オメガでバースでブルーなアーカイブ   作:オルフェイス

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更新頻度を落とすかどうか考えてる。

このままだと追いつかなくなる可能性があるから。


ゲヘナIF・その2『ドタバタ逢瀬』

 

 こんにちわ! シズクです!

 

 今日は珍しく料理とかせずに外に出かけています。本当に珍しいですね?

 

 普段は深夜まで料理の下準備を行っている私ですが、昨日は早めに就寝して今日に備えました。

 

 今日を一体何をするのか。それは、待ちに待ったと言うべきこと。

 

 今は人を待っているのですが、流石に三十分前は早すぎたでしょうか。いえ、その間に気持ちを落ち着かせることか出来ると考えたら良いことでしょう。

 

 そうしてフワフワとした気持ちで待っていると─────来ました。

 

「おまたせ……待たせた?」

「いえ全然! 会えて嬉しいですっ、ヒナさん!」

 

 待ち人来たれり、です。

 

 普段の制服とは違う私服を着てやってきたのは─────ヒナ先輩です。

 

 そう、今日は……私達はデートを、します。

 

 今まで互いに時間が取れなかったためにすることの出来なかった、デートを!

 

 普段は委員長だから、今だけは普段の呼び方ではなくヒナさんと呼んで、委員長としての姿は疲れを取ってもらい、私的に休みを堪能してもらいたいんです。

 

 今日の私は大変興奮しておりますよ。それはもう、すごく。

 

 ですが、何の説明もないのでは混乱してしまうでしょう。

 

 あれはそう……フウカ部長が働きすぎだと言って翌日は休むように言い渡されたはいいものの、何もすることがないことをヒナ先輩に話していたときのこと……

 

 

『休み?』

『はい。フウカ部長から休むように……働きすぎだから、って』

『そう、なの』

『はい。私はまだまだ元気だと言ったんですけと、全然聞いてくれなくて』

『……奇遇ね』

『え?』

『私も明日……いや、今日ね。今日は休みなの』

『えっ………えっ!?』

『だから、その……明日は、』

『デートに行きましょう! いいですねヒナ先輩!?』

『えっ、あっ、うん』

『うっふふふ……楽しみにしてくださいね! 色々と考えておきますから!』

『……本当にアナタは……その顔はずるい』

『はい?』

 

 

 その後、ヒナ先輩がキスしてきて……ヒートアップしそうなところでやめたんだよね。

 

 明日に持ち越しってことで……ああ、思い出しただけでも顔が熱くなってくる。

 

「シズク?」

「だ、大丈夫ですヒナさん! さあ今日は楽しみましょう!」

 

 心配されてしまった……ちゃんとしなくては。

 

 そう、今日という日に備えて私は色々と考えてきたのだ。

 ……予定が決まったのは当日で、あまりにも時間がなかったので地図を調べて何処を回るのかを決めたくらいだけど……

 

 と、とにかく今日は初デート! ヒナ先輩にとって良い日にするんです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”今更だけど、こんなことしていいのかな……?“

 

「何を言ってるんですか先生。先生もヒナ委員長のためならと快く引き受けてくれましたよね?」

 

”言ったけど……“

”でもこれってストー……“

 

「いいえ、これはヒナ委員長が良い休日を……逢瀬を楽しんでもらうためのボディガード。要はバレなければいいんです。大丈夫です、こんなこともあろうかと準備は整えてきましたから!」

 

”大丈夫かなぁ……?“

 

 

 

 

 

 

「まずは……そうですね、こちらから行きましょう。何処に行くのかはある程度決めてあるので、」

「シズク」

「……? どうしましたか、ヒナさん」

「……手を、握らない? その、はぐれちゃ危ないから」

「っ! わかりましたっ!」

ぎゅぅ

「あ……」

「んふふ、絶対に離しませんよ! それじゃあ、行きましょう!」

 

 

 

「あー! あの顔! ヒナ委員長っ! 初手から良すぎますっ!!」

 

”アコの顔がいけないことに……“

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、猫さん」

「……これで何匹目?」

「えっと、1、2、3、4、5……あれ、また増えました」

「相変わらず、動物に好かれるのね」

「うーん、餌とか持ってないはずなんですけど……あっ、ヒナさんも撫でてみますか?」

「そうね。でも私は……」

「……ヒナさん?」

「撫でるのなら、シズクを撫でたい」

「んぅ、くすぐったいですよ?」

 

 

 

”すごい集まってるね“

 

「白尾シズクさんは動物に好かれるそうですから、給食部では必ず一匹は猫が迷い込むと有名ですよ?」

 

”そうなんだ?“

 

「ヒナ委員長の、あの慈しむような……またヒナ委員長コレクションが増えて……ふふふふ」

 

”……ほどほどにね“

 

 

 

 

 

 

「えっと、確かここから……あれ?」

「……封鎖されてる?」

「えっ、なんで……確かここは普通の道の……」

 

『現在、温泉開発中』

 

「あっ」

「……………………ごめん、少しだけ待ってもらっていい?」

「えっ、あっ、ダメですヒナさん!」

「……シズク」

「今日のヒナさんは、私とのデート中なんです。仕事はしちゃいけません!」

「─────だから、二人で行きましょう」

「えっ?」

「二人で、温泉開発部をぶちのめしましょう。大丈夫です、私はヒナさんのサポートに回ります。その方がずっと、効率よく、排除できます」

「……そうね。早く片付けてデートに戻りましょう」

「はいっ!」

 

 

 

 

「イオリィ! 早くあのバカ温泉の排除を! 一刻も早く!」

『わかってるからアコちゃん! ちょっと今急行してるところ!』

 

”……でも見た感じ、来る前に終わりそうだよ?“

 

「なっ……」

 

 

 

 

 

「ちょーっとトラブルはありましたが、無事に温泉開発部は殲滅できましたっ! さぁデートの続きを、」

「ちょっと待って」

「えっ」

「……気の所為?」

「ヒナさん? もしかして、また厄介な連中でも……」

「いや、そういうのじゃないけど……ううん、忘れて」

「そう、ですか……? わかりました、行きましょう!」

「うん」

 

 

 

 

”……危なかった“

 

「なんとかバレずに済みましたが……あの、先生? 場所が場所とはいえ近いのですが……」

 

”あ、ごめん“

”まさかダンボールに入ることになるとは……“

”都合良くダンボールが落ちてて良かった“

 

 

 

 

「その子」

「はい? あぁ、頭の上の猫ちゃんですか? なんだかぐーたらしてて動きそうにないので、そのままにしてます。幸い移動の邪魔にはならなそうなので……」

「……(ポイッ)」

「ヒナさん?」

「シズクは私のだから」

「え、あ、ははは……」

 

 

 

 

「くっ、ここからでは声が上手く……っ!」

 

”ヒナ、拗ねた顔してるね“

 

「えっ? ちょ、ちょっと見せてくださいっ!」

 

”あっ、待ってアコ、それ以上はバレ……“

 

 

 

 

「やっぱり、気の所為じゃない」

「ヒナさん? どうしましたか?」

「ごめんシズク、少しの間、ここで待っててほしい」

「……私も、付いて行っては駄目ですか?」

「五分もあれば終わるから」

「…………わかり、ました。ここで待ってますね」

「うん。すぐに戻る」

 

 

 

 

「何してるの、アコ、先生」

「ヒナ委員長……!」

 

”ごめん、ヒナ“

 

「……だいたい何のことかは察した。多分、裏で手を回してくれたりもしてたはず……失敗したみたいだけど」

「うぐぅ」

「厚意は嬉しいけど、デートの時は流石にやめてほしい。アコ、このことは明日に回すから」

「は、はい……」

 

”アコのこと、あんまり責めないであげてね“

 

「……そこまで責め立てるつもりはないから」

 

ザザッ

 

『アコちゃん? いま委員長の近くで美食研究会が……って委員長っ!?』

「美食研究会……どうしてこういう日に限って、」

「……、っ!」

 

”あっ、ヒナ!“

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、どうもシズクです。

 

 先程、何か用事ができたのか一時的に去ってしまったヒナさんを待っていた私ですが……

 

 今現在、攫われております。

 

 誰に? 美食研究会に、です。

 

 なんで攫われてるんでしょうかね……デートの最中だったのに……

 

「本当ならフウカさんを……と思っていたのですが、不在でしたので代わりにシズクさんにご同行を、と思いまして」

「貸して貰った車を走らせていたら見つかるなんて、幸運でしたね☆」

 

 美食研究会の発火剤(ハルナ)ダイナマイト(アカリ)が何か言ってますが、正直理解できないので放置です。

 

 美味しく食べてくれるのは嬉しいですが、それはそれとしてフウカ部長を攫ったりするのは嫌いなので……

 

 ……ジュンコちゃんくらいかなぁ、まともなの。パンジャンドラム(イズミ)も食べたいだけで純粋なんだけど……うーん。

 

 あ~、ヒナ先輩にはなんて言おう……今頃探してくれてるはずだし……今日は踏んだり蹴ったりだなぁ、もう。

 

「……ねえ、なんか音しない?」

「音? 音ってなに? 食べ物の音?」

「いやそういうのじゃないから。遠くから……車の音に混じって聞こえづらいんだけど……」

「……確かに聞こえますね」

「しかも、だんだん近づいてきてるような……?」

「……これ、何の音かと思ったら車の─────」

 

 ドコォン!

 

 車がぶつかる音が響く。それもかなり勢いよく。

 

 なんだか美食研究会がわちゃわちゃしてるけど、色々と縛られてるから動けない……というか見えないね。

 

 いや多分、車が車に衝突したとかだと思うんだけど─────

 

「……あら」

「まあ☆」

「えっ」

「んー?」

 

「……何か、言い残すことはある?」

「……その服、似合って、」

 

 (銃声)

 

「聞くつもりもないけど」

 

 んん? あれ?

 

「ごめん、遅れた。助けに来たよ、シズク」

「んんんっ?」

「……話せないわよね。すぐ外すから」

 

 ─────美食研究会に攫われてから、しばらく。

 

 私は無事にヒナ先輩の元に帰ってこれました。

 

 ……ところでヒナ先輩、一体どうやってここまで来たんだろ。音からして車に乗って来ましたか……?

 

 

 

 

 十数秒前。

 

「ヒナ風紀委員長! 美食研究会の車が見えてきました!」

「このまま走らせて、真後ろか横に並べて」

「しかし、この車の馬力では、」

「……それならあっちから回って」

「あちらに、ですか?」

「あっちを通れば台がある。そこを飛んで上から距離を縮める。やって」

「りょ、了解いたしました!」

 

 

 

 

 

 

 無事にゴタゴタが済みましたが、やはり時間が掛かりすぎたのでしょう。

 

 今の時間帯は、夕方になっていました。

 

「……」

「その、落ち込まないで」

「うぅ……」

 

 ヒナ先輩に慰められてます。すこく惨めです。

 

 というか私はいいんですよ私は。せっかくのヒナ先輩の休日が……パァですよパァ。

 

 あ”ー、どうしよぉー……

 

「ねえ、シズク」

「……どうしましたか、ヒナさん」

「このあと、お家に行っていい?」

 

 …………う?

 

 お家……お家ですか。

 

 あー、そっか。なるほど。その手があった。

 

 豪勢に……いえ、ヒナ先輩の好みに合わせて「美味しい」と言わせることが出来るような料理を……

 

 これなら失敗のしようがありません。必ずや成功させて、

 

「シズク?」

「あっ、や、大丈夫です! 何も無い家ですが……!」

「ありがとう。もう少しだけ、時間を貰っていい?」

「っ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、シズク」

「なんですか?」

「私、頑張ってるよね」

「頑張ってますよ〜」

「……もっと抱きしめて」

「はい」

「頭、撫でて」

「はぁい」

「……」

「……ヒナさ、ひゃ」

「んっ」

「ヒナさん、うなじは、」

「誰にも見せてないのは、わかってる。アナタにこんなことができるのは、私だけだから」

「……私は、アナタのシズクですから。こんなことをしてあげるのも、ヒナさんだけですよ?」

「うん、知ってる」

 

「だから、シズク。もっと私を─────」

 

 

 

 

 




『シズク』
 このあとめちゃくちゃ甘やかして寝た。途中で起きてヒナの寝顔を観察してたが、ヒナも起きたので再び甘やかした。
 最後は風紀委員長に戻るヒナのためにお弁当を用意した。
 なおこのお弁当は常習化する。

『ヒナ』
 このあと甘やかしてもらって熟睡した。
 いつもより早く寝れたが、いつもの習慣で3時間寝たら深夜に起きてしまったが……ショートスリーパーなので起きてたシズクにさらに甘やかされた。
 翌日、ヒナ委員長は大変機嫌が良く、仕事効率が激増したとか。
 ちなみに寝る時はシズクの尻尾に羽を巻き付けて寝た。



 え? ヒナは本当に何もしなかったのかって?

「そういうことをするのは大人になってから」

 シズクにはこう言ったそうな。

 学生がそういうことしちゃいけない……キヴォトスに守れる人が何人いるのか知らないけど。
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