先生と生徒の現実来訪ものを書いてくださる方が増えてくれると嬉しいです
最終編までストーリー既プレイ推奨です
ブルアカのストーリー面白いので皆見よう
地下室の不思議な襖
巨大学園都市キヴォトス
それは数千にも及ぶ沢山の学園とそれぞれに運営する自治区が存在し、キヴォトス全体の行政を担う連邦生徒会が管理する地域「D.U.」とで構成される連邦都市であり、人智を超えた力や技術が混在する異世界である
そしてキヴォトス以外の世界は「外の世界」と呼ばれ、キヴォトス側からのみ一方的に存在を認知されているものの、二つの世界は決して交わることはなかった
これはそんな「外の世界」から招かれた唯一の存在である先生が生徒達と交流し絆を深めていく物語だ
カタカタカタカタカタカタカタッ!
「………!!!!!!」
真夜中の執務室
そこには1人の男性がパソコンに向き合い、疲れ切った顔で一心不乱に文字を打ち込んでいた
彼は連邦捜査部『S.C.H.A.L.E』の先生
キヴォトスにおいて連邦生徒会長により付与された権限をもとに、あらゆる規約や法律による規制や罰則を免れる超法規的機関に所属する唯一無二の存在
その権限をもとに、キヴォトス各地へと赴き事件を解決してきた。時には世界滅亡の危機さえも生徒達と共に乗り越えてきた
…が、そんな強力な権限を持つはずの先生は、今日も終わらない仕事に忙殺されかけていた
『あともう少しです!頑張ってください先生!』
『記載漏れ、誤字脱字にはご注意を。』
そんな先生を応援する声がそばにあるタブレットから聞こえてくる
タブレットの画面には青いセーラー服をきた淡い水色短髪の少女と黒いセーラー服の白い長髪の少女が写っている
彼女達はアロナとプラナ
「シッテムの箱」と呼ばれる謎のタブレット型デバイスのメインOSであり、超常的な能力を使い先生を補佐する存在だ
今日も書類の整理からスケジュールの調整等を行い先生の相棒として活動し、最後の書類を作成する先生にエールを送っていた
「〜〜〜!!!お、終わったぁあ〜…!!!」
『お疲れ様でした先生っ!ようやく終わりましたね〜…!』
『書類を確認します。問題がなければこのまま送信し、本日の業務は終了となります。』
永遠に続くかと思われた時間がようやく終わりを告げる
連邦生徒会へ送付する最後の書類を完成させて背もたれにもたれ込み息をついた
『…確認完了。誤字脱字、文法等々問題ありません。ではこちらを送信します、お疲れ様でした先生。』
『今日も膨大な数がありましたが、なんとか終わりましたねっ。』
「うん、なんとか終わったよ…2人もお疲れ様。今日は徹夜せずにすんでよかった…」
毎日二徹三徹上等で仕事をしており、しばしば過労で倒れかけている先生だが、今日はなんとか深夜のうちに仕事を終わらせることができた
しかしそれでも終電の時刻はとっくに過ぎており、シャーレから離れたところにある先生の自宅にはとても帰れそうにない
それでも先生は慌てずに帰り支度を始める
「いやぁ、ほんと夜のうちに終わらせることができてよかった。ただDUの家まではもう行けないから、2人とも今日も私の実家に戻るけどいいかい?」
『もちろんですっ!先生の実家はキヴォトスにないものがたくさんあって楽しいですから!』
『…正直に言えば私もDUにある先生の自宅よりも、あちらの方が新鮮で楽しいです。』
「ならよかった。実は向こうに私自身とアロナプラナへのご褒美のケーキが用意してあるんだ。だから一緒に食べよう!」
『ケーキですか!楽しみですね〜!』
『同意です。私も気分が高揚します。』
少女達とこの後の予定に盛り上がりながら、執務室を後にする先生
そのままシャーレの外に出る…わけではなくシャーレ建物内の地下へと向かっていき、地下室の前までたどり着く
地下室の扉を開けてどんどんと進んでいくと、やがてシャーレの地下室に置かれた物質生成機、原理不明の万能3Dプリンター型のオーパーツであるクラフトチェンバーのある部屋へとたどり着く
慣れた様子で先生はさらにその奥へと歩いていき、布で覆い被されたものへ手をかけた
かぶさった布を全て落とすと、なんの変哲もない襖が現れた
その白い襖は壁に隣接しておらず、裏側には何もない
何もない空間にポツンと襖だけが立っていた
変わった点といえば、取っ手の横に一つ「閉」と書かれた正方形の小さな板がついているという点だけ
「それじゃあ帰るよ。あっ、シャーレの固定電話の留守番設定は大丈夫?」
『バッチリですっ!明日は休日ですから対応はお昼以降にお願いする設定になってますっ!』
『シャーレ建物内に生体反応なし。警備システムも異常ありません。』
襖の前で帰り支度を進める先生
アロナとプラナ主導の元最後の確認を行い、問題点は見つからなかったため、安心して帰ることができる
「ありがとう2人とも。じゃあ扉の承認をお願い!」
『はいっ!パワーオン!ロック解除、転送装置起動!』
『システム異常なし、先生どうぞ。』
「よし皆でケーキ食べるよー!」
取手の横に取り付けられていた正方形の板に書かれていた文字が「開」に変わる
文字が変わったこと確認して襖を横に動かすと眩い光が溢れ出し、先生の姿が見えなくなっていく
そして光が収まるとそこには誰も存在せず、静寂に満たされた
誰もいなくなった地下室で、静かに襖が閉められた
『……?』
『どうしました、プラナちゃん?』
『今、転送する瞬間にシャーレ内に生体反応があったような…?誰かシャーレに入ってきた…?』
『こんな真夜中ですよ?生徒さん達も皆お家で寝てるだろうし、気のせいじゃないですか?それよりも、ケーキ!ケーキ!楽しみですねー♪』
シャーレには先生から許可をもらって内側から開けてもらうか、シャーレに入部し、入管証をもらわなければ絶対に入れません。
もし入り口の扉を強引に破ろうものなら警報装置が作動してサイレンが鳴り響きますし、侵入してもミレニアム等からもらった最新鋭の警備システムが目を光らせています。
相当手練れの特殊部隊や怪盗くらいしか侵入できません。仮に侵入できても、生体反応スキャンに登録情報がないとサイレンが鳴ります。
なので犯人はシャーレに登録されている所属生徒かエンジェル22のソラちゃんしか考えられないのですが、中学生のソラちゃんを本当に24時間働かせるのは難しいので、無人販売に切り替えてもう帰っています。
こんな真夜中に入ってくる生徒なんてほとんどいないのです。
電気が消えた以上もう先生は起きていませんからね。
まさかそんな勝手にシャーレに忍び込んで寝る生徒なんていないですよ。
だからアロナの言っていることに間違いはないのです。ピースピース。