ガンダムビルド艦隊これくしょんナビ少女   作:星龜

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燃える海原市③


 

横須賀鎮守府の提督執務室の黒電話が鳴った。

 

顔を見合わせる、那智と足柄。

 

通常、提督執務室にかかってくる直通電話は、たいてい

海軍本部

からだ。

 

それ以外の外線は、電信室で取り継がれる。

 

電信室からの取り継ぎが無いということは、海軍本部からの直通電話ということだ。

 

しかし…

 

なぜ、今、海軍本部からの直通電話がかかってくるのか…?

 

「とりあえず、私が出よう…。」

と、電話に出る那智。

 

「私は横須賀鎮守府の桃田提督の秘書艦の那智です。」

 

《那智姉さん?

俺ッス★

良太郎ッス★〉

 

なんと、電話をかけてきたのは良太郎だった。

 

「ご子息!!

ここの直通コードを知っているからと、気安くかけてこないでください!!」

と、良太郎を諌める那智。

 

《それどころじゃないんですよ、那智姉さん★

海原市でガンプラが暴れまわっている

んスよぉっ★〉

 

「何をバカな…

…って、ご子息…

今、何と言った?」

と訊く那智。

 

《だから

海原市でガンプラが暴れまわっている

んスよぉ〜★

父上はぁ〜?〉

 

「ご子息!!

そのガンプラは

殺人ガンプラ

という、恐ろしい敵だ!!

今、お1人ですか?」

 

《いや…

友達もいる…。〉

 

「なら、友人達を連れて、安全な場所に避難を!!」

 

《えぇ?

いや…その…

みんな戦ってて…。〉

 

「戦ってって…

危険だ!!

今すぐ、そんな危険なことをやめさせて、至急、安全な場所へ!!」

と叫ぶ那智。

 

そこに、葬儀を終え桃田と深海が執務室に帰ってきた。

 

「誰からの電話だ?」

と訊く桃田。

 

「大変です!!

海原市に殺人ガンプラが現れました!!

現在、提督のご子息が交戦中のようです。」

と答える那智。

 

「何だと!?」

 

桃田は、那智から電話の受話器をひったくるように取る。

 

「良太郎!!

良太郎なのか!?」

 

《ち…父上ぇ〜☆〉

 

「殺人ガンプラと戦っているだと!?

今すぐ、そんな危険なことはやめて、安全な場所に退避しろ!!」

 

《そんなこと言われても、みんな戦っているのに、オレ1人だけ逃げるわけには…

うわっ、このっ!!〉

 

銃声が聞こえた。

 

「良太郎…何をしているんだ?」

 

《オレの愛機(ガンプラ)がやられちまったから、拳銃で応戦してんスよぉ!!

くそっ!!

こっち来んな!!〉

 

再び、銃声が聞こえた。

 

「良太郎…

今、お前、1人なのか?」

 

《いんや。

香坂先輩や

秋雨(アキ)や梅雨葉(ツユ)もいる

よ。〉

 

「何ッ!?」

 

秋雨と梅雨葉の名を聞いて、目を見開く深海。

 

「桃田、俺は海原に戻るッ!!

ヘリを出してくれッ!!」

 

「えっ?

あ…あぁ…。」

 

執務室から飛び出す深海。

 

「提督。

こちらからも兵を出しましょう。

ガンプラを相手にするのなら、空母の艦載機が有効かと。」

と進言する那智。

 

「そうしてくれ。」

と答える桃田。

 

すかさず、足柄が館内放送で千歳と千代田を呼ぶ。

 

桃田は、良太郎との電話に戻る。

 

「良太郎。

信じられんかもしれんが、今、お前が戦っているのは殺人ガンプラという、恐ろしい兵器だ。

お前も提督の子なら、お前が率先して市民を避難誘導するんだ。」

 

《無理ッスよぉ★

もう、まわりはGN-Xだらけで、避難誘導どころじゃないッスよぉ★〉

 

「何、GN-X?

バイアランじゃないのか?」

 

桃田は、少し考え込み

「わかった、良太郎。

とにかく、身の安全を確保しつつ、友達達だけでも避難誘導するんだ。」

と良太郎に言って、電話を切った。

 

桃田が電話を切ったのと同時に、千歳と千代田が執務室に来た。

 

「どうしたんですか、提督?」

と訊く千歳。

 

「千歳、千代田。

2人とも、今すぐ出撃してくれ!!

海原市に殺人ガンプラが現れた!!」

と言う桃田。

 

「えっ?

もしかして、私達の艦載機で、殺人ガンプラとやらをやっつけるんですか?」

と訊く千歳。

 

「そうだ!!

これは実戦だ!!

烈風一一型の使用を許可する!!」

と桃田に言われ、千代田と顔を見合わせる千歳。

 

「了解!!

航空母艦千歳と千代田は、海原市救援のため出撃します!!」

と、桃田に敬礼する千歳と千代田。

 

その時、港湾部から通信が入った。

 

《航空母艦瑞鳳および海防艦鵜来、稲木から入港許可の申請が来ています。〉

 

(瑞鳳だと?

どこの所属だ?

だが、これはチャンスかも…?)

 

「入港を許可する。

補給が済み次第、瑞鳳にも出撃してもらう。」

と指示する桃田―。

 

◇

 

横須賀沖を進むのは、東京に貨物船を護衛してきた、深海の義姉の瑞鳳と、海防艦娘の鵜来、稲木だった。

 

横須賀鎮守府の港に入港した瑞鳳、鵜来、稲木は、艤装を装備した千歳と千代田に出迎えられた。

 

「どこの所属か知らないけど、補給が終わったら、私達と一緒に来てくれない?」

と千歳に言われた瑞鳳は

「りゅ…?」

と首を傾げた―。

 

◇

 

深海の邸宅―。

 

 

夕張が自室でくつろいでいたら、スマートフォンの着信音が鳴った。

 

「もしもし、提督?

どうしたの?」

 

《夕張!!

今すぐ、俺の艤装の準備をしてくれ!!

それと、大鳳にも出撃準備をするように言ってくれ!!〉

 

深海の切羽詰まった様子から、何かを悟った。

 

「了解!!

提督の艤装を準備します!!」

と、スマートフォンを切る夕張。

 

(ん?)

 

何気なく、テレビを観ると

海原市でガンプラが市民を襲っている

というニュースが流れていた…。

 

◇

 

リビングでテレビを観ていた海(カイ)達も、海原市の事件のニュースを見た。

 

「あれはブラッドウイング…!!」

と叫ぶ海(カイ)。

 

「ブラッドウイング?」

と、首を傾げる大鳳。

 

「未来のテロリストです。」

と言う海(カイ)。

 

そこに、夕張が来た。

 

「大鳳さん!!

提督から出撃命令が来たわ!!」

 

「なぜ、私まで?」

と、首を傾げる大鳳。

 

「何だかわからないけど…

提督、けっこう焦ってるみたいだったよ。」

と言う夕張。

 

「僕達が行きます!!

秋雨さん達が心配です!!」

と言う海(カイ)。

 

「僕が車を出すよ。」

と名乗り出る夜空。

 

「お願いします!!」

と、夜空と一緒に駆け出す海(カイ)達―。

 

◇

 

夜空と海(カイ)達が深海の邸宅を出てから数分後―。

 

邸宅の上空に、1機のヘリコプターが飛来した。

 

「庭に着陸しますが、よろしいですか?」

と訊いてくるパイロットに

 

「その必要は無い!!」

と

ヘリコプターから飛び降りる深海…。

 

「ゑゑゑゑゑっ!?」

 

ヘリコプターから深海が飛び降りたのを見て、驚愕するパイロット…。

 

 

ヘリコプターから飛び降りた深海は、邸宅の屋根に落ちた。

 

そのまま、屋根を転がり、庭の草むらに落ちた。

 

落ちた時に、ちゃんと受け身をとっていたからか、深海はとくに怪我などは負っていなかった。

 

邸宅内に入ると、時雨と大鳳が待っていた。

 

「おかえり、深海。

今、凄い音がした

けど、何の音?」

と時雨が訊くが

 

「すまない!!

急いでいるんだ!!

大鳳、行くぞ!!」

と、深海は大鳳とともに地下の出撃ゲート跡に向かった―。

 

◇

 

出撃ゲート跡に来た深海は、夕張から艤装コマンダーを受け取った。

 

(いちいち叫ばなきゃならんのがな…★)

と思いつつも、右手に持った艤装コマンダーをかかげ

「抜錨ッ!!」

と叫ぶ深海。

 

すると、深海の体が光り輝き…

 

光が消えると…

 

深海の体には、艤装が装着されていた―!!

 



 

深海が艤装コマンダーを使って艤装を装着する時間は、わずか0.6ミリ秒にすぎない!!

 

では、もう一度見てみよう!!

 

 

深海が右手に持った艤装コマンダーにかかげて

「抜錨ッ!!」

と叫ぶことで、艤装コマンダー内部に圧縮縮小されて封入されている艤装が射出され、わずか0.6ミリ秒で、深海の体に艤装が装着されるのである―!!

 



 

同じく、艤装を装着した大鳳とともに、深海は出撃し…

 

…ようとしたら…

 

「待ってぇ〜。」

と、深海の母の空母水鬼が、艤装を着けた姿で出撃ゲート跡に降りてきた。

 

「何しに来たんだ、母さん?」

と訊く深海。

 

「何って、お母さんも出撃するのよ★」

と、なんだか、至極当然のように言う空母水鬼。

 

「たしかに、航空戦力は多い方がいい。

一緒に来てくれ。」

と深海に言われて、大喜びの空母水鬼。

 

こうして、深海、大鳳、空母水鬼は出撃した―。

 

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