シャーレの地下室の秘密   作:cheese hamburg

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息抜き

人によっては不快かもなので、閲覧注意


ブルーアーカイブは対象年齢12歳以上や13歳以上のゲームです
昔は対象年齢7歳以上だったこともあります
ブルーアーカイブはえっちなゲームではありません

ブルーアーカイブは本当に健全で健康で明るいゲームだって偉い人も言ってました

だからこのお話も至って健全です

ブルーアーカイブはえっちなゲームではありません(非エロニムス)



いつか必要な時のために

 

「その、お邪魔します、先生。」

 

「うん、面白いものはないかもだけどゆっくりしていって。」

 

とある日の午後

風紀委員会の仕事を終えたチナツは外の世界にある先生の家へ訪れていた

 

これまで他の風紀委員会メンバーが訪れているように、チナツもまた先生の家へと招待されていた

 

─外の世界について、知りたい事があったためである

 

 

「早速で申し訳ないのですが…先生、私に外の世界について授業してくれませんか?」

 

「構わないよ!何が知りたいのかな!?」

 

チナツからのお願いに対して元気よく引き受ける先生

先生は学校の先生らしいことができることにテンションが上がっていた

 

…シャーレという立場上、戦闘の指揮を取ることが多いがそれは必要だから行っているわけであって先生自身は軍の司令官のような立場になりたいわけじゃないのである

 

一体どんなことを学びたいのかとわくわくしながらチナツの返事を促す

 

「ありがとうございます。今回私は…外の世界の医療技術について学びたいと思っています。」

 

チナツの学びたいこと、それは外の世界における治療や応急手当ての方法についてだった

 

キヴォトスにある医療技術が劣っているというわけではない

体質があまりにも違いすぎるため外の世界とキヴォトスの応急手当ての方法には差異が生じている

 

外の世界の人は体が弱いからこそ、思いも寄らない治療法を有していることがあるためキヴォトスの医療関係者にはとても新鮮に見えるのだ

 

「なるほど、チナツらしいね。

うーん…専門的なことはわからないから、あくまでも一般的な応急処置とかしか教えられないと思う。」

 

「構いません。いえ、むしろそれがいいんです。最初から高度な治療方法を聞けたとしても、完璧に理解することは難しいでしょう。

何事も最初から順序立てて…まずは、一般人が行うことのできる手当ての方法から知りたいんです。」

 

チナツが求めているのは、一般市民に向けて作られた応急処置の方法についてだ

 

重ねていうが、キヴォトスと外の世界はあまりにも価値観が違いすぎる

キヴォトスの者にとってはかすり傷にもならないことでも、外の世界の人にとっては大怪我に繋がりかねないことが多い

 

そんな時、外の世界ではどうしているのかが知りたいのだ

 

「いつどんなことが起ころうとも最適で最善な方法を知っておきたいんです。」

 

いつも冷静な彼女にしては珍しく、とても熱意がこもっている

あまり見ない様子に先生は何かあったのかと問いかけた

 

「その気持ちは素晴らしいけど、少し気負いすぎじゃないかな?私が怪我したような事件だってそうそうある者じゃないだろうし…」

 

「いえ、キヴォトスでは何が起こるかわかりませんから。もう二度と先生の体に残るような傷を残したくないですし、できることなら完全に治療したいんです。

……セナ部長もとても歯痒い思いをしたと言っていましたから。」

 

チナツは自身の敬愛する部長の姿を思い出しながら話す

 

─キヴォトス人は後に残るような傷を負うことはほとんどない

そんな傷は基本的にできないし、できたとしても完治してしまうからだ

 

だが外の世界出身の先生は違う

 

あの時はなんとか一命を取り留めることはできたが、先生に銃痕が残ってしまうことをとても悔やんでいたという

 

 

「それに私達の世界では命に関わるほどの緊急事態、というのは滅多にあることではありません。そういう意味では外の世界にある情報はとても貴重なものなんです。」

 

「そっか…確かに、生徒達が緊急搬送される事態に遭遇したことはないね。無論、ないに越したことはないから気にしてなかったけど。」

 

「キヴォトスの生徒達は滅多なことでは危篤状態にはなりませんからね。」

 

キヴォトスの者が危篤状態になるとすれば溺れてしまうくらいものである

それ以外の事ならピンピンしてるし、数日もしないうちに完治してしまう

 

しかも助けようとしたら死んだふりをして逆に襲いかかってくる、なんて者も多いため銃を1発打ち込んで意識の有無を確認してから救護活動することも多い

 

 

─もし意識があれば?

気絶させてから回収します、医療関係者は売れそうな良い物持ってそうだと襲いかかってくる不埒な輩がいるから仕方ないね

 

 

 

「わかった!わたしにできることならなんでも協力するよ!」

 

「ありがとうございます先生。」

 

事情を理解した先生は改めてチナツに全面的に協力する事を決意した

 

生徒のためにできる事を全力でやる姿こそが、先生の目指すべきもの

それにチナツなら変なお願いはしてこないだろうという安心感もあった

 

「とはいえ、劇的に新しい部分はないと思うよ。そう言った部分は飛ばそうか?」

 

外の世界とキヴォトスはファンタジーレベルで差が開いてるわけでもないため大きく変わっている部分はない、と考えた先生はチナツにそう提案した

 

普段当たり前にやっている事をやらされても勉強にならないだろう

 

「いえ、1から全てをお願いします。こちらと被っている点が多くとも構いません。やるなら徹底的にやるべきですから。」

 

しかし、彼女はそれでも最初から最後まで全部やりたいとお願いする

 

クールな外見を崩さないまま、彼女はその心を熱く燃やしていた

全ては外の世界の人相手でも完璧な処置ができるようになるために

 

 

 

 

 

 

 

「その、チナツ…ここまでしなくてもいいんじゃない?」

 

「いえ、本番さながらの状態でやらないと。

でなければ訓練の意味がありません。」

 

チナツは先生に肩を貸して避難する訓練から始めていた

本格的な救命行為をするため、まず最初に行う救助活動から練習したいらしい

 

安全な場所まで運ぶのにはどうすべきなのか、色々な体勢を試して試行錯誤する

 

意識不明者を車の中へ雑にぶん投げて回収していいのはキヴォトス人だけであり、外の世界の人では最悪それが原因で死んでしまうかもしれないからだ

 

「体重かけて大丈夫?結構重いよ」

 

「大丈夫です、先生はもっと力を抜いて、私に体を預けてください」

 

身長差的にもかなり寄っかかって体重をかけてしまう形になる先生は遠慮するが、チナツは気にせず体を預けるよう催促する

 

遠慮していたのもキヴォトスの者は筋力にかなりの個人差があるからだ

 

人によっては先生と引き分ける程度の子もいたりするため重すぎないかと心配していたが、普段風紀委員会としての仕事をこなすチナツには先生を運ぶくらい朝飯前だった

 

完全に力を抜いた先生を軽々と支えて、庇うように歩く

 

 

そうやって熱心に先生と訓練を続けるチナツだったが…

 

(先生の匂いが薫って…なんだかとても落ち着きます…)

 

密着しているため先生からの匂いがダイレクトに伝わってくる

先生の匂いはチナツにとって嫌なものではなくむしろ心地良いものだった

 

いい匂いだと思う相手は遺伝子的に相性が良いという言葉を聞いたことがある

チナツは気分よく先生を運んでいた、が

 

そこでふと、チナツは気づいた

 

 

自身が先生の匂いを感じているのと同じように

先生も自分の匂いを嗅いでいるのではないかと

 

 

「ま、待ってください!先生!」

 

「ど、どうしたの!?」

 

今更ながら年頃の乙女らしい羞恥心を覚え、一度先生から距離を取った

 

風紀委員会として活動してからここに来たため、確実に汗をかいていることに気がついたのだ

 

赤くなりそうな顔を隠しつつとにかく匂いを解決しなくてはと思い、勢いのまま言葉を紡いだ

 

 

「すみません!お風呂をお借りしてもよろしいでしょうか!?」

 

「えっ!?か、構わないけど」

 

「ありがとうございます!お借りします!」

 

チナツは冷静さを欠いたまま、勢いに任せて言葉を紡ぎ風呂場へと向かった

 

自身がとんでもないことを口走り行動していることにも気づかずに

 

 

 

 

 

(いえ、ちょっと待ってください…異性のお風呂場をお借りして風呂上がりのまま色々とするのはまずいのでは…!?)

 

チナツがそんな事実に気がついたのは念入りに体を清め終わった後だった

 

 

 

 

 

 

「お、お待たせしました。では再開しましょう…」

 

「う、うん。よろしく…」

 

お風呂から上がったチナツはパジャマ姿になって戻ってきていた

 

勢いでとんでもないことを口走ってしまったことに気がついたが、後には引けず…なんでもないように装っていた

しかしその顔はりんごのように真っ赤に染まっている

 

「えっと…わざわざパジャマに着替えたの?」

 

「はい、その…考えてみれば今日は委員会の仕事で外を駆け回ってからここに来たので…その…少し、汗臭かったと思います。配慮が足りず申し訳ありません。」

 

チナツは深々と頭を下げた

自分からお願いしておいて、勝手に中断したりと失礼だったことを謝る

 

そんなチナツに先生は気にすることはないと否定した

 

「そんな、謝らないで!全然臭くなんてなかったよ。むしろいい匂」

 

「そ、それ以上は言わないでください!!」

 

恥ずかしい事を口走りかけた先生の口を手で塞いだ

いい匂いだと思われていた方が断然嬉しいが、それ以上に恥ずかしすぎる

 

一度後ろを向いて、整えてから再度先生へ向き直った

 

「さ、さあ気を取り直して続きを再開しましょう」

 

そうしてお風呂上がりのチナツが再び先ほどと同じように先生と密着する

念入りに体の隅々まで洗ったため、チナツは心置きなく先生にくっつけた

 

(チナツからさっき以上にいい匂いが…!

風呂上がりの女の子ってどうしてこんなにいい香りがするんだろうか…)

 

しかし、今度はチナツ以上に先生の方が意識してしまう

 

ほんのりと湿った髪に、どこか紅潮している横顔

ふわりと香るシャンプーの匂いも相まって、先生はチナツに女を感じずにはいられなかった

 

(って、生徒相手に何考えてるんだ!自重しろ私!)

 

少しでも不埒な考えが浮かびそうになる度に先生は自身を律し続けた

 

 

 

 

 

 

 

「運びかたはこんな感じでしょうか…先生、次をお願いします。」

 

「了解、ここからが実際に応急手当てをする流れだね。まずは硬い床にはタオルなどのクッションを用意して、楽な姿勢になるように相手を寝かせる。

そこから服を緩めて圧迫感を無くしたり、服が濡れていれば脱がせて暖かくしたりするみたい。」

 

「わかりました、では失礼します。」

 

先生はシッテムの箱で調べた内容をチナツに伝えながら、寝転んだ

アロナプラナの助けもあってスムーズに必要な事をチナツに教えていく

 

指示に従ってチナツは先生の体を触診し、服を緩めた

 

(先生の体、綺麗…あっ、胸板も硬い。)

 

寝転んで力を完全に抜く先生にチナツはドキッとする

 

先生は普段キヴォトスを走り回ったり、ミレニアムのトレーニング少女に付き合っていることもあって体つきが引き締まっていた

 

先生の裸体はこれまでに何度か見たことはある

 

しかし、混浴時はメガネを外していたためくっきりとは見えなかった

こんなにもしっかりと胸板を触る経験はなく、男らしいがっしりと体つきに目を奪われる

 

「…チナツ?」

 

「あっ!いえ、すみません!」

 

先生に呼ばれて正気を取り戻したチナツは訓練を再開した

 

意識の有無の確認、呼吸が正常に行われているか、心臓の鼓動は感じられるか

それらを行うことで応急手当てが必要かどうか確認する

 

そして、最後に心配蘇生方法について確認して…壁にぶつかった

 

「これ怪力の子がやったら、普通にまずい気がする…」

 

心臓マッサージは骨を折るくらいの勢いでやるように言われている

しかし、キヴォトス人の力でそれを行なっていいものか

 

「その…キヴォトスの者達全員が怪力というわけではなく、人によって個人差があります。」

 

「そうだね。皆が皆壁を壊したり、木をへし折ったりすることができるわけじゃない。それでも、銃を軽々と扱えるから私よりは筋力がありそうだけど…」

 

人によっては心配蘇生をするはずがそのままトドメをさしてしまうような事態になりかねない

 

実践する前に訓練することは必須だった

 

とりあえず代役として押入れから持ってきた枕を使って練習する2人

 

しかし、練習すれどもすれどもよくわからなかった

 

「やはり、枕やクッションなどでは限界がありますね…」

 

「こういうのは専用の人形なんかを使って練習するからね。」

 

行き詰まってしまったが、今日はこれくらいでいいだろうと先生は考えていた

 

今は心臓マッサージを行わなくてもいいようにAEDが用意されていることが多い

 

さらに続きがやりたければ練習用の人形を準備してからと思っていたが…チナツは違った

 

 

「でしたら…私の体に、直接教えてくれませんか?」

 

 

「…………えっ!?」

 

そういうと、今度はチナツが先ほどの先生のように寝転がる

 

驚く先生に構わずボタンを外して、応急処置の時を意識するように服を緩めていく

 

「いや待って待って!チナツさん!?」

 

「私達の体はとても頑丈です。先生が体重をかけて全力で押したとしても、骨が折れることは絶対にありえません。」

 

「いや、それもなんだけどね…!?」

 

先生としては言いたいことが2つあった

 

1つはチナツの言ったように、本来健常な人にやってはいけないということ

いくら生徒達が頑丈とはいえ、万が一を考えれば危ないことはしたくない

巡航ミサイルの衝撃にも耐えられる生徒相手に全力でやった所で傷一つ負わせられないのはそうなのだが、気分的によろしくない

 

もう1つは心臓マッサージを行うための手を置く場所についてだった

当然の心臓のある位置に手を置くことになる

 

そうなると、必然的に先生の手が触れる場所は……

 

「これは医療行為の練習…必要なことですし…

先生でしたら大丈夫ですので…」

 

渋る先生へチナツは情に訴えかける

必要なこと、生徒が望むことなのだからかなえてほしいと先生に懇願する

 

「先生は、もし私がこうして倒れてしまった時、助けてはくれないのですか?」

 

「それは勿論、助けるよ!」

 

「でしたら、今困っている私を助けてはくれませんか?」

 

そう言われてしまっては先生は弱かった

反論しようとするが、上手く言葉が出てこない

 

 

─無言の攻防が続き、結局折れたのは先生だった

 

 

「わかった…少しだけだからね。それじゃあ、行くよチナツ…!」

 

「はい、いつでもどうぞ…先生の手で私の体に直接教えてください…!」

 

 

そうして意を決した先生はチナツへと手を伸ばしてゆき────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ…こんな、感じかな。」

 

「…はい、ありがとうございます。先生。」

 

救命行為の練習を終え、緊張から解放された2人は荒くなった息を整えていた

 

服と息を整えながら向かい合うように座って熱が冷めるのを待った

 

「…先生の形と動き、しっかりと覚えました」

 

─チナツは先生に触れられた場所を確かめながら、脳にその力加減を刻み込んだ

 

「今日はとても勉強になりました。ありがとうございます。

この次もまた、一緒に教えてくれませんか?」

 

「…うん。私でよければ構わないよ。」

 

そうして、チナツはまだまだ先生に教えてほしいことがたくさんある事を伝えて先生に微笑みかける

 

…そんなチナツからのお誘いに先生は快く頷いたのだった

 

 

 





メモロビを改めて見直しましたがめっちゃセンシティブに見えました
ですが、ブルアカは健全で健康で明るいゲームなので邪に見えてしまう方が駄目なのでしょう

そう考えればこのお話だって余裕でセーフですよね、きっと



元から頑丈なキヴォトス人の蘇生用電気ショックとかやばそう(小並感
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