セカイの礎という人柱   作:蜜亜罪

1 / 3
かくもいたるものがたり


#1 その中には何が入っているのか誰も知らない

「へんな、夢だったなぁ~」

少女の名前は まどか。鹿目家の長女だ。

 

「おはようー。パパ」

 

庭でミニトマトを収穫している父に、あいさつをする。

 

「おはよう、まどか。」

優しく微笑みを返してくれる父がまどかは、大好きだ。

 

「ママは?」

 

「タツヤが行ってる。手伝ってやって」

 

「はーい」

 

「あ、お兄ちゃんは?」

 

「ああ、トモヤかい? なんか最近疲れてる様子だから自分で起きてきたら学校休ませるか聞くから今は起こさないであげてくれるかい?」

 

「ん、大丈夫かなぁ」

 

 

 

 

 

ー・・・-・・・・

 

ひどくうるさい、たぶん朝の弱い母さんを妹と弟が起こしているのだろう。

 

 

「でええええええええええぇぇぇ!!?」

 

 

うるさい。

 

 

 

*************************************

 

 

 

 

水音が心地よい、そこには仲良く歯を磨く母と娘の姿があった。

「最近・・どんなよ・・」

訂正。 母のほうはまだ寝ぼけ気味だ。

 

「仁美ちゃんにまたラブレターが届いたよ。今月になってもう2通め。」

 

「直に告るだけの根性のない男はだめだ」

 

 

っぺ、吐き捨てる。

 

 

「トモヤのやつは?」

 

「お兄ちゃんは、なんか調子悪いみたいだよ。 どうかしたのかな」

 

「・・・そっか。まどかには前話したかな・・」

 

「何を?」

 

「トモヤのことさ、あいつは生まれときほんとは死にそうだったんだ、いや死んでてもおかしくなかったんだよ。」

 

「そうなの?」

 

「ああ、そうさ、あいつは隠すのがうまいやつだ、まどかに体が弱いとこを絶対見せたくないんだよ。」

 

「今は大丈夫なの?」

 

「そうだね、楽観はできないけど、前のときも峠を越えたら大丈夫だよあの子は。」

 

 

 

 

「で、和子はどう?」

 

 

「先生は・・・・・

 

 

 

*************************************

 

 

 

 

 

「おー起きてきたか、おはよう。トモヤ」

 

「おはよう。母さん、父さん、まどか、タツヤ」

 

 

「うっし!行ってます!」

 

「「「いってらっしゃーい!」」」

 

 

家族の声に後押され玄関で靴を履く詢子の後ろに影ができる。

 

 

「どうしたートモヤ、・・トモヤ?」

 

「母さん・・「ママ?お兄ちゃん?どうしたの?」

 

「・・・いや、いってらっしゃい 母さん、まどか」

 

「うん!いってきまーす」

 

 

トモヤは身をひるがえし家の奥へ戻っていく。

その後ろ姿を母、鹿目詢子は見送ることしかできなかった、 時間が迫ってきている。

 

 

タツヤの頭をなで、トモヤは洗面所まで来ていた。

 

 

水は流れ続けている。  

 

 

「はぁ・・はぁ・・もう、時間があまりない・・」

 

シンクには赤い赤い血がべっとりと付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。