「…うっ…!?」
と、
すぐそばに、千代が倒れていた。
「おい…
千代!!
しっかりしろ!!」
と、千代をゆさぶる
「…ん…
社長…?」
と、目を覚ます千代。
「よかった…。」
と、安堵する
立ち上がって、まわりを見回すと…
霧は消え、空もすっかり晴れわたっていた。
(ん?)
と、海を見れば…
「桜!!
トート!!」
と、桜とトートが、船の左舷側に仰向けになって浮いていた。
右舷側には、桃子と葵が仰向けになって浮いていた。
千代は右舷側に飛び込み、桃子と葵を起こした…。
船に上がった桜達に、何があったのかを訊いてみる。
「海の中を進んでいっていたら…
急に周囲が真っ白になって…。」
と言う桜。
「僕もそうだった。
千代の姿も見えなくなるくらい、濃い霧に包まれて…。」
と言う
「海の上にいた私と社長が霧に包まれたとして…
海の中にいた桜達の周囲が真っ白になったって、どういうこと?」
と言う千代。
「何なんだろうな…?」
と、首をひねる
「社長…。
依頼の方は、どうしますか?
何か…
海獣が出てくるような雰囲気ではない
んですが…?」
と言う桜。
「ん〜…。」
と、周囲を見回す
たしかに、桜の言う通り、空は晴れわたり、風も波も穏やかだ。
海獣が出てくるような雰囲気ではない…。
「いったん、出直そうか…。
怪事の後だ…。
何か…
モチベーションが上がらない…★」
と言う
「社長として、その発言はどうかと思う
けど…
でも…
社長の言う通りね…★」
と、
こうして、
◇
それから数分後―。
「桜。
あれ…
何だと思うチョキ?」
と、最初にそれを見つけたのは桃子だった。
「何でしょうか、あれ?」
と、桃子が指差す方を見る桜。
右舷側…
東の水平線に、小さな黒い影が見え隠れしているのだ。
船のレーダーも、謎の飛行物体を捉えていた。
「何だ?」
と、双眼鏡を持って、ブリッジから出る
そして、東の水平線を双眼鏡で見る。
「何だ、あれ?
鳥ではないな…?」
と言う
「海獣でしょうか?」
と言う桜。
「まさか…。
空を飛ぶ海獣なんて、聞いたことないわ。」
と言う千代。
その時…
本当に、何気なく、顔を右斜め後ろに向けた…。
「何だ…あれ?」
と
同時に
「4時方向から、何かが近づいてくるわ!!」
と叫びながら、葵がブリッジから出てきた。
双眼鏡で、接近してくるモノを見てみた。
「何だ、あれは…!?」
それは、今まで見たこともない、異形の姿…。
しかも、それは、かなりのスピードだ。
このままでは、追いつかれてしまう…。
新種の海獣
と判断した。
「どうやら、依頼にあった海獣だな…!!
総員、出撃だ!!」
と叫ぶ
「了解です!!」
と、海に飛び込む桜。
「待ってたチョキ〜☆」
と、海に飛び込む桃子。
「負けないよ…☆」
と、海に飛び込む葵。
「行ってきます…。」
と、海に飛び込むトート。
「よし…
僕達は退避だ…!!」
と、ブリッジに戻る
そして、舵輪を左に回す―。
◇
追いかけてきたモノの正体…
それは、鯨を思わせるような姿をしており、緑の目を輝かせ、口から白い歯を見せた…
深海棲艦
駆逐ロ級
だった―。
「あれ…
海獣なんでしょうか?」
と言う桜。
「社長の言うように、新種の海獣のようね。
死体を1体持ち帰って、調査しましょう。」
と言う葵。
その時…!!
怪物が、口から砲弾を発射した!!
「きゃあっ!?」
と、危機一髪、葵は怪物からの攻撃を回避したが、怪物が放った砲弾が海面に着弾した際の衝撃で吹き飛ばされてしまった。
「葵さん!!」
と、葵にかけよる桜。
「何、あの海獣…?
口から何かを飛ばしてきた
わ…!!」
と、驚愕する葵。
(!!)
迫りくる駆逐ロ級を見据える桜。
「参ります…!!」
と、自分の身長よりも長い刀を抜き、駆逐ロ級に斬りかかる桜。
駆逐ロ級が口から放つ砲弾を右にかわし、すれ違いざまに斬りつけたが…
「きゃっ!?」
弾き飛ばされてしまう桜…。
「なんて表皮の硬い海獣なの…!?」
と、驚愕する桜…。
桃子達も、駆逐ロ級に苦戦していた…。
「チョキチョキ〜☆」
と、巨大なハサミで駆逐ロ級に斬りかかる桃子だったが…
「チョキィ〜ッ★」
駆逐ロ級の表皮に弾き飛ばされてしまった…。
「このぉっ!!
海葵スパイクっ!!」
と、右手に持つ杖の先端を海に入れる葵。
海葵スパイク―。
右手に持つ杖の先端を海に入れることで、海水をイソギンチャクの触手のように変化させて海獣に巻きつけ、海中に引きずりこむ、葵の必殺技だ―。
イソギンチャクの触手のように変化した海水が駆逐ロ級に巻きつき、海中に引きずりこんだ。
しかし…
駆逐ロ級は、海中から飛び出した…!!
「そんな…っ!?
私の必殺技が効かないなんて…っ!?」
と驚く葵。
逆に、駆逐ロ級に撃たれ、吹き飛ばされてしまう葵…。
「これで…!!」
と、駆逐ロ級に向けてボーガンを撃つトート。
しかし、駆逐ロ級には効かなかった。
「そんな…!!」
と、おののくトート…。
4体の駆逐ロ級に翻弄される桜達…。
そこに…
「あれは何…?」
と、空を見上げる桜。
空には
ナイフのような形をした飛行物体…
深海棲艦戦
と
深海棲艦爆
の編隊がいた。
そして…
深海棲艦爆隊が急降下してきた…!!
「みんな、逃げて!!」
と叫ぶ桜。
対空攻撃手段を持たない海娘は、空から襲いくる敵には対応できないのだ…。
爆弾を投下する深海棲艦爆隊。
桜達の周囲に、爆発の水柱が立つ…。
逃げまどう桜達に向けて、駆逐ロ級が砲撃する…。
「何なの、あの海獣…!?
空を飛ぶ海獣なんて、聞いたことがないよ…!!」
と、戦いを見守っていた千代が叫ぶ。
「みんなを助けに行くぞ、千代!!」
と、
まもなく、逃げてくる桜達の姿が見えた。
桜達を乗せるため、船を停めると、周辺に駆逐ロ級からの砲撃による水柱が立つ。
「早く乗れー!!」
と叫ぶ
次々と船に乗る桜達。
「よし!!
エンジン全力!!」
と、全員が乗ったのを確認した
しかし、駆逐ロ級も全速で追いかけてくる。
砲撃により、
さらに、上空から深海棲艦戦隊が機銃掃射をしてくる。
「救難信号を出したよ!!」
と叫ぶ千代。
「ありがと!!
けど…
応援が来るまで、持ち堪えられるか…!?」
と、