シャーレの地下室の秘密   作:cheese hamburg

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顔合わせ回です

いっぱいキャラ書くの大変だけど楽しい…!

アニメも、今日からなので楽しみ!



顔合わせ 前編

ようやくミレニアム側の協力者を全員揃えることに成功した先生達

今週の休日にゲヘナの協力者ヒナと顔を合わせて詳しく計画を進めていくこととなった

トリニティ側はまだ決めきれていないため、それと合わせてミーティングを行う予定だ

 

そして訪れた休日前の夜

今日もとんでもない業務量ではあったが、日を跨ぐ前になんとか終わらせることができた

少しずつ、生徒達がシャーレにこっそりと集まってくる

 

『先生、大丈夫ですか?顔色が優れないようですが…』

 

『不調を確認…仮眠をとることをおすすめします。』

 

「平気平気!大丈夫だよ、明日はお休みだからね。もう少し頑張っても大丈夫!」

 

度重なる激務により、先生の身体は不調を訴えていたが明るく快活に見せる

先生が生徒のために頑張る時は、休んだり行かないように伝えても絶対に自分を曲げない

アロナ達は不安を抱えながら、見守る他なかった

 

 

先にミレニアムの協力者達がシャーレを訪れる

到着したミレニアムの面々を迎え入れた

 

…が、トキとヒマリを除いて全員が何故か渋い顔をしてたり、曖昧な笑みを浮かべていた

 

その理由はトキが話し始めたことにより、理解することとなる

 

「お久しぶりです先生。ほんの数日のお別れでしたが、かつての私とは一味違います。ヒマリ部長の教えの元、私は生まれ変わりました。

超兵器アビ・エシュフを操る凄腕パイロットであり、先生のおはようからお休みまで完璧に補佐する瀟洒で完璧な存在。

パーフェクトアメイジングメイド飛鳥馬トキとなって帰ってまいりました。」

 

「トキに何教えたのヒマリ???」

 

 

元から自己肯定感の高い子ではあったが、それに加えて長ったらしい肩書きがついて回ってしまっていた

見ればドヤ顔で自慢げに胸を張るヒマリと、それをジト目で見るエイミとチヒロ

 

どうやら以前言っていたヒマリの再教育プランを受けた結果、こうなってしまったらしい

ちなみにピースピースという動作を教えたのもヒマリである

 

「初めて会った時はもっとこう…クールで冷徹な仕事人って感じだったのに…」

「とても愉快で楽しい子になりましたね、トキちゃん。」

 

ありし日とのギャップに頭を抱えるユウカ

ユウカの新たな表情を記録して微笑むノアと対照的だった

 

「トキ、部長から教えられたことは一旦全部忘れて。お願いだから。」

 

「む、待ってくださいちーちゃん。せっかく教えたというのにすぐ直すのは」

「一旦離れてようね部長。」

 

元に戻そうとするチヒロを止めようとしたヒマリはエイミによって離されていった

文句を言おうとするヒマリの口を抱きついて塞ぎ、物理的に黙らせる

女性として敗北感を感じる柔らかさと息苦しさ、体温の暑さにヒマリは怒り注意を逸らすことに成功した

 

「?…何故ですか?この完全無欠、他に並ぶ者のいない完璧で究極のメイドになにか落ち度でもありましたか?」

 

「会話が長引いて時間かかりすぎるから。…はぁ、先生?どっちのトキの方がいい?」

 

ヒマリの教えは根深いものらしく、説得に時間がかかりそうだった

先生の言うことは聞くだろうと、チヒロは対応を先生に投げた

 

「…新しいトキも素敵だけど、前のトキも私は好きだよ。わざわざ言葉にしなくてもトキはすごくて可愛いメイドさんだからね。」

 

「…わかりました。そこまでおっしゃられるのであれば、前と同じようにします。」

 

先生の言葉によりようやくトキは元通りに戻った

 

先生の浮ついた言葉にジト目で見るミレニアム勢だったが、物申す前に最後の協力者が到着したことにより有耶無耶になる

アロナに確認するとヒナで間違いないようだ

顔を合わせる前にトキを戻せてよかったと思いながら、ヒナを出迎えた

 

 

「改めて、ゲヘナ学園風紀委員会、委員長の空崎ヒナよ。これからよろしくお願いする。」

 

互いに自己紹介をするミレニアム生達とヒナ

挨拶が終わった後、早速話し合いに移る…

 

──前に、ここに来てから風紀委員会として見逃せないことにヒナは突っ込んだ

 

 

「ところで、そこの著しく風紀を乱している人は大丈夫なの…!?」

 

 

ヒナは上半身が下着姿のエイミに向かって指摘した

他校のこととはいえ、流石にその格好は捨て置けなかったのだ

しかし、当の本人は自覚がなくキョトンとしている

 

「……言われてるよユウカ先輩?」

 

「いや、違うわよ!?」

「あなたのことですエイミ。」

 

自分のこととは微塵も思わずユウカにふるエイミ

すかさずユウカとヒマリから突っ込まれるが、理解できず頭を傾げた

 

「どうしてユウカちゃんだと思ってたんですか?エイミさん?ちょっと理由を聞かせてください?」

「えっ、いやそんな大した理由はないんだけどごめん。」

「ノ、ノア落ち着いて!」

 

ノアが黒い笑みを浮かべながらエイミへと詰め寄っていった

エイミはその勢いに押されて壁際まで後退していく

その間に先生はヒナに詳しい事情を説明した

 

「えっとごめんねヒナ、エイミはものすごい暑がりなんだ。具体的には氷海の中で水着姿になってようやくちょうどいいくらい。本人はいたって真面目で必要なことだからどうか目をつむって欲しい…」

 

〉ユウカセンパイノスカートハ、チョットミジカイシ。フトモモガスゴイカラ。

〉ハァアッ⁉︎

 

「そう、必要なことなら…まぁ仕方ない、かな。」

 

〉ナルホド、タシカニイチリアリマスネ。

〉ノア⁉︎

〉エエ、ユウカノフトモモハスゴイデスネ。

〉チョットォッ⁉︎

 

アコのあれも排熱のためなのだろうかと今更すぎる疑問を抱くヒナ

確かに百鬼夜行にはああいった文化はあるが、ゲヘナの制服は普通であり、アコの他にあの着方をした生徒は見たことがない

 

相手があたりまえの顔をして自然体でいられると、人間は間違いを間違いだと指摘しづらい生き物なのだ

今度それとなく聞いてみることをヒナは決意した

 

「あっ、そういえば以前の戦いではうちの子達がお世話になりました!」

 

「以前…ああ、ゲーム開発部の子達のことね。こちらこそ、お世話になった。」

 

忘れてはいけないことをヒナに伝えるユウカ

以前スランピアで行われた総力戦の時、ヒナはRABBIT小隊とゲーム開発部と共に戦ったことがあるのだ

ユウカとしてはすぐにでも挨拶をしたかったのだが、その後の復興作業等に追われて聞くに聞けなかったのだ

 

「それで、大丈夫でしたかあの子達…」

 

「ええ、天童アリスは独特な話し方だったけど、とてもいい子だったわ。花岡ユズもしっかりと指揮してくれたし、才羽モモイとミドリの二人はとても礼儀正しくていい子達だったわ。」

 

「えっ!?あっ、はい…!?」

 

ミドリはギリギリいけるかもしれないが、モモイは礼儀正しいという概念の対局に位置する存在だ

ユウカは悩んだ、真実を告げるべきか否か

言うまでもなくゲーム開発部は問題児集団の一つだ、間違っても品行方正ないい子達ではない

しかしわざわざ身内の恥を晒すのも気が引けるし、あの子達が褒められるのは自分のことのように嬉しい

…のだが2回目に会った時には絶対に化けの皮が剥がれてしまうだろう

 

「いいえ、おそらくあの子達はヒナさんに緊張して大人しかっただけだと思います。普段のあの子達は問題児に入りますから。」

 

「ノア!?」

 

ユウカの代わりに恥を忍んで真実を告げるノア

相手はゲヘナの風紀委員長、万が一にも失礼があっては困る

ゲーム開発部の普段の姿を包み隠さず話した

全てを包み隠さず話し終えたが、それでもヒナの顔は穏やかだった

 

「そうだったの…それでも大丈夫よ。ゲヘナの子達に比べればかわいいものだもの。」

 

「……そうですか、よかったです。」

 

藪蛇の気配を感じ流すノア

少しくらいは引かれるかもしれないと思っていたが、まったく気にしていないのは想定外だった

…空崎ヒナが卒業した後のゲヘナが怖くなったが考えないことにした

 

 

 

「それじゃ私はあの子達が盗聴器とか仕掛けてないか確認してくるね。」

「チヒロ先輩のお手伝いに行ってくるね先生。」

 

「では私はコーヒーの準備をしてまいります。しばしお待ちください。」

 

チヒロはコタマ等が盗聴機を仕掛けてないか捜査に向かい、エイミはその手伝いに同行する

トキはメイドとして飲み物などの準備をするため一度キッチンへと向かった

 

「ではその間に情報共有を済ませてしまいましょう。よろしくお願いしますねヒナさん。」

 

「こちらこそ、情報に誤りがあると困るからよろしく。」

 

ヒナにこれからのプランを具体的に伝えることにした

まず周囲を騙すためのプロジェクトについて話し出す

 

「これまでのシャーレへの感謝と今後のミレニアムとの友好を期待して、記念品を贈呈させていただくという結論に至りました。」

 

「シャーレでは、毎日膨大な数の資料と仕事が舞い込んできます。

そこでミレニアムから最新型の高性能パソコンを贈らせていただくことになりました。連邦生徒会に審査していただいて了承をもらい次第、お届けいたします。」

 

「そんな凄いものを!?聞いてないよ大丈夫なの!?」

 

ユウカとノアから説明されたとんでもない代物に驚愕する先生

さすがのヒナも目を見開いて驚いていた

学園都市キヴォトスにおいて「最先端」「最新鋭」と呼ばれる機械製品の多くはミレニアムで開発されたものである

そんなミレニアムがわざわざ「最新型」で「高性能」を謳っているのだから、とんでもない金額で作られたものだとわかる

 

「先生、私達はこれから数多くの学園相手に真実を隠して、騙し切らなくてはならないのです。それ相応の物を用意しなくては話になりません。先生はキヴォトスの危機を救ったのですから、理由としてもおかしくはないかと。

それにこちら側にもメリットがあるのでご安心ください。」

 

ミレニアムに負担を強いることを心配する先生に安心するように告げるヒマリ

得意げな顔したユウカが胸を張って言葉を引き継いだ

 

「これはまだ発表もされていない試作品なんです。いずれ実施試験を行うところでした。

性能テストもできて、シャーレの激務の中でも仕事をこなせる高性能パソコン…

デモンストレーションとしてかんぺき〜、ですから!」

 

既にセミナー含む上層部には説明を済ませてある

先生は色んな学園によく出入りしており、ミレニアム生徒達からの信頼も厚い

反対意見もなく、賛成多数で通っていた

 

「記念品に万が一のことがあってはいけないので、整備という名目の元、シャーレ当番の数を増やして独占するというような感じですね。

そこへゲヘナ、トリニティからも目をつけられて、双方も記念品を贈呈する…というような流れなら違和感はないでしょう。」

 

「そうしたら、他の学園も真似して送ってくるだろうね。」

 

「ええ、これほどの物を用意しているのですから他学園も安易な物は送れません。充分以上に時間も稼げて一石二鳥です ♪ 」

 

夜な夜なシャーレに隠れて出入りしていたことも、贈るものが贈るもののため理由として申し分ない

これからも夜にシャーレへと訪れても、メンテナンスという言い訳がつくため疑われることはないだろう

 

ここからまさか、これが本命の外の世界へ繋がるものを隠すため、なんて気づくはずがない

 

シャーレと友好を深めつつ、万が一がないようにという名目の元、当番を独占しようとしているようにしか見えない

 

「なるほど、よくわかったわ。こちらとしても異論はない。…それなりのものは時間がかかると思う。

…万魔殿が間違いなくちょっかいをかけてくるからそれが問題ね。」

 

ミレニアムほど高価な物は用意できないかもしれないが、ゲヘナとてマンモス校の一角

自治区は広いし、歴史もあるので探せば用意できるだろう

だが、ほぼ確実に邪魔をしてくるであろう万魔殿が問題となっていた

 

「万魔殿…風紀委員会と仲が悪いんでしたっけ…」

 

「生徒会と治安維持のための部隊が仲が悪いなんてことあるんですね。」

 

治安を維持する部隊と生徒会が対立している構図はミレニアムからすると信じ難いことであった

万魔殿議長の羽沼マコトは風紀委員会、というより空崎ヒナを敵視している

ヒナが絡んだ途端に、嫌がらせすることで頭がいっぱいのアホになってしまう悪癖を持った困りものだ

 

「…いえ、逆に万魔殿を利用するのはいかがでしょう?ゲヘナは諜報技術が優秀だと聞きました。夜な夜な先生に会っていることは既にバレているでしょう。今回の記念品計画を万魔殿の誰かにそれとなく伝えられれば、勝手に用意してくれるのではないでしょうか?」

 

普通に予算を申請しても、屁理屈を捏ねて却下される可能性が高い

だが万魔殿が風紀委員会よりも先生と交友を深めていることを見せつけるためなら、金に糸目をつけずに用意してくれそうだった

 

「…ふむ、そうね。…そうなると、記念品はおそらく等身大の羽沼マコト像になってしまうと思うのだけれど。」

 

「………なぜ、そうなるんですか???」

 

なぜ自身を象った石像を送るのか、作って何の意味があるのか、冷静に考えて恥ずかしくないのか

 

ノアは心底分からずヒナに聞き返した

ユウカも同じ顔をしている

理解できずに固まる2人へ先生はマコトが自己顕示欲が凄くて、この間も自分の像をたくさん作っていたことを説明していた

 

ヒナの言葉を聞いてから、ヒマリは黙り込んで深く考え事をしていた

 

 

──ヒマリは想像してみる

ミレニアムの至宝、偉大なる明星ヒマリ像が至る所に建っているミレニアムを──

 

 

「……………悪くありませんね。」

 

「建てるとしても、まだ建てませんからね。ヒマリ部長?」

 

せっかく計画した記念品を唐突に変更しかねない空気を纏い始めたヒマリに釘を刺すノア

功績を考えれば確かに建てられるかもしれないのだが…まだ早いだろう

 

以前シャーレ周りを探っていた情報部とヒナは"お話"していたので、それとなく伝えることは可能かもしれない

しかしそのためにはマコト以外の万魔殿メンバーに接触しなくてはならない

万魔殿はまとまって行動していることが多く難しいので、一旦案の一つとして保留になった

 

 

「そういえば他の風紀委員の人達はどうなんでしょうか?」

 

ゲヘナから来てくれた、先生が連絡したのは空崎ヒナ一人だけだった

他の風紀委員会も来てくれたら、防衛のための戦闘員が増えて安心なのだが…

 

「…正直私以外は難しいかもしれない。アコは言うまでもなくトリニティに対して対抗意識がすごくあるから。」

 

(そうね…晄輪大祭のときもすごかったわ…)

 

一緒に運営委員会として動いたユウカは遠い目をする

ゲヘナ嫌いのハスミと、トリニティに対抗するアコの2人は始まった当初は本当に大変だった

 

「イオリはこの間、正義実現委員会と揉めてしまって印象があまり良くないわ。

今度糸目のやつにあったら絶対負けないって意気込んでたから。」

 

「この間の列車の時だね…ごめん。」

 

以前先生は正義実現委員会の生徒と共にトリニティの遺物を運ぶ任務を行っていた際、不幸なトラブルにより大騒ぎに発展してしまったことがあった

その時にイオリもまた散々な目に遭わせてしまい、しばらく不機嫌な日々が続いていた

 

「謝らないで先生。先生にも事情があったわけだし、この間ちゃんと謝りにきてくれたでしょう?イオリも最初は落ち込んでたけど先生がきてからはすっかり機嫌を直してたから大丈夫。

…まあそういうことで、二年と三年を差し置いて一年生のチナツだけ連れてくるのも難しいから、実質私一人になるわね。」

 

申し訳なさそうな顔をするヒナに気にしなくていいことを皆で告げた

風紀委員会一つ分の戦力と言われているヒナが来てくれるだけでお釣りが来るのだ

 

──何よりヒナ無しだと、ゲヘナ生徒達は止まらない子達が多すぎるため、ヒナがいない方が困ってしまうという所が本音だった…





後編に続く

情報部は口止めされたため、ヒナがシャーレにいることはまだマコトにバレていません

トリニティの協力者

  • ナギサとサクラコ
  • サクラコとツルギ
  • ナギサとツルギ
  • 全員(一人当たりの出番が少し減るかも…)
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