この屋敷はアイリスが18歳の誕生日にご両親がくれたらしいのだが、広い上に3階建ての庭付きだ。
やっぱり恐ろしい財力だな。俺はアイリスに尋ねてみる。
「なぁ、アイリスのお父さんとお母さんって何してる人だっけ?」
「私のお母様はイギリスで大富豪として知られているクラエス家の娘で、お父様日本で医療機器の開発会社の社長ですわ。クラエス家は代々様々な国で医療機関や教育現場などへ支援をしていることで有名でその経緯で知り合い惹かれあったとか」
なるほど。金持ちと金持ちが結婚したわけか、スゴイな。
アイリスは将来父親の会社を継ぐことが夢だと言っていた、素晴らしい親子だな。なんだか、羨ましいよ。
今度は渚が話しかける。
「あのさ、アイリスのことはどっちで呼べばいい?早乙女かクラエスか」
渚は基本的に人を苗字で呼んでいる。まぁ、呼び方は重要になるのか。俺はあまり馴れ合うつもりはないが。
「どちらでも構いませんわよ。ただわたくしは生まれも育ちも日本なのでどちらかと言えば日本人よりかもしれませんわね」
「んじゃ早乙女で!改めてよろしくな!」
「えぇ、よろしくお願いします。それはそうと」
アイリスはティーカップを置くとニヤリの方へ視線を送る。
俺のサポーターであるはるか未来から来たというニヤリ。
あいつはさっきからパソコンに向かってニヤニヤしながらカタカタとキーボードを打ったりマウスを操作したりしてる。
どうせくだらない事でもしてるのだろう。
「ニヤリ様。次のジャスティスロワイヤルはいつ頃開催するのかしら?それと、先程から何をなさっておられますの?」
「なにって、この前のジャスロワで撮ったメグ君の写真と映像を整理してるに決まってるじゃないか!!」
ほーら、くだらない。
「なぜ写真など撮る必要が?ご本人がこちらにいるではありませんの」
「分かってないなあっ!!当然だけどメグ君の戦闘は毎回違うんだから!こうやってパソコンで愛を込めてUSBメモリに永久保存してるの!!これが僕の日課なんだから。ほらこれ見てよ!タイクーンに馬乗りしてボコボコにしてる時の写真!
あぁ〜、やっぱりメグ君を正義執行人にしたのは大正解だった。きゃは♡」
「はぁ…分かった分かった。それで、次のゲームはいつ行う?」
「んーーーーーーー。じゃあもうやろっか?ゲーム自体はもう決まってるし」
ならさっさとやって欲しい。
俺を推してくれたり応援や支援をしてくれるのは嬉しい(映像の保存とかは少し恥ずかしい)けど、こいつは真面目さが足りない、だからいつも手を焼いてる。
「次のゲームはなに?だるまさんがころんだ?三角とか星型のかの型抜きかな?ハッ!もしかして、ガラスの橋を渡らせるとか!?」
愛羅、それは別のデスゲームだ。
仮面ライダーに変身すればほとんど意味ねぇし。
「チッチッチ、もっとハードル高いゲームだよん。
ところでみんな─────────足に自信あるかい?」
・・・・・・ない、と言ってもやらなければいけないんだろな。
「・・・・・・・・・」
──────────これから起こる事も、争いも、悲劇も、ぜーんぶ。──────君のせいだよ。君は過去の選択を、後悔することになるかもね?
ニヤリはうちの前に突然現れて意味不明なことを言ってきた。
(うちのせいってなに、過去の選択?何の話?)
あいつはこれから起こる悲劇は全部うちのせいだと言って消えた。「過去の選択」についても心当たりは無い。
もしかして、メグルがジャスロワにエントリーしていることと何か関係があるの?
「──────────紅葉よ」
「きゃっ!?」
ヤバ、変な声出た…。そうだ、今うちはサポーターのペロリさんの部屋にいるんだった。
ブーストバックルを与えるとメールをもらってサポータールームに来ていた。それと少し話もしたいらしいけど。
「そんなに驚くでない。今日は紅葉、おぬしと対策を立てようと思うてな」
「対策…もしかして、メグルのですか?」
「うむ。実はあやつについては少し気になっておった、以前紅葉に聞いた話じゃと、かなり弱い男だったらしいが」
まぁ、強くはなかったね。小学生の頃は泣き虫だったし。
運動もスポーツも苦手みたいだった。
「にも関わらずじゃ、あやつはあのレオに勝利した。何故じゃ?いくらうぬを利用したからと言ってもそれほどの力があったのじゃろうか、とな」
「・・・・・・あ」
確かに、それにあいつ前のデザロワの時はバックルのこともほぼ全部知ってる感じだった。
「あやつについて少し調べた。あやつ、過去にも二度デザイアロワイヤルに参加しておったんじゃ。
そして、一度デザ神になっておった」
・・・・・・・ん?つまり、うちとのデザロワより前にも参加していて…じゃあ、この前デザ神になったのは2回目ってこと!?
「そっか、だからバックルのことも知ってたんだ」
「いや。最初は偶然選ばれ、二回目は恐らくニヤリが推薦したのじゃろうな。じゃが、妙だと思わぬか?」
「妙?」
「あやつは一回目のデザイアロワイヤルでは一回戦目で脱落した。それが二度目になって突然デザ神じゃ。
しかも三回目、つまり紅葉が参加した時のこの前のデザイアロワイヤルでもデザ神。
にも関わらず、四回目は一回戦目ですぐに脱落。
恐らくじゃが、ニヤリが糸を引いていたのじゃろう」
要するに、ニヤリって人が黒幕って感じ?
じゃあ、結局はニヤリを倒してヴィジョンドライバーを取り戻せばいいわけだ。
でも八雲たちとの戦い見てたけどメグル前よりもっと強くなってたみたいだけど。
「わしは今よりプロデューサーの元に行く、聞きたいことがあっての。お主には取り敢えずブーストバックルを渡しておく。よいか、今はジャスティスロワイヤルにいつお主らの誰が強制移送されるか分からぬ。お主の可能性も十分ある、警戒を怠るでないぞ」
そう言い残してペロリさんは部屋から出て行った。
でも警戒って言っても、いつゲームが始まるかも分からない以上・・・・・・覚悟するしかないってことじゃない?
(そして、一度デザ神になっておった)
そういえばまだ聞いてない、メグルが叶えた理想の世界。
『ジャスティスロワイヤル!スタァーーーート!!』
「っ、えっ!?」
「なぬっ!?」
突然、どこからかニヤリの声が聞こえてきた。
それと同時にうちの周りの景色もガラリと変わった。
辺り一面木々と草で覆われている、きっとどこかの森の中だ。
ヤバい、次のジャスロワの敵にうちも選ばれたんだ…。
するとうちの近くに別のプレイヤーが移送されてきた。
メグルたち?と思って一瞬構えたけど、よく見てみると仲間の拓真と緋奈ちゃんと穂花ちゃんだ。
3人も状況がまだ飲み込めてない様子だ…。
「今度はなんのゲーム?」
「分かんないけど、それはもうすぐニヤリって人が教えてくれるよ」
でも、もうすぐきっと来るはずだ。
ジャスロワのゲームマスターであるニヤリのアナウンスが。と、警戒していた時だった。
『
突然うちらが腰に巻いてたベルトにセットしてあるIDコアが光りだしたと思うとうちらを一瞬で仮面ライダーの姿に変身させた。アイテムは使ってないから真っ黒なスーツに動物の仮面をつけてる状態だ。
「えっ!?」
「なんでいきなり?」
『ピンポンパンポーン!』
と、ここでニヤリのアナウンスが流れてきた、と思ったら今回はアナウンスじゃなかった。
空にでっかいテレビ画面のように中継映像が映し出された。今回はこれでゲームのルール説明をするんだと思うけど、なんで今回はわざわざ?
『みなさーん!こんにちは、みーんなのアイドル♪ニヤリちゃんだぞ♡♡♡今回はゲーム説明の前にちょっと待っててね〜!』
ニヤリの手にはあの人に奪われたゲームマスターのベルトがある。それを腰に装着した。
『えーっと、ベルトを付けマース!んでもって
それではプレイヤーのみんな、ちょっとこちらを聞いてください!!』
それはニヤリが今付けてるベルトのかな?
男性の低い電車音声が聞こえてきた。
その内容は…。
『現在参加中プレイヤーの全デザイアドライバーに信号を送りました。
ライダーシステム
ライダーシステム自爆機能を起動。自爆まで残り30分』
・・・・・・・・ジバク?
「自爆っ!?」
はーい!オーディエンスのみんな!
ジャスティスロワイヤルのゲームマスター、ニヤリちゃんだよん♪
今日は待ちに待ったジャスティスロワイヤル第二回戦!
その名も、仮面ライダー自爆ゲーム!!
僕が今持ってるヴィジョンドライバーで現在参加しているデザイアロワイヤル側仮面ライダー45人全員のデザイアドライバーの自爆システムを起動したよ!
残り30分で仮面ライダーたちは大爆発!おー大変だぁ!
停止するためにはヴィジョンドライバーを使って止めるしかない!
というわけで今回は僕も参加します!!
エリアである森の中央には僕が創った神殿があるからその神殿の中に僕はヴィジョンドライバーを持って待ってるよ!
仮面ライダーたちが助かる方法は!早く僕から奪うか!
あるいは、プロデューサーがヴィジョンドライバーを持ってくるか?
んじゃ、頑張ってねー♪
「さてと、二回戦はこんなもんか」
さっきメグ君の写真整理を終わらせたからようやくこっちにも集中できる。
「もうすぐ、僕もメグ君のサポーターとして戦えるぞ♪」
でも大昔の人間って弱すぎるから加減が難しいかもな〜。
うっかり退場させちゃうかも!てへ♡
っていうことで
「クソッ、おい緋奈。もう隠さずに言ってくれよ?
お前デザロワのスタッフなんだよな?」
「・・・・・・そうだよ?」
「『自爆システム』?そもそもどうしてそんな機能があるんだ!?」
「仮面ライダーが犯罪やテロ行為に悪用された時の為なんだってさ。確かに、止めるにはヴィジョンドライバーがないと無理だよ」
んじゃあやっぱニヤリから奪い取るしかないってことか。
緋奈の推理だと敵の狙いはプロデューサーをドライバーごと一緒にエリア内に来させてメグルたちが奪って作戦なんだろう。
でも俺らにとってもこれはチャンスでもある。
ニヤリから奪い取れたらジャスティスロワイヤルは終了だからな。
「ほのちゃん大丈夫?」
「はぁはぁ…うん、大丈夫だよ。急がないと」
穂花が息を切らしてきているようだ。
いくら仮面ライダーになってるとはいえ体力は減ってくんだ。システムのおかげで腹が減ったり喉が渇いたりはしないけど。
──────────カチャリ
・・・・・・ん?今なんか聞こえた……。
いや、気のせいか。
「よし、みんなもうすぐで神殿の入口だよ。
まだ時間はあるから少し休憩し」
「──────────ひなちゃん!!!」
一瞬のことだった。穂花が緋奈を押し飛ばしたかと思ったら穂花の背中から火花が少し派手に散った。
穂花はその場に倒れると身体が一瞬で消えた。
『
安西穂花 仮面ライダーレター脱落 残り44人
「ほのかちゃん…?」
「え、なに!?」
「もう時間が来て爆発したのか?」
「──────────違うよ〜」
後ろの方から女の声が聞こえてきた。
そこには白いスーツを顔には犬の仮面を装着している仮面ライダーがいた。あいつは確か敵の…。
「仮面ライダーテリア、綾崎愛羅だよ♪
ごめんね背中から撃っちゃって、でもニヤリっちから神殿への侵入を防ぐように言われてるの」
やっぱり簡単にはたどり着けないってことか。
「それよりも!会いたかったよ。姫川紅葉ちゃんと歌佳緋奈ちゃん?」
綾崎って女が2人の名前を呼んだ。会いたかった?
2人は『なんで?』って様子だ。
そりゃそうだ、初対面のはずだし。
「えっと、愛羅ちゃんだっけ?どこかで会った?」
「ううん、初めてだよ。でもずっと君たち2人に会いたかったんだ〜。紅葉ちゃん、緋奈ちゃん、早速だけど」
綾崎は指の骨をポキポキの鳴らして2人にこう言った。
「──────────殴らせろ、クソ女共が」
自爆まで残り23分
「ニヤリ様!どういうおつもりですの!?」
ジャスティスロワイヤルが始まってすぐ
『どういうって?』
「いくら罪を犯した方々とはいえ、自爆なんてゲームを仕掛けたんですの!?こんなものはゲームではなくテロ行為ですわ!!」
私は人の命を奪うなどとは聞いておりません。
むしろ命を救う為に参加しているのですわ。
『落ち着きなって。大丈夫、はなっから爆発するつもりはないよ。まだまだジャスロワは始まったばっかりだしねぇ』
「何を呑気な!メグル様だって承知しておりませんのよ!!」
『・・・・・・あのさぁ、アイリスちゃんはさどっちの味方?罪を犯したメグ君の同級生たち?それとも正義執行人の僕たちや罪のない人たち?』
「わたくしは!・・・・・わたくしは」
わたくしは罪人かどうかなど関係ありませんわ…。
ただ、全ての人を救おうと。
『あそっかぁ〜、リオ君だっけ?彼のこともあったんだもんね?』
「・・・・・・・・」
『でもさ、もう二度とそんな事件起こしたくないならこのゲームに勝たなきゃ。でしょ?』
「プロデューサーが来なければ、自爆は止めていただけますか?」
『いいよん。んじゃ、敵ライダーたちの足止めヨロ〜』
ニヤリ様はそう言って切ってしまいました。
あの人は、痛いところを突きますわね…。
そしてすぐに女性3名の敵がやって来ました。
ビートのバックルをベルトにセットします。
『
「変身、ですわ!!」
『
「参ります!!」
それでもわたくしは戦いますわ。
世界中の人々の為にも・・・・・・リオさんの為にも…。
わたくしのお父様とお母様はとても優しいお方ですわ。
身を守る為に格闘技や剣術などといった護身術を教えてくれました。さらにテーブルマナーや勉学も全て家庭教師を雇い習わせていただきました。
そんな両親は仕事で海外に行くことが多くわたくしも夏休みなどの長期休みを利用して一緒に行きました。
わたくしは将来、お父様の会社を継ぐことが夢ですの。
そんな時です。あの事件が起こったのは…
それはお父様が取り引きに出かけていた時ですわ。
お母様はその日祖父母や日本の友人へのお土産の下見に出かけておりました。
ですので、わたくしは1人で街を観光していました。
(素敵な街並みですわ。そうです!もうすぐお父様のお誕生日ですし、なにか買っていきましょう)
などと考えながら歩いていました。
まだ午前8時(日本からすれば夕方か夜頃ですが)だったこともあり気付けばそこは人気のない道となっておりました。
そこへ一台の黒いセダンの車が私の目の前で停車したのです。
「っ!」
気付いた時には手遅れ。全身黒ずくめの男性が強い力でわたくしを捕え口にタオルを押し付けました。後で知りましたがそのタオルには薬品が染み込まされていたらしく、わたくしは意識を失いました。
そう、わたくしは誘拐されたのです。
(・・・・・・・・・?)
目覚め意識がはっきりした時、そこは真っ暗な場所で何も見えませんでした。
わたくしは両手足に手錠を掛けられ、椅子に固定されていましたわ。
口元には声を出せられないように恐らくガムテープが貼られていました。
今でも怖かったです。見知らぬ殿方に攫われ、体一つ動かせず声も上げられない状況で真っ暗な場所に閉じ込められていましたので…。
意識が戻って10分ほどでしょうか(恐怖のせいで混乱していたので具体的には分かりませんが)部屋の外からコツコツと足音が聞こえて来ると同時に迫ってきました。
(っ、落ち着いてくださいまし…。一先ず犯人の正体と動機を探りましょう)
部屋の扉が音を立てて開きました。
その音は部屋中に響きますます恐ろしかったです。
明かりが着きました。その人物はわたくしより少し身長は高く顔は髭が少し濃いですが年齢は若いように見えます。
恐らく20代か高くても30代ほどでしょうか?
手元にはコンビニで購入したものでしょうかレジ袋を下げていました。
「?」
わたくしが目覚めたことに気がついたのでしょう。
わたくしに少し顔を近づけて声を発しました。
『ん。目、覚めたか?今口の外してやるよ話ぐらいはしてやるよ』
外国語なのでこの国の方の可能性が高いでしょう。
幸い外国語のほとんどは習っていたので会話は可能でした。
ここからは日本語に訳して説明しますわ。
『ふぅぅ。わたくしは早乙女アイリスクラエスですわ、あなたはどなたで、どのような目的でわたくしを誘拐したのですの?』
『ふーん。世間知らずのお嬢様かと思ったら意外と冷静だな。俺はリオだ、目的は金。お前の両親にさっき電話した、身代金の額は6000万明日受け取れたらお前は解放してやるから安心しろ』
目つきはよくありませんでしたが落ち着いていて意外と簡単に名前や動機を明かしてくれました。
この時から彼への印象はあまり悪く感じませんでしたわ。
まるで何か事情があるようにも見え、引き続き探りました。
『6000万、ですの。誘拐の場合1億円以上のケースが多いとは聞きますが』
『それは誘拐犯にもよるだろう。俺が欲しいのは6000万、それ以上でも以下でもない』
『何に、使うのですの?』
『お喋りは終わりだ。手錠外してやる、昼飯ここに置いとくから食べたい時食べろ。トイレは後ろの方にある。
言っとくがここは地下だ。叫んでも聞こえないし扉には鍵掛けとくから出られると思うなよ?』
その日はリオ様とは特に会話を交わすことはありませんでした。普段より少なかったですけれど食事は取れましたし、睡眠も取る事はできました。
ですがその晩、わたくしは夜中に目が覚めました。
わたくしを誘拐した理由が判明したのです。あの電話で。
『はい。手術費はもうすぐ用意できます。それで、妹は?・・・・・そうですか、手術すれば妹は治るんですよね?・・・・・・・・分かりました、お金は必ず用意しますので妹を助けてください!』
そう、リオ様には妹様がいたのです。
その会話でわたくしは察しました。妹様は人名に関わるほどの重病になってしまいその手術費に6000万が必要なのでしょう…。
この後リオ様に伺いましたわ。お2人は両親が早くに亡くなってしまい、リオ様は妹様の為に毎日のように生活費や学費を稼ぐためほぼ不眠不休働いているそうです。
それでも貧乏暮らしでリオ様は妹様に食料を譲ってばかりで自分の分はほとんど食べない日が多かったらしく…。
『そんな時だよ、妹が倒れて病院に連れてったら難病だと言われてな。
臓器移植すれば治るんだよ。んで、臓器自体は見つかったんだけど手術費がバカ高いって訳だ。後は分かるだろ?・・・・・・・・いや、生まれつきいい家に生まれた奴には分からないだろうな。
なぁ、アイリス。お前はいいよな?産まれてくる親・家ってのは子供には選べない。まさに宝くじみたいなもんさ。
お前はそのクジにおいて見事に1等を当ててみせた。
そんなヤツらにはハズレクジの人間の気持ちなんて理解出来ねぇよ…。』
その言葉が、わたくしの心に深く刺さりました。
そう、幸せな人生がいれば不幸な人生も存在する。
しかもたったそれだけで、人は憎み争い命までをも奪ってしまう。
同じ世界で生きているのに、住む世界は違う。
この世に『平等』はないのでしょうか?
リオ様の言葉は今でもわたくしの心を締め付けます…。
わたくしはその事件以来貧困に苦しむ方々への支援活動を始めました。学校が長期休暇の日は海外へ行き医療や食糧難に苦しむ人への支援をしました。
そこでの子供たちの骨がでているほどの痩せた身体は今でも鮮明に覚えています。
わたくし自身も医療知識の大半をを頭に入れました。
勉学は得意でしたのですぐにほとんどの病気、その治療方法を覚えました。
そんなある日の事でした、ニヤリ様と出逢ったのは。
「君は人を助けるのに必死なんだね。それはもはや親切と言うよりも『正義感』に近いかもしれない。
君ならなれるかもね、最高の正義執行人に♪
君の理想の世界、叶える気はないかな?」
わたくしの願い。叶えるべき正義、それは1つだけです。
『全ての人々が平等に幸せな人生を過ごせる世界 早乙女・アイリス・クラエス』
「と、これがわたくしが正義執行人になるまでのお話ですわ。」
これはジャスティスロワイヤル開催前、
「・・・・・・は!?壮絶すぎねぇか!?
誘拐された後はどうなったんだよ!お前無事だったのか?」
「無事かって、今こうして生きているでしょう?」
「そのリオ君って人はどうなったの?」
「身代金受け渡し時に警察が確保いたしました。今はその国の刑務所です」
「リオの妹はどうなったんだ?」
「ご安心くださいまし。わたくしがお父様に少々無理言って依頼し、手術費を出していただきました」
ですが全て丸く収まったとは言えません。
リオさんは刑務所へ行き刑期を終えるまで妹さんとは離れ離れなのですから…。
わたくしはあの事件以来ボランティアや医療への出資をするお父様の仕事を将来引き継ぎたいと志しました。
そしてジャスティスロワイヤルというチャンスにも恵まれましたわ。
わたくしはこのゲームに勝利し、この世界から『貧困』を完全に無くしてみせましょう。
この世界をわたくしは必ず救って見せますわ。
その為なら、この命をかけても構いませんわ。
1つ嬉しかったことがありました。
メグル様がこう言ってくださいました。
「なぁ、アイリス。金持ちの人って大抵最悪な奴らばっかりだけど、お前はスゴイな。世界と大勢の人々を見ている。勝ちを譲る気はないけど、応援するよ」
「!ふふっ、ありがとうございます」
でも、この時のわたくしは何も理解してませんでした。
貧困が無くなっても全ての命が救えると本気で思っていましたわ。
でも、わたくしの理想の世界では、メグル様を救うことはできないと。メグル様の笑顔の裏に気付くべきだったのです……。
次回 ヒヤヒヤ!死へのカウントダウン♪
さぁて、仮面ライダーたちは生きて帰れるのか!?
そして、今回は愛羅ちゃんが出てきたけど〜。
紅葉ちゃんと緋奈ちゃんにとって、これはある意味運命の出会いになるんだぁ〜♪