今回もこの小説独自要素ありです
なおカリンを相手にすると先生がキモくなるのは公式
「先生、この問題はどうやって解けばいい?」
「ああ、これはね。この公式を使うんだよ。」
とある日の外の世界
カリンと先生は勉強会を行なっていた
カリンは実は過去に赤点を取ったことがあり、特に数学が苦手で補修を受けさせられたこともあった
普段の学生生活に加えて昼間はアルバイト、夜はC&Cのエージェントとしての任務と仕方がない部分もあるのだが…学生の本文はあくまでも勉強
テストに合格できずに留年してしまったら困るため、こうして先生と勉強していたのだ
「それにしても、数学が苦手なのに狙撃手が出来るカリンは凄いね!」
「?…そんなに凄いことか?狙撃とは基本感覚で当てるものだろう?」
「……そうだね!」
本来狙撃を行うには弾道学という物理と数学の組み合わさった複雑な計算をしなくてはならないのだが…キヴォトスには感覚でスナイパーをやっている生徒が割といる
そんな風に真面目に狙撃手をやってる生徒に聞かれた怒られそうな会話をしながら、順調に問題を解いていた
「それじゃあ、そろそろ小テストをしてみようか。」
「うん、よろしく。先生。」
そうしてある程度の所まで進めたら、どれくらい身についたのか小テストを行うことに
先生の用意した問題集を解いていくカリン
小テストの結果は…
「よし…!これなら次のテストでは補修を受けなくてよさそうだ。」
「勉強の成果が出たね!お疲れ様カリン!」
結果は見事、合格
先生と何度も勉強会を行った甲斐もあり、小テストではほぼ満点を取ることができた
これなら近いうちにくる中間テストも難なくクリアできそうだ
「これで、もう恥ずかしい罰ゲームは行わなくていいんだな…」
カリンは勉強をする中で経験した、これまでの罰ゲームを思い出して遠い目をしていた
実はこれまでにご褒美やペナルティがあった方が勉強に対する熱意も上がるということで、悪い点数になってしまうたびに罰ゲームが行われたりしていたのだ
『それじゃあ罰ゲームだよ、カリン。今回はそうだね…ケチャップアートをやってみようか。』
『わ、わかった…思ったよりも難しい、な…!』
『テストの結果は、残念ながら赤点です…
だから今回も罰ゲームね、美味しくなるおまじないをして!』
『うぐっ…!も、も、萌え萌え…きゅん…!』
『待って、それが本当にカリンの全力なの?出し惜しみは無しで、全力でやって欲しいな!』
『ぜ、全力で!?これでも精一杯なんだけど!?』
…というようにケチャップアートに挑戦したり、全身を使った全力の美味しくなるおまじないなどカリンにとって一筋縄ではいかない大変な罰ゲームばかりだった
「うん、大変だったね…私も心を鬼にして罰ゲームをさせた甲斐があったよ…!」
「いや、先生はどう見ても楽しんでいただろう!?」
不本意だったように言っているが、本当はノリノリで罰ゲームを提案していた先生にカリンはたまらず突っ込んだ
先生は褐色肌の生徒など特定の相手に対して、たまにどこかおかしくなることがある
イオリやカリンなどに対しては特に顕著であり、先生が変なモードになってしまったとカリンはよく頭を抱えていた
「はぁあ……まあ、いいか。そんなことより先生、その…実は他にも教えて欲しいことがあるんだ。」
「うん、全然構わないよ!遠慮なく言ってね。」
仕方のない先生だとため息をつく
勉強も無事に終わり思ったよりも時間が余ったのでカリンはもう一つ、先生にお願いをすることにした
「今から教えて欲しいことは、勉強ではないんだ…私の、夢に関わるもので…」
「カリンの将来の夢に関するもの…それって…」
先生は以前カリンかは将来の夢について聞いていたため、すぐにピンと来た
カリンが普段忙しそうにアルバイトをしているのもその夢を実現させるために必要なことだと判断したためである
その夢とは…
「ああ…その、こっちの世界でのお嫁さんは、どんなことをしているのかと気になって…」
カリンは頬を染めて照れくさそうにそう言った
そう、カリンの夢はカフェの女主人になることと素敵なお嫁さんになることである
「なるほどね。うーん、力になってあげたいんだけど…性別が違うし、私も結婚に詳しいわけではないからなぁ。」
「…確かにそれもそうか。」
生徒のためなら何でも力になってあげたい先生だが、独身の先生は流石に結婚事情に関して詳しくはなかった
花嫁修行など概念的には知っていても、具体的に何をやっているのかまでは知識が足りない
「でも、出来る限りやってみよう。お互いの知ってる知識をすり合わせれば、きっと前進できるはずだよ!」
「なるほど…3人寄ればとも言うし、2人でも知恵を絞れば…!」
だが知らないからできません、で終わりにするのではなくできる限り要望に近づけられるような提案をする先生
こうして、キヴォトスと外の世界それぞれにおける良妻賢母の概念について話し合うこととなり──
「まずはそうだね、カリンは素敵なお嫁さんになれるにはどうしたらいいと思う?こちらの世界の人相手でも通じそうな想定でね。」
「そうだな…普段旦那が使っている銃の手入れをすることは夫婦円満に必要不可欠なことだ。だから、いつもどんな銃を使っているのかを聞いてみよう。」
「いや、こっちの人は銃を普段使いはしてないよ!?」
「はっ!?そうだった!」
─そうして2人は早速、暗礁に乗り上げた
先生からおかしいと突っ込まれたが実はこれ、キヴォトスのお見合いなどで定番の質問だったりする
外の世界において、人が生きていくのに欠かせない3つの要素は衣食住となっているが…
キヴォトスでは衣食住に並ぶくらい銃が大切なものになっている
なのでキヴォトスにおいては人が生きていくのに必要なのは4つの要素、衣食住銃と呼ばれているのだ
銃の手入れをすることは夫婦円満な家庭を築くためにも必要不可欠なことなのである
「ううん、しかし難しいな…
キヴォトスでは使っている銃の種類から人となりを探ったりもできるのだが…」
「なるほど、キヴォトスではそういうふうに人柄を探れるんだね。逆に勉強になるなぁ…」
キヴォトスでは銃火器の種類によって人となりを計ることができる
狙撃銃を使う人は慎重なイメージがあったり、距離を詰める必要のあるショットガンを使う人は大胆な一面がありそうなど
当然例外はあるが、*1ある程度の傾向は掴むことができる
「外の世界では銃が使える国でも、民間人が持てる銃には制限があるし、そもそもこの国みたいに使わない国もある。だから、その質問は凄い銃火器のマニアでもない限りびっくりされちゃうだろうね。」
「そうなのか…」
キヴォトスではミニガンなど平気で持ち歩いている子もいるが、外の世界ではそうはいかない
単純に持てないのもそうだし、あまりにも強力な兵器を民間人が持つことはできないのだ
キヴォトスのように軍でも正式されているような銃を一般人が持つなんて、外の世界ではもってのほかである
「ごっちゃにならないよう、一度メモしていた内容も整理しないと…」
「おお…凄く使い古したメモ帳だね。流石カリン!私も手伝うよ!」
まず外の世界では銃を使う機会は少ないということをメモする
カリンは夢のためなら努力を惜しまない生徒であるため、これまでに学んだことも熱心にメモしていた
そんなカリンの力になるべく、先生はこの世界の常識を教えようとして…
「まずはこの隠し扉に銃を仕込んでおくギミックとかも考え直した方がいいな…」
「いや、それは絶対にいる。」
「さっきと言ってることが違くないか…!?」
少年心をくすぐる男のロマンを前に先生は常識をかなぐり捨てた
先生はなんてことない酒場のマスターが強力な銃を取り出したり、隠し部屋に無数の武器が収蔵されているなどそういった展開に弱い
「カフェの女主人がこんなにも華奢でいいのか…」
「漫画やファンタジーの世界でもない限り、腕っぷしってそこまで重要な要素じゃないからね…」
「これが夫婦喧嘩の熱演…駄目だ、銃を持ち出さないから、そんなに怒っていないようにしか見えない…」
「気に入らないことがあったら、皆とりあえず撃つもんね。」
「待った、先生。爆発物もダメなら、怒った妻が出かける旦那様に弁当箱を開けた瞬間聖水手榴弾が起爆する*2みたいなユーモアな仕返しもできないのか!?」*3
「それがユーモアで済むの改めて凄いねキヴォトス!?」
その後も話し合う先生とカリンはお互いにもの凄いカルチャーショックを感じていた
キヴォトスと外の世界それぞれのギャップを埋めるのは長い時間を要するであろうことが、改めて理解させられることとなった
「そ、想像以上に外の世界の人達は大人しいんだな…」
「私達からするとキヴォトスの人達の方がはっちゃけてるというか…」
あっという間に日も暮れて夕方、そろそろお開きの時間となっていた
キヴォトスでは銃がことあるごとに生活の中に食い込んでくる
なので、軽率に銃を使わないだけで奥ゆかしい扱いになってしまう
逆に外の世界基準からすれば羽毛よりも軽すぎる引き金に驚きを禁じ得なかった
「それにしてもカリン、外の世界の人相手にこんなにも真剣に付き合うことを想定しているなんて…」
「あっ、いや、それはその…!」
結局の所キヴォトス内で素敵なお嫁さんを目指すなら、外の世界の知識はそんなに必要がないことは早い段階で察していた
なぜなら、外の世界の人と触れ合える機会なんてない
キヴォトスの生徒達が交流できる外の世界出身の人間なんて先生くらいのもの
それでもカリンは熱心にメモを取り続けていた
とすれば、いかな朴念仁だろうとも恋慕の感情を抱かれていることがわかってしまったかと慌てるカリンだったが…それは杞憂だった
「カリンは本当に勉強熱心なんだね。将来素敵なお嫁さんになることは間違いないよ!カリンみたいな立派なお尻の子に敷かれるのも幸せなことだろうしね!」
「………」
いつもの如く完全に他人事であり、全く気がついた様子がない
鈍感かつセクハラしてくる先生にクールで落ち着きのある彼女でも、流石にそろそろ我慢の限界が来た*4
「なあ先生、実は今日聞く前にも私個人で良いお嫁さんについて色々と調べていたんだ。
そうしたら、先生の履歴から面白いものを見つけたんだが…」
「えっ、そうなんだ?一体どんな内容だった?」
パソコンは自由に使っていいように開放しているため使われていること事態は問題ないのだが、先生の背中にはなぜか悪寒が走っていた
その予感は見事的中することとなる
「ああ、なんでも…一夫◯妻去◯拳というらしいんだが。たくさんの生徒にちょっかいをかける先生にぴったりじゃないか?」
それは良妻賢母を目指すキャラの生み出したとんでもない仕置きの技であった
カリンはとても良い笑顔で拳を握りしめて見せた
「やめてください、死んでしまいます。」
そして先生はカリンに対して、それはそれは綺麗な土下座姿を見せたという
かつて鋼鉄大陸で見せたそれよりも見事で洗練された土下座だったとか…
その昔、キサキの絆ストーリーで判明した衣食住に銃が加わるキヴォトスの常識には驚きました
本当に銃を持ってない人が全裸よりも少ないくらい普及してるんですねぇ
夫婦喧嘩とか勃発したら激しい銃撃戦になりそうでキヴォトスは恐ろしや…