人を助けられなかったやつは人殺しと同じだ。
この世界には大勢の医者や消防隊員がいるよな?
でも人は万能では無い。重傷を負った人を救うことができず死なせてしまったことはよくあることだ。
それはいいんだ。多分、仕方の無いことだ…。
でもさ、救えなかったやつは幸せになっていいと思うか?
「うあああぁぁぁっっっ!!」
蹴られた腹が痛い…。でも痛がってる余裕はない。
メグルはすぐに走ってきて俺に向かって拳を打ちつけてきた。
今俺たちはジャスティスロワイヤルの制裁ゲームってのに参加してる。いや、参加されている。
デザロワの最終戦でゲームマスターがニヤリとかいう女にドライバーを奪われたせいでジャスロワとかいうゲームが始まった。
俺らにとっては突然変なゲームにエントリーされて理想の世界を叶える為に戦ってきた、なのに突然ゲームマスターのせいでもっと変なゲームが始まった。しかもその尻拭いをさせるかのように俺らが戦わされている…。
だけどプロデューサーから『ヴィジョンドライバーを取り返した方がデザ神とし、理想の世界を叶えてあげましょう』って言われた。だから今俺は戦ってる。
でも、俺は金持ちになりたかっただけ。ここまでして欲しいとは思わない。正直もうやめたいとも思ってる…
俺は理解してなかった、理解していた気になっていただけ…
IDコアとベルトを受け取った時点で、もう後戻りはできないってことが…。
俺が移送されたのはちょうど自宅で女友達のひかりと電話していた時だ。これからどうするかを相談していた。
その時、周りの景色がガラリと変わるように俺は部屋からこのゲームエリアに移送された。
「ぐはぁっ!!」
「はあぁっ!!」
そして今俺はメグルにボコられている。
こんなの初めてだ…。(というか普通滅多に経験しない)
しかもこいつ、結構容赦なく殴ってくる…。
「おいメグル、ちょ、ちょっと待て!1回話を─────」
「っ!」
ゴキッ!ボガッ!
やめろって言っても全然やめない。これが正義のゲームなのか?メグルはそのまま殴ってくる。
しかも無言で。(これが結構怖い…)
「終わりだ」
『
右拳にエネルギーを溜めると俺の腹を殴った。
俺は吹き飛ばされて変身が解けた。
「ゴホッ!ゴホッ!っ、クソ…」
「・・・・・・執行する」
メグルが拳を振り下ろそうとしている。
今俺は変身が解けて生身の状態、こんな格好で仮面ライダーのパンチなんて喰らったらヤバい。くそ、ここまでか…!俺は目をつぶり反射的に右腕で顔を覆い隠した。
『しゅうりょうーーーーーーー!!!!』
ニヤリの声を聞いてゆっくり目を開けると、メグルの拳がすぐ目の前にあった。
だが、その拳は俺の顔に来ることは無かった。
それどころかベルトからバックルを外して自分から変身を解除した。さらにニヤリのアナウンスが続く。
『第一ウェーブはこれでお終い!第二ウェーブは今から1時間後、別の敵を呼ぶからみんなゆっくり休んでね〜?』
その合図があり他の4人の仮面ライダーたちも変身を解いた。全員可愛かったり、中には男っぽいやつもいる(でも胸元ですぐ女だと分かった)。
「よぉし、帰るか」
「それでは、ごきげんよう」
「お前たちはいずれ裁く」
「あはは!待ったね〜」
4人は光になるように消えた。自分たちのアジトに移送したんだろう。
「メグル!!」
俺は帰ろうとしていたメグルを呼び止めた。
「お前、なんでジャスティスロワイヤルなんかに参加してんだよ…なんなんだよ、俺らが悪とか訳わかんねぇよ!!俺、なんかしたのか?なぁ!!」
強く叫んで聞いてみた。それに対してメグルは、
「・・・・・・お前らのせいだよ」
それだけ言い残して行った。
俺はわけも分からないままその場に倒れた。
その後俺たちは
アイツら全員強かった。今後どうなるのか、不安を覚えていた。
目が覚めた時、
牢屋と言っても床も壁も綺麗だし空調もしっかりしてる。
しかも壁にはデカイテレビが付いてる。ご丁寧にリモコンもある。部屋の隅に敷布団と毛布が置いてある。
ただ、目の前に鉄格子は付いているから多分牢屋だと思った。(牢屋にしてはしっかりしてる部屋だ)
デザロワだと脱落したら記憶を消して自宅に戻されるが、ジャスロワの場合はこの牢屋に移送されるみたいだな。
この部屋の広さ的には2人で少し狭い程度だ。
俺と音也は真っ先にこの部屋から脱出する方法を考えた。
ただ残念ながら通気口は狭すぎるし、この部屋明かりは電気だけで窓がない、鉄格子は当然鍵が掛かってるし、食事をこの部屋に渡すための長方形の穴はあるけど手を出せたとしてもドアにも届かない。
こうなったら変身して脱出しようとも思ったけど、ベルトもバックルも取られてる…。
今の俺たちには打つ手なしだ。
「なぁ、今何時か分かるか?」
「分からない…。スマホも取られてるみたいだし、この部屋時計もない」
と、その時だった。
『はぁ〜い!ギャーゴとゼルガくーん!』
「うわっ!?びっくりした…」
壁にあるテレビの画面から声が聞こえてきた。
そこに映ってるのは今回の事件の首謀者、ニヤリだった。
軍服を身にまとっていて、銀色の髪の毛、紫色の瞳、年齢は見た感じだと同じ20歳いくかいかないかくらいだ。
『あれ?ちゃんと映ってるこれ?ごめんねそっちの様子は監視カメラで分かるんだけど、声まではこっちに聞こえないからさ。まぁとにかく、ようこそジャスロワの収容所へ!君たちはこれから囚人としてジャス神が誕生するまでの間はそこに住んでもらうからね?
安心して、命まで取ろうって訳じゃないさ。
食事は与えるし、布団もあるし、このテレビだってある。
あ、でもジャスロワの時間になったら自動的に番組変わるから気を付けてね〜?それじゃあまたね〜!!』
そのメッセージを伝えて画面に映っていたニヤリは消えて何も映ってない状態に戻った。
取り敢えず俺は気を紛らわす為にテレビをつける。
この時間だとニュースくらいしかやってないけど…。
『先週。同級生を自殺に偽装し殺害した容疑で、星蘭高校の女子生徒が逮捕されました。調べによりますと─────』
「最近この事件ばっかりだな」
「あの女子校のやつか?なんかこの事件、2人の探偵が解決したって噂だよ」
「マジで?ホントにあるんだなそういうこと」
──────────ギュルルル
変な音が部屋になった。それも音也の腹から。
「・・・・・・あ、そういえば俺昼食の途中で移送されたんだった。実質昼食抜き」
「そういえば、俺も大体そう…」
今見てるニュースの左上画面を見ると時間はまだ2時、夜飯まで時間はかなりある。戦った後だしさすがに辛いな…。
「──────────ならこれ食うか?」
そこにいきなりやってきたのは、さっき俺らと戦ってた仮面ライダーの一人だ。
「お前、確か…」
「
鉄格子の食事を渡す穴を通して渡してきたのは、お盆に割り箸と一緒に乗せた煮干ラーメンだった。煮干しだけじゃなくて、海苔やチャーシューまでトッピングがある、スープのいい匂いが部屋に鉄格子を通してやってくる。
当然怪しいと思った。敵が出す料理なんて毒を盛ってるとしか思えない。でも、空腹とラーメンから香る匂いがそんな思考を忘れさせてしまう…。
俺らはすぐに受け取ると割り箸を2本に割って麺を口に放り込むように食べた。
「美味い…」
「んん、いいのか?俺らは仮にも敵なのに」
「いいんだよ、別にあたしはの目的はお前らを殺すことじゃねぇからな。あたしはあくまでも自分の正義を叶える為に戦ってるわけだし」
正義、か…。
「・・・・・なぁ、お前の正義ってなんだ?昔なんかあったのか?」
待ってる間、こいつの事情でも聞いてみるか。
なんだか、話を聞いてみたくなった。
「・・・・・・・気になるか?長いよ」
「んじゃ短めで頼む」
「・・・・・・あれは、2年前だ」
あたしは飛鳥渚。仮面ライダーフェネックだ。
あたしは田舎で産まれ、お袋や親父、地元のおっさんたちに愛されて育てられた。2つ下の妹と一緒に。
「姉ちゃん!虫取りに行こうよ!」
「おう、今行く!」
妹や学校のダチと森に行って虫取りしたり、川で水遊びをしたり、木登りして夕日を見たり、それで帰りが遅くなってお袋にめっちゃ怒られたり、幸せだったよ。
でも、幸せな時間は意外と長くは続かないもんだ…。
全てが変わったのは高校に入った時だ。
あたしの18歳の誕生日。会社員の親父が仕事を早く終わらせてでっかいケーキを買って来てくれた。
お袋もあたしの好物をたくさん作ってくれた。
高校のダチや幼なじみの親友も来てくれて誕生日パーティーを開催してくれた。
ただ、早く帰るって言ってた妹が5時を過ぎても帰ってこなかったのだ…。
「ったく、
親父とお袋が何度電話しても繋がらない。
仕方なくあたしたちは先にパーティーを始めることになった。
『なぎさ!お誕生日、おめでとうー!!』
あたしの誕生日は盛大に始まった。
その日は楽しかった。その日は嬉しかった。
その日はいい思い出になった。
あの、1本の電話が来るまでは────
妹が、事故にあったのだ。
すぐに家から飛び出した。
親父が車に乗り助手席にはあたしが。お袋はあたしの友人たちの為に残ってくれた。
電話の相手の医者から搬送先の病院名は聞いている。
親父もあたしもすぐに向かった。
15分後、病院に到着した。車を停めてあたしと親父はすぐに病院の中に入る。
看護師が妹の元へ案内してくれた。
治療を担当した医者があたしと親父の元へやってきた。
「──────────残念です」
・・・・・・・・・・・は?
「手は尽くしましたが…」
なんて言ったんだ?
「・・・・・・ありがとう、ございました」
親父、なんだよそれ、どういう意味だ?
その後、妹に会うことができた。
妹はとても、冷たくなっていた。
起きてくれと、何度も願った。
でもその願いが届く訳もなく…。
あたしの誕生日が、妹の命日となった。
その後、警察から詳しい説明があった。
今日の4時40分、銀行に強盗が押し入った。
犯人は車で逃走し警察は犯人を追跡していた。
犯人はかなりのスピードで逃走し赤信号も完全無視の暴走だった。
そして、妹を轢き殺したということだ。
その後、犯人は長い裁判を終えて死刑判決が下された。
まぁ当然だな、轢き殺したのは妹だけじゃなかったらしいし。
でも、1つだけ納得出来ないことが残ってる。
治療を担当した
前にお袋と一緒に妹が搬送された病院に行ったんだ。
その時、あいつを、妹の手術を担当した医者を見かけたんだ。
あいつ、妹を救えなかったくせに辛そうにもせず、
──────────笑ってやがった
しかも、前は動転してて気付かなかったけどあいつの右手の薬指には指輪があった。
妹は死んだのにあいつは幸せになってるってことか?
「・・・・・・・・ふざけるな」
そのことをお袋や親父に相談した。
そしたら、逆恨みはやめろっていいやがった。
許す気か?自分の娘を救えなかったくせに幸せになってるあいつを許し気か?
「んなこと、させるか…」
あたしは許さない…絶対にあいつを、あんな奴を許さねぇ。
その日から考えるようになった。
どうして人を救えなかった医者は幸せになっているのか。
そんな資格そんな奴らにあるのか?
なんで罪に問われない?なんで罰が与えられない?
なんで笑う?なんで普通でいられる?なんで?なんで?
なんで、なんだよ…。
次第にあたしは医者を憎むようにもなった。
「おめでとう!今日から君は、仮面ライダーだよ。
そして、この世界を救う
そんな時、ニヤリと出会ったんだ。
あいつはあたしに海界のIDコアを触らせた。
そして思い出した。あたしが昔仮面ライダーだったことを。
デザロワに参加したのは16歳の時、陸上部で身体を鍛えてたこともあって最終戦まで勝ち残れた、でも最終戦で負けちまった。だから記憶を消されて仮面ライダーだった記憶もなかったんだ。
「正義?」
「そう。なぎちゃんにはあるはずだよ?命を救えなかった医者を幸せにはさせないっていう、法では裁けない罪を憎み、許さないっていう正義が。」
ニヤリはあたしに黒いデザイアカードとは対照的な白いカードを渡してきた。ジャスティスカードって名前らしい。
「あたしの、正義…?」
「そうだよ。君はこの世界を、どうしたい?」
どうしたい、か…。
あたしは、医者にはもっと人を殺したっていう自覚を、もっと感じて欲しかった。
救えなかったことは殺したことと何が違う?
なんで幸せになろうとするんだ…。
この世界の医者全員そうだ。
救えなかったことを、殺したことを、医者には責任はないとか、手は尽くしたとか、言い訳ばっかりじゃねぇか…。
死んだ人には家族がいるんだぞ、その家族はどう思いながら生きてるんだ…。
許さない。許せるわけがない。
医学は万能じゃないっていうなら、罪に問われないっていうなら、なら、あたしがあたしの正義で変えてやるよ。
『命を救えなかったやつ・救わなかったやつが罪に問える世界 飛鳥渚』
これで、罪を償えさせることができる。
妹が苦しんだ分、たっぷり償ってもらうからな。
時刻は10時23分。
でも今回は僕から特別にシークレットミッションを用意したよ、みんなクリアできるかな?
それじゃあ、第二ウェーブスタート!正義執行、開始!!
お、さっそくメグ君がパロス君を殴ってるぞ!
顔面を殴る!腹を蹴る!回し蹴り、おっとパロスギリギリ避けた!?パロスがビートアックスでメグ君を斬る!
やられっぱなしはヤヤってことかー?
でも身体強化されてるメグ君には通じないZE!
メグ君がビートアックスを右手で掴む!奪う!
そして右膝で、
バキィッ!!
真っ二つに折ったー!!(あ、どっかのメガネかけたサイボーグじゃないよ?)あはは、パロス君驚いてるね〜。
「こんなもん効くか!」
メグ君が改めてパロスに向かっていく。もう武器がない彼は終わったね♪さぁメグ君!そのままトドメだ!!
モンスターバックルの頭を2回叩いて〜、
『
「はあああああぁぁぁっっっ!!!」
パロスをぶん殴って吹っ飛ばした!
吹き飛んだパロスは壁に打ち付けられ変身が解除すると、身体が粒子状になっていきやがて消滅した。
『
山城颯太 仮面ライダーパロス 脱落 残り47人
きゃあーーー!!さすがメグ君ー!
あ、いけないいけない。今日はなぎちゃんメインだったね。
えっと、なぎちゃんは・・・・・・ありゃ、押されてるね。相手は、タイクーンか。デザロワ経験者だからね〜、ちょっと強いよ〜?
「やられて、たまるかあぁっ!!」
「うわぁっ!?」
あのスカポンタヌキめ、女の子相手に容赦がないな。
なぎちゃんを斬る、蹴る、オマケに殴った。
なぎちゃんも自分の剣で斬ろうとするけどタイクーンそれを避ける!
『
タイクーンが身体の上下装備を反対させるとニンジャバックルの風の力を合わせてなぎちゃんに連続キックした。
なぎちゃんは吹き飛ばされ後ろの壁まで追い込まれた。
『
「これで決める!」
『
あ、ヤバいかも。タイクーンがニンジャデュアラーのディスクを3回回した。必殺技じゃん、さすがに耐えられるかな?
「──────────しょうがないな」
『
きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!
メグ君がタイクーンに向かってパーンチ!
タイクーンが見事に食らって吹っ飛んでったぜ!!
と、ここで〜♪
『シークレットミッション クリア!』
僕が用意したシークレットミッションだよ。
『敵の仮面ライダーから仲間を守る』クリアだね!
メグ君となぎちゃんの足元に
いやぁ、優しいメグ君ならそうすると思っていたよ。これで君たち2人は、また一段と強くなる。
「このバックルは…?」
「渚、どうした?お前の正義はそんなものじゃないだろ。 この世界の『正当化』という罪を、医者や救急隊のクズ共を裁くんじゃなかったのか?」
これはジャスティスロワイヤル開催の1ヶ月くらい前。
俺たちは全員集まってそれぞれの境遇や叶えたい正義について話し合っていた。まず最初に話したのが渚だ。
命を救えなかった医者や救急隊員も人殺しと同罪。
罪に問うことが出来る世界に変えることが渚の正義だ。
「ですが…お医者様も最善を尽くしたのでは?それでも助けられなかったのは、その、仕方ないのではなくって…?」
アイリスが少し反論した。確かに言いたいことは分かる。
でも、
俺には、よく分かるんだ…。
「俺は理解できるよ。助けられなかったやつは加害者と同じだ」
「・・・・・・理解、してくれんのか?」
「俺も、そうだからかな…。俺もな、助けられなかったやつも助けなかったやつも、直接手を下した奴らと同罪だと思う」
そう、これが裁けない罪の1つだ。
人間の一番罪深いところは「正当化すること」だ。
例えば、大火災が起こっている建物があるとする。
さらに、その中にはまだ逃げ遅れて取り残されてしまった人がいるとしよう。
発見した人はまず通報する。
消防隊が駆け付けるまでに必ずのように
この時点で問題なのだ。
なぜ消火活動をしたいのだろう?なぜ取り残された人を助けようと建物に入らないのだろう?
この野次馬たちは罪には問われないだろう。
だが、実際のところこいつらは目の前で死にそうになっている人がいるのに恐怖に負け、消防士の人たちに人任せにして、ただボケっとつっ立って傍観している卑怯な悪魔ということだ。
そして仮にその火事で人が死んだとしても誰にも責められることも無く、罪の意識も感じることも無く、幸せに生きようとしているのだ。
俺はこんな奴らが大嫌いだ。
なぜ助けなかった?と聞けばきっとそいつらは、
「怖かったから…」
「私が行ってもどうにもならない」
「俺には関係ない」
「そんなの火事起こした原因が悪いじゃん」
「消防士の人たちも『入っちゃダメ』って言ってたし…」
これが人間の恐ろしいところだ。
自分だけじゃなく、周りの人間も相手の罪を正当化してしまいがちだが、そんなことは許してはいけない。
罪は罪として強く受け止め苦しまなければならない。
正当化とは、罪だ。
海界… そうだ。負ける訳にはいかないんだ!!
あたしは箱の中に入っている銀色のバックルを取り出して今装備してるバックルをベルトから取り外す。
「海界、行くぞ!」
あたしたバックルを右側に、海界は左側にセットした。
『
バックルについてるボタンをポチッと押した。
『
仮面ライダーフェネック レイジングフォーム
仮面ライダーボエール レイジングフォーム
あたしと海界の強そうなフォームに変身!
・・・・・・・・・・・しなかった。
「・・・・・・は?」
「なんじゃこりゃ!?」
身体は真っ黒なスーツのままだ。変わったのは・・・・・顔だけだった。仮面の目のところにゴーグルが付いた。
それだけだった。ただ、あたしと海界のところに専用武器が
「剣、か?」
さらにこの剣にはもう1つコマンドバックルがくっついていた。これは引っ張ってみたけど抜けねぇ、多分ただの飾りかも。
「おいニヤリ聞こえるか、これどうやって使うんだ?」
『それはね?戦えば分かるよ〜』
全然説明になってねぇ…。まぁでも、やるしかねぇか!
あたしは海界とほぼ同時に敵に向かって走り出す。
「うおおおおりゃーーーーー!!!」
あたしは高く飛んでその勢いで斬りかかる。
刃が相手のライダースーツから火花を散らさせる。
結構切れ味いいなこれ。
海界もいい感じだ。斬る、斬る、殴る、蹴る、斬る。
1回剣を捨てて相手の頭を掴んで膝で蹴る。
んでまた顔面を殴る。剣を拾って斬る!
「ん、そろそろか。渚!剣にエネルギーが溜まったらついてるバックルを動かして外せ!」
おお、気づかなかった。確かにあたしの剣も光ってる。
バックルのレバーを少し倒す。
『
バックルを引っ張ってみると剣から外れた。
ってことは、ベルトの反対側に挿すってことか!
試しにセットして起動させる。
『
あたしと海界の隣に銀色の上下セットのスーツが現れた。
『
仮面ライダーフェネック コマンドフォーム ジェットモード
仮面ライダーボエール コマンドフォーム キャノンモード
あたしには銀色にオレンジ色の線が入って背中に翼のようなパーツが付いてる鉄のスーツ。
海界には銀色に水色の線が入って両肩にはキャノン砲みたいなパーツがついた鉄のスーツ。
「スゲェなこれ!」
「行くぞ」
海界は試しに2発、ドカンとエネルギー玉をぶっぱなした。
放った先で大爆発が起こりその場にいたヤツらはみんな吹っ飛ばされた。
「なんで私たちまでーー!!」
「ですわーーーーー!?」
おっと?海界の砲撃で綾崎と早乙女も吹っ飛ばされちまった。
「あ、ごめん」
海界はちゃんと謝る。戦闘中なのに、やっぱこいつ真面目だねー。んで、今度は釘原の方へ向ける。
「釘原、避けろ!!」
「なにっ!?」
また2発撃ってドッカーン!
今度はちゃんと敵だけ吹っ飛んだ。
「ボエール貴様!何をする!?」
「避けろって言っただろ?渚が」
よし、次はあたしだな。
ゆっくりと宙に浮かんでそのまま上昇する。
「いい眺めだな!んじゃ、一気に片付けるか!!」
あたしは剣についてる小さいボタンを押す。
「ヤバい。おい!みんな逃げるぞ!!」
えーっと確か、神崎、だっけ?あいつが危険を察知して全員逃がそうとする。でも、
「逃がすと思うか?」
『
海界があいつらの背後に回って大砲にエネルギーを充填している。よし、あたしと海界で挟み撃ちだ!!
『
まずあたしが上空から斬撃を何回か放つ。
続いて海界がデカイエネルギー弾をぶっぱなした。
敵たちがいる場所で見た事ない大爆発が起こった。
かなり煙が舞った、煙が消えるとそこにはあいつらのベルトだけが残ってた。
『はーい!敵ライダー全員脱落ぅー!!残りは40人♪』
ニヤリの陽気なアナウンスがエリアに流れてきた。
にしても、一気に8人も倒せるなんてこのバックルスゲェな。
すると、海界のやつが早乙女に近付いた。
「アイリス、これやるよ。俺身体強化されてるからいらない」
おいおい、あいつコマンドバックルを早乙女に渡した。
せっかくゲットしたいいアイテムなのに勿体ない。
「はぁ…でも、なぜわたくしに?」
「この中で一番心配なのがお前だから。それだけだ」
「・・・・・・は!?」
まぁ確かに、早乙女って特に格闘技とかやってなさそうだし。早乙女はなんか納得してねぇみたいだけど。
「なぁ海界!」
「ん?」
「あたしの正義、共感してくれてありがとな!」
「別に。それより、妹さん喜んでると思うよ。姉ちゃんが自分のために必死になって戦ってるからな」
やっぱ、海界っていいやつなんだな!
さっき、唯夏ちゃんから連絡が来た。八雲たち10人が脱落して捕まったみたい。まさか第1回戦でいきなり10人もやられるなんて…。
「こっちはデートの約束もあるのに…」
スパイダーフォンを取り出してサポータールームに入室する操作をしようとする。
こんな携帯1つで部屋に入れるとか未来の技術ってほんと便利。
「─────────こーんにちわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
「きゃぁっ!?」
後ろからいきなりデカい声で呼び止められた。
振り向くとそこにいたのは、軍服を着ているコスプレした女の人だった。あ、この人ヤバいも思って早歩きでその場から離れて──────────軍服?え、まさか…
「ニヤリ…?」
「お、正解♪メグ君のサポーターであり、ジャスロワのゲームマスターさ!」
「・・・・・・・」
うちはこっそりとカバンのチャックを開けてベルトとバックルを取り出そうとした。
「もー勘違いしないでよ!僕は戦いに来たわけじゃないんだよ?」
「・・・・・・なら、なんなの?」
「忠告をしに来たのさ」
ニヤリはいきなり顔を近付けたと思ったらうちの耳元で囁いた。
「これから起こる事も、争いも、悲劇も、ぜーんぶ。
君のせいだよ。君は過去の選択を、後悔することになるかもね?」
この時のうちには、どういう意味なのかさっぱり分からなかった。聞こうとしたけど、振り返った時にはもうニヤリはその場にはいなくなっていた。
みんなー!ニヤリだよん♡
ごめんね遅くなっちゃって、次回はアイリスちゃんメイン回だぜ!