し合われたが、結論は否。
組織に損害を出してしまっている以上、四葉からも組織からも逃げなくてはならない。
どちらか一方ならまだしも、両方となると不可能に近い。
結果として、負けが確定しつつある賭けにレイズせざるを得なくなっていた。
「万が一……その時の逃亡先は確保できるか?」
「一時的にならハワイを経由してUSNAへ渡れるだろうが……いや、無理だ。そちらにも組織の手は伸びている。確実に追い詰められて詰みだ…!」
「いっそインドへ逃げるか…?」
「それこそ無理だ! 政治犯として交渉の道具にされて引き渡された後は処刑される!」
「成功するか、それとも死か…というわけか」
「どうやら、我々にはこの賭けに勝つしか生きる道はないようだ。私はポケットマネーから工作費用を出す」
「この際命より優先されるものはないな」
「仕方ない」
「ここまでするのだ、確実に勝たねばならん」
「ジェネレータも呪具も使えるだけ使え。大会が中止になっても構わん。いや、それならまだマシだからな…」
次々と提案される恐ろしい工作の数々。
それらは全て、自分自身が生き残るため、ただそれだけに吐き出されていた…
真昼さん、深雪の暴れっぷりに悩む。
原作でも深雪の行動ってあまり真夜様がうるさく言ってないんですよね。
というか、全体的に真夜様は子供世代に甘い気がします。
特に女の子には結構わがままとかも許してる気がするので、その分周りが苦労してそうですね…
無頭竜さんの初登場です。
本人達も逃げられるものなら逃げたいのですが、逃亡に使える伝手がそもそも無頭竜のものなので、四葉から逃げつつ組織からも逃げるのは無理ゲーすぎて諦めて死ぬ気で工作を頑張っています。
まあ1人だけは『一回命を助けた御礼』を使えば生き延びられるのですが、他の幹部は成功しなければ死ぬので必死です。
一番悲しいのは、この会議も後で全部真昼さんが盗み聞きするところ。
もう都合よく使われすぎて、実質的に真昼の手下みたいなものです。