ガンダムビルド艦隊これくしょんナビ少女   作:星龜

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招かれざる招待者


 

時は遙か未来―。

 

世界中の大陸は徐々に海に沈んでいき…

 

さらに、海獣の脅威により、人類の生存圏は、ますます狭くなっていった…。

 

 

この新しい海洋環境に適応するため、人類と海洋生物の遺伝子を融合させることで

海娘(うみむす)

と呼ばれる、新たな種族が誕生した。

 

海を航行する船を海獣から守るための戦闘力と、安全な航路を設定する

海娘ナビゲーター

という新たな職業も誕生し、人類と海娘の夢の時代が始まった…

 

はずだった…。

 

 

ブラッディコーストにて興行中だった

太陽サーカス団が、突如、人間に襲われ、団員のほとんどが殺される

という事件が発生した。

 

世にいう

ブラッディコースト事件

である。

 

生き残った太陽サーカス団の団員は、海娘の自由と解放を謳う

ブラッドウイング

に加入し、人間達に復讐を始めたのである…。

 

 

とある海域を、北に向かって航行する、1隻のクルーザー―。

 

乗っているのは

銀髪のロングヘアーに丈の短い白いドレスを着た、右目が赤、左目が金色のアンコウの海娘・アンジェラ

 

太陽サーカス団の生き残りで、黒髪ポニーテールの、白と緑のツートンカラーのボディスーツを着たオットセイの海娘・ルイルイ

 

銀髪ボブカットの、黒い水着に黒いパーカーを羽織った、ナマコの海娘・ロメ

 

オレンジ色の髪をツインテールにし、白いキャミソールを着て、黒いホットパンツをはき、黄色いパーカーを羽織った、クマノミの海娘・リリア

 

4人とも、ブラッドウイングのメンバーである―。

 

 

「アンジェラ。

進路上に低気圧。」

と、気象レーダーを見ているリリアが言う。

 

「問題無いわ。

このまま前進。」

と言うアンジェラ。

 

そのまま、ブラッドウイングのボートは『低気圧』の中に入っていった…。

 

 

 

 

「な…何だ…?」

と、目を覚ますアンジェラ。

 

(何だ…?

私は、いつの間に眠ってしまったのだ?

と、起き上がるアンジェラ。

 

「おい!!

ルイルイ!!

リリア!!

起きろ!!」

と、ブリッジ内で倒れているルイルイとリリアを起こすアンジェラ。

 

「あれ?

いつの間に寝てたの…?」

と起きるルイルイ。

 

「リリア。

ロメを起こしてきてくれ。

きっと寝ているはずだ。」

と言うアンジェラ。

 

「わかったわ。」

と、エンジンルームに向かうリリア。

 

リリアが帰ってくるのと同時に、ボートも動き出した。

 

「たしか…

低気圧の中に入っていって…

そっからの記憶が無い…?」

と、首をひねるアンジェラ。

 

「私達も、どうして倒れていたんでしょう?」

と言うルイルイ。

 

そこに

「11時方向に反応あり!!

距離2万!!」

と言うリリア。

 

「何だ?」

と訊くルイルイ。

 

「船ですね。

速度12ノット。

北に向かっているわ。」

と言うリリア。

 

「北ということは、行き先は銀月港ね。」

と言うルイルイ。

 

「ならば

見逃すわけにはいかない

な…!!」

と、左目を輝かせるアンジェラ―。

 

 

東京に向かう貨物船を、横須賀鎮守府所属の第八駆逐隊(朝潮・満潮・大潮・荒潮)が護衛していた。

 

貨物船の右舷前方を航行している満潮の二二号電探が、アンジェラ達が乗るクルーザーを捉えた。

 

「1時方向より、接近してくる船影あり。」

と、駆逐隊の旗艦である朝潮に報せる満潮。

 

「進路変更を要請してください。」

と言う朝潮。

 

「了解」

と答えた満潮は、アンジェラ達のクルーザーに通信を入れた―。

 

 

アンジェラ達が乗るクルーザーに

〈こちら、横須賀鎮守府所属の第八駆逐隊です。

当海域を現在、東京行きの貨物船が航行中です。

進路を変更するか停船してください。》

と、満潮からの通信が入った。

 

「何を言っているのでしょうか?

東京なんて海の底なのに…。」

と、あきれるルイルイ。

 

「てゆ〜か、護衛がついてるみたいだよ?

どうする?」

と言うリリア。

 

「予定に変更はない。

やるぞ!!」

と、左目の金色の瞳を光らせるアンジェラ。

 

そして

「そちらの要求を拒否する。

われわれの狙いはその船だ…!!」

と、満潮に返信した。

 

「行くぞ!!」

と、海に飛び込むアンジェラ達―。

 

 

「ど…どうしよう、朝潮…

向こうは進路変更の要請を拒否してきました…!!」

と言う満潮。

 

「えっ?

なぜ…?」

と訊く朝潮。

 

「なにか…

貨物船を狙っているみたいなことを言っていましたが…?」

と言う満潮。

 

「貨物船を狙っている…!?

もしかして、海賊なのか…!?」

と驚く朝潮。

 

「そんな…!?

相手が人間だったら、私達じゃ対処できないよ!?」

と言う大潮。

 

というのも

艦娘は人間に対して発砲できない

のだ。

 

艦娘が人間に対して発砲する場合は、所属する鎮守府の提督に対人戦闘を要請し、許可をもらう必要がある

 

「とりあえず、桃田提督に」

と、朝潮が対人戦闘の許可を申請しようとした…

 

その時!!

 

突如、背後から飛び出したリリアに組みつかれた―!!

 

「死ね…!!」

と、リリアは右手に持つナイフで、朝潮の喉を掻き斬…

 

えっ!?

 

…ろうとしたのだが

朝潮の喉は鉄のように硬かった

 

 

艤装を装備した艦娘の体は、まさに軍艦そのもの―。

 

ナイフで傷をつけることなどできない―!!

 

 

さらに―

 

海から飛び出したルイルイが、両手に持つハンドガンで満潮を撃った。

 

しかし…

 

被弾しても火花が散っただけで、満潮は無傷―!!

 

な…なんで…!?

と、驚愕するルイルイ。

 

満潮はルイルイに主砲の砲口を向けるが、撃つことができない…。

 

「朝潮!!

提督に対人戦闘の許可を!!」

と叫ぶ満潮。

 

「わかった!!」

と、右手でリリアの右手をつかむ朝潮。

 

「離せ…この…

えっ!?

と、リリアは朝潮の手を振りほどこうとしたが

右手をまったく動かせない…!!

 

艤装を装備した艦娘に腕をつかまれたら、人間の力で振りほどくのは不可能だ

 

「こちら、第八駆逐隊旗艦朝潮!!

緊急事態発生!!」

と、朝潮は横須賀鎮守府に通信を入れた―。

 

 

横須賀鎮守府の桃田の執務室内に、緊急事態発生を報せる警報が鳴り響いた。

 

足柄が対応にあたる。

 

《こちら、第八駆逐隊旗艦朝潮!!

緊急事態発生!!〉

と、朝潮からの通信が入る。

 

「どうしたの!?

何が起きたの!?」

と訊く足柄。

 

《人間の海賊による襲撃をうけました!!

相手は銃火器も所持しています!!

至急、対人戦闘の許可をお願いします!!〉

と言う朝潮。

 

「桃田。

これは、ただ事ではない!!

至急、対人戦闘の許可を出してやれ!!」

と言う深海。

 

「みたいだな!!

対人戦闘を許可する!!」

と叫ぶ桃田。

 

「提督より、対人戦闘の許可が下りたわ!!

速やかに対処して!!」

と叫ぶ足柄。

 

 

「この時代にも、海賊がいるんですね…。」

と言う(カイ)

 

「だが解せん…。

こんな日本の近海に海賊が出るなんて…。」

と、首をひねる深海。

 

「おぅ…。

銃なんか持ってたって、艦娘には効かないことくらい、わかるだろうに…?」

と、あきれる桃田。

 

「銃が効かないんですか?」

と言う(カイ)

 

「人の姿をしているが、我々は軍艦だ。」

と言う那智。

 

 

「対人戦闘の許可が下りた!!

全艦、海賊を確保せよ!!」

と叫ぶ朝潮。

 

「了解!!

対人戦、開始します!!」

と、主砲をかまえる満潮。

 

そして…

 

海から飛び出したルイルイに撃たれつつも、ルイルイに向けて発砲した―!!

 

ぐはぁッ!!

と、満潮が撃った主砲弾をくらい、倒れるルイルイ…。

 

「海賊確保!!」

と、ルイルイを捕らえる満潮―。

 

 

満潮が撃ったのは

実弾ではなくゴム弾

 

殺傷能力は無いものの、当たれば

気絶するほど痛い―。

 

 

「ハアッ!!」

と、右手に持つ杖の先端から光弾を放って大潮を攻撃するアンジェラ。

 

しかし、光弾が当たっても、大潮の体に火花が散るだけで、大潮は無傷だった。

 

荒潮がアンジェラに向けてゴム弾を撃ったが、アンジェラは回避する。

 

 

「離せ…離せ…!!」

と、朝潮に捕らえられたリリアが、左手に持つナイフで朝潮を斬りつけるが、朝潮はまったくの無傷。

 

逆に

「おとなしくしなさい!!」

と、朝潮は左手でリリアの鳩尾を殴り、リリアを失神させた―。

 

 

海の中に潜るアンジェラとロメ―。

 

「マズいよぉ〜★

リリアとルイルイが捕まっちゃったよぉ〜★」

と、うろたえるロメ…。

 

「何なの、アイツら…?

私達の攻撃が効かないばかりか

水の上に立ってるし…!?

と、驚愕するアンジェラ。

 

「仕方がない…。

一度、船に戻って

アレ

を使うぞ…!!」

と言うアンジェラ。

 

「わかった★」

と、クルーザーに戻っていくアンジェラとロメ―。

 

 

クルーザーに戻ってきたアンジェラとロメは、積んである100センチ×75センチ×50センチのコンテナを開ける。

 

コンテナの中には

大量のガンプラ

が入っていた。

 

我々ブラッドウイングの恐ろしさを思い知るがいい…!!

と、アンジェラは左目の金色の瞳を輝かせた―。

 

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