ティーパーティーの親友としてトリニティ全体の脳を焼畑する一般(?)生徒 作:うどんそば
ティーパーティーのあれこれは大切なことではあるけれども、本業は勉強だ。
トリニティはBDやテキストによる学習がほとんどなんだけど、それは個人の頑張りで時間が短くできるということ。実際、私みたいになにか役職付きだったり、事情がある子は、その日の単位が終わり次第もう課業を終了してもいいということになっている。そうしないとティーパーティーとかの運営が大変だからかな。
ちなみに私もそれを利用していることが多々ある。ティーパーティーの会合が授業中の時間に入っていたりするしね。
まあそれをちょっとずるして使い、自由時間を増やしたりもしてるんだけどね。最近はお出かけすることが増えた。近衛部であるとはいえ、普通のときは警護しないし、できない。だって三人いるもん。
というわけで、三人揃っての会合、また対外的ななにかなどの時以外、割と自由なのだ。ま、何かあったら治安維持に協力しないといけないんだけどね。
今日は最近では久しぶりに時間いっぱいに授業をちゃんと受けて、町に繰り出した。予定が入っているのだけど、その予定を一緒に過ごす皆が普通に授業を受ける組だから、わざわざ早く終わらせる必要もなかったしね。
「やあ、遅れたかな?」
「全然だいじょうぶだよ」
「そう? じゃあ良かった。結構遅れちゃってたし、お詫びに今日は私たちがスイーツを奢ろうかなって話してたの」
「いやいや、いいよ。ほら、新しい役職で懐も潤ってるし?」
意外かもしれないけど、こういう大きな組織のトップとか、大きな組織に属するものには給与が与えられる。財源は自治区内の財政によってかなり左右されるので、あんまり経済状況がよろしくないところでは無いかも知れないけど。少なくともトリニティでそういうことはない。
だから! 近衛部長官になってからお給料が出るようになったのだ! しかも結構な金額。これで皆ともスイーツ食べ放題!
「何なら私が全部奢ってもいいかなってまで思ってるし」
「流石にそれは申し訳ないよ……!」
「うん。近衛部長官になったからって言いたいんでしょ? そのお給金は自分のために使ったら良いじゃん。わざわざ私達の分まで出す必要はないよ」
「そうだね。それにそれは、『ロマンに欠ける』だろう?」
「……うん、そーだね! スイーツ部に野暮なこと持ち込もーとした私が駄目だったね!」
「ま、アマネは正式には部員じゃないけどね」
「まあ実質名誉部員みたいなものなんだしいいじゃないか」
ナツは手元の牛乳をちゅー、と吸いながら答えた。
あ、そうだ。まだ言ってなかったけど、今日私が用事があるっているのは、スイーツ部とのスイーツ食べ。
実は中学の時はカズサ以外の四人で結構スイーツを食べに行ってたんだよね。たまたま私達は甘いもの好きだったから。
途中からカズサが入ってきて、すぐに馴染んで、全員トリニティなんだし、高等部に行ったら同じ部活でも作る? って話になってた。私はティーパーティーの皆との関係もあったし、断言はできなかったんだけど、たぶん近衛部長官になってなかったら放課後スイーツ部に入ってたと思う。
「さあ、せっかくスイーツが待ってるんだし、早めに行こー」
「急ぎすぎても良いこと無いんだからゆっくり行けばいいよ」
「いやいや、スイーツを心待ちにして少し焦燥感に駆られて急ぎ足になってしまうこの感覚、これもロマンだよ。楽しまなきゃいけない」
「……ま、ナツが言ってることもわかんなくはないし、こういうときくらいはしゃいでもいいんじゃない? 久しぶりのアマネ入れてのお出かけなんだからさ」
「そうよ、前回行ったのはもう数ヶ月前でしょ? ナツが浮足立つのもわからなくはないわ……私も少し寂しかったといえば……ちょっと……やっぱなんでも無い! 何よその顔!」
せかせか進もうとするナツを注意すると、少し微笑ましそうな目で見ていたカズサがフォローする。そしてそれに同意するようにヨシミちゃんのデレ。やっぱりツンデレはいいとこあるなあ! それ見たカズサのものすごい意地悪な笑みまで含めて日常! って感じ。
そんなこんなでちょっとした雑談を交えつつ道を歩くこと数十分。本日の目標の店にやってきた。
トリニティのスイーツ店番付で、三年連続トップ10入りを果たし、常にその一番の座を狙い続けている、マニアの中では非常に人気のある店。料金はほんの少し高いけど、それでもティーパーティーの皆とのお茶会で食べているものよりは随分手に取りやすい価格帯で、一般生徒達にも大人気だ。
店内は多くのお客さんに包まれ、喧騒が聞こえてきつつも、それのそれぞれの皆が配慮し、品性ある楽しみ方をしていた。このお店は一般生徒達の中でもこういう客層に人気。私達も話すし笑うけど、そんなに周りに大きくひがいを及ぼすほどのものはしないから、こういうところでゆっくり食べるのもいいかなと思ったのだ。
「久しぶりにゆっくり楽しめそうだね」
「そうかも。この前いったところは戦場だったし」
「戦場?」
どうも物騒なワード。放課後スイーツ部から戦場なんて言葉が出てくるとは……、まあメンバー的には出てきても全く不思議じゃないけども。
「戦場っていうのは、この前限定オープンしてたスイーツ店なんだけど……そこがその名の通り、一個ずつスイーツが作ってあって、食べたいのが被っちゃったら、タブった当人同士で戦って勝った方に売るっていうところだったの〜」
「え? そんな個性的なところが?」
「そういえばアマネは何だっけ、あれ……近衛部長官だったっけ? の任命式のいざこざで忙しそうにしてたから知らないわよね。結局私達が結構強かったみたいで、想像よりずっと多くのお菓子を手に入れて、長持ちするのはまだ冷蔵庫に入れてあるくらいあるのよ」
「へー、あとでくれる?」
「もともとアマネのために買ってあるやつもあるし、あとで部室いこっか。そこでもまた話したりはできるし」
注文する商品を決めたのか、ナツはメニューをなおすと、店員さんを呼んだ。