オメガでバースでブルーなアーカイブ   作:オルフェイス

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 皆がいなくなってしまった世界線。

 タイトルは雰囲気で決めてたのにベストマッチしてた。なんて偶然。
 あ、メリーバッドエンドです。作者は好きなんですよね、メリバ。
 世界が滅んでも主人公とその周りが幸せならいいんじゃないですかね。

 必ずしも全てが上手くいくわけではない。その一例がこれです。


アビドスIF『退廃の星の、砂漠の雫』

 

 こんにちわ。

 

 はじめまして、シズクです。

 

 私は今、砂漠にいる。

 

 より正確に言うのなら砂漠になった元学園自治区、だろうか。

 

 すべてが砂に埋もれた学校。何もかもが塵となる、未来のない場所。

 

 それがここ、アビドスだった。

 

 ……どうしてそんなところに私が─────私達がいるのか、話すと長くなるだろう。

 

 それでも良ければ、聞いてほしい。

 

 この、終わりを迎えた学園を。

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 昔、アビドスは大層な学園だったらしい。全ての学園の中でも最大かつ最多の生徒と土地を誇る。そんな場所だった。

 

 でもある時に長期間に及ぶ砂嵐がやってきて……いつしかアビドスは退廃した。

 

 当時の生徒会もどうにか挽回しようとしたけど、借金が積み重なるだけで……生徒も大きく減り、膨大な借金が残された。

 

 そうして残ったのは六人の生徒だけ。

 

 セリカちゃん、アヤネちゃん。

 

 シロコちゃん。ノノミちゃん。

 

 ……ホシノと、私。

 

 本当は、もう一人いたんだけど。

 

 彼女は当時二年生で……ホシノと私が三年生になったから、もういない。

 

 ……卒業することすら、出来なかったけど。

 

 いや、もうこの話はやめよう。

 

 過去に失ってしまったものは、回帰しないから。

 

 新しく入学してきた彼女たちは、皆かわいい後輩だ。

 

 みんな、頑張ってくれた。

 

 アビドスのために。

 

 皆のために。

 

 私も、一致団結して……

 

 頑張った。

 

 頑張ったのに…………

 

 なんでなの。なんで、こんな……

 

 ─────ある時から、事態は大きく進み始めた。

 

 シャーレの先生という存在が現れた。連邦生徒会直属の存在、らしい。

 

 アヤネちゃんが応援要請をしてくれたと聞いた。

 

 しばらくすれば来てくれるはずだった。

 

 ……でも先生は来てくれなかった。

 

 だから、私達でどうにかするしかなかった。

 

 結局、どうにもならなかったけど。

 

 

 

 まずシロコちゃんが消えた。何処に行ったのかわからない。

 

 アヤネちゃんが重傷を負った。回復の目処が立たないほど、アヤネちゃんは弱りきってしまった。

 

 セリカちゃんも消えた。何処に行ったのか、シロコちゃんと同じようにわからなくて。

 ……取り戻せたのはセリカちゃんの名札と、髪を結ぶのに使っていた青いリボンだけ。

 

 シロコちゃんが戻ってきた。でも、姿が変わってて、突然暴れ出して。

 その暴動で、アヤネちゃんの生命維持装置が壊されて。

 

 シロコちゃんは……意識を取り戻したあと、自分のヘイローを破壊した。

 

 ノノミちゃんも、何処かに消えちゃった。取り戻せたのは名札と銃だけ。

 

 残ったのは、アビドスの初期メンバーである私とホシノだけだった。

 

 

 

 

「は、はは、は、は………」

 

 乾いた笑いが辺りを木霊する。

 

 発したのは、私じゃない。そんなことも出来ないほど、気力が失われていた。

 

 ホシノは、目から光を無くしていて……

 

「─────ふっざけんなっ!!!」

 

 そして、怒りの咆哮を上げた。

 

「私たちが……何をしたっていうの!? こんなことになるほどのことをしたの!? ふざけるな、ふざけるなっ!」

 

 憎悪だ。

 

 こんな状況にまで追い込んだ世界への憎悪。

 

 それが、ホシノの口から吐き出された。

 

 もう何も残されてなんていない。

 

 居るのは私達二人だけ。

 

 私達は、頑張った。

 

 頑張ったんだ。

 

 だから、もう……

 

 終わっても、良いよね……?

 

「ホシノ……もう、終わりにしよう……?」

「……シズク?」

「全部、なくなっちゃった。アヤネちゃんも、セリカちゃんも、シロコちゃんも、ノノミちゃんも、全員、居なくなって……私達、頑張ったよ。頑張って、こんな事になっちゃった」

「─────だから、もう終わりに、」

「……嫌だ」

 

 私の言葉は、ホシノに否定された。

 

 ……どうしてなの?

 

 もう頑張らなくていい。終わりにしようよ。

 

 二人で無理せず、静かに過ごそうよ。

 

 頑張れば頑張るほど、ろくな結果にはならない。

 

 それならもう、頑張る意味なんてないでしょう……?

 

 なのに、なんで……

 

「どう、して」

「……終わりにしようだなんて、言わないで。私、まだ頑張れるから」

「ホシノが頑張れても、意味なんてない!」

「そうかも。うへ、こんなことになってるのに頑張る意味なんて、ないのかも。でも……守りたいものが、まだ残ってるから」

「守りたい、もの」

 

 それは、なんだろう。

 

 ……少しだけ、考えてみたけど。

 

 やっぱりわからない。

 

 首をひねる。そしたらホシノは少し笑った。

 

「うへ〜、まあそんなわけだから、もう少しだけ頑張ってみるよ〜。

 ─────だから、シズクはここにいて」

「ホシ、ノ?」

「私は、アビドスの外に行ってくる」

 

 アビドスの、外。

 

 他の学校。

 

 私達とは違って、まだ未来も希望もある……でも争いの絶えない場所。

 

 そんなところに、ホシノが一人で?

 

 下手をすれば、このまま帰ってこないかもしれないのに……?

 

「やだ」

「シズク」

「やだ、やだよ! なんで一人で……それなら二人で行けば、」

「ダメなんだよ、シズク。私一人じゃないと……大丈夫、必ず、帰って来るから」

「何が大丈夫だって言うの!? セリカちゃんもノノミちゃんも、シロコちゃんだって行方がわからなくなって、シロコちゃんに至っては、あんな……!」

 

 止めるべきだ。それは分かってる。

 

 でも、止められない。

 

 涙を流しながらも、口から出てくる懇願は止められない。

 

 どうか行かないで。

 

 もし、ホシノまで消えてしまったら、私は……私は、どうすればいいと言うの?

 

 何も残ってない、こんな場所に。

 

 一人は、嫌だ。

 

「……私からは、信じてとしか、言えないけど」

「……ぅ、ぁ」

「必ず、帰って来るよ」

「……………………ぐすっ、帰ってこなかったら、怒る、から」

「うん」

 

 それでも。

 

 ホシノの選んだ道を、邪魔したくないから。

 

 私はもう、何も言わなかった。

 

 そうしてホシノは、アビドスの外に行った。

 

 何処で、何をしているのか。

 

 わからないけど……どうか無事でいてほしいと、毎日祈る。

 

 それしか、出来なかったから。

 

「……待ってるから、ホシノ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小鳥遊、ホシノ……!」

 

 ドォン!

 

 銃声。一人、倒れる。

 

 ヘイローは彼女たちを守ってくれない。

 

 彼女の恐怖(テラー)が、それを許さない。

 

「虫みたいに湧いてくる」

 

 小鳥遊ホシノ。それが彼女である……()()()

 

 彼女の姿は、ヘイローは、かつてのものとは変わり果てている。

 

 反転したのだ。全てが、ひっくり返った。

 

 あの日、色彩を手にしてから。

 

 あの日、シズクが終わりを求めてから。

 

 彼女はキヴォトスを滅ぼし続けている。

 

 不幸の火種となるものを、全て排除する。

 

 そうすれば、この世はいつしか楽園へと変わる。

 

 誰も彼女を止められない。

 

 キヴォトス最凶の恐怖。それが、今の小鳥遊ホシノだった。

 

「早く」

 

 ドォン!

 

「早く」

 

 ドォン!

 

「滅ぼさないと」

 

 ドォン!

 

「─────シズクが待ってる」

 

 何度も殺し。何度も滅ぼし。

 

 アビドス以外の全てを塵に還す。

 

 それが、今の彼女の()()()()()()ことだった。

 

 

「り、理解できぬ」

「理解できぬ─────!」

「なぜ色彩を掌握できる!?」

「……だが、理解する必要はあるのか?」

「しなければならぬ! アレは既に我々の手から離れている!」

「理解しなければ」

「理解しなければ!」

 

 

 何処かで、そんな言葉が聞こえたような気もするが……

 

 ホシノは気にしないことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うへ〜、ただいまー」

「っ!」

「おおっと? シズク、久しぶり〜、元気にしてた?」

「うん……っ、うんっ……!」

「……おじさんも会えて嬉しいよ。ごめんねシズク、待たせちゃって」

「もう何者も、私達を不幸にすることはないから」

「……っ?」

「あ〜ごめんね〜。言ってもわからないよねー。大丈夫だよ、気にしない気にしない」

「私も、すごいの、見せるから」

「え、すごいの?」

 

 

 

「うへ〜………え、なぁにこれぇ?」

「湧き出てきた泉。掘ってたら、出てきたの」

「……すごいね。これどれくらい掘り進んだの?」

「毎日キロ単位で掘り進めてたら、湧き出てきた」

 

「うへ〜、まさかアビドスにまだこんなのがあるなんて……そっか、そっかー」

 

「……あの、聞いていい?」

「うん? ああ、ヘイローのこと? いや〜、なんか変わってたんだよね〜。身長も伸びたし……今ではおじさんの方が大きいね〜」

「大丈夫、なの?」

「大丈夫だよ。何も変わってなんていないから」

「そ、っか」

 

「もう、アビドスには私達しかいない。借金は……とてもじゃないけど返せない。だから、せっかくの泉だけど……」

「そこは大丈夫。カイザーは潰してきたから」

「えっ」

 

「もう私達の邪魔をする奴等はいない。少しずつでいいから、アビドスを復興していこうよ」

「…………できる、かな」

「出来るよ。泉だって湧き出てきたんだし、やれば出来るってわかったんだから」

 

「……私ね」

「うん?」

「もう終わらせたかった。アビドスには未来なんてないから……守りたいものもないから。二人で逃げて、暮らせればって」

「……」

「でも、ホシノに言われちゃったから……もう少し、頑張ってみようかなって。カイザーも……潰れたんだよね?」

「そこは間違いないから、安心していいよ〜」

「そっか。それなら……」

「うん。私、ホシノと一緒なら頑張れる」

 

「うへ〜……嬉しいこと言ってくれるね〜」

 

「でもとりあえず、今日は帰ろう? おじさんくたくたでさ〜」

「あ、うん。それじゃあ、」

「シズクの家に寄っていい? 多分おじさんの家、ろくに掃除とかされてないから……するにしても明日がいいかなぁ、なんて」

「じゃあ、今日は私の家に泊まる?」

「うへへ、そうさせてもらうよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ホシ、ノ」

「色々と我慢しててさぁ」

「あっ、ぅん」

「一人は寂しかったよね? 私もだよ」

「っ、んんっ」

「時間もある。誰にも邪魔されたりはしない。だから─────」

「は、ぅ」

「痛くしないから」

「シズクをちょうだい」

 

 

 

 

 




『シズク』
 祈りが彼女の神秘。人知れずホシノを助けていた。
 実はホシノからは共に心中することを望まれたと勘違いされる。
 そのせいで振り切れてキヴォトスが滅んだが、本人は最後まで気付くことはない。


『ホシノ*テラー』
 勘違いから始まりキヴォトスを滅ぼした。色彩を掌握し、同化した。そして彼女たち二人だけで始まる楽園を創り上げることに。
 後のキヴォトスは、彼女たちの子孫で構成されることになる。
 ちなみに詳しい容姿とか決まってない。身長が高くなったくらいである。


『キヴォトス』
 何もしてないのに滅びたよ〜( ;∀;)
 なに言ってんだこいつ by.ホシノ
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