四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎   作:例示

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あんまり正式な書類を書かない真昼さん。
だって相手がテロ組織がほとんどなので…
今回は達也視点です!


招待状の正式な書体を私はまだ知らない

 

『拝啓

残暑の候、皆様におかれましてはご健勝のことと思います。

この度、相模野魔法研究所にて例年通り研究発表会を八月最終週に取り行います。

本来、期間中は入口にて身分証提示と経歴調査を行っておりますが、知己の皆様には許可証を同封致しました。

掲示していただければ、簡易調査のみで入所できます。

ご都合がよろしければ、ぜひご見学ください

相模野魔法研究所 所長 筑城真昼

               敬具』

 

そんな手紙が届いたのは、九校戦から1週間ほど経った頃だった。

今どき古風な手紙だが、こういったセキュリティカードを送る用途としては使われないこともない。

それでもオンラインのワンタイムコードを送る方が一般的だが、高セキュリティを示すためには有効なのも確かだ。

そして、差出人の名義。

わざわざ研究所のビジネスネームである『筑城』を使うということは、四葉家からの招待ではないと強調したいのだろう。

そして、手紙が届いたとほぼ同じタイミングで真昼から連絡が来た。

会話する時間はあるのでまたこちらに来てもらい、コーヒーを飲みながら詳細を訪ねる。

 

「それで、なにが目的だ?」

「この手紙自体は特に意味はありません。知り合い全員に送っていますからね。目的はこの会話自体と、達也さんを確実に研究所に招待することです」

「お兄様になにか…?」

「まず、大会中に起きた魔法力の増減についての詳細です。説明が難しいので実演した方が早いのですが、それなりの設備が必要なのでこちらに来てもらった方が早いです。もう一つは、それが達也さんの助けになると思いまして」

「どういうことだ?」

 

俺の言葉に、真昼は少し間を置いてそれを告げた。

 

「……レリックを視たくないですか?」

「……持っているのか」

「ええ、ここで詳細は話せませんが、複数保有しています」

 

真昼の表情、気配からは嘘はついていないようだ。

もし複数のレリックがあるのなら、確かにそれは足を運ぶ価値がある。

 

「そんな貴重なものを、なぜ民間の研究所が持っているの?」

「……ちょっと口外できない事情があって。一言で言えば、戦後の国営研究所解体の際に追放された研究員の受け皿だった、ということ」

 

深雪の質問に、言葉を選びながら話す真昼だが事情はなんとなくわかった。

おそらく非合法の魔法研究や裏取引などで集めたものなのだろう。

 

「発表会は一週間やってるので、都合のいい日に来てください」

「わかった。都合がつき次第行かせてもらう」

「そうなると、雫のお誘いはどうするの? 忙しいなら断っても…」

「そっちは大丈夫。私は責任者なだけで特にやることはないし、仕事を片付けて行く予定だよ」

 

その言葉に、深雪が喜んでいるのがわかる。

行くメンバーの中に真昼を怖がるようなのはいないし、純粋に楽しみにしているのだろう。

 

「そういえば、先日九重寺に向かいました」

「古式魔法の研究関連か?」

「はい。九島の解析をしていた時に『仮装行列』の術式を取得してしまったので、その報告と口外無用の約束のために」

「俺たちの話は出たか?」

「いえ、あくまで研究所所長として向かいましたから」

「取引として何を出した?」

「各時代の『仮装行列』関連術式の調査結果と、その保管用魔法具ですね」

「保管用魔法具というのは聞いたことがないが、保管用術式を刻印術式にしたもの…というわけではないんだな?」

「はい。微弱な作用を継続的に発揮する魔法式を固定したモノで、半レリックとでも言いましょうか……こちらが同様のものになります」

 

虚空から弁当箱ほどの大きさの漆塗の箱を取り出した真昼は、それを俺たちの前に差し出した。

見た目は蒔絵細工の見事な工芸品だが、『精霊の眼』で視ると『静止』の概念を纏っているのがわかる。

現代魔法の分類で近いのは『減速領域』だろうか。

これによって、内部の劣化を遅らせるようだ。

しかしこの魔法の干渉力は真昼から出てはいない。

見たままの現象としては、蒔絵の紋様から干渉力が染み出している。

……これが魔法式を固定するということか?

 

「これは研究所で作れるのか」

「手間と時間はかかりますが。現在は量産化と用途を研究中です」

 

真昼はかなりレリックについての研究を進めているようだ。

そして、それが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

わかってはいるが、こちらの手の内が全て読まれている相手というのはやりづらい。

これが純粋な敵なら倒せばいいが、真昼は味方だ。

敵になれば恐ろしい相手を、味方に留めておく方法。

四葉では習わなかったそんな方法を、俺は今必死で探していた。

 

「それから、またCAD調整をお願いしていいですか?」

「九校戦前に行ったから期間的には妥当だが、何かあったのか?」

「九島家に行ってきましたので、しばらくは放出系を重点的に扱っていこうかと思いまして。それから『能動空中機雷』も研究所で起動式を改変してきましたので、達也さんのOKが出ればこちらも入れて使おうかと」

「それならまずは術式の確認からだな」

 

データカードから、改変版の『能動空中機雷』の術式を確認する。

いくつか冗長な部分があったので最適化し、着替え終わった真昼のデータを元に調整する。

 

「真昼、ちゃんと休息はとっているのか?」

「時間加速で好きなだけ取っていますよ。そのせいで私だけ夏休みの期間が倍になってますから」

「……大変なのね」

 

ガウンを羽織った真昼を、抱きしめて頭を撫でる深雪。

普段無反応な真昼が力を抜いて身体を任せているところからも、よほどの激務なのだろう。

もしかしたらメンタル的なものなのかもしれないが。

 

「もう少ししたら手伝っている研究員もまともになると思うので、それまでですね。今度のバカンスにも連れて行きたいと思っています」

「研究員をですか?」

「私の一つ上と二つ上の男女ですから。あんなところの生まれ育ちなので情緒教育ができてなくて、可能ならエリカやレオあたりに影響を受けてほしいんですよ」

「雫がいいなら大丈夫だと思うが」

「何かあった時はフォローをお願いします」

 

それを言った真昼の顔は、今までで一番困り果てた顔だった。




レリックでお兄様を釣り出す真昼さんでした。
お兄様と真昼のスケジュールは地獄ですね…
お兄様も警戒しつつ友好を保とうとしてますが、真昼さんもミスって変に疑われないようにヒヤヒヤです。
深雪さんは最近ようやくガリガリから脱却したのに、他は元に戻らないかと心配でいっぱいです…
夏の家の話どうしよう…書くことないぞ…
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