四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
物事の準備はすごく大変。初めてなら特に
とうとう始まった新生徒会での運営。
とは言っても原作メンバーに私が加わっただけだけどね。
そして、部活での論文コンペ出場の手続きも並行して進めていて、魔法協会と学校に色々な手続きを行っていた。
今回は学校推薦なしでの参加になるので学校側の関与は無いはずなのだけど、現実的には変なテーマで発表されると一高の評判に関わる、ということでチェック程度の管理はされることになっていた。
発表メンバーは私、旗見先輩。あとプレゼンの魔法実演の手伝いとして甜奈と遠夜も一応入っている。
二人とも高校には通っていないが、年齢は高校生だし一応高校の勉強もしている。なので発表メンバーにねじ込むことができた。
ちなみにテーマは「別系統魔法の相互互換性による多工程魔法の工程省略および系統統一の理論的統括とその応用」
うん! 長い上にわかりにくいね!
「ふむ、面白いテーマですね。非常に興味深い」
「ありがとうございます」
「これは四葉さんが考えたものなのですか?」
「研究所で進めていたテーマの一つですが、私も積極的に関わっています」
「そうですか、なら大丈夫ですね」
廿楽先生の質問に淡々と答える。
旗見先輩はめちゃくちゃ緊張しているけど。
「この甘草甜奈さんと遠藤遠夜さんというのは、四葉さんのお知り合いですか?」
「はい。二人とも研究所のメンバーとしてすでに働いている職員です。高校の勉強も並行して進めていますので、年齢的にも参加資格はあるかと」
「そうですか。校内から参加メンバーを募ることはできませんか?」
「発表テーマの都合上、多種多様な魔法を使用します。この二人は魔法適性に偏りがなく、かつ魔法防御にも優れていますのでトラブル発生時にも対応が可能です。そのような人材を引き抜くと、学校推薦の発表に支障があると考えて実演メンバーはこちらで用意させていただきました」
「確かにそれなら用意していただいた方が良いですね。旗見さんは機器操作ということですが、納得して参加していますか?」
「は、はいぃ‼︎ もちろんですっ! 私なんかが参加だなんて、光栄です!」
「でしたら大丈夫ですね。プレゼン用の機材はどちらで組み立てるのですか?」
「研究所で組み立てようと考えています。なので私と旗見先輩については研究所での作業時間も校内での準備作業になるよう、学校事務とは交渉済みです」
「部品の取り違えが起きないためにも、それがいいでしょうね。論文のチェック結果は後ほど通達しますが、問題ないと思います。機材組み立ての進捗状況は随時共有してください」
「はい。また、論文コンペまでの期間だけで構いませんので、二人にも入構許可を頂けますか。盗聴防止のために研究所では基本的に外部とのデータのやりとりはデータカードを使用しているので」
「わかりました。守衛に登録してもらえれば、次回からは通れるパスを発行させましょう。他に確認することはありますか?」
「ありません」
「では、がんばってください」
廿楽先生に一礼して、部屋を出る。
旗見先輩はほっと一息ついているけど、今度は研究所の方の手続きを進めないといけない。
「それでは、今日は研究所に行きましょう。旗見先輩のセキュリティカードも作らないといけませんし」
「は、はい!」
相変わらずな先輩にちょっと苦笑しつつ、護衛の甜奈と合流して研究所へ。
その間にセキュリティカードに必要な情報を記入してもらって、研究所の守衛に提出する。
ついでにDNAデータと想子データを取るために、手を専用のスキャナーに置いてもらって色々スキャン。
守衛で過去の情報を確認して、偽装や変装の可能性がないかを綿密にチェック。
それでようやく内部へ入ることができる。
正規の手順は時間がかかるから、特に初回は大変なんだよね…
「次からは守衛に学校のIDカードを提出すればセキュリティカードと交換されます。帰る時はまた守衛で交換してください。また旗見先輩のセキュリティカードで行動できるのは下の街だけです。上の研究所に行く時には私の同行が必要です」
「はい! わかりました!」
「それで、ここが作業用に借りた倉庫です」
街の入り口から少し川沿いに歩いた場所。
赤煉瓦の倉庫が並ぶその端っこの倉庫が、私たちが作業する場所だ。
セキュリティカードを使って中に入ると、既に研究員によって複数の資材が運び込まれていた。
「わあ……すごい…」
「それでは、改めて紹介しましょうか。さっきも紹介しましたが、私の護衛と研究所のテスターをしてもらっている甘草甜奈」
「よろしくおねがいします。旗見さん」
「よ、よろしくおねがいします!」
「そして同じく護衛兼テスターの遠藤遠夜です」
「初めまして。よろしくおねがいします、旗見さん」
「は、はいっ‼︎ よ、よろしくおねがいしますっ!」
めちゃくちゃ緊張している旗見先輩だが、仕方ないと思う。
というのも甜奈や遠夜は普通に顔立ちが整っていて美形だから。
特に遠夜は和風イケメンのくせに物腰柔らかで執事っぽいから、そのテの少女漫画が好きな娘にはたまらない。
まあ外には出さないから付き合えないんだけどね! ごめん!
だって遺伝子的に『和音』シリーズは実在の『数字付き』のクローン同士の子供なわけで、バレたらとんでもないことになる。
だから一時の夢ということで、今だけは楽しんでほしい…
「それでは、作業に入ります。とはいっても、今日は確認程度ですが」
「その前に確認なんですけど……今回のテーマは、要約すると『特化型CADで複数系統の魔法を使用する方法』という認識であっていますか? 他の論文も読んで考えてみたんですけど…」
旗見先輩……えらい‼︎
あの研究員がなんのひねりもなく考えた無機質なテーマ名と専門用語だらけの論文からそこにたどり着くなんて!
きっとたくさん勉強したんだろうね……いい娘だよ…
「そうです。付け加えるなら『実質的に』という言葉がつきますが。特化型CADでは、基本的に同じ系統の組み合わせの魔法しか使用できません。逆に言えば、異なる効果であっても同じ系統の魔法であれば使用できるということです。簡単な例として、発散系魔法の『気化』と振動系魔法の『無炎加熱』で液体を蒸発させるのは効果は同じですが、魔法の系統は異なります。そのため振動系である『フォノンメーザー』『無炎加熱』『レーザースナイピング』は一つの特化型CADにまとめることが可能です。今までも同じ効果が出るように系統をまとめるテクニック自体はありましたが、それはCADエンジニアの経験と知識に基づいていました。今回の研究ではこれを系統ごとに分類・整頓し、特化型CADの可能性を探ります。また複数工程の魔法を同じ効果の別魔法に置き換えられるということは、工程数の削減や同系統の魔法の集約に応用できます。汎用型CADに関しても、術式数の削減と高速化に寄与すると考えています」
「そんなすごい研究に参加して良いんでしょうか…」
「問題ありませんよ。お嬢様がそう判断したのですから、旗見さんに実力があってのことです。自信を待ってください」
「その通りです。私と一緒にがんばりましょう」
「は、はいっ‼︎」
甜奈と遠夜がにこやかにそう告げる。
めちゃくちゃ顔が赤くなりながらも、すごく嬉しそうな旗見先輩。
その目は遠夜を追っていた。
……論文コンペまでがんばってくれそうだし、ヨシ!
遠夜は悪くないんだ…
魔法力が高いほど美形が多いとかいう、魔法科世界のルールが悪いんだ…
実際細マッチョの和風イケメンがにこやかにかしこまって接してきたら、特に二科生で陰キャ気味な女子はイチコロでしょう…
旗見先輩には短い夢を精一杯楽しんで欲しいですね…