ティーパーティーの親友としてトリニティ全体の脳を焼畑する一般(?)生徒 作:うどんそば
「貴君を! プラエトーリアーニー、プラエフェクトゥス・プラエトリオへ任命する!」
ティーパーティーの皆の目の前で、私は剣(とはいっても剣がなかったから私の私物の刀になってしまった)を受け取る。私が受け取った剣を抜き放ち、儀礼通り捧刀の姿勢を取ると、大きな歓声が上がった。歴史から途絶えていたPRPR――近衛部長官が新たに任命されたからだ。
校門近くの歴代任命者が刻まれた苔むした石碑も不思議と今は生き生きと輝いて見える。もうじきもう一度磨き直され、新たな名前が刻まれることだろう。
というわけで、はい。生徒投票は圧倒的賛成多数で決まってしまいました。おかしいんじゃないの?
いやまあ、私だからという訳ではなく、そもそもそろそろ復活させてもいいんじゃないかという話が上がってたのも知ってるけどさ。それにしても大差だった。少しあった懸念の声も、ほとんどはまた新たな派閥ができて競争が激化するんじゃないかって話だったし、私に支持者なんて出るわけ無いから問題ないね!
そもそも、ティーパーティーを狙える派閥は結構あるのに、結局三派閥だけしか今は狙ってないんだからそこに割り込むわけ無いよね。救護騎士団とかシスターフッドみたいに派手には動かないでいるほうが絶対いい。それに、私は現ティーパーティー、つまりセイアちゃんナギサちゃんミカちゃんの体制を応援してるし。
あ、ちなみに、正式に三派閥のリーダーが告示され、次期ティーパーティーホストも決まった。基本持ち回りということになってるけど、話し合いはこれから三人で行っていく形だね。……なんか私もぶち込まれるかも知れないらしいけど。
「これからは、私達の剣として、その力を使ってくれ」
「はい。御三方に忠誠を誓い、諌めるときは諌め、後押しせねばならないところでは思い切り背中を押せるものとして精進していく所存です」
「そこまでかしこまらずともいい。……これからは私達と並び立ち、対等にこの学園のため精進していこうじゃないか……皆も聞いたか! ここに新たなプラエトーリアーニー、プラエフェクトゥス・プラエトリオ……つまり、新たなる近衛部長官が誕生した! これは歴史にも残ることだろう。 君たちは歴史の証人としてこの熱狂を伝えていかねばならない義務を得たのだ」
ひときわ大きな歓声が上がった。おおう、こういうときのセイアちゃんの演説の上手さはびっくりするな。声が特別大きい訳でもないのに、皆を熱狂させる何かを持ってる。これがカリスマってやつなのかな。少し芝居がかってるけど、トップとして間違いなく遜色ない内容だし。
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そんなこんなで終わった任命式。私物の刀だけど、実際抜いたのは初めて。実は将棋の大会に出たときに貰ったやつなんだよね。まあ、百鬼に残る物の中でもとてもいいものらしいけど。
もっぱら使うのは銃だし、捧げ銃で良かったんじゃない? って言ったら、昔の規則で剣じゃないといけないんだって。面倒だよね。
「その刀、相当良さそうですね」
「そっかな? まあ結構気に入ってはいるけど」
まあ置物となっていたし、これからは使えるということで有効活用というものかも知れない。サーベル拵え? ってやつにしなきゃいけなかったから、少し改造されちゃったのは悲しいけど。
「刀を佩いてる姿が似合ってるなんて、なんか百鬼の子みたいだね☆」
「まあ、百鬼の刀とは結構形が変わっちゃいましたけど」
銃があるんだから、別に刀はなくてもよくない? この刀は儀礼のときだけで……なんて思ってたら、割とちゃんと毎日佩いてないと駄目らしい。というか、制服の一部分みたいな判定らしいね。
ちなみに制服変わりました。ワンピースタイプのティーパーティー制服の白いやつに、上は真っ赤ですこしオーバーサイズな軍服の上に青っぽいマント。マントには派閥の紋章みたいのがついてる。あと、ティーパーティーのバッヂ。
マントは普段はつけてなくてもいい、またつけてないときは下の軍服になんかどでかい勲章みたいなのをつけてていいらしい。なんか他にもいろいろもらったからなくさないか心配。大切に保管しよう。
そういえばこの青のマント、実はティーパーティーとかの派閥トップたちはだいたい持ってるらしい。さっきの儀式では、ティーパーティーにはまた大切な儀式用の服があって、救護騎士団は騎士団で決められた別のがあって、シスターフッドはシスターフッドで正装があって……みたいな感じで私以外着てなかったみたい。
あ、シスターフッドの本当の儀式用の服はすっごいハレンチって聞いたことあるけどホントなのかな?
話がそれちゃった……私達はもともとティーパーティーを守るために生まれたってことで、ティーパーティーからもらえるこの青のマントが正装に近いらしい。
軍服も割と勲章やら肩章やらでごてごてしてるけど、オーバーサイズに用意してくれたおかげでまあ大丈夫そう。靴も編上靴だけどそんなに長くないし。でも動きにくいことには変わりない。
「ねえ、この服動きにくいんだけど、今度からこれじゃなきゃだめ?」
「うーん、そうだね。一応、それじゃなくてもいいことにはなっている。ただ、この学校での地位と、君の趣味から見て……こういうのはどうかな?」
スカートはそのままで、いつも私がつけている赤いスカーフを巻いて、その上から百鬼の着物の布から作ったみたいな大きめの上着。……これいいなあ。好きなファッションかも。
「これに、ティーパーティーバッヂと大綬章をつけて……これでいいだろう。これからは結構地位があるのだから、服装には少し気をつけたまえ」
「うんうん☆似合ってるよ! かわいい!」
「そうですね……トリニティでは昔、百鬼のたんもの? という布で作られた服飾が流行したといいますが、ここまでお似合いとは……」
「えへへ、ありがとね」
好きなファッションで、それにセイアちゃんに選んでもらったということもあって、すごく嬉しい。
まあ、これなら……明日からも頑張れる気がする。私がこうなっても、皆の態度も変わらず親友だし!
執筆に時間かかりまくりました……資料が多すぎます!