オメガでバースでブルーなアーカイブ   作:オルフェイス

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 IF世界線は基本、前世をあまり覚えてないか転生した事実すら知らないのが主人公のデフォです。
 オメガが強いのは解釈違いかもしれないが、それでも書く。そこまで描写してるわけでもないし。

 ウサギはウサギでも、ウサギじゃないウサギなので。
 食べられちゃいますね。


SRTIF『兎御殿』

 

 こんにちわ、SRT特殊学園所属、白尾シズクです。

 

 そして、SRTの落ちこぼれです。

 

 ……うーん開幕から自分を落ちこぼれって言うの、精神的にかなりキツイよ? いや事実なんだけどね?

 

 使う銃はアサルトライフル。それに手榴弾や閃光手榴弾、あとは特別製の警棒。

 

 警棒は……あまり使うことはない。使ったら強い、などと自分では思ってるけど……現場で使うことを想定するよりも、銃を学んだほうが良い。

 

 そう教育され─────その結果、私は落ちこぼれになった。

 

 

 銃を使えば明後日の方向に放たれ味方に当たり。

 

 機器を使った電子戦は壊滅的で、自分のところのセキュリティをぶっ壊したり。

 

 爆弾の設置は、やったら味方を爆破。

 

 遠距離狙撃はころころ動く姿を捉えられず、撃つ前に決着が付いてしまう。

 

 

 唯一得意と言えたのはMCMAPとかCQCとか……とにかく近接戦闘での戦い方。あれに関しては得意だと断言できる。

 

 ……それ以外のことが、まったくと言って良いほど身に付かないだけで。

 

 それに……オメガである、というのも落ちこぼれの評価に拍車をかけている。

 

 オメガって基本弱いから。SRTに入学できるのってアルファが大多数だって聞くし……ベータの方が少ない学校なんて、ここくらいだと思う。

 

 いじめ、とかはSRTに所属している以上はなかったけど、でもなんでこんなやつが、っていう風には見られたりしたかな。

 

 いや実際、同じ部隊の人にも言われた。なんで入学したのか、なんで入学できたのか、って。

 

 推薦入学って言ったら驚かれた。いやほんと、なんでだろうね。自分でもわかんないよ。

 

 中学の時に暴れてたからかな……確かに当時はヘルメット被って色々としてたけど。でもなぁ、名前を名乗ったこともないし、何かを率いてたわけでもない。

 

 知名度なんてないはずなんだけど……

 

 いや、それはいいか。もう過去のことだし。

 

 SRTは、決して居心地の良い場所ではなかった。私も何かしたくてここに入学したわけじゃないし、むしろ推薦なんて受けなければ良かったかと後悔もした。

 

 いや、今現在進行形で後悔してる真っ最中かも。

 

 なんでSRTが廃校になるの? 連邦生徒会長も消えるまでは健在だったじゃないですか。しかも廃校が認められないからと我が小隊はデモしてるし……

 

 ウサギ公園を占拠して?

 

 ヴァキューレも徹底抗戦で返り討ちにして?

 

 その結果、シャーレも出張ってきて、私以外全員拘束されてる状態という……

 

 なんで?

 

 私は別に、ヴァルキューレに移ることになっても異論はないし別にいいかなって思ってた。SRTには思い入れもないし、移るというならそれでもいい、って。

 

 でも皆は違ったようで。

 

 ミヤコは、自分の信じる正義がSRTにあると考えて。

 

 サキは、厳正な規則を求めて。

 

 モエは、正義とかそういうのじゃなくてSRTにある最新装備が目当てで。

 

 ミユは……馴染みのある環境の方が良いとか、新しい関係を作るのが苦手とか、そういうのだ。

 

 皆、理由は様々だけどSRTが良いと言ってる。

 

 ……そこまでする理由なんて、私にはない。

 

 何がそんなにいいのか、よくわからない。考えてみても、やっぱり皆の考えはわからない。

 

 結局、落ちこぼれの私が何を出来るはずもなく。

 

 あえなくヴァルキューレに捕まってしまった。

 

 まあ、そうなるよね。皆が捕まった時点で抵抗を諦めたし。

 

 ……その皆からは、もっと抗ったらどうなのかと言われたけど。ミユくらいかな、そんなことを言わなかったのは。

 

 私には、信念も、欲望も、恐怖だってない。

 

 ……本当に、なんで私はここにいるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 その日、夢を見た。

 

 私がSRTに推薦入学して……散々な結果を出したことを、上官に報告したときのことだ。

 

『そうか。まあ、そうなるだろうことは入学した時にわかりきっていたことだ』

『白尾シズク、おまえは落ちこぼれだ』

()()()()()()()()()()()()()

『そうすれば皆がおまえを誤認し、錯覚する。しかもオメガだからな。隠してる、なんてことは考えもしないだろう』

『おまえの役割は、表で華々しい成果をあげることではない。それはFOX小隊で事足りている』

『裏から正義を支え、悪を必倒すること』

『それがおまえの……連邦生徒会長が直々に推薦した生徒の役割だ』

『おまえが本気を出すのは、その力が必要になった時だ─────【ヴォーパルソード】。それまで、おまえは力を隠さなくてはならない』

『わかったな?』

 

 

 

 

 

 ……そうだ。

 

 そういうことも、あった。

 

 だから私は落ちこぼれで……落ちこぼれと思われなくてはならない。

 

 それが私に求められた役割だから。

 

 だからその結果、何を言われたとしても……それは正当な評価だ。

 

 私を扱う権利があるのは、連邦生徒会長と……その連邦生徒会長が認めたシャーレの先生だけ。本人にそれを伝えるつもりはないけど。

 

 命じられれば従う。それが私。だけど、従う相手は選びたい。連邦生徒会長は、言うまでもなく。シャーレの先生は、よくわからないから。

 

 でも、知らないのならわからなくてはならない。

 

 そう考えた私は、シャーレに訪れるようになった。

 

 

 

 先生は不思議な人だ。

 

「先生、それは?」

”カッコいいロボット!“

「……好きなんですか?」

”ロボットにはロマンがあるから“

「なる、ほど?」

 

 普段は、そこまで出来た人ではない。

 

「こんなに書類が……大丈夫なんですか?」

”大丈夫じゃないかも……“

「ですよね……その、もし手伝えることがあるのなら、やりましょうか?」

”いいの? ありがとう!“

 

 多分、先生よりも優秀な人は、このキヴォトスにはたくさんいると思う。

 

 だけど。

 

”辛くない?“

「……何がですか?」

”出来ることができない“

「……」

”したくても出来ない。シズクは、そんな風に見えるから“

「……なんで、そんなこと……先生にわかるんですか……?」

”先生だから。生徒のことは見ておかないと“

「そう……ですか。でも、私は平気ですから」

 

 時折、核心を突くことがある。

 

 本当に生徒のことを考えているのだと、そう思わせることを口にする。

 

 普段はだらしない、けどいざという時はやってくれる。そんな人。

 

”シズクは、好きなものはある?“

「好きな……もの? ……いえ、これといって思い浮かぶようなものは……」

”趣味はないの?“

「趣味……ありません。その、SRTの訓練で忙しくて」

”そっか。なら、少し付き合ってくれない?“

「付き合う……ですか?」

”買い物に行こうと思ってて。どうかな?“

「……わかりました、ご一緒します」

 

 先生は私といると、私のことを知ろうとしてくる。

 

 ……そんな人は初めてだった。

 

 RABBIT小隊の皆も、私について知ろうとしたことはなかった。

 

 だからなのかな。口が滑ってしまった。

 

「……私、SRTでは落ちこぼれだったんです」

”落ちこぼれ? シズクが?“

「はい。銃もまともに扱えず、爆弾を設置しようものなら味方ごと爆破して、皆の足を引っ張ってばかりで……」

”でも、私の書類仕事を手伝ってくれたよ?“

「それは、ジャンルが違うんです。SRTでは必要とされない分野でしたから」

”それでも、私が助けられたのは確かだよ“

「……」

 

 私は、落ちこぼれだ。

 

 そうであることを望まれた。

 

 それがSRTでの私の……役割、で……

 

 ……もしかして私、辛かったのかな。

 

 自分が気付けていなかっただけで……

 

 先生との交流を続けていくうちに、そんなことを考えるようになった。

 

 そしてある時、気付けば全てを吐き出していた。

 

「私、は」

”うん“

「……誰かに、必要とされたかった? 私を必要としてくれる誰かを……でも私はずっと一人で……頼れる人も、頼ってくれる人もいなくて……」

”辛かった?“

「……そう、かも」

「例え自分は凄いと思ってても……必要とされない凄さに、何の意味があるの……?」

「知らない誰かなんて、どうでもいい」

「私を知ってる人に、頼ってもらいたい。必要とされたい」

「でも私は落ちこぼれで、誰にも頼られない。RABBIT小隊の皆も、そう」

「上の人が求めるのは【ヴォーパルソード】という偶像」

「……私じゃ、ない。私を必要としてくれない」

 

”そんなことないよ“

 

「……?」

”少なくとも、私は頼りにしてる“

”ここにいるシズクのことを、必要としているよ“

「……!」

 

 ─────その言葉が。

 

 どれだけ救いとなったのか、わかっているのだろうか。

 

 もう先生は、私にとってよくわからない人ではなくなっている。

 

 私の思う、頼られたい人の一人だ。

 

 だから、私のことを話した。

 

 落ちこぼれである理由。RABBIT小隊での立ち位置。【ヴォーパルソード】という機密事項。

 

 全部話した。先生なら、信じられるから。

 

”自分を隠さないで“

”少しずつでいいから、シズクのことを知ってもらおう“

”私も手伝うから“

 

 先生は見守ってくれる人だ。

 

 私とRABBIT小隊の皆との仲を深めることを手伝ってくれる様になった。

 

 私も、隠してばかりでダメだったから。

 

 皆のことを知って、私のことを知ってもらって。

 

 頼って、頼られて、必要として、必要とされて。そんな関係にしていきたい。

 

 ─────それは、先輩方であるFOX小隊を倒し、連邦生徒会長代行となって大惨事を引き起こしかけた不知火カヤを捕まえてからも変わらない。

 

 ただ、変わったことと言えば…………………………………うーん、これ言っていいのかな。

 

 ……やめとこう。あまりにアレだし……

 

 皆との関係も良くなったんだから、良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウサギたちの一幕

 

『サキの場合』

 

「……なあ、気になったんだけど」

「どうしたの?」

「ずっと前からシャーレに行ってるよな。何しにいってるんだ?」

「えっと、先生のお手伝いと……皆が使う物資の補給、とか」

「他は?」

「他は……先生に、私のことを聞いてもらったり……?」

「あの先生になにかされたりしなかったか?」

「ええ? そんな変なことをする人じゃないよ先生は。先生は私に、いろんなことを教えてくれたの。先生は私の……って、これ以上は恥ずかしくて言えないなぁ」

「………ふーん?」

「あ、そういえば貸してもらった鉄帽、綺麗にしておいたよ。また気になったら貸してね」

「……ありがとう。

……ところで、このあと暇か?」

「んー? 暇だけど、どうしたの?」

「ちょっとこっちに来い」

「なになに? そんなに引っ張らなくても行くってばー」

 

 ガサガサ

 

 ……………………

 

 

 

 

『ミユの場合』

 

「あれ、ミユ?」

「……」

「どうしたのそんなところで」

「……な、なんでわかるんですか……?」

「鼓動の音が聞こえたから……」

「???」

「?」

「……えっと、何かご用ですか?」

「ううん、特には。ミユのゴミ箱が見えたから来たんだ」

「そう、ですか」

「うん」

「……その、そんなに見られると……」

「あ、ごめん。ミユのゴミ箱、何処から持ってきたんだろって」

「これは……近くにあったものを頂いてきました」

「中とかどうなってるの? 普通のゴミ箱と変わらない?」

「………………」

「ミユ?」

「入ってみますか?」

「え、いいの? 私も小さいけど……二人も入れるかなぁ」

「詰めればなんとか……どうぞ」

「それじゃあ、……? 考えてみれば二人で入る必要は、」

「で、でも! 潜入する時にいざ使えないということは、な、ない方が……良いと思います」

「そっか。それもそうだね。それじゃあお邪魔しまーす」

 

 ガタ

 

 ガッタン!

 

 ガタガタガタガタ………

 

 ガタ……ガタ……

 

 

 

 

『モエの場合』

 

「シズクー、ちょっとこの中に入ってくれない?」

「……穴?」

「そ、私だと引っかかって入れなくてさぁ」

「ミヤコやミユの方が良い気もするけど……いないの?」

「今は先生のところにいるんじゃない?」

「うーん……わかった、入ってみるね」

 

 スポッ

 

「入れた……けど」

「どう? 出れそう?」

「出れない……それに、この穴の中に何があるの?」

「なにもないよ?」

「え?」

「ただ私が入ってほしかっただけだから。これで、逃げられないよねぇ」

「っ、モエ」

「それじゃ、後はゆっくり……」

 

 

 

 

『ミヤコの場合』

 

「シズク」

「ミヤコ? シャーレにいるなんて珍しいね」

「はい。今日は用事がありましたから。そういうシズクは、」

「私は先生に会いに。でも、いなさそうだね」

「先生なら、私に留守を任せて他の生徒のところに行ってましたよ」

「あー、そっかー。そういうところあるもんね先生。なら仕方ないかなー」

「私はこのあと、シャワー室に行こうと思ってますが……シズクはどうしますか?」

「シャワー……うん、行く」

「……シズク、髪はちゃんと洗えてますか? 少し傷んでるように見えますよ」

「え、そう? あんまり気にしてなかったけど……」

「いけません、ちゃんと洗わないと。私が手伝いますから」

「いいの? えっと、じゃあ、おねがいします」

 

 シャワー入室後

 

「……ウサギは、繁殖力が強いそうです。私は、ウサギなので……」

「……ミヤコ?」

「可愛い雌なシズクを、食べちゃいます」

「えっ、あっ……んん」

 

 

 

 

((((警戒心が薄い……))))

 

 

 

 RABBIT小隊は、シズクに対してこう思ったそうな。

 

 

 




 言ってなかったけど、アルファは性欲が強い。しかも女性の場合だと両性具有なのでどちらかで処理することが多い。

『シズク』
 SRTの特記戦力【ヴォーパルソード】その人。高い近接戦闘能力で対象を鎮圧する。しかし銃器の扱いは苦手。
 先生との交流によってRABBIT小隊との仲を深めようと頑張ることに。誰からも必要とされないことに孤独感を覚えていた。
 性的知識は実践で得て豊富。中学の時から頼まれたら誰であれしていて、SRTに入学したあとは上官の処理をしていた。
 それがおかしなことであることには気がついていない。
 オメガであるため発情期もあるのだが、SRTにいる時は抑制剤を使っていたがカルバノグ一章終了後はシャーレに避難している。
 先生には『第2の性』がないからオメガの影響を受けないため。
 それがRABBIT小隊からの誤解を生むことになるとは思っていなかった。


『RABBIT1〜4』
 先生との関係を疑い、日に日に先生と仲良くなっていくシズクを怪しんだ結果、これはもう『やってる』という結論に。
 諸々の騒動で忙しくそんなことを考えている場合ではなかったが、全て終わったあとに先生との仲を見せつけられて理性崩壊。
 二人っきりになったときに……
 以後、それぞれのやり方で処理してもらっている。
 ちなみに一番大きいのはサキらしい。


シズク→RABBIT小隊
カルバノグ前『親しくない。頼ってくれない。必要としてくれない。でも仕方がない』→
カルバノグ二章後『必要としてくれるように頑張る。仲良くなれた、気がする』

RABBIT小隊→シズク
前『SRTのアイドル。可愛いし良い匂いがする。人知れずシズク目当ての生徒を警戒していた。能力は低く、なんで入学できたのかわからない』
後『【ヴォーパルソード】であることを知って納得。強くて可愛い。頼りにするようになる。ところで先生との仲が不安……余計に可愛くなったのでキレそう』
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