四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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いまさらブルアカにハマって投稿遅れました。
ミネ団長の『強度の高い救護』がツボった…w


睡眠不足はお肌の天敵

新人戦3日目。

結局寝るのは早かったけれど、眠りが浅くて早起きしていたエイミィを『カプセル』に突っ込んで強制的に安眠導入機で試合直前まで眠らせた。

体調ぐらい自分でなんとか整えて欲しい…

 

「あはは……ごめんて!」

「とりあえず試合に集中しましょう」

「そうだな。幸い最低限の睡眠は取れているようだし、やれることはすべてやった。あとは落ち着いて実力を発揮するだけだ」

「うん、がんばる!」

 

ぐっ、とガッツポーズで十七夜さんとの試合に出ていった。

その気合いは嘘ではないようで、試合開始直後から氷柱を勢いよく転がして相手の氷柱を破壊しにかかる。

転がる氷柱は既にエイミィの魔法の影響下にあるため、相手の攻撃でも破壊しにくくなっている。

勢いそのままに相手の氷柱三本を倒したエイミィは、続いてもう一本の氷柱を転がした。

しかし、それは相手選手の魔法によって阻止された。

その方法はかなり意外だったけど。

 

「これは…」

「なるほど、考えましたね」

 

達也と共に相手の戦術に感心する。

起きたことを見たままに言えば、転がってきた氷柱が一番前の氷柱に当たった瞬間に氷柱が後ろに滑って二本目、三本目と一体になったところでピタリと止まった。

そのせいでドミノ倒しのように倒すことができず、転がした氷柱は止まってしまった。

魔法としては、一本目と二本目の氷柱と地面の間の摩擦係数を低減させて滑らせ、三本目の氷柱と接触した瞬間に摩擦係数を最大化するというややこしい魔法。

これをぶっつけ本番で成功させるのは素直にすごいと思う。

 

「これは……かなりまずいんじゃないか?」

「そうですか? スタミナ次第ですが、使える状況が限定的なので対策もいくつかあると思います」

「真昼さんはどう対応するの?」

「この魔法は底面に作用する魔法ですから、氷柱を飛ばして上にぶつけて倒せば関係ありません。あとは既に倒した氷柱を使って斜めに転がし、後ろに氷柱がない方向へ倒せば使えません」

「どちらにせよあの質量を何度も動かすのはかなりスタミナを使うぞ。明智がどの程度踏ん張れるかだな…」

 

エイミィも私と同じ考えに行き着いたのか、氷柱を飛ばして倒し始めた。

相手はそれに対応できず、残りは三本のみ。

ただ、それがぴったりくっついてしまっているのが問題だ。

 

「あとはエイミィが魔法で現実をねじ伏せられるかだな」

「全力なら行けると思いますが…」

 

問題は相手も防御に全力を尽くすということ。

そこでエイミィは残り少ない氷柱を二本倒し、前の一本に立てかけるようにして即席の砲台を作成。

こうすることで氷柱の加速のみに全力で魔法力を集中したエイミィは、これまでで一番勢いよく氷柱を発射してギリギリ相手の氷柱をすべて破壊した。

そして試合終了とともに、エイミィも相手もその場に倒れてしまった。

ギリギリ意識はあるけど、次の試合は無理だろうな。

 

「お疲れ様でした」

「あはは……真昼みたいに豪快に勝てると思ったんだけどな…」

「まあ雫も深雪も勝ち抜けるのでいいですけど」

「そうなの?」

「むしろエイミィが一番強敵と当たってますよ」

 

そっか、と私にもたれかかって何とか移動した控え室の椅子に溶けているエイミィ。

もし相手が深雪に当たってくれれば……いや、何もできずにやられるだけか。

雫でも微妙かもしれない。

実力が拮抗してるという意味では、かなりいい試合だったのかも?

そんなことを考えていると、エイミィがぽつりとつぶやいた。

 

「真昼はさ、強いよね」

「そうですね」

「やっぱり特訓とかしてるの?」

「ええ。たまに四葉本家で実戦形式で訓練をしていますよ。十文字先輩と引き分けた時は週末ずっと訓練でした」

「そっかぁ……家の名前ってさ、大変だよね」

 

俯いているエイミィの顔は見えない。

けれど、見ても私にはわからない気がした。

 

「人は生まれ育った視点でしか世界を見れません。魔法師でない人が魔法を直接見れないように、人は他の人を完全に理解することはできませんよ。私には私の、エイミィにはエイミィの苦労も幸せもあるのですから」

「そうだね…」

 

それだけ言うと、エイミィは力尽きたようでスヤスヤと寝始めた。

…エイミィはゴールディ家の次期当主候補だし、雫は北山家の令嬢。

深雪は言わずもがなだし、他の人も多かれ少なかれ家の名前には無頓着ではいられない。

魔法なんてファンタジーなモノを使えるのに、結局悩みは変わらないんだね。

きっと森の奥で静かに暮らせる魔女に憧れる魔法師は多いんじゃないかな。

せめて学生の間くらいは自由に楽しく過ごしたいよね…

 

「真昼、エイミィは…」

「今寝てしまいました。少ししたら『カプセル』に運びますよ」

「頼む……決勝は無理だろうな」

「そうですね。雫や深雪は勝ち進めるでしょうから、棄権で問題ないでしょう」

 

達也が『精霊の眼』でエイミィの状態を確認する。

他の人はともかく、あの二人の相手は万全の状態でも厳しいと思う。

となると、やっぱり最後は雫と深雪の対決か。

 

「真昼は雫を応援していたな」

「その方が深雪のためにもなりますよ。たまには負けることも必要です」

「それは真昼で十分だと思っていたが」

「格下でも油断したら負ける、という経験は必要だということですよ」

 

それに、現時点ならそこまで実力差があるとは思っていない。

…いやまあ、確かに実力差はあるんだけど、私と他の一般選手みたいにどうやっても勝てないほどの絶望的な差はない。

深雪はけっこう得意不得意がはっきりしてるし、魔法コントロールが甘いという弱点もある。

予想外の一手を打って動揺を誘えば、勝てる可能性は十二分にある。

そのための準備はしてきたし、練習にも付き合った。

あとは本番で上手くできるかどうか…

がんばれ! 雫!




エイミィの試合でした。
エイミィ的には決勝前に力尽きて無念で、ちょっとだけ真昼に弱音を吐きました。
まあ倒れるまで全力出したので仕方ないね…

次こそは強化雫サンの試合になります。
打倒! 深雪!
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