四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
研究所で少々デバイスの手直しをすること数日。
見た目だけは最新式になったそれを持っていくと、昼休みにすぐ見つかった。
「真昼さん! そのデバイスは何ですか? 今まで使ってなかったですよね⁉︎」
「これは特殊用途のCADですので……見ますか?」
「良いんですか⁉︎」
見た目は腕に巻く形式のCADが同じバンドに二つついているだけ。
少し縦長だけど、それもそこまで長いわけではない。
非接触型として使うことが前提なのであまりボタンは大きくない。
そんなCADでも、中条先輩は興味津々で見ていた。
「これは……シルバーモデルの照準部分を連結したデバイスですか? でも起動式の読み込み機能がありませんよ?」
「達也さんがCADを二つ使って面白い使い方をしていましたから、専用品として作ってみたんです。ただ想定通りの性能は出なくて、失敗作になってしまったのですが」
「? どういうことですか?」
「それに想子を流してみてください。術式は加重系で」
言われた通りにする中条先輩の前で、加重系魔法をCADから読み込む。
想子波同士が干渉し、起動式がエラーで破棄された。
「えっ⁉︎」
「原理としてはCAD同士の干渉です。それを意図的に起こして相手の魔法を妨害するデバイスとして作動します」
「すごいじゃないですか‼︎ なんで失敗作なんですか?」
「相手の魔法をどうやって発動前に解析するんですか? 常駐型の魔法ならともかく、大多数の魔法ではこのデバイスで魔法を無力化する前に魔法が完成してしまいます。妨害するのはあくまで起動式ですから、魔法式として出力済みの魔法には干渉できません。その観測を汎用化できなかったので、一般に使用するデバイスとしては失敗作です」
「そう、ですか……」
しょぼん、と落ち込む先輩。
……やっぱり失敗作よりちゃんとしたものの方が…
「でもすごいデバイスですよ! これ!」
「え…?」
「今までの特化型や武装一体型CADでも、無系統に特化したデバイスというのはありませんでした! これには想子波を照射するための専用回路や、指向性を高めるためのアンテナが組み込まれていますよね? 今まで非接触型の感度を高める、いわば受信機として使用していた想子アンテナを発信機として使っているのも画期的ですが、このベルトも腕だけでなく、特化型の銃身にもつけられるようになっていますよね⁉︎ その際の共振角度の調整も自動で補正されていますし、指向性が高い分他の自分のCADへの干渉波の影響は抑えられています。また、起動式を外部に出力するだけで読み込まない構造は、並行して魔法を使用する際に影響が出ないようになっています! 確かに使用状況が限定されるのは問題かもしれませんが、それを差し引いても技術的価値の高いデバイスだと思います!」
長い長い!
そして熱く語りすぎ!
そ、そんなに褒められるとは思ってなかったよ…
「…その、よろしければそのデバイスは差し上げますが…」
「えっ⁉︎ いいんですか‼︎ 本当に⁉︎」
「ええ、生徒会長になっていただくお祝いとしてなにか贈ろうと思っていましたし、それは研究所にあっても使いませんから……そんなものでよろしければ」
「本当にいいんですか⁉︎ ありがとうございます‼︎ 大事にします!」
めちゃくちゃ喜んでくれたよ……
え? 本当にあんな失敗作でいいの?
実用性なら、確実にウェアラブルCADの方だと思ったのに…
ま、まあ喜んでくれたならいいよ。うん…
「よかったわね、あーちゃん」
「はい! 会長選挙もがんばります!」
メラメラとやる気の炎を出す中条先輩。
一方で、市原先輩は私の言葉に少し引っかかっているようだ。
「もしかして、本命の何かがあったのではありませんか?」
「真昼さん、そうなの?」
「ええまあ……一応研究所で使っている他のCADも持ってきたのですが…」
「そうなんですか⁉︎」
見たい! というキラキラ顔を向けてくる中条先輩。
小さなケースを開けると、中にはくるくると小さく巻かれている幅五センチぐらいのカチューシャがあった。
「これがCADなんですか?」
「ずっと身につけていても負担にならないことを目的に作られたCADです。これはカチューシャ型ですね。重さも通常のカチューシャと同じくらいに抑えています」
軽く伸ばして自分の頭に着けると、ぴたりと頭の形にフィットする。
形状記憶合金で柔らかいから最初はちょっとだけ変な感じがするけど、慣れれば軽いし楽だ。
「こんな形状なので非接触型ですが、他は通常のCADと同じですよ。バッテリーも同等以上には長持ちします」
「あんまりCADには見えないわね…」
「つけてみてもいいですか?」
「どうぞ」
中条先輩にもつけてもらうと、なんかすごいかわいくなってしまった。
うーん、これはちょっと別の方向でダメかも。
でもなぁ……チョーカー型だともっと犯罪的になっちゃうし…
「かわいいし、こっちの方がいいんじゃない?」
「どういうことですか⁉︎」
「充電も調整も完全に非接触なんですね。ファッションセンスが問われますが、これはこれでありだと思います」
「私は前のデバイスの方が気にいったのでそちらがいいですよ?」
そっかぁ…
反応が普通だったウェアラブルCADをしまって、席に戻る。
すると横から視線を感じた。
(後で一つ貸してくれないか)
アイコンタクトではっきりと送られる意思。
…達也もかぁ……
デバイスオタク、語る!
すごい早口で話してそう(小並感
カチューシャあーちゃんもかわいいと思う。
ちなみに真昼バージョンで出力したらドレスもついてきたのでついでにお出しします。
【挿絵表示】
ちなみにウェアラブルCADは調整体に常時神経刺激の魔法を使わせるために開発されました。
真昼時代は直接頭に穴を開けていましたが、その後魔法でも同じように刺激可能になったので、行動に不自由のない常時着用型のCADが同時開発されました。
今は精神構造干渉も合わせて経過観察中です。