ガンダムビルド艦隊これくしょんナビ少女   作:星龜

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プロローグ


 

人類と、軍艦の魂を持つ少女・艦娘が、深海棲艦と呼ばれる謎の生命体との戦争を繰り広げていた時代に

黒野 深海(くろの みかい)

 

【挿絵表示】

 

は生まれた―。

 

海軍提督・黒野 (かい)

深海棲艦・空母水鬼

との間に生まれた深海は

穢れた存在

として、人間達に追われながらも、たくましく成長していった。

 

しかし、成人した深海は、右目が隠れるくらいに前髪の長い真っ白な長い髪に、身長は150センチほどの、まるで少年の様な見た目の容姿だった…。

 

 

深海は鎮守府の提督となって、深海棲艦との戦争に身を投じた。

 

しかし、人間と深海棲艦とのハーフである深海にとって、深海棲艦は同胞ともいえる存在である。

 

だから、深海は戦うのではなく

深海棲艦との和解

する道を選んだのである。

 

それは、けっして簡単な事ではなかった。

 

それでも、深海の血の滲むような努力の末、人類と艦娘と深海棲艦との和解が成立し、人間と艦娘と深海棲艦との長きにわたる戦争は終結した―。

 

 

役目を終えた艦娘達は退役し、普通の少女となって、平和になった世界で暮らしていた。

 

そして、陸上へと移った深海棲艦達のもたらした、プラスチックに反応する新粒子『プラフスキー粒子』と、ガンダムのプラモデル・通称『ガンプラ』を用いて対戦を行う「ガンプラバトル」が特に大きな反響を呼び、元艦娘や深海棲艦達も、このガンプラバトルを楽しんでいた―。

 

 

日本某県にある海原市―。

 

 

のどかな昼下がり…

 

海原港の防波堤に座って釣りをしているのは…

 

一番左に座っているのは、黒野 深海。

 

深海の右隣には、深海の友人にして、海軍提督の白河 洋一。

 

白河の右隣には、白河の部下である長良型軽巡洋艦娘の長良と…

 

長良の右隣には、長良の妹の五十鈴が釣りをしている…。

 

 

「白河…。」

と言い出す深海。

 

「何だ?」

と返す白河。

 

どうして、お前と釣りをすると釣れないんだ?

と言う深海。

 

「そんなこと言われてもなぁ…。」

と言う白河に

 

悪いが、お前と釣りに来て、釣れたためしは無いんだがな…★

と言う深海。

 

沈黙する白河に

 

魚を釣れない漁師は嫁も連れん

とは、よく言ったものだ★」

と言う深海。

 

これには、さすがの白河も

うるせぇよ…!!

とキレた。

 

「すまん…。

言い過ぎた…。」

と、謝る深海…。

 

 

魚を釣れない漁師は嫁も連れん

 

江戸時代のことわざ。

 

魚を釣れない漁師…仕事ができない

嫁も連れん(釣れん)…結婚できない

ことから

自分の失敗に気がついていない

という意味。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遙か未来―。

 

世界中の大陸は徐々に海に沈んでいき…

 

さらに、海獣の脅威により、人類の生存圏は、ますます狭くなっていった…。

 

 

この新しい海洋環境に適応するため、人類と海洋生物の遺伝子を融合させることで

海娘(うみむす)

と呼ばれる、新たな種族が誕生した。

 

海を航行する船を海獣から守るための戦闘力と、安全な航路を設定する

海娘ナビゲーター

という新たな職業も誕生し、人類と海娘の夢の時代が始まった―。

 

 

南夏乃(ななつの) (カイ)

錦鯉の海娘の千代

イルカの海娘の桜月 (いたる)(以後『桜』と表記)

と一緒に、小さな海運会社【フグカンパニー】を起業した、青年実業家だ―。

 

 

この日、 (カイ)達は、とある海域に向かっていた。

 

「やれやれ…。

僕の会社は海運業者なのに…。」

と、船の舵輪を握る (カイ)がうなだれる。

 

「船が安全に航海できるようにするのも、私達ナビゲーターの仕事よ★」

と言う千代。

 

「それはわかっている。

けど…

海運業者に海獣退治を依頼するなんて、お門違いもいいところ

だろ?」

と言う (カイ)

 

「まぁ…

たしかに、そうよね…★」

と、 (カイ)に同意する千代。

 

 

そう…

 

今回【フグカンパニー】が請けおった依頼は

海獣退治…。

 

 

【フグカンパニー】は、開業して、まだ半年ほどなので、世間の知名度は低い。

 

しかし、所属している海娘が6人と、中規模クラスの企業に匹敵する戦力をもっている。

 

そのため、運送業者であるにも関わらず、海獣退治などという、運送業とは全く関係無い依頼が来る…。

 

しかし、仕事の依頼が少ないと、当然だが収入も無いわけで、食っていくためにも、こういう海獣退治などという、畑違いな依頼も引き受けざるを得ない…。

 

もっとも、千代の言う通り、海獣を退治すれば、船舶の航海の安全は保証される。

 

畑違いな依頼でも、きっちりとこなせば、会社の知名度は上がり、信用も得られる。

 

だから…

 

納得はできないが…

 

(カイ)達は依頼を遂行するのだ―。

 

 

「社長。

進路上に低気圧です。」

と言うのは、気象レーダーを見ている、青いポニーテールの、イソギンチャクの海娘・塚原 葵。

 

たしかに、前方の空が灰色の雲に覆われている。

 

「困ったな…。

依頼された海域は、この先なのに…。」

と、顔をしかめる(カイ)

 

「なら、私達だけで進みましょうか?」

と言う桜。

 

「そうはいかない。

社員を危険にさらして、社長が安全な場所で高みの見物なんて、できるわけないだろ。」

と、(カイ)は桜を諌めたが

 

「このまま進んで、船が転覆されたら困ります。

船を失うと、我が社の損失が図りしれません。」

と、桜に反論された。

 

「それは…そうだが…。」

と、言い淀む(カイ)…。

 

たしかに、海運会社が船を失うなど、あってはならないことだ。

 

「わかった。

でも、無理はしないでくれ。」

と、出撃許可を出す(カイ)

 

「了解☆」

と、微笑む桜―。

 

 

船の後部デッキに集合する

赤いショートヘアの、アカガニの海娘・桃子

緑のツインテールの、トビハゼの海娘・トート

 

「これから、君達だけで、この進路上に潜んでいると思われる、海獣退治に向かってもらう。

見ての通り、進路上にある低気圧のせいで、海上は荒れている。

非常に悪条件の中で、海獣と戦うことになる。

けっして、無理をしないように!!」

と訓示する(カイ)

 

「「わかりました!!」」

と答える海娘達。

 

「よし!!

じゃ、よろしく頼む!!」

と、(カイ)と千代に見送られ

桃子

トート

は海に飛び込んだ。

 

そのまま、浮上してこなかったので、風の影響を受けない海中を進んでいくようだ。

 

海洋生物の遺伝子を持つ海娘は、水中でも地上と同じように動ける…

 

いや、むしろ水中こそ、海娘達が本領を発揮できる場所なのだ―。

 

 

桜達が出撃してから数分後…。

 

「千代。

やっぱり、僕達も行こう…!!

何か…

妙な胸騒ぎがするんだ…!!」

と言う(カイ)

 

「…わかったわ…。」

と、怪訝な顔をしながらも、千代は(カイ)に従った。

 

「出発!!」

と、(カイ)は船のエンジンを始動させた―。

 

 

厚い雲に日光を遮られて、暗い海を進む船―。

 

「どうなっているの…?

低気圧の中にいるはずなのに、風も波も穏やかだなんて…!?」

と、驚く千代。

 

本来なら、低気圧の下は時化ているのだが…

 

風は無く、海面には波すら立っていなかった…。

 

さらに、霧まで出てきた。

 

「そんな…!?

低気圧の下で霧が出るなんて…!?」

と、おののく千代。

 

「こんなところを海獣に襲われたりしたら大変だ…!!」

と、船を停め、ブリッジから出る(カイ)

 

外は濃霧で、視界は全く効かない…。

 

「桜ーッ!!」

と、叫ぶ(カイ)

 

「桃子ー!!

葵ー!!

トートー!!」

と、千代も叫ぶ。

 

だが、桜達からの返答は無い…。

 

「社長、どこ?」

と千代が言うので

 

「僕はここ…

…って…

えっ!?

と、(カイ)がまわりを見回せば…

 

な…何だ、これは…!?

 

千代の姿が見えないほどの濃い霧で、周囲は真っ白だった。

 

見えないのは、千代の姿だけではなく…

 

自分自身の姿すら見えない…。

 

「おい…

千代…?

千代…!?」

と、(カイ)は千代を呼ぶが、千代からの返答は無い…。

 

「どこだ、千代…

うっ…!?

と、強烈な眠気に襲われる(カイ)…。

 

(な…何が…

どうなって…?)

と、(カイ)は意識を失った…。

 

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