四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
いよいよ論文コンペ当日。
研究所から機材を搬出して会場に運び込むと、同じように到着していた一高のみんなと遭遇した。
「おはようございます」
「おはよう。真昼はこの後どうするんだ?」
「機材のチェックが終わったら、見張りは甜奈と遠夜に交代で任せて発表を見ようかと」
「そうか。時間があれば一高の控え室に寄ってくれ」
「ええ」
達也とそんな話をしていると、一緒に来ていた五十里先輩が私を見てびっくりしていた。
「えっと……真昼、さん? もしかしてその格好で発表するの…?」
「はい。今回は学校推薦ではありませんので、わかりやすいようにしました」
「……」
絶句して言葉が出ない様子の五十里先輩。
うん、まあ……仕方ないかもしれない。
むしろ私は達也がそこに触れなかったことに驚いたよ。
とりあえず固まってしまった五十里先輩は放置して、機材チェックに戻る。
発表の簡単なリハーサルもして問題ないことを確認すると、甜奈がエリカ達を連れてきた。
「おはよー……なんで着物なの?」
エリカが挨拶もほどほどに突っ込む。
甜奈と遠夜はいつも通りのスーツだけど、私と旗見先輩は袴姿。
特に私はちょっと派手なデザインの和洋折衷スタイルになっている。
「制服ですと一高の発表に見えてしまいますから」
「だからって…」
「でも真昼さん、すごく似合っててかわいいです!」
「ありがとうございます」
美月は素直に褒めてくれていい娘だね。
もちろん、見た目以外の理由もちゃんとある。
この後のことも考えると、制服より袴の方が良いからね。
普段はあんまり言わないけど、一高のスカート動きにくいんだもん!
エリカはよくあれで走れるよね……渡辺先輩みたいに大胆スリット入れても足にまとわりついて邪魔だと思うけど…
だから私は機動性重視の袴と軍用レベルのブーツ。
安全靴みたいになってるから、瓦礫の中を歩いても大丈夫だよ!
「真昼は機材の見張りとかどうするの?」
「基本的には甜奈と遠夜に任せます。私と旗見先輩は他校のプレゼンを見ていようかと」
「そうなんだ。気になってる発表とかあるの?」
「基本的にどれも意義のある研究ですよ。研究所でも後で閲覧したりしますしね」
エリカはどちらかというとアクシデントの方を期待してるんだろうけどね!
残念ながら呂剛虎も奪還計画が進んでるし、このまま侵攻が起きそうだからある意味頼もしいんだけど…
その後もすこし話をして、みんなは会場を見て回るということで解散。
部屋を出る時にエリカがこそっと私に囁いた。
「…武器を隠し持つなら脇の下か腰回りにしなさい。胸ポケットはバレるわよ」
「……ありがとうございます」
甜奈に色々持たせていたのがバレたか…
アドバイス通り、隠し位置を調整しておこう。
「四葉、気合が入っているな」
「十文字先輩。おはようございます」
次に来たのは十文字先輩。
今日は警備総指揮だからかいつも以上に気合が入っているように見える。
「一高の方に行かなくても良いのですか?」
「そちらは市原が来てから向かう。発表前の交際相手を励ましに行くのも大切だ」
「…あ、ありがとうございます」
そういえばそうだった!
忙しくてちょっと忘れてた!
……いや、でもそれだけじゃないよね?
「それ以外の目的もあるのでは?」
「今日までに関本のスパイ活動や大亜連合特殊部隊の襲撃など、不測の事態があったからな。四葉の方で掴んでいることがないか聞きに来た」
相変わらずストレートな人だね…
私としても面倒な腹の探り合いをしなくていいのは楽だけど。
「警察と軍の内部情報ですが、工作部隊の大半は捕らえたものの隊長格はまだ捕まえられてないようです。また先日捕らえた呂剛虎の移送も今日だそうで」
「まだ完全に終わったわけではない、ということか」
「ええ。警察も念の為に配備を強化していますね……不確定情報ですが、ここ数ヶ月に密入国した人員と今回捕まった数にはかなりの差があります。思っている以上に敵の戦力は残っているかもしれません」
「……ここが狙われる可能性があると?」
「あくまで可能性の一つとして、将来の魔法戦力を削ぐという意味では襲撃するメリットになるかと」
「四葉はどこが狙われると思う? 推測でかまわん」
「まずは魔法協会支部ですね。日本の魔法研究データが保存されてますから、現代魔法の研究が遅れている大亜連合は確実に狙うと思います。次に相模野研究所。今は私がこちらにいますから、戦力が少ない内に狙う可能性はあります。最後にこの会場。こちらは殺害より人質目的が大きいかとは思いますが、場合によっては殺害でも日本にダメージを与えられると判断するでしょう」
「研究所の警備は問題ないのか?」
「元々が国防軍の基地ですから防衛に徹すれば問題ありません。人員も訓練はしていますから」
「そうか……情報提供感謝する」
十文字先輩が部屋を出ていく。
うーん、建前とはいえ交際相手とか言われるとちょっと動揺する。
……そういえばもう一人来てるじゃん。
「甜奈、遠夜と旗見先輩を呼んできてください。すこし出歩きます」
「かしこまりました」
見張り番を交代してもらって、私と甜奈で一条を探す。
まあ目立つからすぐに見つかったけどね。女の子にキャアキャア言われてた…
え? ここに突っ込んでいくの? 今さらだけどちょっとやだな…
「四葉……さん? えっと……お久しぶりです」
あっちの方が気づいたらしい。
うん、素直なのは良いけどそんなびっくりした目でジロジロ見ない。
「お久しぶりです。九校戦以来ですね」
「え、ええ……その、そちらの方は?」
うーん、話に困ってるね。
まあでも隣の十三束くんも困惑してるから仕方ないか。
「私の研究所から今日の発表の手伝いにきてくれた甜奈です」
「甘草甜奈と申します。よろしくお願いします」
「一条将輝です。よろしく」
「と、十三束鋼です!」
紹介が終わったところで、たぶん気になっているであろうことを先に話しておく。
「わたしは一高としての参加ではありませんから、わかりやすいように服装を変えているんですよ」
「は、はぁ……そうなんですか」
「……似合ってませんか?」
「い、いえ! とても似合っていると思います!」
なんか言わせたみたいで嫌だなぁ…
タイミング的には、深雪と会った後だろうしちょっとからかっちゃお。
「一応交際を申し込んだ相手なのに、一条さんはあまり気にかけてくれないんですね」
「それを言われると……すみません」
「深雪にはあんなに張り切って挨拶していたのに…」
「見ていたんですか⁉︎」
「あら、やっぱりそうだったんですね」
「う…」
くすくすと笑うと、からかわれたことに気づいたのかバツが悪そうに頭を下げる一条。
まあこのくらいで許してあげようかな。
「からかうのはこのぐらいにしましょうか。警備、がんばってくださいね」
「は、はい!」
「鋼さんも、がんばってください」
「えっ⁉︎ は、はい! ありがとうございます!」
うん、本当にがんばって。
今日はこれからが大変だから…
とうとう始まった論文コンペ。
でもこれからが長い…
だって原作でも横浜騒乱編の半分がこの1日なんだもの。
そしてたぶん次もまだ戦闘には入らないかも…