シャーレの地下室の秘密   作:cheese hamburg

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前回大袈裟な引きをしましたが淡々と進みます

やりすぎ感ありますが、これだけ大暴れさせないと時間が取れないと思いこうなりました

原作からして、ゲヘナの治安がやばいので無双ゲーしないと間に合わないんですよね…


協力者編
荒れ狂う白い悪魔


(はぁ…面倒くさい…)

 

ゲヘナ風紀委員会、委員長室で白いモフモフの髪をした少女は深いため息をつく

 

少女の名は空崎ヒナ

ゲヘナ学園内と自治区の風紀や治安を護る風紀委員会の長たる少女

小柄な体格だが、ゲヘナ内どころかキヴォトス全体から見て最強の一角に数えられるほどの圧倒的な強さを誇る存在

 

そんなヒナは朝から憂鬱だった

万魔殿から送られてくるとんでもない数の書類、牢屋から脱走した温泉開発部、飲食店街を荒らして回る美食研究会、ビルを爆破させた便利屋68に、盗んだ戦車で走り回る不良グループの対処…

 

問題児達が事件を起こすのはいつものことなのだが、こんなにも事件が重なって起こるのは久しぶりだ

風紀委員会総出で対処にあたっており、ヒナはまずこの山のように積まれた書類を片付けなくてはならない

あまりの仕事の多さに考えるだけで頭が痛くなる

 

(…久しぶりに先生に会いたい…甘えたい…でも、会いにいく理由がない…)

 

ヒナは先生に対しては、奥手で真面目な生徒だった

シャーレ当番の日はまだまだ先だし、特に理由もないのに仕事中の先生に会いにいくのは気が引ける

それでもどうにか会う事ができれば、何か理由があればと考えては、難しいとの結論に至りため息をつく

その時スマホが震えて通知が届いた事を知らせる

 

(先生からメールだ…)

 

見ると珍しく先生からメールが来ていた

モモトークではなく、メールで届いているあたり多めの文章量で書かれたものだと推測できる

もしくは安全性のためにメールで送ったか

一体なんの用事なのか、連絡が来た事で少し気分が明るくなりながら内容を確認した

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先生

 

いつもお疲れ様、身体は大丈夫?無理はしてない?

多忙の中申し訳ないんだけど、これから時間のある時ができたらヒナと会うことはできないかな。

ヒナにしか頼めないことがあって、どうしてもヒナの力が必要なんだ!

もちろん無理や無茶はしなくていいよ。ヒナの時間がある時に合わせるから、本当に無理だったら断っても大丈夫。

お返事待ってます。情け無い先生で本当に申し訳ないけれど、どうかヒナの力を貸してください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ヒナは先生から届いたメールを繰り返し読んだ

読めば読むほど、気持ちが高鳴っていく

気づけば先ほどまでの憂鬱な気分は吹き飛んでいた

 

(先生が、先生から私に会いたい…)

 

(私にしか頼めないこと…)

 

(私が必要…私の力を…!!!!)

 

図らずも先生に会いに行ける理由ができてしまった

高まる感情に身を任せ、ヒナはすぐに先生へと電話をかけた

 

「もしもし、先生?今大丈夫?…そう、ありがとう。メールを見たわ。なるべく早く時間を作れたら、会いに行ってもいい?…うん、わかった。こちらこそありがとう。それじゃ、またね。」

 

電話の先の先生はいつも通りの優しい先生だった

手短に了承の意を伝えてから、次に行政官である天雨アコへと電話をかけた

 

「もしもしアコ?突然ごめんなさい、でもアコに頼みたいことがあって…うん、これから私"本気で"動くわ。だから全力でサポートお願い。」

 

気怠げだった思考が完全に切り替わる

何もかも、今日中に、片付けて終わらせる

 

空崎ヒナ、フルスロットル

 

 

 

 

──その日ゲヘナの生徒達は震撼した

風紀委員長空崎ヒナの強さ、恐ろしさを改めて思い知らされることとなったのだ

 

ヒナはまず、外に出ている風紀委員達に書類の片付けに当たるようお願いした

普段は風紀委員達に経験を積ませる意味も込めて現場に出すことが多かったが、今回は先生からの用事がある

代わりに外で起きている事件全てを解決してくると告げ、外へ飛び出していった

 

「ハーッハッハッ!今日もいい温泉開発日和…んん?何だこの黒い影は、空から」ズドォオオオオン‼︎

 

舞い降りてきたヒナに温泉開発部は全員土に埋められた

 

「まったくひどいお店だったね!」

「うん!爆破して正解だったよ!」

「まあまあ皆様、気を取り直して次のお店へ…」

「そう、現行犯逮捕ね。」

「え?」

 

美食研究会は鉛玉をたらふく食らわされた

 

「そ、空崎ヒナがなんぼのものよ!やってやろうじゃないのよ!」

「うわぁあああーーっっ!!??」

「あっハルカちゃん吹っ飛ばされ」

「ムツキ!?いや本当にまず」

「カッ、カヨコー!!?あっ…」

 

便利屋68は星になった

 

問題児達を一通り懲らしめた後は、再び委員長室へ戻り、風紀委員達と一緒に残りの書類を全て仕上げた

そして万魔殿へと向かう

 

「キキッどうした風紀委員長!あれだけあった書類の整理はもう終わったのか?

え、本当に終わった…?しかも書類の不備が数え切れないほど見つかったり、抜けている部分が多すぎる…?」

 

(あ、終わりましたねこれ。イブキが風紀委員の人達と遊んでくると言っていたのは、イブキは巻き込まないためですか。いやなんで私も連れてってくれなかったんですか、巻き添えとか勘弁してほし)

 

書類の偽装、隠蔽のバレた万魔殿は爆破された

 

残る事件を解決しに再び出撃する

 

ゲヘナ各地の問題児達が次々と検挙され病院送りにされていく

本気を出した空崎ヒナを前に不良生徒達は逃げ惑い、責任をなすりつけあう他なかった

 

〉お前がやりすぎるから、風紀委員長本気で怒ってるじゃねーか!!

〉お前のせいだろ!

〉待って、私よりもこいつの方がわる…ぎょえー!

〉あっ、自分から牢屋入りますごめんなさい……隙を見せギャフン!!

 

それでもこの期に及んで不良生徒達の一部は楽観視していた

 

誰か1人くらいは逃げられるだろう

─全員捕まった

アジトに逃げれば大丈夫

─何もかも消しとばされた

少しくらいは残るだろう

─チリ一つ残らなかった

朝からずっと走り回ってるしそろそろ落ち着くよね

─時間が経つごとに凶暴性が増していった

 

 

不良達は弾幕の嵐にのまれ次々と倒れ伏す

隠れているバリケードも盾も関係なくぶち抜いて薙ぎ払う

爆風を翼で吹き飛ばし、爆弾を跳ね返し前進する

バイクで迫る不良を殴り飛ばし、横転するバイクを掴んで投げ飛ばしまとめて薙ぎ倒す

目に止まらぬ速さで懐に潜り込み、戦車を蹴り飛ばして横転させる

天高く跳躍し、出てきたヘリを撃墜する

逃げる車の屋根に飛び乗り、踵落としでスクラップにした

ドローンをわし掴み、握力でそのままへし折った

砲台を片手で引っこ抜き、地面に叩きつけて完全に破壊する

わざと狙撃させてスナイパーの位置を割り出し仕留める

撃たれた箇所には傷一つついておらず、逆に狙撃し返してスナイパーのいた場所は大爆発を起こした

 

(事件を解決して…みんなを助けて…早く終わらせて、あの人のところへ…先生の助けに…!)

 

自らの欲望を満たすため全ての力を解放した空崎ヒナは今、誰よりも自由と混沌の名にふさわしい存在となっていた

 

 

 

そして夜、一般生徒達の最終下校時刻までには全てが終わっていた

ヒナは1日であれだけあったタスクを全て完了したのだ

風紀委員会は全員仕事が全て今日中に片付くとは思っておらず感動していた

 

「お疲れ様でしたヒナ委員長。怪我などは大丈夫ですか?」

「大丈夫、ありがとうチナツ。」

「委員長、お疲れ様。さすがだった、けど今度は私が解決してみせるから!」

「ええ、期待してるわイオリ。」

「素晴らしいご活躍でしたヒナ委員長…!本当にお疲れ様でした!本日はゆっくりとお休みください!」

「ええ、アコもサポートありがとう。」

 

「委員長お疲れ様でした!」

「委員長今日もありがとうございました!」

 

ねぎらいの言葉を掛け合って、執務室を後にする

ゲヘナ風紀委員会はようやく全員帰路についた

最後に施錠見回り等確認事項を済ませて、校舎を後にする

ヒナは成し遂げた自分を珍しく褒めて、舞い上がるような気持ちのまま先生に電話をかけた

 

「もしもし、先生?時間、作れたわ。今から会いに行っても大丈夫?…うん、迷惑だった?そんなことない?よかった。じゃあすぐ向かうから待ってて。」

 

電話先の先生はとても驚いていたが、迷惑ではなかったらしい

明るい気分で一旦家へ戻り、荷物を置いて明日の準備等を済ませておいてから家を出た

 

 

──そしてシャーレへと向かっている道中、あることに気がつく

 

(情報部…?)

 

自身の古巣である情報部がシャーレ近くに潜んでいることに気がついたのだ

かつて情報部に所属しており、風紀委員会に移った過去のあるヒナは情報部の隠れ方、やり方を熟知している

しかし、風紀委員会は情報部にシャーレを探る依頼を出していない

これは万魔殿による指示だと推測する

 

(…もしかして先生が私にメールしてきたことと何か関係があるかもしれない。)

 

情報部と"お話し"するためにヒナは道を変えた

残り少なくなった弾倉をリサイクルボックスへ入れて新しい弾を装填しながら

 

ガコンッ 「ひゃうぅっ!?」

 

「ひゃう〜…さっきのって前一緒に戦った…空崎ヒナさん…?どこに行くんだろう…?」

 

シャーレ執務室

 

先生はヒマリにゲヘナの協力者である空崎ヒナがもう来てくれる事を電話で報告していた

 

『…………早すぎませんか?治安がよろしくないゲヘナの風紀委員会ともなれば多忙を極めると思われるのですが、もう来られるのですか??』

 

「うん、私もそう思ったんだけど、来てくれるみたいなんだ。」

 

計画を決めた後ヒマリ達はミレニアムに戻り、それぞれ分かれて行動している

ヒマリはチヒロに連絡を取り、エイミはセミナーへと向かわせた

トキはC&Cで通常通り活動しながら、情報収集を担当していた

先生の部屋に盗聴器を仕掛けようとする生徒もいるため、万が一にも襖のことがバレていないか調査している

それぞれの近況を報告しあい次の行動について話し合った

 

『…こちらの準備が整ってから、詳しく話し合いたかったのですが仕方ありません。空崎ヒナさんへの説明等は先生にお願いしてもよろしいですか?顔合わせまで少し待たせてしまうこともお願いします。こちらの方ではユウカとノアにある程度お伝えできたので、近々向かうと思いますよ。』

 

「うん、任せて。こっちも頑張るからヒマリ達も無理しないで、頑張って!」

 

『はい、先生こそお気をつけて。』ピッ

 

『先生、ヒナさんが来たみたいです!』

 

ちょうど電話を切ったところでアロナから連絡が入る

シャーレにヒナが入ってきたようだ

迎えに行くため急いで下へと降りて行った

 

 

「お疲れ様ヒナ!来てくれて本当に嬉しいよ、ありがとう!」

 

「お疲れ様先生。ううん、お礼を言いたいのはこちらの方。私も先生に会いたいと思ってたから会えて嬉しい。」

 

ようやく先生に会うことができたヒナ

彼女自身はまったく気が付いていないが、喜びのあまり羽をバサバサと揺らしてしまっている

先生はヒナと出会った時、こうなっているのをよく見るので特に気にしなかった

 

早速本題に入るため先生はヒナを地下室の襖の前まで案内する

道中で皆にはまだ秘密にしたいことがあり、それを護るためにヒナに協力を依頼したことを告げた

そしてこの襖は転移装置になっているということも

先生は最初から全てを伝えてしまっては信じ難いと思い、実際に見せながら少しずつ伝えていくことにした

 

「確かに転送装置なんて他の生徒に見つかったら大変だものね。これが、その襖?」

 

「そうだよ。それじゃあ開くけど、準備は大丈夫?」

 

「ええ、いつでも大丈夫。」

 

念のため地下室の鍵をした後、誰かに見られる前に襖の前に立ち2人は転移した

 

 

 

「ここは、お屋敷?…今私達はどこにいるの?」

 

「ここは私の実家だよ。」

 

「先生の…実家…!?」

 

光に飲まれ転移したと思えば、先生の実家に飛ばされたのだという

まさかの転送先、まさかの出来事に混乱の中、先生がなぜ自身を呼んだのかヒナの脳内では高速で推理が繰り広げられる

──最初から全部話していればよかったのだが、少しずつ話したことが仇となった

 

(誰かに見られると困る…まだ秘密…転送先は先生の実家…周りに誰もいない…深夜に男女、二人きり…!?)

 

沢山の情報を整理して今の状況を判断する

そして導き出した答えにたどり着いた瞬間、先生が続きを話そうとしていたことにも気づかず、彼女は身体をギュッと抱きしめて後ずさった

 

「だっ、ダメよ先生!」

「ヒナ!?」

 

空崎ヒナは疲れていた

普段の聡明な彼女ならば正しい答えを導き出せただろう

しかし朝から疲労していた所をアドレナリンで無理矢理覚醒させた脳は正常とは言えず、恋する乙女回路を全力で加速させていた

 

「私まだ未成年だし、風紀委員長だし、そんな風紀を乱すようなことはしたらいけない存在だし、学校もまだ卒業してないのにそんな、いや先生のことが嫌いだっていうわけじゃなくてむしろ大好きで、興味が全くなかったっていうわけでもなくて、初めてはもっとこうムードのある素敵な場所で、いや先生のお家に魅力がないわけじゃなくて…ああ、ダメまだとにかく心の準備ができてないの!だから、えっとえっとえっとその」

 

「ヒ、ヒナ?ヒナさん?」

 

空崎ヒナは疲れていた

 

とても聞き取れないスピードでマシンガントークを続けるヒナ

ようやく収まると、胸の前で手をギュッと握り上目遣いで先生を見る

その赤い瞳は羞恥のためか涙で潤んでおり、熱い吐息が口から溢れた

 

「や、優しくして…」

 

「ごめんヒナ!ものすごい勘違いさせちゃってると思う!」

 

 

誤解したヒナは午前中の風紀委員長としての姿とは全くの別物で、恋する乙女そのものだった

誤解が解けた後も恥ずかしさのあまり近くにあった押し入れにこもってしまい、説得に時間がかかってしまった…

 

 

 

 

「うん、状況は全て理解した。私でよければ協力するわ先生。」

 

「本当にありがとう!助かるよヒナ!」

 

「ふふ、気にしないで。先生が喜んでくれれば私も嬉しいから。」

 

なんとかヒナにこれまでの事情を説明できた先生

話を聞いて、一も二もなく先生に協力することを約束してくれた

羞恥のためかまだ耳がほんのりと赤くなっていたが、空崎ヒナは本当に頼りになる存在だった

 

「気がつけばこんな時間になっちゃったね…今日はもう遅いし、泊まっていく?」

 

「気持ちだけ受け取っておこうかな…パジャマもないし、今回は遠慮しておく。ありがとう先生。」

 

「そう?エンジェル24に確か売ってたから、用意はできるけど…ヒナがいいならいいか。せめて送ってくよ。」

 

いつのまにか、夜も遅くなってしまっていた

泊まって行くことを勧めたがヒナは遠慮した

明日はまだ平日なので、家に戻るのなら急いで出なくてはならない

 

『先生!今からの時間だともう電車も間に合わないかもしれません。』

 

「電車もギリギリかもしれないって!早く行こう。」

 

「優しいね、先生は。でも本当に大丈夫だよ、歩いてでも帰れるから。」

 

「歩いてって…シャーレからゲヘナまで結構な距離じゃない?ちゃんと寝る時間は取れる?」

 

心配な先生はせめて送らせてもらった方がいいのではと思う

しかしヒナは大丈夫だと微笑みながら告げる

 

 

「今から帰っても、いつも通り3時間は寝れるから大丈夫。」

 

「お願いだから、泊まっていって!?」

 

 

私がシャーレか実家のどちらかに離れて寝るから安心して、と説得する先生

人間の適正睡眠時間は6〜8時間以上とされているのに、明らかに少なすぎる

しかもいつも通りと言っている

毎日3時間睡眠は体を壊してしまう

歩いて帰ろうとするヒナを全力で止めた

 

紆余曲折あり、先生の家なのに家主が泊まれないのはおかしいということで、部屋を分けて一緒に泊まっていった

 

空気の美味しい自然豊かな場所でのひとときはヒナに安らぎを与えた

ゲヘナ自治区では夜中に騒ぎが起こることも多々あったがここは静かで落ち着いた場所だった

いつもよりもぐっすりと安らかに眠ることができた

 

次の日のヒナは活力に満ち溢れており、不良生徒達はさらに恐怖したという




先生は実家に泊めることは先生同伴の修学旅行気分で考えています
アビドス水着イベのリゾートで一緒に泊まった時と同じ感じです

この小説では、情報部は万魔殿、風紀委員会の下部組織という設定です
どちらからも要請が有れば行動します
今回万魔殿側が書類偽装等をやらかしてしまったため、ヒナには大義名分があり今回情報部を止められました

3周年イベントは最高でした
かっこいい姿と可愛い姿、両方見たいと思ってカオスになりました

ドレスヒナは色んな意味で最強…!
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