RIDDLE JOKER 投影使いの学院生活   作:izuki

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第三話 転入

 真新しいビルに、綺麗に整備された道。そして都市計画に組み込まれた路面電車。

 ここが、アストラルの研究目的として作り上げられた街か。

 

「……たしかに研究都市というだけはあるか……」

「わたしたちが転入する橘花学院ってどうやって行くの?」

 

 七海がそう尋ねてくる。

 俺たちは今日橘花学院に転校するため鷲逗研究都市に来ている。

 

「ライトレールに乗ったら橘花学院って駅がある。そこで降りれば、文字通り目と鼻の先らしい」

「ライトレール?」

「俺たちが今待ってる路面電車のこと。動力源はアストラルなんだと」

「へー、そうなんだ?実用実験されてるって聞いてはいたけど、こんなところを走ってたんだ。」

「ここに来るまでに調べたけど、それなりに乗り心地いいらしいぞ」

「そうなんだ、ちょっと期待」

 

 七海が首を傾げる七海に俺が事前に調べておいた情報を教えていると電車が来た。

 アストラルで動く電車というのは知っていたためどういうモノなのかと思っていたのだが、俺が想像しているものとは違い思ったよりもおしゃれなモノが来た。

 

「でも……ちょっと遠いなぁ。これだと会場に行くのも一苦労」

「あーー、確かに距離があるもんな。」

「会場って、なんの……ああ。イベントか。同人誌だっけ?あとコスプレとかのーー」

「暁君ッ」

「な、なんだ?」

「そういうデリケートな話を、こういうところで言わないで。マナーだよ」

「そうだぞ、暁」

「ご、ごめん……ていうか二人ともまだそういうのにいってたの?」

「最近は仕事が忙しいから全然いけてないな」

「だからまあ、会場が遠くなったところで今さら変わらないんだけどね」

 

 ちなみに俺と七海は世間一般で言うところのオタクの部類である。

 よく俺と一緒にコミケなどにコスプレなどをして参加とかもしていた。

 その際のコスプレ衣装は自作していたので制服の改造などができるというわけだ。

 ちなみに、七海がオタクになってしまった原因としては、昔俺が見ていたアニメなどに七海が興味を持ってそこからどんどんはまっていき見事にこうなった。

 

『間もなく「橘花学院前」、「橘花学院前」です。お忘れ物なさいませんよう、ご注意ください』

「ここで降りるぞ」

 

 

 

 

 

 

「思ったよりも揺れなくて音も静かだったね、あの路面電車」

「区間によってはバスよりも速度が出ていたりもしていたな」

「窓から外を見ていたけど近代的なビルばっかだし結構開発が進んでいるみたいだな」

 

 最寄りの駅で降車してしばらく道なりに歩いていると動画で見た橘花学院の正門が見えてきた。

 動画で見るのと実際に見るのではやはり違うな。

 動画で見たモノよりもとても大きく感じる。

 

「これが橘花学院か……」

「ここも綺麗な建物だね」

「設立されて間もないらしいからな」

「敷地が広そう……ちゃんと道を覚えられるかな?……はぁぁ……心臓がドキドキする。今日から新生活……知らない人だらけ……」

 

 七海がまた不安になり始めた。

 暁の方は……まあ、いいや。

 

「大丈夫だって、ほら水飲んで落ち着け。」

「うん……ありがとう、四季君…」

 

 そんな様子を守衛さんが不審者を見るような目でこちらを見ている。

 そういえば、どうやって中に入ればいいんだ?学生所もなにも受け取っていないんだけど。

 とりあえず守衛さんに話しかけてみるか。

 

「あの……」

 

 俺がそう考えていると背後から、柔らかな声が落ちてきた。

 振り返るとそこにはこの間見た映像の女の子が笑顔を浮かべていた。

 

「こんにちは。急に声をかけてごめんなさい。もしかして、在原四季君と在原暁君と在原七海さんでしょうか?」

「はっ、はいっ!あ、在原七海です」

「俺が在原暁です」

「在原四季です」

「人違いじゃなくてよかった。初めまして!私は──」

「三司あやせさん……」

「え?」

「ああっ、すっ、すみません。話を遮ってしまって」

「いえ。それは構わないんですが……どこかでお会いしたことが、ありましたか?」

「いえ。ネットで動画を見たことがあるだけで……すみません。えっと、テレビに出てましたよね?ネットでも『可愛すぎるアストラル使い』って……」

「そっ、その話はやめてくさいーっ!アレ、ものすごく恥ずかしかったんですよ~」

 

 ワタワタと慌てて両手を振る彼女。

 下手なしたらアイドルより人気出るんじゃないだろうか。

 やや小柄だが、それとは対照的に胸は程よく大きくて、可愛さと色気のギャップが彼女の魅力をアップしている。

 まさに、学園のアイドルというのは彼女のような人のことを言うのだろう。

 ただ…………何というか、どこか違和感を感じる。

 なぜだろう?

 

「どうしたんだ兄さん?」

「ん?……ああ、いやなんでもない」

「あらためて自己紹介させてもらいますね。初めまして。私は三司(みつかさ)あやせといいます。この橘花学院の学生会長で、3人の案内を頼まれ、迎えに来ました。ようこそ、橘花学院へ!」

 

 …………なるほど、眩しいな慣れてないからかもしれないけど。

 

「ではまず、理事長の所に案内するように言われてるんですが……3人の荷物はそれだけですか?」

 

 俺と暁はショルダーバック、七海はトートバックとそれぞれ荷物は1泊分もないだろう。

 あらかじめそのほかに必要な荷物は学園に送るようにしておいたため荷物は多くない。

 

「荷物はほとんど送っています。寮の方に届いているはずなんですが」

「わかりました。このまま向かっても大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

「それでは、こちらへ。この3人は転入生です。今から理事長の所に案内するところです」

「わかりました」

 

 俺たちは三司さんの説明を受けながら後について中に入っていく。

 映像でも見ていて思ったが、全体的に建物が綺麗だ。

 校舎自体は古くはないとはいえそれなりに年月も経っているだろう。

 ここまで綺麗なのは何かアストラルを応用した技術でも使われているんだろうか?

 

「今から向かうところが校舎であちらが寮ですね。歩いて3分ぐらいでしょうか」

「凄く広いですね、橘花学院って」

「敷地内には学院が所有するアストラル研究施設もあるので一般的なところよりも広いと思います。それに鷲逗市は都心よりも離れているので地価も安いですからね。理事長室は校舎ですから、まずこちらへ」

 

 連れられて校舎の中に入る。

 中もとても綺麗だ。

 隅々まで清掃が行き届いている。

 

「わっ、中も綺麗……」

「学院が設立してまだ10年も経っていませんからね。それに全寮制ということもあって、学生の数も他に比べるとちょっと少なめですしね」

「どれくらいいるんですか?」

「クラスには大体30人ちょっとで、1学年にクラスは4つですね」

「てことは全体でってことは……全体で400人弱か」

「その内アストラル使いは100人ほどで、1クラスに10人程度でしょうか」

「ちょっと意外です。もっとアストラル使いばっかりなのかと思ってました」

「そう勘違いしてる人も多いですね」

「でも……他の人たちは、どうしてわざわざ橘花学院に?」

「俺たちは能力のことがあったからだけど……」

「ここに通う大半の学生は、この研究都市に仕事を持つ方の子供なんです」

 

 ああ、なるほど。

 だがまあ、よく考えてみればそうだこの町の住民全員がアストラル使いなわけがない。

 それに、ここは研究都市だ。

 この都市で研究者として働く人たちの子供がアストラルに興味を持ってここに進学することはあるだろう。

 

「他にも純粋に、アストラルの研究に興味のある学生の入学もあります。それに、アストラルに関連する授業はここだけしかありませんし、橘花学院なら就職にも有利な制度がありますから」

「制度?」

「ええ、アストラル技術に期待する企業が橘花学院のスポンサーになっていたり、提携したりしているんです。研究成果を買い取ってもらったり、技術に関する依頼を受けたり、成績優秀者はそのまま雇われたり、それにアストラル技術に期待しているのは国も同じですから、後押しもあったりするんですよ」

「なるほど……よかったな暁。がんばればお前でも楽に就職できるぞ」

「……あんまりそういうこと言わないでくれよ兄さん……」

 

 皮肉を込めて言う。

 まあ、暁の樹が変わらない限りはここで就職することはないだろうけど。

 

「あと、在原君は同じクラスになりますから、私に相談してくれても構いませんよ」

「ありがとう。これからよろしくお願いします、三司さん」

「はい、よろしくお願いします!在原さんも。学年は違いますが、何か困ったことなどあれば、いつでも相談して下さい」

「あっ!はいっ、ありがとうございます」

 

 七海は少し離れた位置で、裏返り気味の声を上げた。

 また人見知りが発動してるな。

 

「……私なにか怖がらせるようなことしました?」

「いえ、そうじゃないんですが……すみません……」

「人見知りで緊張してるだけです。怖がってるとか、嫌ったりしてるわけじゃないですから」

 

 だがまあ、ずっとこの調子というのもなあ。

 あ、そうだ。

 

「三司さん。同じ苗字だとわかりずらいだろうし、七海のことは名前で呼んであげてください。そっちのほうが気楽でしょうし」

「四季君!?そんな、勝手に何を──」

「これからよろしくお願いしますね、七海さん」

 

 俺がそう提案すると間髪入れずに三司さんは七海に名前呼びをした。

 流石というべきか。

 他人とのコミュニケーションに慣れているんだろう。

 

「よっ……よろしくお願いします、三司先輩」

「可愛い!真っ赤になった!私のことも、あやせと呼んでください」

「あ、いえ、でも、その……」

「あやせですよ、あ・や・せ」

「よろしくお願いします……あやせ先輩……」

「はい」

 

 七海が顔を赤らめながら三司さんの名前を呼ぶ。

 押しに負けたな。

 だがまあ、こうでもしないと七海はいつまでたってもなれないだろうから。

 

「あと、在原君も。同じクラスですから、普通にしてくれて構いませんよ。その丁寧で堅苦しいしゃべり方慣れてないですよね?」

「ありがたい、助かるよならその言葉に甘えさせてもらうよ」

「在原先輩も上級生ですから普通に接してください」

「なら、そうさせてもらうよ。それと俺のこと下の名前で呼んでくれると助かる。そっちのほうがわかりやすい」

「はい、四季先輩。それじゃあ、そろそろ理事長室に向かいましょうか」





昨夜、新しく一話書き足しました。
これで全9話となりました。

ちなみになんですけど、ヒロイン誰が好きです?

  • 三司あやせ
  • 在原七海
  • 式部茉優
  • 二条院羽月
  • 壬生千咲
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