四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハード過ぎない⁉︎ 作:例示
会場を出てまずやったことは、手足を撃ち抜いた敵の拘束。
まあ動けないと思うけど念の為ね。
服が化学繊維で助かった。魔法で溶かしてくっつけるだけで手足を拘束できるからね。
そしてハイパワーライフルの弾を回収。
せっかく準備したし、拳銃型レールガンも使ってみたい。
「敵が三人来ます」
「わかりました。二人はシールドを」
防御を任せて、私は向かってくる敵に対して壁越しにレールガンを撃つ。
威力的に薄い壁なら貫通できるからね。
狙い通り、発射した弾は敵が隠れている壁を粉砕して……そのまま砕け散った。
「え…?」
ちょっと呆然としたけど、反対側にも盛大に破片が飛び立ったようで相手が警戒して隠れたので反撃は無し。
気を取り直して何発か連射してみたけど、コンクリートの壁は盛大に砕けるものの貫通しない。
諦めてブリオネイクを元にしたプラズマ砲(仮称『クラウ・ソラス』)の方を試すと、こちらは狙った通り三人同時に無力化することに成功した。
敵の装備を剥ぎ取りながらなんで貫通しなかったのか考える。
弾丸を観ても、特になんの変哲もないライフル弾……あ。
そういうことか……!
対魔法師用の弾丸は運動エネルギーを大きくするのが目的であって、物理的に硬いものに当たることは想定してない。
だから通常の徹甲弾みたいに弾芯がタングステンとかの硬い金属じゃなくて、普通の鉛なんだ!
そんなものをコンクリートに超音速でぶつけたらそりゃ砕けるよ!
うわ、そうするとこれ重装甲相手には使えないってこと?
歩兵相手には威力過剰なのに装甲相手には貫徹力不足って……次使う時は専用弾もセットにしよう。
「……銃はプラズマモードで使います。術式を変更してください」
「了解しました」
搭載されているもう一つのモードに変更する。
もう一つというか、威力限界突破モードというか…
レールガン式にしたために弾丸が耐えられる限界以上に加速することが可能なので、思い切ってプラズマ弾として発射しちゃえ! という考えで搭載されたモード。
ただ試射の結果、収束魔法を使わないと空気抵抗でプラズマが拡散してしまい有効射程が数十メートルしかないことから評価が低かった。
収束魔法を使えば弾丸の質量に応じた貫徹力は出るんだけど、安全な距離から装甲目標を貫通させるにはかなりの距離プラズマの収束を維持する必要があって、さらに命中のための誘導まですると必要魔法力が高すぎて他の魔法を使った方が良い、という結論になったぶっちゃけ産廃モード。
ただ実弾モードがこの有様なので、せめてこっちは使えてほしい。
「お嬢様、南側から五人です」
「わかりました。もう一度銃をテストします」
可能な限り気配を消して敵の前に先回りする。
足音を聞いてある程度近付いたのを確認してから、前に出て銃を連射する。
「「ぐわぁぁああ⁉︎」」
連射速度最大にしたプラズマ弾が、銃口から円錐状に放たれる。
魔法で制御されてない高温プラズマは、爆風として遮蔽物の裏にも回り込む。
結果として、一秒足らずでワンマガジン30発を撃ち切ると、そこには黒焦げになった敵が横たわっていた。
「……こちらの方が有用なようですね」
うん、どう考えてもこの使い方が正解だね!
歩兵が使える程度のアーマーなら貫通して致命傷を与えられるプラズマ爆風を、拳銃サイズのデバイスで即座に展開できる。
こういう室内戦や接近戦なら『狙わなくても瞬時に制圧できる』のは大きなアドバンテージだ。
貫通力は相変わらず無いけど、そっちは『クラウ・ソラス』でなんとかなるし、他の魔法を使えばいいしね。
その後は練習を兼ねて『クラウ・ソラス』で敵を倒していった。
歩兵相手には十分な威力だし、直視出来なくても当てられるからリスクも少ないしね。
毎回プラズマ原を再成しないといけないのと、壁を貫通して敵を倒したりできないのは欠点だけど、まあ私が使うならいいんじゃないかな。
慣れればビームシールドみたいにも使えるし、なにより見た目がかっこいいし!
「真昼!」
「エリカ。皆さんも」
「これは真昼が倒したのか?」
「はい。二人に守ってもらいながらですが」
あらかた会場周辺の敵兵の拘束と武装解除が終わった頃、エリカ達が会場から出てきた。
レオや幹比古、達也や深雪といったいつものメンバー。美月や雫達もいるから、全員で行動してるっぽい。
他の生徒がいないところを見ると、まだ集団で避難は始まっていないんだね。
「プラズマ弾?」
「研究所の試作品です。敵は複数箇所から侵入中のようですね」
倒れている敵兵を見たエリカの疑問に説明しながら『クラウ・ソラス』を発動する。
握り込んだデバイスから伸びたプラズマが曲がり角を高速で進んで、その先の敵を複数人的確に貫く。
プラズマとして焼損した金属塊を『再成』して元に戻す。
「伸縮自在に相手を貫くプラズマの槍ってわけね。かっこいいじゃない」
「まだまだコスト面の問題が未解決ですが、有用性はこの通りです。それで、皆さんはどちらに?」
「避難するにしても敵を排除しないとな」
「この辺りは制圧しましたが、エントランスホールではまだ戦闘中ですからね」
戦力的には私で十分だけど、みんなで入り口に向かう。
近づくにつれて銃声が激しくなり、時々浸透してきた敵兵が襲いかかってくる。
そのたびに私やエリカ、レオが倒してエントランス手前の壁裏まで進んだ。
「激戦ね…」
エリカの言う通り、協会警備員と敵兵が激しい射撃戦を繰り広げていた。
一方は銃、もう一方は魔法という違いはあるけれど、どちらも一歩も引かない激戦だ。
「どうする?」
「私が一気にカタをつけます」
宣言と同時に『流星群』を発動。
星々が瞬く『夜』が一瞬でホール全体を包む。
敵兵がそれに絶望する間もなく、夜空から落ちる流星群が敵のみを貫いていく。
数秒後には、呻きながら倒れる敵兵のみがそこに残っていた。
「やっぱりすごいわね、その魔法」
「お母様ほど自然には使えないのですけどね。あらかた敵は片付きましたが、どうしますか?」
「情報が欲しいが、ここから動くのは難しいだろうな」
「なら、VIP会議室を使えば?」
「VIP会議室?」
「確かに、そこなら情報は手に入りますね。雫、お願いします」
「うん……真昼は?」
「会場に一回戻ります。機材も先輩も置いてきてしまっていますから」
とりあえず機材だけは処分したいよね。
実際会場に戻ると、壇上とバックヤードに置きっぱなしになっていたのでデータを消去した上で、機材自体もプラズマで焼き尽くした。
「あ、あの…」
「旗見先輩。すみませんが、私は四葉家として敵の排除に向かわなければなりません。遠夜を置いて行きますので、七草先輩と一緒に避難して頂けますか」
「は、はい! ……えと、なぜ七草先輩と…?」
「今、七草先輩には護衛がいません。それで遅れをとるとは思えませんが念の為です。それから旗見先輩自身も四葉関係者として狙われる可能性があります。なので戦力集中の意味でも一緒にいてください」
渡辺先輩もいるけど、障壁魔法と言う面では深雪以外に有力者がいないからね。
七草家との関係もあるし、ここは貸しを使っておく方がいいでしょ。
「遠夜、旗見先輩と七草先輩を護衛しなさい。甜奈、弾薬を渡して」
「「かしこまりました」」
遠夜に可能な限りの武装を渡して別れる。
そしてもう一人、目的の人物を探す。
とはいっても、すぐに見つかったけどね。
「光宣さん」
「真昼さん! ご無事でしたか……よかったです…」
この襲撃による自分の身の安全より、私のことを心配している九島家の秘蔵っ子が、そこにいた。
ロマン武器は実用性がないからこそロマン…
ジェネリック『ブリオネイク』は『クラウ・ソラス』という名前になりました。
アイルランド語の『光る剣』なのでほぼまんまですね。
拳銃型レールガンは弾丸が脆すぎて本来の目的では産廃でしたが、連射可能なショットガンとして有用でした。通常の自動拳銃と違い、弾丸が銃身内に残っている状態でも次の弾丸を発射できるので、発射レートをかなり上げられたおかげですね。
次は会場の外に出て戦うことになるかと思います!