ご感想、評価をいただき嬉しいです
改めてこんな拙い小説を見ていただきありがとうございます
書きたいこと優先しすぎて駄文が続きますが、お時間ある時に是非覗いてみてください
無事ヒナを味方にすることができた先生
ヒマリ達からもセミナーの協力が得られたと嬉しい報告が届いた
そして次の日のシャーレ
「先生、本日のシャーレ当番で来ました。よろしくお願いします!」
「ふふ、お久しぶりです。今日はユウカちゃん共々よろしくお願いしますね?」
「うん、今日はよろしくね2人とも!」
ミレニアムの生徒会組織、セミナーから2人の少女が訪れた
菫色の髪をツーサイドアップにした少女の名は早瀬ユウカ
セミナーの会計を務めており、ミレニアムに存在する部活動の予算を割り振り、現場指揮や対人折衝などセミナーの顔役として活動している
高い演算能力を持ち、資産運用にも明るくこと数字が関わることにおいて彼女ほど頼りになる生徒はいない
その太ももは豊満であった
もう1人の白い長髪をした少女の名は生塩ノア
セミナーの書記を務めており、「情報は正確に」をモットーに日々記録観察を行なっている
完全記憶能力を持っている他、工学に対する知見も持っており、弁理士業務も受け持てる優秀な生徒だ
(ヒマリ部長から色々とお伺いしました…なので夜に詳しくお話ししましょう?)
(一度出たフリをしてからすぐ戻ってきますので、待っててください。)
(わかった、待ってるね。)
他のシャーレ当番に聞こえないよう、小声で話す2人
2人はヒマリ達から今回の事情をある程度知っているようだ
夜に詳しく話すことを約束し、まずは今日の業務に集中する
シャーレは今日も書類が山のように積まれて溢れていた
もたもたしていると書類だけではなく、生徒から新しい依頼のメールが届くかもしれない
話もそこそこに素早く業務に取り掛かった
「あれ…あの制服はミレニアムの人達…だよね?またシャーレに入っていっちゃった…何か忘れ物しちゃったのかな…」
時は流れて、夜遅く
ようやく本日の業務は終了し、シャーレ当番の生徒達も帰った後、他の人にバレないようこっそりと2人はシャーレの執務室へ戻る
先生はどこまで事情を知っているのか2人に尋ねた
「2人はどこまで聞いてるの?」
「そうですね、地下室に転移装置があって先生の実家に繋がっている…それを隠し通すために私達に協力して欲しい、というところまでですね。」
「正直半信半疑ではありますが…ヒマリ部長やエイミは、わざわざ呼び出して嘘を言うような人達ではないので。」
ほとんどの事情を2人は聞かされていたようだ
後は実際に案内して信じてもらうだけである
予定通り2人を案内しようとした、その時プラナから先生に声がかけられる
『先生、このまま連れて行って大丈夫なのですか?』
「?全然大丈夫だよ。」
『でしたら、いいのですが…』
『プラナちゃんどうしたんですか?』
プラナには一つ気掛かりなことがあった
先生にそれとなく危険を知らせようとしていたのだが、先生はまったく気が付いていない
プラナの心配をよそに3人は家の中へと転移していった
無事着いて見た光景は2人の想像を遥かに超えていたものだったらしい
広く大きなお屋敷、広がる満点の星空、暗がりでもわかるほど豊かな自然の風景にとても驚いていた
しばらく周りを見渡していたユウカが恐る恐る口を開いた
「…先生、お家の中を回らせていただいても?」
「うん、大丈夫だよ!自室を見られるのは恥ずかしいけど、それ以外なら特に見られて困るようなものもないから。」
お家の中を探索させてもらうことにした2人
普段穏やかな笑みをたやさず、落ち着いた姿のノアもどこかはしゃいだ様子で家の中を見てまわる
これほど大きな木造建築のお屋敷は科学に特化したミレニアムではなかなかない
キヴォトスでも主に百鬼夜行ぐらいでしか見かけないレベルのものだ
「うわぁ…思った以上にすごいというか…」
「中もしっかりと掃除されていてとても綺麗ですね。」
「あはは、ちょっと前までは散らかったりしてたんだけど、トキと一緒に掃除してね。ピカピカになったんだ。」
その話を聞いた瞬間むっ、と嫉妬するユウカ
ヒマリ達から事情を聞いた時からこんなにもいいところで、それも先生と2人きりで過ごしていたことに羨望を覚えていたのだ
もやもやした気持ちを振り切るように先生に声をかける
「…でも先生!掃除した後、大切なのは維持していくことですからね!だからその、もし!
よかったら私もお掃除手伝ってあげてもいいですから、その…」
「次のお掃除の時、ぜひお呼びしてくださいね?」
「本当に!?助かるよ、ありがとう2人共!」
「べ、別に大したことじゃありませんよ…ふふふ ♪ 」
(よかったですねユウカちゃん ♪ )
約束を取り付けることができ、すっかり機嫌を直したユウカ
それを楽しそうに見つめて、一緒に嬉しくなるノア
このまま和気藹々としたまま、終わるかに思われたのだが…
「先生、こちらの部屋には何があるんですか?」
「そこはフィギュ…あ゛っ゛…」
『ようやく気が付きましたか…』
『あっ!あぁ〜……』
ここにきてようやくまずいことに気がついた先生
だが時すでに遅し
気づいた瞬間に口をつぐんだが、2人にはばっちりと聞かれてしまっていた
「……フィギュア????」
「では、拝見させていただきますね〜♪」
ギギギと音が聞こえてきそうな感じで振り向くユウカ
満面の笑みでこちらを見ているノアと対照的だった
止める間もなくノアが襖へ向き直り躊躇なく開く
そこにはトキと一緒に掃除して綺麗に並べられたフィギュアの数々がズラリと並んでいた
「んなっ、なっ、なぁああっ…!!!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいユウカちゃん。」
噴火寸前のユウカを諌めるノア
ノアは極めて冷静に状況を分析する
コレクターにはこれだけの数を集め、並べて飾るというのは良くあることだ
「これは…昔からあるフィギュアですか先生?」
まずは冷静に先生へ状況を確認するノア
先生は一条の希望を見出し、すかさず誤魔化しに入った
これらは基本外の世界のフィギュアばかり、2人にはいつ発売されたのかなんてわからないだろう
「そっ、そうなんだよ!私は昔からフィギュアが好きだったから、今までのものをたくさん集めていてね!ハハハハ…」
「そうですか…本当のことを言えばフォローしようかとも思いましたが…」
ノアはセミナーの書記担当である
理系の集うミレニアムの中で、完全記憶能力を持ち、詩をしたためるなど文系方面にも強く、審美眼にも自信があった
セミナーは各部活動の成果、活動結果を厳正に審査し見極めて予算を割り振らなくてはならない
ミレニアムの中には古代史研究会なるものも存在し、発見された遺物が年代ものか贋作か見極めることもあった
……飾られているフィギュアの大半が明らかに最近作られたように見えるものが多かった
「ところで先生?こちら製造日が今年の○月○日になってますよ?紙に書かれてる保証期間もここ最近のものみたいですが?」
「せ〜ん〜せ〜い〜???」
「あっ……」
そんなセミナーの重鎮を相手に先生の浅はかな嘘が通用するはずがなかった
昔から少しずつ集めてたなら、と納得しかけていたユウカの怒りが再燃する
『やはり、大丈夫ではありませんでしたね…』
『なるほど、プラナちゃんの言っていたことがわかりました…まずいですね先生…』
プラナの警告も虚しく全てがバレてしまった先生
先生の趣味による浪費について、今日もユウカのお説教が始まった
これまでのレシートを確認するユウカ
外の世界のものと思われる食べ物、スイーツに関しては少し高いものもあったが常識の範囲内のため問題ない
問題はやはりフィギュアだった
「ちょ、ちょっと待ってください先生!本体がおよそ○万円、オプションが約○万円、さらに追加装備でプラス○万円ってとんでもなく予算オーバーしてますよ!?
あれほど、趣味に使うお金は気をつけて相談してくださいって言ったのに!!」
「だって、○年ぶりの映画化だったんだよ!?当時はあまり活躍の場がなくて、モヤモヤしてたファン達が大絶賛するほどの活躍っぷりを見せてくれたんだよ!!
かくいう私もファンで、あの活躍を見て買いたくならない人はいないよ、絶対!!
限定生産だからこれを逃してたらいつ再販されるかわからないんだよ!?」
「だからといって、使いすぎです!またコッペパン生活をするつもりなんですか!?」
「私は…買わないで後悔するより、買って後悔するよ!」
「先生〜〜〜!!!!」
「ちょっ、待って…ユウカ、揺れる…!」
ユウカは先生の胸ぐらを掴んで大きく揺すった
最近はようやく先生も落ち着いてきたと思っていたところにとんでもない落とし穴が待ち構えていたのだ
この人はただでさえ生徒のためなら、とお金を惜しまず使ってしまう人なのだ
このままではまた金欠に陥って苦しむのが目に見えた
「でしたら、本当に先生の言う通り思わず買いたくなってしまうほど素晴らしいものなのか確かめてみましょう♪ 」
2人がこのままわちゃわちゃしている所を見ているのも悪くなかったが、それよりも面白いことを思いついたノア
公開からそれなりに時間も経っているみたいだし、外の世界がキヴォトスとそれほど変わらないくらいに発展しているなら、ネットで配信されているのではないかと先生に尋ねた
「!!!…うん、アニメや映画の観れる会員サービスのアプリを登録しているからここのテレビでも見れるよ。うん、そうだね!2人にもぜひ観て欲しいな!」
ノアの提案に喜んで乗っかる先生
フィギュアのこともそうだが、それよりも自分が楽しい、面白かったと思うことを共有できるのはとても嬉しい
ぜひ見て感想を話し合いたいと、誰よりもはしゃいでいた
「…はあ、それじゃあ本当に先生の言う通り金額分の価値があるのか、見させてもらいます。」
「ふふ、みんなで映画鑑賞と洒落込みましょうか。」
嬉しそうな先生の姿に毒気を抜かれ、素直に従うユウカ
ノアは楽しそうに映画鑑賞の準備を始めていた
先生はアプリを起動して、テレビに接続する準備をしていた
準備をしながら一つ懸念事項があったことを先生は思い出す
「そういえば、この映画ちょっとアダルティなシーンがあるけど大丈夫?」
「えっ、18禁何ですかこの映画?」
r18だと敷居が高くなってしまうので直接的な描写はないのだが、ロボットに乗って戦うため、登場人物達の年齢も比較的高くなる
命懸けの戦いの中を生きる姿を描くため、そういったシーンの匂わせがあるシリーズも少なくない
お色気シーンくらいは結構あったりする
「そうじゃないけど、そのシャワーシーンとかがあるから…」
「それぐらいだったら大丈夫ですよ。ユウカちゃんとはよく一緒にお風」
「余計なこと言わなくていいのノア!」
先生の前で恥ずかしいことを言おうとしたノアを止めるユウカ
ノアは仲の良い相手にはイタズラをするきらいがあった
わざと先生の前で言って、ユウカの照れる顔が見たいのだろう
「子供じゃありませんし、裸ぐらいで動揺しません!全然大丈夫です!」
ユウカは胸を張って自信満々に答えた
ノアは全てを察して笑みをたやさない
そうこうしているうちに読み込みが終わり、映画が始まった
戦争の終わらない世界で平和を求めて戦う主人公達を描いた物語だ
敵の罠にはまり、苦境に立たされる主人公達に感情移入してハラハラドキドキし
アダルティなシーンの時、やはりユウカは赤面していた
そして終盤の、今までの鬱憤を晴らすかのような活躍に大いに盛り上がった
ロボットものの映画ではあるが、理系の学園であり機械工学にも理解のある2人は十分に楽しめているようだ
子供のようにはしゃぐ先生を見て楽しんでいるのかもしれないが
──先生とユウカ、ノアは思う存分映画を楽しんだ
「どうだった、格好良かったでしょ!私も感動しちゃってついね…」
2人に早速感想を聞く先生
ユウカはなんとも納得したけど素直に言いたくない曖昧な表情をしており、ノアは普通に映画を楽しんだ様子だった
「そうですね…確かに大活躍でした。私もミレニアムのチームが大活躍したら嬉しいですし、グッズもつい買っちゃうので、先生の気持ちもわかりました…でも、今回だけですからね!次は絶対に相談してくださいね!」
「ええ、思った以上に楽しむことができました。ただエンジニア部の皆さんにはちょっと見せられないですね…」
ミレニアムのエンジニア部は学園切っての開発者集団であり、変人でもある
今回の映画は彼女達には影響が強すぎるだろう
アリスに譲ったレールガンを元に、小型化して腰につけるなんてトンチキなことを始めかねない
作中に出てきたロボット達について考えているとふとあることに気がついた
「そういえば、他にもたくさんロボット出てましたよね?あの様子だと他にもフィギュアやプラモデルが出てる気がしますが、先生?」
「確かに……先生、どうなんですか!?」
「えっと…それは、うん…」
先生は悩んだ
しかし、どう言い訳してもノアの理路整然とした追及とユウカの勢いからは逃れられそうもない
諦めて先生は全てを話すことにした
「実は、他にも限定版とかの予約をしてます…」
「先生ーーーッッッッ!!!」
──ユウカの怒りの声が再び先生の実家にこだました
先生は劇中のシーンを再現するために、複数体出ていたロボットの数だけフィギュアとプラモを予約してしまっていた
最終的な金額を計算すると、お給料の金額以上の値段がかかってしまっている
…一応貯金はあるので問題ないが、病気や事故といったいざという時のためのものであり手を出してしまっていいものではない
厳しいようだが、月の給料を使い切るほどお金を出してしまったらおしまいである
プラモやフィギュアはせめて一体までに抑えること
それでも金額がなかなかの物になってしまっている
調べると第二次生産、第三次生産もあるみたいなのでかかる金額を分散し、予約することになった
「私だってこんな束縛するような、意地悪で可愛くないこと言いたくないんです!でも、流石にこれはやりすぎですっ!」
意気消沈している先生に心を鬼にして正論を告げるユウカ
今言っておかないと、また購買意欲が再発して同じことをしでかしそうだった
「うぅ、ごめんユウカ!テンション上がるとつい…」
先生も自身の悪癖については自覚していたため、謝ることしかできない
落ち込んでいる様子の先生を見て、顔を歪ませるユウカ
先生に可愛くない所ばかりで、悲しそうなユウカにノアもフォローに入る
「先生、ユウカちゃんは…」
「うん、大丈夫わかってるよノア。…ユウカ、そんな悲しそうな顔しないで。ユウカにはいつもお世話になってばかりだから…ありがとう、本当に感謝してる。シャーレに来てくれたのがユウカで本当によかった。」
「えっ!?な、なんですか急に。その、そう言ってくれるのは嬉しい、ですけど…」
「今までにもたくさんの人がユウカみたいに心配して、止めてくれたんだ。」
先生はぽつぽつと昔の学生時代のことを語り出す
学生時代からミーハーで、しばしば大好きなものに関しては暴走するきらいがあった
その度に仲のいい友達に諌められていたものだ
先生はその友達のことを恨んではいない
皆、自分のことを本当に思うからこそ心を鬼にして止めてくれたのだ
皆、自分を心の底から思ってくれていることをちゃんと理解している
「だから、ありがとうって。」
「…でしたら、ちゃんと相談してください。それだけでいいんです。お互いに納得できる方法を一緒に考えますから。」
「そうですよ〜?隠そうとするのは余計にダメなんですからね?」
「私も悪いってことはわかってるんだ、でもね…劇中の名シーンを家でも再現するっていう、憧れは止められないんだ…!」
「情けないことをカッコつけて言わないでください!もう…」
やっぱりこの人には私がいないとダメだ、と再確認したユウカ
そんな2人をいつまでも見ていたいと思い微笑むノア
ようやく丸く収まってくれたようだ
思わぬトラブルもあったが、この後再度2人に事情を説明して、改めて協力してくれることを約束してくれるのだった
勢いで買って、積んでしまって後悔したことが多々あります
本人が良ければそれでいいとはいいますが限度というものがあります
嫌われてしまうようなことも、相手を思うからこそ言ってくれるユウカとノアは本当に良い子
別に相手が苦しもうと破産しようと、どうでも良かったら何も言いませんからね
むしろ有り金全部溶かして苦しむ様を見たい悪魔も世の中にはいますから(笑
原作先生のあの業務量でコッペパン生活は死にます、絶対に