また説明文ばかりになってしまいました…
無事、情報共有を済ませた一行
話し終えた所でトキがコーヒーを人数分入れて持ってきてくれた
チヒロとエイミも検査を無事に終え、話し合いの席についている
シャーレの建物内に盗聴機の類はまだ仕掛けられていないようで一安心だ
「それで、トリニティからは誰に協力してもらうの?」
再び全員が揃った所で最後の議題、トリニティからの協力者についての話に移った
ヒナの一言から始まり、今度は全員が話し合いに参加する
「なんとか3人には絞れたから、これからかな。」
先生は候補者の名前と所属をホワイトボードに書き出していった
◉ティーパーティーフィリウス分派 桐藤ナギサ
◉シスターフッド 歌住サクラコ
◉正義実現委員会 剣先ツルギ
いずれもそれぞれ所属している組織のリーダーを務める生徒達だ
シャーレの先生がどこか一つの派閥、所属に肩入れし贔屓していると思われたら大変なことになってしまうため、慎重に決めて接触しなくてはならない
「そうね…この中だと桐藤ナギサに話すのが早いと思うわ。彼女とはエデン条約の時に連絡を取っていたこともあって、それなりに知っている。トリニティの予算の多くを握ってるから、それなりの記念品もすぐに用意できるでしょう。
何より…ティーパーティーに話を通さないまま、ことを進めすぎるのは危険よ。」
かつて結ぼうとし、紆余曲折あって破綻してしまったエデン条約
ヒナは桐藤ナギサと協力して条約を進めていた過去がある
その政治的手腕は確かなものであり、ゲヘナ生徒を必要以上に嫌ったり、憎む様子もない
そしてティーパーティーを長期的に欺き続けるのは難しい理由もあった
「そういえば、同じティーパーティーの百合園セイアさんは未来予知ができるんでしたっけ…こちらの計画ももうバレているかも…?」
「今はもう使えないみたいだけど、そのかわり勘が鋭くなったって言ってたよ。まあ、実質未来予知みたいなものかもしれないかな…」
「そうですね、私もそのおかげで先輩達に助けられたことがありました。」
ナギサと同じティーパーティーの一人、サンクトゥス分派のリーダー、百合園セイア
彼女は未来予知と引き換えに感覚が異常に鋭くなる能力を得たらしく、それによって窮地に陥ったトキが救われたことがあった
「私も前にお話ししましたが、アスナさんみたいな超直感的な能力を持っているみたいです。C&Cは多めに仕事をふったりすることでなんとかなっていますが、他校に干渉することはできませんからね…」
実際に会話した時の印象を話すノア
コユキやアスナのような言葉で説明することが難しい、特殊な神秘を持っているように見える
C&C所属のアスナも直感と幸運の神秘を持っており、「なんとなくいいことがありそう」と入った喫茶店にたまたま狙っていたターゲットがいた、なんてことがあった
いつか唐突にバレないかと冷や冷やしているところに、さらにもう一人直感持ちに警戒しないといけないとなれば大変である
早いうちに話を通しておいた方が安心だろう
「そういえば他のその、C&Cのメンバーがいないのはなぜ?彼女達も忙しいの?」
ここでヒナが感じていた疑問を聞くと、直属の上司であるセミナー二人は苦い顔をした
「忙しいのもあるんですけど、その〜…」
「任務達成率はすごいのですが、周辺への被害もすごいので…」
どんな任務でも成功させてくるのだが、被害総額もとんでもない額になって帰ってくるのがC&C
その原因はC&Cリーダーであるネルとブレーンを務めるアカネの二人によるもの
この二人だけをのぞいて協力してもらうことは難しい
室笠アカネは常識人に見えて凄まじい爆弾魔であり、先生とドラマティックな出会いを演出するためにわざわざシャーレを爆破して登場したことがある
リーダーである美甘ネルは非常に好戦的な性格であり、挨拶がわりに喧嘩をふっかけることがある悪癖があった
彼女は決戦前にトリニティの剣先ツルギと喧嘩した前科がある
ゲヘナ最強の空崎ヒナがどれほどのものか、肉体言語で語り合おうとしかねない
彼女の名誉のためにいうと決して悪い人ではない
むしろ人助けをしていて遅刻してしまったり、弱いものいじめを嫌う良い人である
ただ、コミュニケーションに言葉よりも拳ならぬ銃で語り合う昭和ヤンキー方式を使ってしまうだけなのだ
「なので、彼女達の出番はまだ早いと思います。」
まとめると彼女達の仕事は主に荒事専門で話し合いの場には向いていない
ヒナがアコやイオリ達を連れてこなかったように、ユウカ達もネル達の出番はまだ早いと思っているのだ
「話を戻しましょう。先生、こちらの歌住サクラコさんはどのような人なのですか?」
「うん、サクラコは凄く真面目で賢い子だよ。立場上誤解されやすい子なんだけど、とても良い子なんだ。ちょっと生真面目すぎるのが玉に瑕って感じかな。皆とはきっと仲良くなれると思う!」
ヒマリが話を戻すと、先生がサクラコ達シスターフッドについて話し始めた
シスターフッドは歴史の長い組織であり、トリニティでも屈指の規模を誇る組織である
主に聖堂の清掃や、カウセリングに慈善活動とシスターらしい活動を行なっている
「シスターフッドは独自の情報網や秘密を持っているみたいで、ティーパーティーに対する発言力や影響力もあるみたいなんだ。だから、こんなふうに秘密裏に動くのには、サクラコが一番向いているかもしれない。」
「なるほど…ティーパーティーに詰め寄られても問題なく躱すことができるのですね。」
シスターフッドは秘密の多い集団であるということはトリニティに置いて周知の事実である
それでもその秘密が暴かれることなく守られ続けているのは、それだけ彼女達の規模と力が強いことである証明になっているのだ
「先生のことを疑うわけじゃないんだけど…なんというか、笑顔の威圧感がすごいわよね彼女…」
「あれは普通に笑ってるつもりなんだ…本人は怖がられてることを気にしてるから、あまり言わないであげて…」
エデン条約をめぐる中で話したことのあるヒナが、所感を語る
本人は自然と笑いかけたつもりなのだが、側から見ると含みのある黒い笑顔になってしまっていたらしい
学外の生徒にさえ誤解されていたサクラコ
イメージ改善を目指して、空回りを繰り返す彼女が真に理解される日が来ることを先生は願うほかなかった
「ところで、実際の防衛部隊についてはどうするの?向こうじゃ銃は使えないから、ある程度まとまった数が欲しいよね。正義実現委員会の協力が得られたら、大分楽になると思うけど。」
最後の候補である正義実現委員会についてチヒロが言及した
個々の戦闘力はヒナ筆頭に申し分ないのだが、いかんせん数が足りない
正義実現委員会に協力を仰げばなんとかなりそうだが…
「前の決戦の時に通信越しでお会いしたけど、会議にはあまり向いていないんじゃないかしら…ちょっと失礼だけど…」
ネルとツルギが戦い始めた時に仲裁に入ったのがユウカである
ネルに負けず劣らず好戦的で凶暴な印象があり、会議の場に立っている姿があまり想像できない
「本人も主に戦闘をメインに動いてるって言ってたから、そうだね。事務会議はハスミが担当してるみたい。」
「ハスミ副委員長…悪い人ではないんだけど〜…」
剣先ツルギは高い戦闘力と凶暴性を有しているが、いざという時の判断力・統率力も備えておりリーダーに相応しい存在である
きっと力を貸してくれるはずだが、戦闘が専門であり話し合いや会議は副委員長であるハスミに一任している
副委員長、羽川ハスミは穏やかで礼儀正しい人なのだが…
「トリニティ屈指のゲヘナ嫌い、なんだっけ…噂に聞いたことがある、どんなものでもゲヘナ産とわかった瞬間すぐに捨ててしまうとか。」
「最終的には柔らかくはなったみたいだけど…うーん、ちょっと不安かも…」
情報収集の中でたまたま知った噂を思い出すエイミ
そう、ハスミは大のゲヘナ嫌いなのである
ゲヘナの問題児達の所業を考えれば致し方ないことではあるのだが、これから協力して行っていくのに少々不安が残る
ナギサやサクラコ、ツルギはハスミに比べればゲヘナ憎しとはなっていない分リスクがあるように思えた
「どこか一つの派閥にこだわれば、それだけリスクも生まれる…一人に絞らず、何人か連れてきた方がいいかもしれませんね…」
──話し合っている内に夜もだいぶ更けていた
結局、明日以降に今日の内容を踏まえて決めることとなった
最後に今後話し合う議題についてまとめ、帰り支度をすることにした
そろそろシャーレから先生の自宅へ移動するため荷物をまとめる
議題は[防衛部隊について]
三大学園からどれほど戦力が出せるのか
シフトをどうするのか考えなくてはならない
「学校に通ってなくて、それなりに強くて自由に動ける実働部隊がいればいいんだけど、そんな都合の良い人達いないか。」
空いた時間にいつでも入れる人達がいたら楽だけど、とエイミは呟く
ミレニアム生もゲヘナ生もトリニティ生も、普段は学校がある
あくまでも彼女達は学生である
四六時中シャーレもしくは先生の実家で待機できるわけではない
3校の生徒達どれも防衛に入れない時が来るだろう
そんな時に対応してくれる人達がいればいいのだが、指名手配犯やヘルメット団くらいしかエイミは思いつかない
「無い物ねだりしても仕方ありません。現状はゲヘナとトリニティがバッティングしないよう、調整しながら進める方向でいきましょう。」
「いざとなれば私が先生のお側に着くので大丈夫です。」
ヒマリが今日出た内容まとめながら返事を返し、その横でトキがピースピースとアピールした
…確かにトキがいてくれれば安心なのだが、彼女は留年生である
「トキはテストの準備は大丈夫なの?」
「…先生専属のメイドに永久就職するので問題ありません。」
「問題しかないわよ!?絶対駄目だからね、留年もしくは中退なんて許さないから!」
エイミの問いに顔を逸らすトキだったが、ユウカに肩を掴まれ揺らされていた
微笑ましく眺めてから動こうとした先生
だったが
「…あ、あれ…?」
『せ、先生っ!?』
『っ!危険です、無理に立ち上がらないでください!』
「せ、先生!?」
「大丈夫ですか先生!?」
立ち上がろうとした先生がよろめいて膝をついた
そんな異常な姿に驚き、皆駆け寄ってくる
「…あー、うん、ごめんね。大丈夫…ちょっと疲れちゃって…休めばすぐ良くなると思うから…」
元々が過労死寸前とまで言われているシャーレの業務である
普段の激務を早く終わらせようとはりきるあまり、疲弊しきってしまったらしい
立ち上がるのも億劫で、座り込んでしまった先生の姿はだいぶ辛そうに見えた
「ベッドの上に運ぶべきよね!?」
「待って、無理に動かさない方がいい、先生安静にして身体を楽にして。」
「濡れたタオル持ってくるね。」
「私は枕と布団を持ってきます。」
焦るユウカを静止してチヒロが指示を出す
先生は少し熱があるように見える
エイミは濡れたタオルを用意しに、トキは柔らかな布団と枕を取りにいった
「念のため医療関係者に連絡しよう。」
「この時間帯で起きてる生徒さんがいるのでしょうか?救急外来になってしまうのでは…」
「…やむを得ません、先生の身体が第一です。」
時計の針はもう明日に差し掛かる時刻をさしている
もう殆どの生徒は就寝している時間帯だった
本当に過労なのか、休ませるだけで大丈夫なのか不安になる生徒達
この中に医療、看護の心得のある生徒は一人もいなかった
先生を安静にしつつ、万が一のことを考えて救急外来に連絡すべきか話し合っていたその時
「大丈夫ですか先生!?」
突如ここにいるはずのない第三者の声が響き渡った
『ふぇっ!?えっ!?急に生徒さんが!?』
『瞬間移動…!?』
アロナ達は感知に引っかかることなく突然現れた生徒に驚愕した
アロナ達が気づくことができないのであれば当然ミレニアムの生徒達もヒナも気づくことが出来ず動揺する
「侵入者、どこから…!?」
「っ!先生…!」
全員が素早く臨戦体勢に移り、先生の近くにいた生徒はとっさに庇うように動く
そんな中、突然現れた少女は片腕を前に出し制止するポーズを取った
「待ってください、私は怪しいものではありません!救護騎士団です!先生の容態を見せてください!」
現れた少女の姿をよく見ると白い服にピンクの模様が入ったトリニティの制服を見に纏っている
頭にはナースキャップをつけており、少女の言う通り救護騎士団のマークが付いていた
「確かにその制服はトリニティのものですね…」
「待って、あなたは確か…」
ヒナは以前ナース服姿の彼女と交流したことがあった
かつて晄輪大祭の合同医療本部でゲヘナ救急医学部のセナと共に出会った彼女の名は…
「セ、セリナ…!?」
「はい!鷲見セリナです!先生、身体を見ますので楽な姿勢をとって安静にしてください!」
先生がその名前を口にすると、他の生徒達の警戒も薄れる
その隙にセリナは素早く先生のそばへ駆け寄って診断を始めたのだった
──深夜のD.U.シャーレへと続く道
「だーるい…」
シャーレへと続く道を赤い髪の少女がだるそうな足取りで歩いていた
「なんで私がこんな真夜中にシャーレに行かなくちゃならないんですかねまったく…」
もう夜も遅いため、通りには誰もおらず物も置かれていない
端にゴミ箱が置いてあるだけだ
少女はぶつぶつと文句を言いながら、こうなってしまった経緯を思い出す
『キキッ!情報部の連絡を見たか!?ミレニアムの連中が深夜に先生と会っているらしい!ちょっと情報が古いのが気になるが大した問題ではないだろう!こそこそと秘密裏に進めていたようだがこの私の目は誤魔化せなかったな!
…おい、何をしている?先生の誘惑はお前の仕事だろう!
急ぎシャーレへと向かい奴らの企みを看破し!先生がいったい誰のものなのか、どこの学園にこそ相応しいのか!思い知らせてやれ!キキキキッ!!』
先日ヒナに書類の偽装がバレた結果、爆破されアフロ頭になった上司の言葉を思い出しつつ、情報部からの報告を見る
(……情報部によると、先生がいつから接触していたかは不明。しかし、接触を続けるうちに先生の顔色が良くなった傾向が見られると…ふむ…)
先生はそのミレニアム生徒と会って何かいいことがあったらしい
よくわからないが、確かにこのまま放置して置くのは少女としても気分が大変よろしくない
「まあ…私とっておきの憩いの場所を教えたのですから、あなたも私にとっておきのものを教えてくれなくちゃ、不公平ですよね?せんせ?」
そう言って舌なめずりすると、赤いモフモフの髪を揺らしながらシャーレへと入っていった
「ひゃうぅ〜…や、やっぱり夜のシャーレで怪しい動きがあるって噂は本当だったんだ…!RABBIT小隊の皆に報告しなくちゃ…!」
まだまだ準備が進んでいないのにも関わらず、深夜のシャーレに続々と生徒達が集い始めていた…!
セリナ参戦! [???]参戦!
トリニティの協力者が出揃うまではこれ以上増やしません、もうすでに画面いっぱいなので
ですが、伏線として、これからちょこちょこ色んな生徒の参戦フラグを入れていければなぁ、と思います
本格的な登場までは時間がかかりますが
皆様これまでたくさんのご感想、ご意見ありがとうございます!
素敵なご意見を参考にトリニティは色々と考えたのですが、うまく決めきれなかったのでアンケートに委ねて考えたいと思います。
是非どなたかご協力をお願いいたします。
トリニティの協力者
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ナギサとサクラコ
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サクラコとツルギ
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ナギサとツルギ
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全員(一人当たりの出番が少し減るかも…)