シャーレの地下室の秘密   作:cheese hamburg

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n番煎じほどの使い古されたネタです

サクラコ様は可愛くて綺麗で面白い人だから…
このネタを使いたい欲求に逆らえませんでした…



誤解の多い、敬虔なる天然シスター

 

あれから数日…

トリニティの協力者を得るため、先生はトリニティ総合学園を訪れていた

 

表向きは過労で体調を崩してしまった先生の健康診断、という程を装おってセリナと共にトリニティへ入っていく

 

─先生は様々な事件を解決してきた実績があるため、知名度も高くなっている

普通にそのまま学校へ向かってしまうと、多くの生徒から注目を集めてしまうためである

 

 

「…これで健康診断は以上になります。お疲れ様でした、先生。これからはくれぐれも無茶したら駄目ですよ?」

 

「うん、肝に銘じるよ。ありがとうセリナ。」

 

…装うはずだったのだが、実際に倒れてしまったこともあり、健康診断はセリナの強い希望により本当に行われた

診断の結果、無事問題がないことがわかったためひと安心ではある

 

「では先生、頑張ってください!」

 

「ありがとう、またねセリナ。」

 

救護騎士団本部のセリナと別れて行動を開始する

 

今回会いに行く生徒はシスターフッドの長、歌住サクラコ

サクラコには事前にモモトークでアポを取っていたため、指定された場所へ遅れないよう時計や地図をこまめにチェックする

 

すれ違う生徒達に挨拶しながらシスターフッドの本拠地である大聖堂へ向かう途中、モモトークに連絡が入った

 

内容を確認すると、どうやらイロハはうまく万魔殿を誘導することに成功したらしい

 

(私も頑張らないと。)

 

先生は気合を入れ直してトリニティ大聖堂へと入っていった

 

 

トリニティ大聖堂にある複数の懺悔室

あらかじめ指定されていた場所へ足を踏み入れる先生

 

「…こんにちは、失礼します。」

 

「……こんにちは、なにかお悩みでしょうか?」

 

仕切りの向こうから聞こえてくる声は目当てにしていた人物だった

念のため、モモトークを起動し連絡を送る

 

するとすぐに返信が返ってきたため間違いないようだ

 

「ようこそおいでくださいました先生。先日は体調を崩してしまったと聞き、"心配"しておりました。その後の具合は大丈夫でしたか?」

 

「うん、セリナ…救護騎士団の子に診てもらったから大丈夫。ありがとうサクラコ。」

 

「そうでしたか、"本当に何事もなくて"よかったです。フフフ…今回は一体どうされたのでしょうか?」

 

せっかくですのでお顔を見ながら話しましょうと仕切りが開かれる

そこにいたのは想像した通り、美しい銀髪をした1人のシスターだった

 

 

彼女こそは歌住サクラコ

トリニティ総合学園の一大組織、シスターフッドの長である

真面目かつ聡明な人物であり、キヴォトスに伝わる古代語を読むことができる数少ない存在でもある

 

 

「ここでの会話は秘匿され、"何があろうとも"外部に漏れることはありませんので…ご安心ください。」

 

「助かるよ、ありがとう。それとごめんね、懺悔室は本来こういう使い方をする場所じゃないのに…」

 

「フフ…お気になさらなくても大丈夫ですよ。この部屋は元々"そういった用途"に使われていた歴史のある部屋なので。」

 

シスターフッドは数百年も前から続く歴史の長い組織であるため、このような部屋があることは珍しくない

 

ユスティナ聖徒会という数百年前のトリニティを統治していた生徒会を前身に、独自の情報網や武力、知識を引き継いでいる

 

現生徒会ティーパーティーすらも知り得ない数多くの秘密を有しているのだ

 

「今回サクラコに連絡を取った理由なんだけど───」

 

この部屋の会話は決して外部には漏れないというサクラコの言葉を信じて、先生は包み隠さずに理由を話した

 

生徒を相手に交渉じみた真似はしたくないし、そういった分野はサクラコの方が何枚も上手である

 

今多くの生徒達に協力してもらっているのは生徒達の善意によるものが大きい

お金で雇っているわけでもなく、まともな対価を支払えているわけでもない

 

その場しのぎで協力してもらってもすぐに破綻してしまう

サクラコから協力してもいいと心の底から思って貰えなければ意味がないのだ

 

「──というわけなんだ。…信じ難いことだと思う。すぐには決められないとも思う。よく考えて、協力してもいいと思ってくれたらまた連絡してほしい。」

 

「そうだったのですね…わかりました。その計画、ぜひとも協力させてください。」

 

「……いいの!?」

 

あまりに早すぎる回答に驚いてしまう先生

シスターフッドの仕事との兼ね合いもあり、一日で決めるのは難しいと思っていたため何日かはかかると思っていたのだが…

 

「ええ、先生には数えきれないご恩がありますから。ようやく少しでもお返しできる日が訪れました。」

 

「本当に大丈夫?強制しているわけじゃないから、無理はしないで…」

 

「フフフ、本当に大丈夫ですよ。私は今とても嬉しいのですから。」

 

サクラコは穏やかな笑みを浮かべていた

その表情からは嘘偽りがないことがわかる

 

「確かに、とても驚きました。まさかシャーレにそのような秘密が隠されていたなんて。

ですがそれは私達も同じこと…明かすことのできない秘密が数多くあります。それを、私を信じて話してくれたことがとても嬉しいのです。」

 

サクラコはかつての夜を思い出す

先生にも話すことのできない隠し事、秘密があるという事実を伝えてなお、それでもいいと許してくれた

困っていることがあれば力を貸してくれ、今までと変わらずに大切な生徒の1人として接してくれている

 

トリニティ、ひいてはキヴォトスの危機を救われたこともそうだ

 

いつかその恩に報いなければと思っていたのだ

 

「早速日程を考えましょう。早く準備をするにこしたことはないでしょうから。」

 

「そうだね、本当にありがとうサクラコ!これからよろしくね!」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

それから2人は次の予定について話し合った

サクラコの方からナギサへコンタクトを取って欲しい旨を伝えて、日程を調整する

一度先生の実家を訪れてから、ナギサへアポを入れることとなった

その後、他の生徒達に怪しまれない時間ギリギリまでサクラコと先生は話し続けた

 

 

「ありがとう、当日はよろしくね。…それと、サクラコは私に恩があるって言ってたけどそれはこちらの台詞だよ。私もサクラコには助けられたことがたくさんあるから。私に手伝えることならなんでも言ってね。」

 

「わかりました。ありがとうございます先生。…そうですか…なんでも、ですか。ふふふふ…」

 

最後の別れ際、サクラコに大切なことを告げてから大聖堂を後にした

なんでもする、なんて言葉は生徒によっては大変なことになってしまうがサクラコなら大丈夫だろうと考えての発言だった

 

それに対してサクラコは意味深な笑みを浮かべながら、先生と別れた

 

 

 

後日、サクラコは無事先生の実家を訪れていた

 

初めて見る外の世界の存在に興味津々であり、先生に色々と気になったことを尋ねていた

 

そして、ある程度時間の経った頃…

 

「私達以外本当に誰もいない…2人きり、ですね?」

 

周囲に誰もいない、2人だけの空間であることを確認したサクラコは静かに話し始めた

 

「この時を待っていました。ここなら誰にも見られることも、聞かれることもありませんね?」

 

「?…そうだね、今ここには私とサクラコしかいないはずだよ。」

 

誰か隠れていたりしたら困るため、念のために再度先生に確認を取る

素直に答えてくれた先生に安心してサクラコは次の言葉を切り出した

 

「先生にお願いしたいことがあったのです。シスターフッドの教会やトリニティの自治区では、どこに目や耳があるかわかりませんから。」

 

「今までみたいに聖堂でこっそりじゃない方がよかったんだ?」

 

「あの場所も悪くはありませんが、おそらくこちらの方がより安全だと思いまして…」

 

存在を知るものの少ないこの場所の方が適任だとサクラコは考えた

 

かつてのエデン条約を巡る一連の事件を経て、トリニティの中核を担う生徒に対する警備が特に強くなっているからだ

万が一がないように警護する生徒が待機しており、タイミング悪く入ってきてしまうかもしれない

 

深呼吸をしてから、サクラコは本題に移った

 

「先生、私にも外の世界にある流行り言葉を教えていただけませんか?」

 

サクラコから出てきた意外な言葉に先生は驚いたが、同時に納得もした

 

サクラコの抱えている大きな悩みといえばアレしかない

 

「先生は物知りでコミュニケーション能力が高く、様々な生徒の方と仲良くしていらっしゃいます。」

 

「あはは、皆優しいから上手くやれてるだけだよ。」

 

先生は謙遜しているが、確かに先生は親しみやすく生徒達から人気だった

自分より年上の大人、さらに異性であるにも関わらず、である

 

誰かと打ち解けて仲良くなるのも、立派な先生の能力なのだが本人は皆が優しいおかげだ、と信じて疑わない

そういった所が連邦生徒会長に選ばれた理由なのかもしれない

 

「そう謙遜なさらないでください。私もそんな先生のように、親しんでいただけるような存在になりたい。そのためにまず、多くの皆様が楽しみを共有できるものについて知り、学びたいのです。」

 

サクラコは一般トリニティ生はおろか同じシスターフッドに所属する生徒からも畏怖の対象として見られてしまっていた

 

そんなイメージを打開するために先生に流行り言葉等を教わろうとしているのだ

 

堅苦しく苦手に思う相手でも、共通の話題が見つかれば会話に花を咲かせることができる

 

「確かに私も学生時代の頃は、友達と流行り言葉やネットスラングで盛り上がってたから少しはわかるけど…外の世界の流行り言葉はキヴォトスではあまり通じないんじゃないかな?」

 

先生はネットスラングにも明るく、テンションが上がるとつい使ってしまうこともあった*1

 

大人になるにつれ、むやみに人前で使う物ではないと自然に理解した

基本的には同好の士と呼べそうな生徒に対して少し使うだけにしようと心掛けている

 

そして大きな理由として、外の世界の流行り言葉はあまり通じないのではないかと思ったのだが…

 

「そうですね…ですが、まったく無駄になることはないように思えます。少し拝見させていただきましたが…外の世界とキヴォトスは似たような文化が数多くあるように思います。」

 

「それは…確かに。」

 

キヴォトスと外の世界は文化や技術が非常に似通っている

キヴォトスにある人気ゲーム機、ゲームガールと名前違いのほぼ同型機が外の世界に存在していたり、どこから流れ着いたのか名古屋めしという言葉と文化が根付いている

 

推定同じ星にあるのだから当たり前なのかもしれないが、互いの存在をまったく認識できていないことを考えると驚きである

 

外の世界のネットスラングや流行り言葉がキヴォトスでも十分通用する可能性が高いと考えたのだ

 

「それにいつか…私も外の世界の人々と交流してみたいと思いますから。」

 

最後に外の世界の流行語を教わってみたかった理由の一つを打ち明けた

先生の生まれ育った場所の人々といつか交流してみたく思ってしまったのだ

 

自分の故郷に好意的な感情を持ってくれたことに先生は嬉しく思いながら、承諾した

 

 

 

─先生はアロナ達に協力してもらい、安全かつ一番情報の多いサイトを検索してもらった

 

結果、ネットスラングや流行語、JK語などを数多く簡潔にまとめたサイトにたどり着いた

その中から、サクラコの気になった言葉や使ってみたい言葉をチョイスしていく

 

こうして先生監督の元、サクラコの親しみやすさを高めるためのチャレンジが始まった

 

 

 

 

「ええと…しゅきしゅき、だいしゅき〜…?」

 

「ぐはっ!!」

 

「せ、先生!?」

 

まずは相手と打ち解けるために、好意を伝える言葉をサクラコはチョイスしてみた

普段真面目な少女の放つ、どこか不安げな上目遣いからの一言に先生は胸を打たれた

 

「しょ、少々恥ずかしいですね…保留にいたしますね…」

 

「ギャップ萌えいいね!」

(とても可愛いくていいと思うよ。)

 

「せ、先生!?」

 

つい先生は本音と建前を逆に喋ってしまったが、意味合いとしてはあまり変わっていない

先生としてはギャップ萌えを感じて悪くなかったが、サクラコ自身が恥ずかしくなってしまった

 

 

その後もサクラコはいろんな流行り言葉やネットスラングを試してみる

その中には外の世界固有のものではなく、キヴォトスでも一般的に使われているものも数多くあった

 

 

「てぇてぇ…すこ、です…?」

 

(ミチルが使ったら、なんだか合いそうだなぁこの言葉。)*2

 

先ほどと近い感じのふわふわとした喋り方のネットスラングに、百鬼夜行のどことなく舌足らずな生徒を思い出した

彼女ならこの喋り方が似合いそうだが、サクラコが他のシスター達へ使った場合未知数のためこれも保留となった

 

 

 

「セクシーサクラコで、その…ごめんなさい、なんでもありません!」

 

「サクラコ、それはセクシーとは無縁の存在がやるから面白いんだ。本当にセクシーな人がやってしまうとただの変わった自己紹介になってしまうんだ。」

 

「そ、それはその先生はつまり私のことを…」

 

セクハラスレスレの発言だが大事なことなので先生は澱みなく答える

先生を憎からず思っているサクラコは、女性的な魅力に溢れていると告げられ照れていた、が

 

「うん、サクラコは女性的魅力に溢れてると思うよ。人によってはシスターという存在そのものがセクシーだと思う人もいるからね。」*3

 

「それはシスターに対する風評被害ではありませんか…!?」

 

先程の嬉し恥ずかしな気持ちから一転して、なんとも複雑な気持ちになった

清廉なるシスター達に対してそんな不埒な考えを持つものが多くいるのか

シスターフッドを率いる者として肯定するわけにはいかず苦悶の表情を浮かべた

 

 

 

「それは…おハーブが生えますね♪」

 

(なにかの隠語かな?)

 

笑えるといった表現をお嬢様言葉風に直したネットスラングである

一般人が使う分には問題がないのだが、秘密の多い組織の長であるサクラコが使うと怪しさ全開だった

 

 

 

「うふふ…判断が遅すぎませんか?」

 

「泣いちゃう!本気で怒ってると思われちゃうから!」

 

例の、影のある笑顔で問いかけるサクラコ

外の世界で流行っていた漫画の有名な言葉なのだが、元ネタがわからないと本気で怒っているようにしか聞こえない

 

本人は柔らかく微笑んでいるつもりなのだが…

 

 

 

どうしてか微妙に古かったり、絶妙に使いづらい言葉ばかり選んでしまうことの多いサクラコ

色々と試してはみたが中々しっくりくる言葉が見つからない

 

「これは…!先生、この言葉なら私達にピッタリかもしれません。」

 

「シスターにピッタリな…?どんな言葉かな…?」

 

だが、次に見つけた言葉は使いこなすことができそうだと張り切っていた

そんな言葉があったかどうか記憶にない、先生は首を傾げながら続きを促した

 

「ええ、まさか外の世界にもこれほど心神深い方々が多くいらっしゃるとは思いませんでした。

早速使ってみたいと思います……†悔い」

「ごめんサクラコ!!!それだけは絶対に使わないでほしい!!!!」

 

 

──全力で先生は止めた

 

 

これがキヴォトスで流行ってしまうことだけは絶対に阻止したかったからだ

外の世界ではすでに外国で社会問題になっているほど、深刻なミーム汚染を引き起こしている最悪のネットスラングだ

花の女子高生達がこんな台詞を使っている所なんて絶対に見たくも聞きたくもない*4

 

 

 

またしても大恥を晒す危機に見舞われたサクラコ様*5

もはや彼女はそういう星のもとに生まれてきてしまっているのか…

 

「そ、そうだったのですね…私はてっきり外の世界にも信心深い方がいらっしゃるのだとばかり…」

 

とんでもない言葉を使ってしまう所だったサクラコは顔を赤くして無知な自分を恥じていた

 

純粋な生徒に余計なことを教えてしまった罪悪感に駆られるが、知らず知らずのうちに使い続けてしまうよりよほどいい

 

「やはり組織の長である以上、親しみやすい存在となるのは難しいのでしょうか…」

 

「そんなことはないよ。努力は必ずしも報われるものではないけど…培ってきた経験は決して無駄じゃない、何もなかった時よりも確実に前に進んでる。」

 

落ち込んでしまったサクラコを励ます先生

行動を起こさなければ、今自分が行なっていることが無駄かどうかもわからないのだ

失敗したのなら、その経験を糧により良い未来へと進めていくことができる

 

「まだ皆本当のサクラコを知らないだけなんだ。諦めなければ、いつかきっと本当の君を理解してくれる人が現れるはずだよ。」

 

「…そうですね。何事も近道はありません、地道に進み続けていればいつかきっと…」

 

先生の真っ直ぐな言葉が届き、サクラコは無事立ち直ってくれた

笑顔で先生に感謝を告げるその顔に、憂いはなくなっていた

 

「私は幸運ですね…ありがとうございます、先生。あなたのような理解者がいてくれることが、何よりも励みになります。これからもどうか共に歩んでいけるよう…よろしくお願いしますね、先生。」

 

「任せて。生徒達が望むべき道に進めるよう、寄り添って見守るのが、先生だからね。こちらこそよろしくね。」

 

サクラコの笑顔を見て、彼女が親しまれ頼りにされる存在となる未来はそう遠くないだろうと先生は安堵する

 

なぜなら、このありのままの柔らかな笑顔を見れば、誰しもサクラコに魅了されてしまうだろうから

 

 

それほどまでに、サクラコの見せてくれた笑顔は素敵だった

 

 

 

*1
※メルネキと遊びに行ったところと似てるような気がするンゴねえ!

*2
しぇんしぇい殿〜、これ凄くてぇてぇねー。みちぅ、すこ〜♪

*3
例、露出もない敬虔で誠実な生徒なのに何故かセクシーなマリー

*4
アロナとプラナにも詳細は絶対に調べないよう言い聞かせている

*5
どたばたシスターと古書館の魔術師より




サクラコ様がこの顔を見せるのは基本先生だけということに気が付かないクソボケ先生

結構展開が強引かとも思いましたが…
仲良くなるのに、わっぴーをチョイスするサクラコ様ならありそうかなと

サクラコ様「わっぴー」ってどこから拾ってきたんですか…?
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