ティーパーティーの親友としてトリニティ全体の脳を焼畑する一般(?)生徒   作:うどんそば

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ティーパーティーには近衛くらいいてもいいんじゃ……? というわけで生やしましたアマネちゃんです。かわいがってあげてください。


理解できぬ!

 ティーパーティー。それは、この学園を統べる組織である。

 ティーパーティーホスト。それはいわば、三頭政治のトップ。

 

 ティーパーティーは、このトリニティー総合学園の先を照らす明かりのようなものだ。

 

 だから、私が必要だった。……んだと思う。

 じゃないと、私みたいなただのモブが友達、いや親友になったりできなかっただろうから。

 

「ね、聞いてる? アマネちゃん」

 

「ちゃんと聞いてるよ」

 

「ミカさん。アマネさんが困っていますよ?」

 

「大丈夫。ミカちゃん達とお話するのは楽しいから」

 

「そうかい? 相変わらず随分珍しい性格なんだね」

 

 ティーパーティー候補の皆が集まる机に、私も座っていた。……ナギサちゃん、ミカちゃん、セイアちゃん。皆が中等部の時からの付き合い。もちろん私もそうなんだけど、ついに三人は高等部の長……つまりティーパーティーとして上り詰めようとしている。

 

 ……思えば、三人は友達が少なかった。中等部三年生の時からしか知らないけど、その頃にはもう未来のティーパーティー候補として遠巻きに見られて、同じ境遇の三人でいることが多かったんだと思う。当時の私はそんなの気にしてなかったから、問答無用で突っ込んでったけど。

 

「……うん。私達がここまで来られたのは、アマネの協力があってこそだ。これからも、私達の友人……いや、親友として、ティーパーティーの内側から支えてくれ」

 

 ああ、感慨深い。ティーパーティーの長になる者たちとして苦悩していた彼女たちも、またそれを夢として邁進している様子も、それ関係なく日々を楽しんでいた様子も、全て見てきた。私みたいな年下にも優しく対等に接してくれて……って、あれ? なんか聞き流してはならない言葉が聞こえてきたような気がする……。

 

「な、なんか変な言葉聞こえた気がするんだけど……?」

 

「ん? なんてことはない。私達がティーパーティーとしてこの学園を導いていく礎となるときには、学園を支える私達を支える立場として、アマネ、君にも席があるというわけだ」

 

 理解できぬ! 私は普通の一般生徒なんだけど!?

 

「ああ、安心してください。アマネさんをティーパーティーホストに並ぶ強大な座に据えるわけではないのです。そうするとどうしても負担が大きいでしょうし……沢山のみなさんもご協力いただいている、学園運営組織としてのティーパーティー付属組織全体の中に、アマネさんの席がある役職ができるだけです」

 

「それだけでも十分おかしい気がするんですけど!?」

 

「まあ、これまでの中等部の頃からのアマネちゃんの貢献度とか、そういうのを考えたら妥当じゃない? そもそもこれまで無償でいろいろし過ぎじゃんね」

 

「そうだね。一年ではあるが、君は十分この学園に欠けてはならない重要なパーツだからね」

 

 いや、それはおかしい。成績は程々に高めに、それでいて問題が起きたらできるだけ手助けするようにとは思っていたけれども、だからといってそこまでされるほどじゃなかったはず……自分で言うのは何だけど、至って普通の生徒の範疇。そうだったはずだ。

 しかも私は一年生。高等部に入学してそう経っていない。数週間だ。

 

「ち、ちなみに、その席の名前って……?」

 

「ああ、これはまだ生徒投票を経てからのものだから詳しくは言えない、断言もできないが……。かつて、ティーパーティーを守護するために作られたが自らがトリニティを統べるまで成長し、そのために消えていった古の『プラエトーリアーニー』……通称、近衛部を復活させようと思っている」

 

「こ、近衛部?」

 

 プラエトリアニ……近衛部は、トリニティの教科書には必ずといってもいいほど出てくる、すでに消えた役割だ。それでいて、歴史は全部活の中でもかなりの長さを誇る。また、その部長はその消滅とともに消えた一派閥のトップでもあった。

 

 印象は、最初は頑張ってたのになあというもの。歴史の教科書では、初めは頑張ってティーパーティーを守護していたとあるが、後々には派閥を拡張し、ティーパーティーそのものになる野望を持つのだ。

 結果は、ティーパーティーには成れたもの、結局長くは続かず、別の派閥からティーパーティーが擁立され、現在に至るわけで。

 

 ちなみに、消滅した理由は、もとはティーパーティーを守護するためにあったのに、それがティーパーティーを狙ってるならある意味ある? と、当時のティーパーティーより解散命令が出されたからだ。

 

 それに、その頃にはすでに正義実現委員会もあったため、わざわざ近衛を付ける必要がなくなったから、という事情もあるけど。

 

「そもそもですが、あなたは自分のことを卑下し過ぎなのです。……まあ、ともかく私達がティーパーティーになって初めての政治は、アマネさんに関する、学生投票です。最悪否決されてもその時はまた別の席があるのですが」

 

「というか、なんで近衛部なの? もうとっくの昔に消えたものだよ? それこそシスターフッドとか、図書委員会クラスの古いものなのに」

 

「……? そんなの、私達の一番近くにいてくれる役職だからに決まってるじゃないか」

 

「わあ嬉しい! そんなに大切に思ってくれてたんだ!」

 

 少し投げやりに返答してしまう。これあれだ。あきらめないといけないやつだ。皆、話を聞く気がまるで無い。

 まあ、学校投票があるのは僥倖だ。どうせ私のことを知っている子なんていないんだし、そもそもあれだけ強大な力を持った経験のある派閥と役職の復活なんて許すわけ無いよね!

 

「まあ、私の予知でもこれは決まっていたことだし、あとは安心してくれていいと思う」

 

「……そっか」

 

 あ、これ逃げられないパターンだ。

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