如何にして人を辞め不死を愛するようになったか 作:不死を求める人
「ゼウス、万が一にも無いとは思うが……
「おらぬよ――紛れもなく、あやつ自身がやり遂げた事じゃ」
【ゼウス・ファミリア】の主神であるゼウスと、【ヘラ・ファミリア】の主神であるヘラ。
この二柱の神は、天界でも下界でも知れ渡っている通り夫婦の関係にある。
互いのファミリアがある故、拠点は別となっている。その為、定期的に会う時間を作って会っている。
そして、【ゼウス・ファミリア】に所属する【
「それなら良い――が、2ヶ月も経たずに
「ふむ……」
全くの同意見だ、とゼウスは肯定の念を表す。
「アレにアルフィアが興味を持っているようでな。関わってはいけぬ、と何度も言った事か……」
そして、ヘラの大事な眷属である【静寂】アルフィアが、アレに興味を持ってしまったのだ。
短期間でランクアップを成したという事もあり仕方がないといえば仕方がないが――それが原因で頭痛の種が出来てしまっていた。
強者に興味を持つ事自体良い。強さに正直でいることができなければ強者になれない――二大派閥にてゼウスとともに"最強"を誇るファミリアの主神だからこそ尚更。
……興味を持ったのが
「……お前から見て、【
ヘラの言葉を聞いたゼウスは、ひとつ確認という意味でもそう質問を投げかける。
「言わずとも分かるだろう――アレは本当に人間か?」
「――やはり、そう思うかの」
彼は、魔法とスキルが合わさって類似的な不死性を発揮できているというのもあるが――そもそもの話、人間はそう何度も"死"というものに耐えられる訳では無い。
不死性により、死んでいないとはいえそこには確かに"死ぬ"という感覚を何度も味わっているはずだ。
にも関わらず、彼自身は何事もなく普通に生活している……だからこそ、"異常"なのだ。
人は誰しもが多少なりの二面性を備わっているとは言え、彼のそれはとても二面性という言葉では片づけられないぐらいにハッキリと違う。
「アレの魂だ、明らかに
魂を見通せる神であるが故に、彼の異常さを見取れる――だからこそヘラはそう言葉をゼウスに投げかける。
ゼウスとて、【
今はまだ良いが、もしも本当の意味で"何か"になったその時は――
「……ハァ、全く」
ゼウスの思惑を感じ取ったヘラは、ため息を吐きこれ以上の言葉を投げることはしなかったのだった。
◇
「がっ!?」
また一人、闇派閥の者が地に伏せられる。
剣についた血を振り払うように、その場で勢い良く剣を振りかぶった後改めて構えを作る冒険者。
「……ッ」
冒険者の浮かべる
――2ヶ月未満というあまりにも規格外な短期間でレベル3に上がった【
レベル3という現時点では、それほど脅威的ではない強さと言え、将来において闇派閥の障害となり得ることは想定できる。
幸いなことに彼は1人でダンジョンに潜っているとの情報もあり……
もちろん想定しなかった期間で
しかし、現状では極めて良くない状況と言える。
「なんだあいつはッ!?」
「こ、こんなの聞いてないぞ!!」
【
そして頑丈さに留まらず、傷を与えたそばから再生していくと来る。
―――俺たちは、
これがモンスターであったならばそれ程動揺はなかった。しかし、相手は人間……それも、レベル3の冒険者1人。
こちらの戦力を考えると過剰戦力だと思っていたのが、むしろ足りないのでは無いかと思わされるほどに規格外。
「……【燃えろ 燃え盛れ 至高なる炎の海よ」
すると、突如魔法の詠唱を始める冒険者。それを聞いたと同時にすかさず数人かがりで冒険者の喉を切りにかかる。
「この地に舞い降り 全てを――」
レベル3の攻撃がまともに通らないとわかった以上、敏捷が高いレベル4が魔法の詠唱が終わる前に【
それと同時に大量の血が空中に舞うが……
――――焼き払いたまえ】」
「……は」
気が付いたら、どこを見渡しても炎しかない空間の中にいた。いや、魔法の展開速度があまりにも早くて一瞬の内に炎が広がったといっていいだろう。
レベル3の者らは、炎により息を絶えて地に伏せており、辛うじてレベル4の2人は生き残っていた。
しかし、彼の1番前にいた者は生き残ってはいたもののまともに動けぬであろう重大なダメージを負っておりこの戦場から離脱したも同然。
「――――何、なんだよ」
実質この場には、魔法を展開した冒険者と、手負いの状態であるレベル4の闇派閥の者しかいなかった。
燃え盛る炎のなか、静かに立っていた【
「何なんだよ、お前はぁぁああ!!!?」
【
そして、格上であるはずのレベル4を相手にして粘り勝ちを成し遂げた冒険者に"偉業"が認められないはずもなく。
――この出来事を通して、【