怨嗟ノ嘆   作:早瀬丸

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『イジらないで、長瀞さん』の
『長瀞さん』と『センパイ』。

長瀞さんはセンパイをイジり、
センパイはイジられる。

ふたりが色んな出来事を通して
歪ながらにも愛を育んでいることは
今、この文をお読みになっている皆様の中には
既にご存知の方もいらっしゃるかと思います。

…しかし

もし、一見するとつまらないことのようにも思える『何か』が違っていたら

愛ではない『別のモノ』が生まれていたのかもしれない…

この作品は
あったかもしれない『もう一つの結末』を
描くものになっています。

⚠️注意⚠️
当作品は以下の要素を含みます。

*『死』に関する描写

*本来の世界観から大きく逸脱した表現

*グロテスクな表現

*既存キャラクターの悲惨な目に遭う描写

この物語の結末が
どんなものであっても受け入れる覚悟のある方のみ、
本編にお進みください。

二次創作ですので、
原作の作者様が不愉快に思ったり、
当作品を削除してほしいという旨の発言が確認された場合には直ちに削除致します。



注意事項は把握していただけましたでしょうか…?

それでは、行ってらっしゃい。



#0 抑鬱

俺の名前は八王子直人。

何の変哲もない、ただの高校2年生。

 

朝早くに起床したら朝食を済ませ、

制服に着替えたら学校への道を歩き…

 

学校に着けば、すぐに授業の準備をして

授業の始まりを待つ。

 

チャイムと共に、皆が席に座り

 

 起立

 

 気をつけ

 

 礼

 

号令と共に、授業が始まる。

 

静かに授業を受けた後、

放課後になったら美術部の部活動。

 

美術室で1人、キャンバスと向き合い

ひたすらに風景や物のデッサンをしていく。

 

部活動が終わったら

1人、夕陽に照らされた家への道を歩き…

 

家に着けば、

宿題や身支度を済ませて

自分の部屋で漫画を描いたり、

スマホをいじったり…

 

そして

遅くとも日付が変わるちょっと前には就寝。

 

高校に入学してから約1年、

俺は、ほとんど変わることなくこの1日を

ずっと繰り返してきた。

 

これと言って目立つようなこともない、

何の変哲もない日常…

だけど、これが俺にとって一番いいんだと思っていた。

 

 

…そんな俺だが、数ヶ月ぐらい前から落ち込んでいる日が多くなっていた。

 

 

この間の定期テストでは、

テスト範囲を間違えてしまったがために

とても口には出せないようなひどい成績を叩き出してしまった。

 

注意していても頻繁に授業や部活で忘れものをするようになった。

 

美術部でよく練習するデッサンの技術も、ここ最近はあまり向上せず

部長にそのことを指摘されたこともあった…

 

両親は働き詰めで顔を合わせる機会がほとんど無く、

学校でも、仲良く話せる友達はほとんど居ない。 

ずっと1人ぼっちだ。

 

道を歩けば小石につまずいて転ぶし、

転んでしまえば周囲の人たちから冷たい眼差しを向けられる。

 

3日前には風邪を(こじ)らせてしまい、

その翌日に治りはしたものの…病み上がりのせいで

昨日、授業でまた教材の忘れものをしてしまう。

 

『今日で何回目なんだ?

いい加減に持ってくるものぐらい

忘れず用意してきた方が良いぞ』

 

ついに担任の先生に注意されてしまったんだ。

 

『すいません』

 

俺はこの言葉を言うのが精一杯。

 

先生の注意する声

そして、

俺に向けられた同級生たちの変なものを見るような冷たい視線は

俺の頭の片隅に残って離れなかった。

 

 

相次ぐ不幸のせいで、

俺の心はかなり傷ついていた。

 

これ以上失敗したくない…

と、自分自身にプレッシャーを掛けてしまい

そのせいで心も体も疲れきっていた。

 

もう、学校に行きたくない

 

誰かに叱られたくない

 

誰かに冷たい目で見られたくない

 

誰かに迷惑をかけたくない

 

誰かに(そし)られたくない

 

もし、これ以上変なことがあったら確実に精神を病んでしまうだろう。

 

そんな状況でも、親には中々言い出せない。

 

もし、俺が変なことを言ってしまったら迷惑をかけることになってしまう。

いつも仕事で忙しい両親に、手間を掛けさせたくなかった。

 

だから俺は、

こみ上がってくる気持ちを必死に押し殺して、今日も学校に向かう。

 

嫌なことも続けていれば いつかは報われる

 

そう信じていた。

 

 

今日、放課後を迎えるまでは、信じていた_

 




#0 抑鬱
八王子直人の不幸と、彼の胸の内_

この時は、まだ人生に一筋の希望の光を見出していた

#1 絶望
しかし、現実が
彼の望む方向に進むことはなかった

彼を待ち受けるのは、1人の『少女』との出遭いだった_
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