ゲヘナですわ〜
小柄なのですわ〜
こんにちわ、こんばんわ。
白尾シズクです。
現在ゲヘナやってます。
……詳しい説明? や、ゲヘナに入ったはいいんだけどもなんやかんやあって、はい。こうなりました。
詳しいもクソもないなこれ。ろくな説明ができてないぞ?
しかし今日も尻尾は元気にブンブンしてます。美味しいご飯は每日の活力……!
そんなわけで、私は給食部をやっております。每日時間とリソースが足りない日々。身体のほうが先に壊れそうだなぁ。
でも楽しい。どれだけ早く美味しく作れるのとか、毎日挑戦の日々。良いね、前世と比べたら全然楽しい。
……でも前世でのことって何も覚えてないんだよねぇ。や、途中までは覚えてたんだけど、キヴォトスでの怒涛の日々が刺激的過ぎたのか、記憶が薄れてる。
でもまあ、困ることでもないし良いかなぁと。
今日も今日とて、私はご飯を作るだけなので!
でもやっぱりめちゃくちゃ疲れるなぁ。
流石に千人単位の料理を三人で回すの無理がありませんかね?
「フウカ部長! 人を増やしましょう!」
「出来るのならやってるから……」
「ですよねぇ」
数が……数が足りない……! やはり戦いには数が最適解……どうにか数を熟さなくては……
でもこの部活三人しかいないので圧倒的に数が足りない。なんでこんなに少ないのだろうか……ゲヘナだからですねわかります。
しかも皆ゲヘナの給食不味いって言うんだよねぇ……思わずお仕置きしてやろうかと思うくらいには。
いや確かに質より量だからグレードが下がるのはわかるんだけど……そこを解決するのも私達のやるべきこと、なんだろうけど。
……まずお腹空いたし何か食べよう。
そんなこともあろうかと、グツグツ煮込んでおいた鍋を取り出す。
「まあ考えてても仕方ないのでシチュー食べません?」
「いつの間に作ってたの……?」
「ふふふ、美食研究会がやってきてフウカ部長を連れて行った時にじっくり煮込んでました。だいたい五時間は煮込んでますね。美味しいですよ」
「……とりあえず貰うわ。お皿は……」
「私が取ってきます!」
「ありがとうジュリ」
こうして私の作った賄い料理が、皆のお腹の中に入っていくのであった〜。まる!
美味しく頂いてくれるので、私は皆が好きなんだよねぇ。
……さて、美食研究会対策に何かしらの料理を作るかなぁっと。何にしよう……最近はお肉が多かったし魚……いやエビにしよう。エビフライ……ここは敢えてエビの刺し身で……
■■■
「シズク、私達はもう帰るけど……あなたも頑張りすぎないようにね。体調崩したら元も子もないんだから」
「シズク先輩、お疲れ様でした」
そう言って二人は帰っていった。
私? 私はもう少し下拵え。ぶっちゃけそんなことをしていたら深夜を過ぎるけど、私ショートスリーパーだから寝るのは短時間で済む。
そしてその空いた時間で料理を作る、もしくは準備をする。
良いよね、これ。私は良いなって思うよ。
……まぁ味は、量を作ることには変わりないので低めなんだけど。でも、少しずつ味を向上させていきたいと思ってます。
でも特に頑張るのは給食部の皆と、先輩の分の料理かな。これだけは量より質で美味しく頂いてもらいたいから。
……時間的に、そろそろかな。
時計を見てみたら、もう間もなくで約束の時間になろうとしていた。
忙しい時もあるから、来れないこともあるんだけど……
そう思っていると、コツコツと歩いてくる音が聞こえてきた。
こんな夜中で、気負うことなく歩いてくる人は私の知る限り一人しかいない。
振り返れば、見慣れた姿が目に入った。
「おつかれさまです、ヒナ先輩」
「うん」
今日も今日とてお疲れのご様子の、空崎ヒナ先輩でした。
ヒナ先輩との出会いは、はてさていつのことだったか。
確か、私が夜中に下準備してる最中にヒナ先輩がやってきて……なんでも夜中に電気が付いてるのを不思議に思ったそうな。
明らかにお疲れなヒナ先輩が気になったので手を触らせてもらったり、頬に手を添えて至近距離で目を見たり……そういえば恥ずかしそうにしてたなぁ。
疲労が溜まりつつあったのが確認できたので、よく眠れるような飲み物をあげて……疲れが取れるような軽食を提供して……そこからヒナ先輩との、夜中の密会が始まったんだ。
……密会っていうわけじゃないけど、私とヒナ先輩以外いないから、まぁなんでもいいかなって。
「毎日準備して、疲れない?」
「疲れません。ちゃんと寝てますし食べてますから!」
「そう。ところで、」
「尻尾、触ります?」
「……寝ちゃいそうだから、やめておくわ」
「そうですかぁ……あ、これどうぞ」
「ありがとう」
ごくごくとヒナ先輩は出された特製ホットドリンクを飲み干していく。
味の好みは聞いたので、それを参考にヒナ先輩が飲みやすいように工夫してある。来てくれたら必ず出して、心地良く寝てもらうのだ。
ご飯はここに来る前に済ませてしまうみたいなので、作るのはあくまでドリンクと軽食だけなんだけど……もっと私の料理を食べてほしいなぁって思う。
毎日ヒナ先輩の料理を作ってあげたい。
「……美食研究会の方は、大丈夫?」
ヒナ先輩が美食研究会について聞いてきた。
大丈夫……大丈夫か、かぁ。
「私はいいですけど、フウカ部長が……」
あの人たち、だいたいフウカ部長攫っていくからなぁ。
ヒナ委員長は溜息を一つ。本当に困らされているらしい。ここゲヘナは美食研究会の他にも温泉開発部や邪魔ばかりの万魔殿、その他大小の問題児ばかりだって聞くし……
多忙に成らざるを得ないヒナ先輩が心配だ。
「なんとかは出来ないけど……出来る限り、早く救出するようにするわ」
「フウカ部長もそうですけど、ヒナ先輩は毎日頑張っているんですから、無茶しないでくださいね。そんなことになったら私が泣きますよ?」
「……それ、ずるいわ」
ほんの冗談のつもりで言ったら、ムスッとした様子で顔を近付けてきて……
「あなたには、悲しんでほしくない。私の……
腕を胴に回され距離の近付いたヒナ先輩が、うなじをほんの少しの力で、甘く噛みつく。
うなじから走る、ピリリとした快感。それを表に出さないようにしながら、ヒナ先輩を抱きしめる。
今は黒い布で隠されて見えないけど、かつてヒナ委員長に最初に噛みつかれた痕が残ってる。
誰にも言ってないことだ。私とヒナ先輩が番であることは。
……そういえば、ヒナ先輩に最初に噛まれた時も、こんなだったなぁ……
「けれど、私がいるのに他の女の名前を出すのはどうかと思うわ。反省して」
「あっはい、ごめんなさい」
こんなこと、前にも言われたなぁ。
なんだろ、確かヒナ先輩が見たことないくらい凶暴になってて……フウカ部長の名前を出したら怖くなってきて……そしたら襲われて……発情期になってたわけじゃないのは、確かなんだけど。
うーん。まぁいっか。大事なのは今なんだし、過去のことは気にしない気にしない。
「……そろそろ、寝ないと」
名残惜しげにヒナ先輩は身体を離してきた。
そうだよね、ヒナ先輩は明日も仕事あるし……そろそろ時間かぁ。
……もっと一緒にいたいなぁ。
なんて、無理だとわかってはいるんどけど。
「シズク、毎日言うようでくどいとは思うけど、」
「他のアルファには近づかない、ですよね。ちゃんと覚えてますよ」
ヒナ先輩は心配性で、私が他のアルファに襲われないか毎日心配してくる。
番になった私を狙うアルファなんていないと思うんだけど……でもヒナ委員長の言葉だから、守らないつもりはないんだけどもね。
「それなら、いいの─────また明日、シズク」
「はい、また明日、ヒナ先輩! お元気で!」
そして。
互いの挨拶と共に、ヒナ先輩は自身の部屋に帰っていった。
……ヒナ先輩も行っちゃったし、私も片付けが終わったら帰らないとね。
明日も給食部のため、そしてヒナ先輩のため、がんばるぞー!
■■■
「……あー、アコちゃん? 委員長のことは、その……」
「あら、何を言っているんです? まさか私が落ち込んでいるとでも?」
「え」
「しかし……ヒナ委員長が、まさかあんな……これはもしかして………もしかするかもしれません。ふふ、ふふふふふ」
「あ、これ話聞いてない……」
「こうしてはいられません。早急に帰宅して作戦を練らなければ……それでは私はこれで」
「……行っちゃったよ」
『シズク』
アツコへの裏切りがないのでハイテンション気味。そしてメス堕ちも早い。
毎日が楽しくてしかたがない。
しかしどちらにしろオメガとして喰われる運命なのであった。
ちなみに容姿に変化はないが、IFのこちらではヘイローが異なる。それに合わせて保有する神秘も異なるようだ。
少なくともロイヤルブラッドではない。
『ヒナ』
日によってはめちゃくちゃ甘える。
実はシズクの作る料理で常にバフ状態になっているのだが、両者ともに自覚はない。
パワーアップしたヒナ委員長はエデン条約でも軽傷で済む、はず。
……後に風紀委員の皆に恋人がいることがバレていることを知ってしまうが、代わりに休日に言い訳を考えずに会えるようになる。
※呼び方が固定化されてなかったのでサイレント修正しました。ヒナ先輩が通常です