四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「……‼︎」
はっ⁉︎
えっ⁉︎ ここどこ⁉︎ 部屋?
試合は? 試合はどうなったの⁉︎
『落ち着きなさい。試合は私が代わりに進めて勝ったわ』
あっ……
ありがとうございます! 深夜様!
『でも、確実に先生にはバレたと思うわ。必ず接触してくるでしょうね』
あー……そうだよね、老師なら深夜様の癖とかに気づくよね。
でも、九島家との繋がりは欲しいし結果オーライかな。
どちらにせよ、光宣とは接触する予定だったし。
『? 老師のお孫さんがどうかしたの?』
ああ、そういえば深夜様には伝えてなかったんだっけ。
私は、光宣が老師を越えるために実の兄妹間で作られた調整体魔法師であること。
そのためか、想子体が不安定で病弱であることを伝えた。
『……そう、九島も大変なのね』
ところで、どんな感じに戦ったの?
『それほど変わってないわよ? ただバレないように精神干渉系魔法を使っただけで』
それはすごく変わったところだと思うけど⁉︎
『貴女もバレないように複数の魔法を使ってたじゃない』
それはそうだけど、精神干渉魔法はレギュレーションが怪しいから使わなかったの!
『大丈夫よ。それなりに強く使ったのは『ダイレクト・ペイン』ぐらいで、他は幻術を強化したり、判断力を低下させるぐらいの補助的な使い方しかしてないから、先生ぐらいしかわからなかったはずよ』
そ、そう…?
まあ、深夜様がそういうなら信じるけど。
というか、今何時?
そう思ってベッドから起き上がると、隣に深雪が寝ていたのに気づいた。
……待って? 確かに同じ部屋だけど、ベッドは別のはずでしょ?
そう思って時計を見ると日付は一日進んでいて、お昼過ぎを指していた。
だとすると、深雪はすでにミラージ本戦の予選を終えているはず。
その場にいるはずの人を探して意識を集中させると、深雪の側に座っている達也の気配がはっきりとしてきた。
「達也さん」
「起きたか。体調は問題ないようだな。深雪が食事を準備していたが、食べられそうか?」
「はい、大丈夫です。食事は……着替えてからでいいですか?」
「ああ。準備しておく」
手早く寝巻きから着替えると、おいしそうなお粥を達也が温め直してくれていた。
それをゆっくり食べながら、試合が終わってからのことを聞くことに。
「あの後、真昼は深雪と一緒に部屋に戻ったんだ。それからはシャワーと着替えを済ませてすぐに寝たと聞いている。今までずっと眠っていたから深雪がかなり心配していた」
「そうですか…」
「今は真昼の意識が出ているんだな。試合中に意識が切り替わった時はどうなるかと思ったが」
「それは……すみませんでした。おそらく老師にはバレてしまったかと思いますが、後で話をしますので問題ないと思います」
「切り替わる一瞬、魔法力が増えたように感じたがアレはなんだ?」
すこし鋭い目で問い詰める達也。
たぶん私が気絶して深夜様がコントロールを取る間に、私の元の人格というか…自己保存本能? みたいなのが暴走して
それを深夜様が抑えてくれたんだろうなぁ…
……うわ、今『観て』みたらまだ練習中の奥義も使おうとしてたじゃん。
深夜様止めてくれてありがとう!
「私は普段、必要十分な魔法力になるように意識的にリミッターをつけています。これは『誓約』のようなものではないですが、魔法の暴走を抑えるという意味では同じです。そのリミッターが意識の消失で外れてしまったのだと思います」
「では、アレが本当の魔法力ということか?」
「いえ、本来の魔法力以上に力を引き出そうとしていたので、通常の限界以上の力が出ていたのだと思います。それをすぐに制限したので、魔法力が上がった後に一気に下がったのかと」
「そうか…」
実際、深夜様が使える魔法力って私ほど大きくないんだよね。
正確には、コントロールしきれる魔法力の大きさ?
元々深夜様が持ってた魔法力より、今の私の魔法力の方がすごく大きい。
だから深夜様が自分だけの力で私の身体でちゃんと魔法を使うと、普段の私より出力される魔法力は小さくなる。
暴走していつも以上に魔法力が増加して、そこから深夜様レベルに減少したから不可解な変化になったんだろうね。
「なにか後遺症のようなものはないんだな?」
「はい。強いて言えば、『術式解体』で想子を大量に消耗したくらいでしょうか」
「わかった。
「いえ、関係者席で見ます。そこなら一般席ほどは疲れないでしょうから」
「無理はするな。深雪が心配するからな」
「ありがとうございます」
食べ終わった食器を片付けてもらって、軽く身体を伸ばす。
うーん、やっぱり魔法をたくさん使ったのと想子を大量消費したからちょっとだるい。
でも深雪の応援はしたいな。
あ、その前に一応真夜様に連絡した方がいいかな?
時間はあるし、老師のこともあるしね。
そう考えて、ホテルの防音ルームを借りる。
もちろん通信自体は空間魔法を使って防諜には気をつけているよ!
『真昼様、もうお身体はよろしいのですか?』
「葉山さん。先程起きて食事を頂いたところです。お母様に試合のことでお話ししたいのですが、時間はありますか?」
『ええ、連絡が来たらすぐに取り次ぐよう申し付けられております』
……あれ? 思ったより大事になってる?
首を傾げていると、すぐに接続先が切り替わって真夜様が映った。
その顔には、うっすらとだが安堵が浮かんでいるように見える。
『真昼さん。大丈夫でしたか?』
「はい、心配をおかけしてすみません」
『無事ならそれでいいのよ。時間はあるのかしら?』
「深雪の試合は夜ですので」
『そう、ならこちらにいらっしゃい』
……? どういうこと?
確かに空間魔法で繋げているから簡単に行けるけど、今までそんなリスクを犯したことはない。
でも真夜様も手招きしているし、行くしかないかな。
スクリーン先の段差に躓かないように注意して降りると、次の瞬間には目の前がワインレッドで覆われた。
「…お母様?」
「はぁ……本当に無事だったのね」
ぎゅっ、とその豪奢なドレスの中に抱きしめられる。
優しくもしっかりと私を離さない真夜様の手は、空気弾が着弾した箇所を念入りに確認していた。
「……ごめんなさいね。ちゃんと確かめたかったの」
「いえ……私自身は気絶してしまったのも確かなので」
「やっぱり、最後は姉さんが戦っていたのね」
「わかりますか?」
「当たり前でしょう? 先生もわかったと思うわ」
そんなにわかりやすいのか…
まあでも、双子とその師匠しかわからないならまだいい…かな?
「先生にはどう話すつもり?」
「あまり嘘偽りが通じるとも思えませんから、伝えられることは伝えるつもりです。深夜様の精神があること、『精神構造干渉』が使えることは伝える必要があるかと思います」
「そうねぇ……お孫さんのこともあるし、それで先生と協力関係を築けるならいいと思うわ。他のことは話すつもりはないのでしょう?」
「はい。老師とはいえ、全て正直に話す義務はありませんから」
「それでいいわ。先生の対応は任せます。報告も大会後でいいわ」
その後、しばらく真夜様に人形のように抱きしめられて、ようやく解放された。
ホテルに帰ったら帰ったで、目を覚ました深雪に涙交じりに抱きしめられたし、思ったより皆に心配をさせてしまったようだ。
……もしかして、みんなもこのくらい心配してて行ったら大変なことになるのかな?
この後のことが不安になりつつ、とりあえず今は深雪を落ち着かせるために、達也にヘルプを送った。
真昼さん、起きて早々みんなに安否を確認されています。
まあ防御が間に合ったとはいえ、試合後すぐに寝込んでいましたからねぇ…
次はミラージバット本戦決勝と老師との会話…までいけるかなぁ…