四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
九月はまだ夏休みなんだ!
そんなわけで生徒会選挙編、スタート!
とうとう始まってしまった新学期。
全然休んだ気がしないし、体感半年ぐらい仕事してた気がする夏休みを越えて今日から授業が始まる。
でも授業中は時間加速しないだけ楽な気がするのは、もう何か毒されてるね…
「真昼、招待状ありがとう。見に行ったよ」
「駅前すごかったね! お祭りみたいだった!」
「雫、ほのか。ありがとうございます。地元住民との関係は大事なので気を遣っているんですよ」
二人の話だと、どうやらエイミィやスバルも加えた複数人で見て回ったらしい。
やっぱり半分くらいは駅前の祭りが楽しかったみたいだけど、研究所に入ったことのなかった雫以外の人は街並みも新鮮だったようで観光として楽しめたみたい。
「雫は前に入ったことあったんだよね」
「うん。『フォノンメーザー』の練習で。あの時は山の上の射撃場を使ったけど」
「え⁉︎ そこ侵入禁止だったじゃない! いいなぁ」
「迷ったら警備に捕まるような場所ですから、下の街の方が気楽でいいですよ。上は普通の研究所ですし」
「そんなことはないよ。最新って感じだった」
雫が心なしか興奮して話しているけど、まあ最新なのは違いない。
理由は、公開できない研究所の暗部の成果を誤魔化すために積極的に投資しているからだけど。
でもそれで研究員の福利厚生に繋がってれば結果的にはいいかな。
「研究内容もすごかったよ! 特にあの魔法陣で金属球を飛ばしてオーロラにする発表! あんなに大人数で魔法って連携して使えるんだね」
「どうしても基礎研究は地味なので、なるべく派手に見えるものを選ばせました。あの魔法は魔法陣とCADで魔法の工程を区切ってどれだけ魔法を分担して発動できるかの研究なので、実は複雑な魔法の方が簡単なんですよ。工程数の少ない単純な魔法だと分割数が少なくなりますから」
ほのかは素直に楽しんでくれたみたいでいいね…
将来的にうちの研究所に入ってくれないかな。
研究員としても研究対象としても大事にするよ?
エレメンツで実力者はそれなりに貴重だからね。
「そういえば、月末には選挙があるけど。真昼は立候補しないの?」
唐突な雫の話題転換だけど、学校的にはそちらの方が注目されているのも確か。
「私は出ませんよ。普通に中条先輩が次の会長になるのでは?」
「そうなの? 噂だと真昼が会長に推されてるって…」
どんな噂?
いや、確かにちょっとそう思うのもわからなくはないけど、よく考えて?
「私は二年生から部活連に入ろうと思っているので、生徒会長にはなりませんよ?」
「えっ⁉︎ そうなの⁉︎」
「どうして?」
「逆に、どうして私が生徒会長になると思ったんですか?」
「…校内一の実力者だから?」
「十文字先輩は会頭ですよ」
「でも、七草先輩も実力者」
まだよくわかっていない様子の雫とほのか。
聞き耳を立てているクラスメイトもあまりピンと来ていないようだけど、実際になってみた時のことを考えればわかるはず。
「私が生徒会長になったとして、誰が私のミスを指摘できると思います?」
「ああ……」
「それは……深雪、とか…?」
「なら深雪に生徒会長をやってもらって、私が会頭として補助する方が権力分立の面でも健全です。私の恐怖独裁より、その方が確実に良いでしょう」
そこまで話してようやく理解できたのか、周囲のクラスメイトもほっとした雰囲気になる。
深雪は深雪で恐怖独裁の面がなくはないんだけど、平等を謳う深雪と実力主義(と思われてる)の私が制度上対立する役職にいれば、どちらの派閥の生徒も安心できる。
そう思っていたのだけど、どうも校内的にはそうでもないらしい。
「真昼さん、生徒会選挙に出てくれない?」
「…………」
放課後。
七草先輩に呼ばれて行った面談室で、そんな提案をされた。
そんなに会長が嫌なのか……中条先輩…
「順序で言えば、中条先輩が適任では?」
「あーちゃんがどうしてもやりたくないって言うから……真昼さんなら、できると思うわ」
「可能かどうかでいえばそうですが、確実に恐怖独裁になりますよ。それでいいんですか?」
「それは……」
やっぱり、そこまで考えてはいなかったようだ。
私の考える校内秩序についても話すと、納得はしてくれたものの結局次の会長候補の問題は解決してないことに悩んでいた。
中条先輩でもなんだかんだでうまくやれることは知っているけど、自信だけは本人がどうにかしないといけないからね。
「とりあえず深雪さんにも話してみるわ。ありがとう」
「いえ。お力になれずすみません」
これであーちゃん圧迫面談が決定か……
うん、がんばれ!
私もなにかご褒美を用意しておこうかな……そうだ! クローン感応石とかいいんじゃない?
あれ相当性能アップするし!
『絶対にやめなさい。下手したら非道さにびっくりして倒れるわよ』
……ええ…そんなに?
達也はわりと普通だったよ?
『深雪はかなりショックを受けてたわよ』
ホントに⁉︎
じゃあダメだね……他は何がいいかな…
『普通に研究中のデバイスでいいじゃない。疑似キャストジャミングのデバイスならできているのでしょう?』
ああ、そういえばあったね。
想子照射のところは既存のCADシステムを並列に繋げばいいから簡単だったけど、肝心の相手の魔法の観測が難しすぎて挫折したやつ。
知覚系魔法を仕込むとか、想子波を逆探知して自動で術式を選定するとか色々やったけど、どれもあんまり有効じゃなかったんだよね。
結局、今発動中の魔法を見てから無効化するか、最初から相手の魔法がわかってる状態で無効化するかの二択になるから、実用性がなさすぎて完成後放置されてた。
でもあんなのでいいの?
『実用性はなくても、デバイスとしてはかなり変わっているものなのは確かでしょう? なら興味は引けるはずよ。それに実用性がないということは、仮に盗まれても悪用されないということじゃない』
うーん、そうかなぁ…
まあとりあえず倉庫から引っ張り出して、ちゃんと綺麗な形にしてから渡そう。
ダメだったら研究所で調整体が使ってるウェアラブルCADにしようかな。
一日中魔法を使い続けても問題ないやつ。
中の術式を空にすれば大丈夫でしょ。
さて、喜んでもらえるかなー。
久々の登場、疑似キャストジャミング。
お兄様の眼がなければ実用は無理でした…
というかお兄様も九校戦後は『術式解体』使ってますしね。
なので堂々と『失敗作』として説明して渡すつもりです。
なおデバイスオタク的には、限定発売どころか試作のみの幻のデバイスというプレミアつきまくりの逸品。
たぶん大切にしてくれると思います。