四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
「ひえぇ……本当に入部してもらえるんですか⁉︎ ありがとうございます! あっ、どうぞ座ってください! お菓子とお茶もどうぞ! 部長の席はお譲りします! あっ! 仕事は全部私がやるので大丈夫です! あの、なので本当にありがとうございます! その…」
「落ち着いてください。私の聞いたことだけに答えてください」
「はいぃ……」
図書館にある部室に向かうと、めちゃくちゃ恐縮した顔の二年生がうろちょろしながらマシンガントークで話してきた。
たぶん連絡があったんだろうけど、ビビりすぎでしょ…
「あらためて……私が四葉真昼です。よろしくおねがいします」
「は、はいっ! 2-Fの旗見紗羅です! よろしくおねがいします!」
「まず、仕事内容を確認して良いですか? 服部先輩からは、図書館の資料管理と研究と聞いていますが」
「は、はい! その通りです! 今は活動している部員がほぼいないので管理だけですが! 基本的には保管している資料の月ごとの確認と損傷があれば補修依頼をするだけです!」
「他に活動している部員はいないのですか?」
「一つ上の部長がいましたが、四葉さんが入ると聞いて退部しました!」
うーん、これは服部先輩が気にするのもわかる。
というか、この部活廃部にしちゃダメなの?
管理権限返せば良いじゃん。
「部活規定からすると、この部活は廃部の条件を満たしていますが廃部にはならないのですか?」
「い、一応開校当初からある歴史ある部活なので……昔は委員会だったみたいですけど。それから、保管資料の中には昔の研究成果やOB実家の寄贈品があって、色々な『数字付き』の成果が含まれているので学校所有だと問題がある……らしいです」
ああ…そういう……
要するに、資料の独占のために部活の所有ということにして他校や研究施設からの閲覧を制限してるのか。
そうすれば差別化できるしね。
論文コンペに限らず他校と研究を競うことは多いだろうし、そのための言い訳に使う部活ってことね。
部活連が気を使う理由もわかった。
「だいたいわかりました」
「りょ、了解しました! では、四葉さんはそこで休んでいてください! 部長の仕事は私が全部しますので!」
「仕事はしますよ。名ばかりになるつもりはありません」
「でも、本当に大した仕事無いので…」
うん、この娘が先輩に全部投げられた理由分かったわ!
もしかして去年も押しに押されて無理矢理入れられたんじゃ?
まあでも、私としては実績上げないといけないしちょうどいいかもしれない。
「ひとまず資料庫を案内してもらえますか」
「は、はい!」
部室の中にある金庫から鍵束を持ち出す紗羅さん。
その後も緊張しまくる彼女の案内で資料と昔の研究成果を一通り確認して、何度もお辞儀されながら解散した。
そして、次の日から私への勧誘合戦が始まった。
「四葉さん、私たちの『現代魔法研究会』に入部をお願いいたします」
「『古式術式・術具探索部』です! 入部してください!」
「私たち『法機改造部』にぜひ…ぜひ、入部してくださいぃ!」
待とうか君たち。
絶対部費目的だろそれ。
文化系に入部する実力者は少ないからって必死すぎる。
無言で見つめていると、勝手にびびって資料だけ置いて帰ってくれたのは助かったけど。
あとなぜかついでに深雪も勧誘されていた。
それは本当になんで…?
「新歓期間を思い出すね」
「うん……あれは……すごかったね…」
遠い目で何かを思い出している雫とほのか。
文化部だから脅しが効いているけど、これ運動部なら血の気が多すぎて無理だろうなぁ…
「四葉さん、うちの『魔法戦闘部』に入部してくれないか!」
…フラグってやつ?
いやほんと、言っちゃなんだけど私は部活連に入るためだけに部活に入りたいんだよ。
あと戦闘は好きじゃないの。
私含めた研究所の調整体はみんな戦闘用じゃないから!
戦闘用なら四葉襲撃時にもうちょっと戦えたと思うよ?
正直素体の能力に勝る後半製造の調整体組に余裕で勝てるのは、四葉での戦闘経験の有無が大きい。
つまるところ、元々私は大規模・精密型の魔法師だから戦闘向きじゃない。
あと疲れるし…
「すみませんが、もう入る部活は決めていますので」
「兼部してもいいぞ。図書管理部なら時間はあるだろう。家の仕事をしてる奴も多いから時間の都合も配慮する」
押しが…押しが強い……
これどうやって断ろう…
ああもういいや、面倒になってきた。
「お断りします。入部する気はありません」
「どうしてだ? 他に何か要望が…」
「聞こえませんでしたか? お断りしますと言ったのです」
魔法力をちょっと解放して、ついでに想子も意図的に漏らす。
深雪がよくやっている暴走の兆候だけど、私は入学後の一回しか暴走させたことはない。
それをよく知っているクラスメイトが顔を青ざめさせ、流石の先輩も血の気が引いていた。
「これ以上お時間をかけてもお互いに無駄になると思いますが」
「あ、ああ……すまなかった。気が向いたらいつでも声をかけてくれ」
すすす、と教室の外に素早く退出する先輩。
しっかりそれを確認してから魔法力を引っ込めると、クラスの雰囲気も戻った。
ちらり、と深雪を見ると何か考え込んでいた。
「私、いつもこんな風に見られていたのかしら…」
……うん、人の振り見て我が振り直すってのはいいことだね!
魔法力暴走(完全制御)
魔法力をチラ見せするだけで何も言えなくなるとか楽勝だよなぁ?
深雪さんはこれを機に制御をがんばってほしい。