如何にして人を辞め不死を愛するようになったか 作:不死を求める人
レベル5に至り、今も尚オラリオ中の注目を集めている【
最もレベル5に至ったことで、肉体の強度が上がり湧き出す欲求を抑える理性も
「……」
己の目指す所に行くにはどうすればいいか。改めてそれについて考察を深めていた。
――レベル5に上がれたのはいい。これで、また一歩己の目指す"不死"というものに近づけたのは良い。
だが、"不死"を目指すにおいて何よりも解決しなければならない問題が一点。
それは"恩恵"によって己の不死性が発揮されているという点である。
つまり何らかの事由により"恩恵"が失われたとしたら、不死に等しい再生能力が失われるも同等。
――
文字通り、身を粉にしてまで戦闘を重ねてきた。いくら痛かろうとも、いくら死にそうになろうとも己の目指すものを考えたらそんなものは壁でも何でもない。
新たなスキルによって己の寿命が伸びたのもあり、一区切りをつけるまで
◇
――「【燃えろ 燃え盛れ 至高なる炎の海よ この地に舞い降り 全てを 焼き払いたまえ】」
――深層。上級冒険者であっても、命の危険が充分にある場所にて、持前である攻撃魔法を詠唱する【
何度も詠唱してきたのもあり、従来以上の詠唱速度を以って詠唱を完了させ、この場一面に凄まじい威力を持つ"炎"が広がる。さらに、スキルによって【魔力】が補強されているのもありレベル5とは思えない威力を持っていた。
「【燃えろ 燃え盛れ 至高なる炎の海よ この地に舞い降り 全てを 焼き払いたまえ】」
深層に居るであろうモンスター相手に、スピーカーのごとく繰り返して魔法を発動させる。
【
「【燃えろ 燃え盛れ 至高なる炎の海よ この地に舞い降り 全てを 焼き払いたまえ】」
スキルにより更なる威力となっている魔法の前に、モンスター達は成す術もなく灰と化す。
――精神力を回復する発展アビリティである、【精癒】。そのアビリティによって、精神力が消費されたそばから回復、のサイクルを繰り返すことが可能となる。それによって、【
つまりは、能力値とスキルによるゴリ押し。なまじ従来以上の【魔力】を持っているが故にこの"ゴリ押し"は皮肉なことに有効であった。
1回2回4回8回16回32回64回128回256回……1回の積み重ねが何度も繰り返され、やがてダンジョンにおける壁も
ダンジョンにおける壁は、そう簡単に崩れないが――それでも限度はあった。とてもレベル5とは思えぬ威力の持つ魔法が、何十回も何百回も何千回も何万回も発動させられると話は別であった。
そんな【
「……?」
当の【
すると、その次の瞬間どこからか声にならない雄叫びのような音が聞こえ始める。
どことなく登場した
怪物の姿を目にした【
――【
恩恵を昇格させるには、難敵との戦闘が必要不可欠であるということもあり――想定外の怪物が誕生するという事態に歓喜を覚えざるを得ない。
ダンジョンにおける"免疫機能"ともいえるものが作動し、本能のゆくままに【
―――【
「――!」
だが……彼の胴に食い込みはしたものの、両断には至らず
怪物の持つ凄まじい殲滅力を以てしても、
その直後怪物から距離を取ると同時に、切り傷に肉魂が形成され、一秒ともかからずに元通りになる。
一度の攻撃を目にした冒険者は、再度攻撃してくる怪物に対応するようにありったけの力を込めて殴り込む。
怪物の攻撃に当たったその拳は、血が舞い上がるほどに切り傷が付けられたが……それと同時にジャガノートの攻撃に使った破爪も
いかにダンジョンによって生み出された怪物であろうとも、砕け散ったものを再生するには時間を要する。一方、冒険者は箇所にもよるが手の再生程度であれば、一秒すらかからないほどに凄まじいほどの再生速度を誇っている。
既に再生を終えた拳を、殴り込んだ姿勢のままさらに怪物に向けて殴り込んだ。
「―――――!!」
怪物の身体を構成する、
殲滅力や攻撃力を重視する身体構成をした怪物にとって、【耐久】と同じく【力】にも補正が効いている冒険者の殴り込みはかなりのダメージとなる。
その為……声にならない悲鳴に近いようなものを上げることとなってしまう。
――その時、怪物は違和感を覚えた。
いくら怪物だろうと、攻撃を受けた際の怯みは殺せない。戦闘する以上それはどうにもできない隙であった。
この冒険者からすると、その隙をつくぐらいは容易なはず。だが、冒険者はあえてそれをしないでいることに違和感を抱いたのだ。
なぜ隙があるにも関わらずそれをしないのか――それはつまり。
「―――!!!」
その事に、湧き上がる憤怒のままに声にならぬ叫びを上げ……崩れかかっている身体を急速再生し、暴れ始めた。
今まで以上の攻撃速度で、目の前にいる冒険者に攻撃を加える。
――排除せよ。
―――排除せよ、排除せよ。
――――排除せよ!!!
怪物の持つ脅威的な攻撃力により、冒険者に傷を与える。それすらも、致命傷となる傷を与え続ける。
しかし――冒険者は倒れない。それどころか傷を与えた傍から再生し、まるで
さらに、暴れる怪物に徐々に対応し始める冒険者。戦状の天秤が、冒険者の方へと傾きつつある状況下で。
怪物の攻撃に対応しつつある冒険者【
【
――恐怖を抱く訳でも無く、敵意を向けてくる訳でも無く。怪物という存在に憐れみを向けているのだ、この冒険者は。
火に油を注ぐように、憤怒がさらに湧き上がった怪物は一層暴れる。目の前にいる冒険者ヲコロスタメニ。
しかし既に対応し始めている冒険者に有効打を与えられぬまま――やがて、
「――、―――――、―」
文字通り粉砕。再生もままならず、命を潰えたその怪物を目にして――【
寿命いくばくもない、ダンジョンによって産み出された"異物の排除"という役目を全うするだけを求められた怪物。
――自分もこうはなりたくないと思ったのか。それとも、怪物の心境を考えるととても耐え難いものだろう、とそう考えたのか。
それとも寿命がほとんど残されていない状況であっても役目を全うしようとするその光景に、
そのどれかであるかもしれないし、そのどれかでもないかもしれない。しかし【
――この時点で、まだほとんどの者に知られていないであろう怪物は葬り去られ、【
それと同時に――この事態に危機感を抱いたギルドから、接触を