四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「よくもまあここまで欺けたものね。最後に言い残す言葉はあるかしら?」
「……」
やばい。
思い出した記憶に押し潰されて数日寝込み、ようやく歩ける程度に回復した。
私の示した『性能』に満足した両親は、気が緩んだのか私を連れて横浜へ向かうことにした。
魔法協会で師族会議を招集し、大々的に発表する計画を嬉々として話していたのを覚えている。
けれど出発当日、目的地手前で乗っているコミューターが緊急停止し、正面からフラッシュバンを投げ込まれた。
混乱している間に気絶させられ、気づいたらまったく別の場所。
目の前には目が笑っていない真夜さま。
周辺は四葉の戦闘員で逃げる隙間もない。
そもそもここは四葉本家で、すでに『流星群』が待機状態でこちらを狙っている。
何をするにも私の身体が穴あきチーズになる方が早いだろう。
「いいわよ? 最期の言葉だもの。貴女の親みたいにすぐに殺したりしないわ。考える時間くらいあげるわよ」
…ああ、あの親はやっぱり殺されたのか。
死ぬことは怖くはない。
というより、そんなことは研究で文字通り死ぬほどやっていた。
だけど、ここで道を間違えれば実験動物として飼われることになる。
それは嫌だ。
なんとかしてせめて中立ぐらいの立ち位置にしたい。
『ならこう言うといいわよ』
頭の中に不意に深夜様の言葉が響く。
他に選択肢もないまま、どうにでもなれと私はその言葉を口にした。
「…真夜、達也のことをお願いね」
「っ⁉︎」
効果は劇的だった。
絶句する真夜様と葉山さん。
他にも何人か顔色を変えた人がいる。
たぶん深夜様の最期の言葉なんだろう。
「『真夜、私は達也に人の心を戻したいのよ。畏怖の力の象徴なら私がいるわ。だから…』」
「貴様、これ以上喋るな!」
深夜様の言葉を話す私を魔法の幻痛で黙らせる男。
…黒羽貢か、深夜様とも親しかったし当然かもしれない。
「……当主様、此奴の尋問と処分はお任せを。必ず情報源を吐かせてみせます」
「いいえ、必要ないわ。姉さんがいるのでしょう? 精神体として」
「『ええ、私もまた騙されたの。貴女と一緒ね』」
「当主様! こんな奴の言葉を信じるのですか!」
「私だからわかるのよ。ここに姉さんが宿っている。その力もね」
「『あら、そこまでわかるのね』」
…双子ってすごいな。そんなことも感じ取れるのか。
その後、適当な実験体に対して深夜様の力を使い、更に真夜様の『流星群』まで再現したことから、四葉内でも私の存在はどうにか認められた。
私は真夜様の養子となり、魔法科高校への入学が決められた。
…え? 両親がやっていた研究所は引き継げ?
あの、相当マッドなことやってましたが……あ、はい。四葉が支援する。
そうですか……
2095年3月1日
この日、臨時師族会議にて四葉家から報告があった。
内容は分家の子供を本家の養子とするというもので、名前は四葉真昼。
4月から国立魔法大学付属第一高校に入学するとのこと。
この知らせに、日本だけでなく世界中の魔法界が騒然とした。
謎に包まれた一族の一員が公表されたのだ。
そうして、世間の注目を集めに集めた状態で、物語は幕を開ける…
あっさり捕えられてますが、スペック的には主人公は襲撃を軽くあしらえます。
まあ一般人がいきなり最先端の銃を持たされても使いこなせないのと同じで、魔法を使った戦闘の経験がなさ過ぎました。
魔法の練習や訓練は研究所でしていましたが、それはあくまで『魔法を発動するための練習』だったわけで、『魔法を使った戦闘』の訓練は全くと言っていいほどありませんでした。
このあたりが『研究者としての魔法師の頂点』と『兵器としての魔法師の頂点』の違いですね。
というわけで、これから主人公は四葉式戦闘訓練でバリバリ実践訓練を積まされることになります。がんばれ。