四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
なお、私は修学旅行で奈良公園の鹿に群狼戦術で鹿せんべいを奪われました()
寒冷化後でも奈良の鹿は煎餅を奪い取りに襲い来るのだろうか?
九校戦終了後。
学校の課題は選手に選ばれた時点で無いものの、一週間以上放置していた研究所の仕事はかなり溜まっていた。
大体は確認だけの形式的なものだけど、研究の進行度や事故防止策、備品購入など確認しないといけないことは山ほどある。
それをなんとか時間加速でこなして死んだように眠ってを繰り返して数日。
九島家の都合も聞いて日程を決め、2泊3日で奈良へと向かった。
「初めまして、四葉真昼さん。藤林響子です」
「お出迎えありがとうございます。よろしくおねがいします」
駅まで迎えにきてくれた響子さんに挨拶して、九島家へ向かう。
大きな庭を通り過ぎて玄関に着くと、使用人が待っていた。
「四葉さま、お待ちしておりました。お荷物はすでに運んであります。お食事の用意が出来ていますので、どうぞこちらに」
「お言葉に甘えさせていただきます」
2090年代の配送技術はかなり無人化と効率化が進んでいて、ホームヘルパーのシステムと合わせれば旅行の荷造りや移動は相当楽になっている。
それに加えて、私はお手伝いさんがいつも居るからほとんど手ぶらで行動できる。
今回もそれらをフル活用して、私自身は身軽になって来たわけだ。
まあそろそろ護衛は付けた方が良さそうだけど…
「よく来てくれた。座ってくれたまえ」
「は、初めまして! 九島光宣です!」
「初めまして、四葉真昼です。ぜひ私のことは名前でお呼びください。私も、響子さんと光宣さんと呼ばせていただきますので」
「で、では、真昼さん…と」
「はい。よろしくおねがいします」
ぺこり、と頭を下げると、光宣も慌てて深々と頭を下げていた。
知ってはいたけど、本当に美少年だね…
確かにこれは、深雪の男の子版と言っても過言じゃない。
そんな彼は彼で緊張しているのか、どこかぎこちなく食事をしていた。
「それにしても、九校戦はすごかったわね。モノリスコードに出たのは驚いたけど」
「一高チームの決定でしたからね。結果として魔法力を示すことが出来たのはよかったと思います」
「本当にすごかったです! ただ単に強力な魔法というだけではなく、その裏に次の攻撃を控えさせるところや、同時多数の展開は何度も見返して参考にしています!」
「アイスピラーズブレイクでは純粋な力押しをしていたが、なにか戦法を変えるようなきっかけでもあったのかね」
老師の言葉に、図星を突かれて言葉に詰まる。
うん、まあ……深雪が『氷炎地獄』とか『ニブルヘイム』とか飛行魔法とか使うから、より派手にしないといけなかったんだよ。
「新人戦で深雪が高難易度魔法で圧勝しましたから、こちらも派手に見せないと色々と困りますし……十師族が一般生徒より地味に見えるのはよくありませんから」
「ふ……そうか、確かに
老師はくっくっく…と含み笑いをしながらそう言った。
裏事情を知ってればまあそんな反応になるよね。
一方で、この短時間で多少打ち解けた響子さんは呆れ気味だ。
「はあ……そんなこと考えてたのね。一条の御曹司相手に苦戦していたのもわざとなの?」
「いえ、あれは本当に攻めあぐねていました。レギュレーション内で無力化するのが、連携不足でうまくいかなくて…」
「そうだったんですか⁉︎ そんな風には見えませんでしたけど…」
「達也さんと幹比古さんはともかく、私は二人と一緒に運動や訓練をしたことはありませんし、あんなに激しい戦闘で息を合わせるのは厳しかったです」
ついでに言うと、幹比古に自信をつけてもらいたかったからというのもある。
私一人で殲滅したら、復活しないままになっちゃうからね!
それについては真夜様に説明して、なんとか納得してもらったよ。
だから春みたいな特訓はナシ! 助かった…
その後も雑談をしながら食事を終えると、本題に入る。
まずは私が『精霊の眼』で光宣の今の状態を確認する。
「では光宣さん、手を出してください」
「う、うん。よろしくお願いします」
あまり外に出られないからか、達也などに比べると柔らかいその手を握る。
ほんのり顔を赤くしている光宣には悪いけど、『照魔鏡』も時間加速も使わない素の私の力だと、こうして情報的に近くないと細かく観測するのは疲れてしまう。
数分間じっとそのまま観ると、想子体の状態が把握できた。
やっぱり、活性度が強度に対して高い。
例えていうなら、深雪の暴走みたいな感じ?
コントロールにない魔法力が意図せずに効果を発揮していて、それがたまに身体に害を与えてる。
「どうですか…?」
「想子の活性度が身体の強度に対して高いですね。根本的には仙術系の修行で想子体の強化とコントロールを習得する必要がありますが、応急処置としてはリミッターをつけましょう。ひとまず今日は私が魔法をかけますが、明日中には調整した専用CADで光宣さんが任意に外せるようにしようと思います」
「それで治るんですか⁉︎」
「日常的な不調と、緊急時の魔法力の解放は両立できると思います。それで健康な時間を作って、ゆっくり体質を改善していきましょう。その方針で進めたいと思いますが、よろしいですか?」
老師にも確認すると、純粋に孫の健康を喜ぶ祖父の笑顔で頷いてくれた。
術式は私の観測結果を元に深夜様が『誓約』を改変したものを作ったので、それを光宣にかける。
とはいっても、そんなにすぐに実感できるものでもないんだけどね。
精神構造干渉は、あんまりやりすぎると拒絶反応が起きるし、まずは少しづつ変えていく。
「ありがとうございます! 本当にありがとうございます‼︎」
「まだ始まったばかりですから。これから身体を鍛えていくのは光宣さん自身のがんばりが大事ですよ」
「はい! がんばります!」
「よかったわね、光宣くん」
感激する光宣の様子に、苦笑しつつも目が潤んでいる響子さん。
まだまだこれからだけど、身体を鍛えることすらできなかった今までに比べたら進歩したのかな?
それなりの頻度で様子を見る必要はあるけど、この様子なら訓練をサボったりしないだろうから数年でかなり改善するかも?
さて、明日は様子を見ながら観光でもしようかな!
光宣くんの治療始まる。
いまいち光宣くんの身長がわからないんですけど、アニメや挿絵を見る限りだと達也と同じくらいに見えるので、175~180cmくらいなのでしょうか…
次回は奈良か大阪か京都の観光デート回になる…か?
奈良公園だと鹿に襲われる真昼さんになってしまうのでしょうか…
あの鹿たち怖い……お辞儀という名の頭突きしてくる……怖い…