シャーレの地下室の秘密   作:cheese hamburg

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彼女といえばもうこのネタしか思いつきませんでした

やっぱりこの子面白くて可愛いから大好き



外の世界はちょっとお堅い?

 

「ああ…!ヒナ委員長!いつ見ても聞いても素敵です!」

 

ある日の外の世界

先生宅を訪れたアコは、ここでしか見ることのできないヒナの演奏動画を繰り返し見ては心を奪われていた

 

最初はミレニアムの古い制服を着ていることに不満だったアコだが、ヒナの動画を見続けている内に気にしなくなっていた

 

逆に

(これが許されるなら別のコスプレもいけるのでは?次はどんな衣装が似合うでしょうか。)

とさえ考えていた

 

「むっ!なんですかこのコメントは!

いくら匿名とは言え、言って良いことと悪いことの区別もつかないのですか!

すぐに訂正させなくては!!」

 

「あまり、荒らすような真似をするのはやめてね?」

 

だが機嫌が良いのも束の間、コメント欄にいる荒らしに反応していつものようにアコは平常心を失ってしまっていた

 

無理矢理止めるのは逆効果だということを理解している先生はやんわりとアコを静止していた

 

 

 

 

「そういえば先生、少しお聞きしたいことがあるんですけど。」

 

「うん、どうしたの?」

 

動画を見ることにようやく満足したアコが先生に質問を始める

なんでもここに来てから気になっていることがあったらしい

 

「最近ヒナ委員長にお召しになってもらうものや自分用に気になるものがあれば、と思ってここの本を読み漁ったり、ネットで調べていたのですが…」

 

自分達が来るよりも先に、ヒナが外の世界を訪れたことを知ったアコは遅れを取り戻すべく熱心に外の世界のものについて調べていた

 

その時一緒に自分の趣味に合いそうなものについても調べていたようだ

 

「外の世界の人達は随分とその、お堅い方達が多いというか…現役の女子高生におすすめのファッションがこれ、なんですよね?」

 

アコがパソコンに表示されたとあるサイトを見せてくる

『今の季節はこのコーデで決まり!』と大々的に取り上げられていた

 

「女性向けファッションには詳しくないけど…確かこれはテレビとかに取り上げられたりするくらいには人気のはずだよ。」

 

「ですよねぇ…」

 

何事に対してもはっきりと言う彼女にしては珍しく歯切れの悪い話し方

 

その理由は先生の生まれ故郷に対して、知ってからほとんど時間も立ってないのに否定するような意見を出すのは…という後ろめたさがあったからだ

 

だが、それを伝えないという選択肢はないため意を決して口を開いた

 

「失礼だということは重々承知ではありますが、外の世界の服装は少々古すぎると申しますか…もう少し大胆になっても悪くないと思います。」

 

「……………………………そっかぁ…」

 

アコの普段の服装、ドレスを思い出して曖昧な相槌を返す

肯定とも否定ともとれる、日本人らしい曖昧な答え方で誤魔化した

 

普段の服装に比べればそれは確かに地味に見えてしまうというか、普段の服装が過激すぎるというか

 

 

だがまあ、これはアコに限った話ではない

キヴォトスは女子生徒が主体となった学園都市であるせいなのかエイミ程はいかなくとも、大胆な服装をした生徒が数多くいる

 

スカートの丈が短いのは当たり前、抜群のプロポーションを惜しげもなくさらしてなんとも刺激的な格好ばかり

また、かっちりと着込んでいるように見えたとしても油断はできない

汗をかいただけでかなり透けてしまうような服の生徒もいて、幾度となく困ってしまうことがあった

 

「それが外の世界の気質だから、としか言えないかな…

好みは人それぞれだからね。会う会わないは当然あるし、仕方ないよ。」

 

「そういうものですかねぇ…」

 

先生は生徒達の自主性を重んじているので、校則が厳しい学校の教師のようにとやかく言うつもりは全くない

 

例え外の世界の教育委員会が見たら卒倒すること間違いなしのとんでも制服だったとしても

周りに迷惑をかけず、周囲も気にしていないのなら外から来た先生に言えることはない

 

別に悪いことをしているわけでもないし、それがキヴォトスにとって普通のことなら先生は受け入れる

 

そんなふうに呑気に構えていた先生だったのだが……

 

 

「それなら…ふふん♪いつか私が外の世界を歩く時はとても驚かせてしまうでしょうね。ファッションセンスには自信がありますから!」

 

 

 

──外の世界に、出る?その系統の格好で?

 

 

 

先生は嫌な汗がどっと吹き出てきた

 

制服の時点で既にやばいアコの服装

以前町で会った時にアコの私服を見たことがあるが、行政官としての服と同じように胸の横部分は露出しているものが多く非常に刺激的だった

 

(いやいやいや、落ち着こう私。アコはおしゃれさん*1だから、今までの格好を振り返れば一つくらいはまともな………)

 

─どんなに記憶を遡ってもアコの格好は露出のやばい格好ばかりが思い浮かんでは消える

 

 

まずい

まずいまずいまずい!非常にまずい!

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってアコ!どうか、どうか考え直してくれない!?」

 

「きゅ、急に何事ですか!?」

 

慌ててアコに待ったをかける先生

 

別に今すぐ外へと出るわけではないし、出たくてもヘイローのせいで出れないのだがなぜ先生はこんなに焦っているのか

 

それはアコという生徒が一筋縄では説得できない少女だからだ

自信家でプライドの高い彼女は、確固とした根拠と理由がなければ自分の意思を貫き通す

理由があっても、納得ができなければなんとか意見を通すことができないか頭脳を張り巡らせる

 

今のうちに少しでも丁寧に説得を続けないと、当日に伝えるようでは絶対に失敗してしまう

 

だから今のうちからと、なんとか説得しようとする先生だったが…

 

「なるほどなるほど、そうでしたか……………なんて、納得するわけないでしょう!!?」

 

「えぇっ!?」

 

「よくそんなとってつけたような理由で騙せるとお思いになりましたね!?」

 

そんな先生にアコは憤慨していた

どうやらアコは、「その格好で出たら最悪捕まる」という先生の意思が伝わらず、「アコと外に出るのが恥ずかしい」と誤解してしまったらしい

 

怒らせないようオブラートに包んで説明したことが裏目に出た

 

「ちょっと服が過激だからってお前だけ外に出るなというのはひどくありませんか!?

先生は生徒が心から願っていること、やりたいことを応援すると言っていたではないですか!内容によっては確かに応援しづらいものもあるかもしれませんが、これは全く何も問題ないはずです!

それともそう言っていたことは嘘だったんですか!?」

 

「う、嘘じゃないよ!でも、その格好は外の世界では非常にまずいんだ!」

 

先生は一貫して服を変えてくれと言っているのだが、「何か粗相をしでかしそうだから連れて行きたくないのでは?」と疑念を抱いたアコにはうまく伝わらない

 

これは仕方のないことでもある

 

想像してみてほしい

自分が今まで普通に着ていて、警察に捕まったこともないのに「お前の服装は変質者!」と言われて素直に受け入れられる人は少ないはず

「私って変態だったんだ…」とはならないだろう

 

何か別の理由があってそれを隠すために言っているのではないか、と思ってしまっても無理はない

 

「そんなこと…やってみなければわからないじゃないですか!?始める前から否定してしまって良いんですか!?

例えば先生は生徒が心の底から目指している夢、やりたいことを叶えられる可能性が低かったら否定するんですか!?」

 

「そ、それは…!!」

 

論点がすり替えられているしそういうことではない

が、絶妙に否定しづらい言葉を使われ上手く反論のできない先生

 

アコはパソコンを操作し、さらに先生へ畳み掛ける

 

「それに…これを見てください先生!」

 

とある画面が先生の前に突き出される

アコが出してきたのは、かつてアコが着ていたドレスとほぼ同じ物を着て歩いている外の世界の女優の姿

 

「キヴォトスにあるような服装を、外の世界の人々でも着ている人はいるではありませんか!!」

 

「そ、その人は海外の大女優さんで自身の姿を印象付けるために過激な服装をしていて…それに他のもコスプレだから、その…」

 

間違っても一般の人が普段使いするようなものではない衣装だが、確かに外の世界にもそういう衣装は存在した

 

アコの勢いに先生は完全に押し負けていた

 

口論は続いたが、最終的に──

 

 

 

 

「……そうだね、私が間違っていたよ。

先生が生徒のことを否定することはあってはならないよね。」

 

「ふふん、わかってくれればいいんです!」

 

先生は折れてしまった

結局の所、猥褻罪などはどのくらいまでがセーフでアウトなのか明確なラインが決まっていない

そこをつくことで、論争に勝利したアコはドヤ顔で胸を張った

 

しかし、ここで終わるわけにはいかない

 

「でも、でもねアコ。私にもどうしても譲れないことがあるんだ!」

 

「っ!?な、なんですか!?」

 

先生の発する気迫にアコはたじろいだ

先ほどまでのやんわりと諌めようとする態度とはかけ離れたその姿に、驚きつつも少しキュンとする

 

普段の優しげな瞳から一転した鋭い眼光を見るに先生は本気だ

 

スゥーッと息を呑み込み、さっきまでのアコの勢いに負けないように声を張り上げた

 

 

「その片腕につけている手錠だけは、どう考えてもアウトだよ!!!」

 

 

そう、天雨アコの真にヤバい所は横乳ではなく片腕につけた手錠だ

壊れた鎖もついているまごうことなき手錠である

 

なぜかアコは横乳を隠すことはあっても、片腕につけた手錠だけは絶対に外さない

普段の制服だろうと私服姿だろうと体操服だろうと、アトラハシース攻略のため着替えたオペレーター制服でも必ず手錠をつけ忘れることはなかった

 

「どうして壊れた手錠をつけているの!?それだけはファッションとして見るには無理があるよ!だって罪を犯して捕まったわけでもないのに、手錠をつけてる子なんて今まで見たことがないよ!

正直に言ってそれをつけている理由が知りたくてしょうがないよ私は!」

 

 

横乳は最悪、上に羽織った物でこう、なんとか上手いこと隠して、その…違和感なく着こなすことが出来なくもないかもしれない可能性がなきにしもあらずというか…肌色のタイツつけてますとか、ノースリーブですと言い張ったら、意外となんとかなるかもしれない

 

 

しかし、手錠は手首という見られやすい位置にある上、ポケットへ入らないぐらい大きいため隠しづらくなっている

 

手錠というのはつけているだけで過激な服装とはまた別の方向に心象を悪くする

安っぽいプラスチック製のものではなくガチの手錠、それも引きちぎったような跡がついている分余計に酷い

 

再び想像してみてほしい

 

女子高生と共に歩く大人の男性の姿を

少女は露出度の高い扇情的な姿をしており、その片腕にはごつい手錠がつけられている

それも見た感じ本物っぽい材質のもの

 

そして隣の男を先生と呼んでいる所を見て貴方はどう思うだろうか

 

警察通報待ったなしの事案案件である

 

年頃の女性にとんでもないプレイを強要する変態になってしまう!

 

手錠だけならば、中二病の人とも捉えられるかもだが露出している服と組み合わせたら最悪なのだ

故に服装に関しては今は諦めるから、手錠だけは絶対に外してくれと主張する先生だったが…

 

 

「そ、それは…ライン越えですよ!!!??

いくら先生でもこの手錠については話すことは出来ません!!!」

 

「そうなの!?それほどのことだったの!!?」

 

 

そんな先生の訴えに対して、アコは耳まで顔を真っ赤に染めて怒っていた

想定外の反応に先生は動揺を隠せない

 

その手錠にいったいどんな秘密があるというのか

好奇心からついまじまじと眺めてしまうと、ささっと手錠のついた手を隠される

 

「つ、ついに本性を表しましたねこの変態!

ど、どうしても話させたいというのなら…くうぅっ!!」

 

「ごめん、ごめんなさい!アコにとってそんなに大事なことだとは思わなかったんだ!無理して話さなくて大丈夫だよ!!」

 

お散歩プレイの時等まんざらでもない節があった今までと違い、今回は本当に拒絶の意思が込められていたため先生は謝り倒した

 

 

 

 

その後、それ以上問いかけることもできず話は平行線に戻ってしまった

事態は何も進展していないため、状況はまずいことに変わりない

 

…こうなっては仕方ないと先生は最後の手段にうってでる

 

「なら…アコ!私と賭けをしようか!」

 

「は、はい?急に何言ってるんですか?しませんよ。」

 

ジト目で見てくるアコは乗ってこなかった

アコが賭けを仕掛けてくるのはとんでもなくストレスが溜まっていたり不満が爆発しそうな時である

過酷すぎる業務の疲れやストレスの果てに奇行へと走っているため、平常時は意外とまともなのだ

 

そんなアコという少女の性格を知っている先生は動揺しない

 

「賭けに勝ったとしてもその手錠について聞き出そうとはしないから安心して。

それなら……ああでも、そっか。ごめんね、

負けるのが怖くて嫌なんだよね?」

 

「はっ?はぁあああああっ!!?

誰が怖いですってぇ!?一度や二度勝った程度で調子に乗らないでください!

ええ、いいでしょう。その安い挑発にのってあげますよ!一体何で賭けをしましょうか!?」

 

軽く挑発をすれば不安を覚えるほど簡単にアコは賭けに乗ってきた

 

煽り耐性が低すぎるのは早急になんとかした方がいいんじゃないかな、と思いながら先生はコインを取り出した

 

 

 

 

「…うん、表だ。私の勝ちだね。」

 

「うぐぐぐぐぅ…!!」

 

無事賭けには勝利した

正気のままでは難しいかもしれないが、平常心を失ったアコに勝つことはそう難しいことではなかった

 

「くっ、うぅうう…!

…賭けには負けてしまいましたが、例えば私だけ外の世界に出るなという命令は絶対に聞きませんよ!

ヒナ委員長ある所に天雨アコあり、ですから!」

 

「そんな命令はしないよ。ただ…」

 

ヒナを敬愛するアコにそんな酷なことは絶対にしない

というかそんな命令をすれば余計に拗れて大変なことになってしまう

 

これからする命令の内容的にまたアコを怒らせてしまうことを覚悟しつつ慎重に話し始めた

 

 

「これからもし、外の世界へと出る予定ができたのなら必ず、必ず私にアコの服装を見せてほしい。」

 

 

爆弾発言

 

先生が生徒に私服を見せろ、などと普通に考えれば通報案件なのだが…既にお散歩プレイという超弩級にやばいことをしていたため先生はスラスラと言葉に出せた

 

 

…最初は他の生徒たちに見てもらおうと考えていたのだ

しかし、みんなはどんな格好していたかなとふと思い直す

 

常識人筆頭のユウカもヒナも非常にスカートの丈が短かった

さらには日本ではとっくの昔に廃止されたブルマをなんの疑問持たずに履いている生徒がたくさんいた

 

そう思うと、キヴォトス基準ではセーフでも外の世界基準で見たらとんでもない格好で来てしまうのではないか、という不安が拭えなかったのだ

 

やはり、キヴォトスに住む者よりも外の世界に詳しい先生自身が確認した方が確実だし安心である

 

 

言い終えた後、数秒ほど固まっていたアコだったが、言葉の意味を理解するとみるみる間に顔を真っ赤に染めていく

 

 

「はぁああああぁっ!!?それってつまり私の姿を先生好みにコーディネートしたいってことですか!?

独占欲丸出しで先生好みになった私の姿を独り占めしたいと!?」

 

「いや、違」

 

「はぁ〜っ!!まったく!ええ、まったくしょうがないですね!

負けてしまった以上仕方なく!仕方なーく!変態の先生に付き合ってあげます!

ですが、もしまた賭けをした際に私が勝ったのならそれ相応のことをしてもらいますから覚悟してくださいね!!」

 

 

そう言うとアコはそっぽをむいてしまった

にやけてしまう顔を抑えられないからだ

 

決して本人が認めることはないだろうが、アコは先生のことを好ましく思っており、そんな先生に意識されていることが嬉しかったのだ

なんとも年頃の思春期真っ盛りだった

 

(そういう理由ではないんだけど、何故か機嫌が良さそうだし…まあ、いっか…)

 

なぜか嬉しそうにしているアコに対してわざわざ訂正する必要もないだろう

最悪の事態は避けられたので結果オーライだと思うことにした

 

 

─その後、アコは定期的に訪れては1人ファッションショーを先生の前で披露したのだが…

 

 

 

「ア、アコさん!?その格好はまずいよ!目に毒すぎるよ!!」

 

「ちょっと!!毒とはなんですか!毒とは!

せめて魅力的すぎてとか、覗く肌が眩しくて直視できないとか言い方を考えてください!!」

 

 

 

どの衣装も露出が激しい上に*2手錠が外されることは絶対になかった

 

そのため先生は大いに頭を悩ませることになってしまったという─

 

 

*1
自称

*2
主に横乳




アコちゃんがちょっと自信家すぎた気もしますが…ファッションに自信がなきゃああいう服は着れないでしょ(偏見)

まあ、アコちゃんよりもやばい服装の生徒たくさんいるんですけどね

横も下もやばいツバキとか、子供達の性癖ぶっ壊しそうなシュンとか、報道関係者なのに下がやばいシノンとか



改めてアコちゃんの衣装について
アプリ内の別衣装だけでなく、コラボイラストでも手錠を外さない徹底っぷり

そのせいで、アコ元不良でヒナに捕まえられてからベタ惚れ思い出の手錠説
雷帝の被害者で外すことのできない呪いの装備というシリアス説等、いろんな考察があります

いつか公式からアコちゃんの手錠の謎が解明される日を待っています
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