ティーパーティーの親友としてトリニティ全体の脳を焼畑する一般(?)生徒   作:うどんそば

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派閥?

 それから数日経って、ある日。セイアちゃんに呼び出された私は、セイアちゃんのセーフティーハウスにやってきた。

 

「ん、来たね。この前の話は聞いたよ。とりあえず座るといい。紅茶で良かったかい?」

 

「え?セイアちゃんが淹れてくれるの?」

 

「たまには、ね? 大切な人には自らいれたいと思うものさ。……はい、これでいいかな」

 

 机に置かれたのは、良い香りをたてる紅茶。全く良い感じの紅茶に引けを取らない様に思う。

 

「……うん。おいしい」

 

「そうかい。それは良かった」

 

 セイアちゃんは準備したものを片し、椅子に座った。

 

「じゃあ本題に行こうか」

 

「うん」

 

「私の話はこの前の事だよ。君がスイーツ店で襲われたという話。その時の子の話をしようと」

 

「ユウイちゃんのこと?」

 

「そうだ。鶴殿ユウイのことだ」

 

「もしかして、処遇が決まった?」

 

「ああ。直接私達にも話に来たよ。それで、私達の提案と、彼女の意志を含めて、お願いしたいことがあるからここに呼んだ」

 

 ま、お店の人からの減刑嘆願まであるんだし、そう悪いようにはならないだろうけど、私の個人的なわがままとしては許してあげてほしいけどなあ。

 

「結論から言うと、彼女は無罪となる。放免だ。店側からの減刑嘆願もあったし、彼女自身がこのような行動を起こしたのには行政側の努力不足もあり、また素行は悪くない。しかも初犯だ。というわけで、今回は特に罪には問わないことにした」

 

「良かった……」

 

「そしてここからが問題なんだ。ここで市中にほっぽり出されても、今の彼女は一文無しだ。このままでは同じ結末になってしまうかも知れない。だから、ティーパーティーで話し合って、彼女に二つの提案をしたんだ。――一つは、そういう生徒用の支援を受けること。そして二つ目。それは、君の派閥に入って、近衛部に入ることだ」

 

「……え?」

 

 近衛部に? ユウイちゃんを?

 

「それはまた、どうして?」

 

「まあいろいろな理由があるが、どうもあの子はアマネ、君に恩を感じているらしくてね。どうにかして君のためになることをしたいと言ってきたんだよ。それに、現在の近衛部は長官である君だけ。このままではかろうじて外面は整えられても、結局名前だけの組織ととられかねない。だから、一定数部員を入れてほしいんだ」

 

「でも、派閥がどうこうってのは?」

 

 実際、近衛部長官が派閥の長をしていたことは知っていても、私だけでそれ以上は増やす気はなかったんだけど? 面倒くさそうだし、面倒事が起きたときにどっちつかずみたいなのがしにくくなっちゃう。

 

「それに関してだが、これも同じだ。結局のところ、一人しかいない派閥など、派閥としての体をなしていないのだから、彼女を入れたまえ。彼女は成績も優秀だし、派閥やら部やらの書類一般を任せるのもありだろう。君はそういうのが苦手なんだから、いずれ誰かを入れなければならなかったんだから、今彼女を入れてみないか?」

 

「うーん」

 

 確かに、私は書類系の仕事が苦手。勉強はできるんだけど、こういう事務とかになると、途端に時間がかかるようになっちゃうし、しなくてもいいならしたくない。どちらかと言うと、自分でどんどん動いて行きたい人間だし。

 ここでユウイちゃんを入れたら、彼女は食い扶持と安定した地位を得られて、私は優秀な部下を手に入れることができる。それに、ここで入れなくても、いずれ誰かを入れないといけなくなる。

 

 ユウイちゃんは話してみて悪い印象は受けなかったし、あれだけ極限状態にあっても、スイーツ店を襲うくらいで済ませた子でもある。他の子なら、誰かを気絶するまで撃って略奪するとか、銀行強盗を試みるとかするからね。

 そう考えたら、私もユウイちゃんとは仲良くやっていきたい気持ちもあるし、ちょうどいい機会なのかも知れない。

 

「わかった。じゃあ、ユウイちゃんを私の派閥に入れるね」

 

「そうかい。じゃあ、派閥を正式に組織するにあたって、派閥の名前を決めなければ……」

 

「え? 昔の近衛部のと一緒じゃ駄目なの?」

 

「……近衛部のもとの派閥は、近衛部と違って、完全に解体されている。復活は無理だと思ってくれていい」

 

「じゃあ、私が一から作るってこと?」

 

「そうなるね」

 

 何だその面倒そうな事。派閥を作るなんて、数ヶ月前の私に言ったらどうなるかなあ。「めんどくさそー!」とかかな。多分そうだろうなあ……。

 

「やっぱり、書類関係とかめんどくさいの? 派閥作る時」

 

「ああ。この前ホストを回す三派閥のリーダーを決定したあと、いつもの茶会が二日開かれなかっただろう? あれは、私達が派閥の引き継ぎの手続きをしていたからだ。新設となると、更に大変だろう」

 

「えー……ほんと?」

 

「ああ。でも君は別に問題ないだろう? もともと他の生徒に対する優位性を示して派閥内でカリスマ性を見せつけ、分裂を防ぐ必要も無いんだから、大方は得意な鶴殿ユウイに任せるといいじゃないか。それに、私達ティーパーティーだって手伝うさ」

 

 それなら……なんかできそうな気がしてきた!

 

「ありがと。じゃあ、なんとかやってみるね!」

 

「ああ。これからは少しの間忙しくなるだろうが、何かあったらすぐに連絡してくるといい。私達の大切な親友なのだから」

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