お久しぶりです、今回はオリキャラも少し登場します
それではどうぞ!!
〜ライブバー、廻〜
「よぉ、来てくれたか……」
「伊達さん……お久しぶりです……」
俺がこのライブバーに呼び出したのは、唯一連絡が取れたPastel'Palettesの事件でのレコーディングメンバーのドラマーだ
名前は坂明里(さか あかり)、初めて会った時は中3だったな
2年前に会った時よりは、顔色が良さそうに見える
「連絡つけられるのが明里しかいなくてな、お前には沢山迷惑をかけた……」
「気にしないで下さい、今はバンドも組めて……サポートの仕事も再開したので。」
「そうなのか? ……それは良かった。」
話によると、明里以外のメンバーは皆、音楽の世界からは引退してしまったらしい
その時、ある程度世間に名前が知られていたのは俺だけだったため、上手く攻撃の矛先が俺に向くようにしたのだが、それでも明里含めバッシングの声は少なからずあったようだ
「……伊達さん、良かったらなんですけど、私とセッションしてくれませんか?」
「セッション?」
「はい、今の私の実力……伊達さんにも見てもらいたいんです。」
懐かしいな、この雰囲気
普段ポーカーフェイスな明里が、最後に会った時はかなり落ち込んだ様子だったのを思い出した
でも今は、あの頃に音をぶつけ合った時の眼をしていた
「と言っても、ベースが居ないな……」
「ベースなら、俺がやろうかい?」
「オーナー……! お願いします!」
オーナー、ベース弾けたのか
バーに置いてある楽器だが、結構ヴィンテージ物っぽさそうだな
「いくぞ、じゃあまずは適当なリフから……」
明里たちにレベルを合わせようかと思ったが、結構テクニカルなフレーズを挟んでも、がっちり食らいついてくる
オーナーもレベル高いな……!
「……明里、腕を上げたな。」
「はい!」
「オーナー、楽器弾けたんですね。」
「昔、バンドしてたことがあってね、大体の楽器だったら出来るよ。」
オーナーの母親は、ガールズバンドの聖地であるライブハウスを作り上げた人だと聞いてる
流石だな、凄い実力だ
「さて、徹くんはパスパレの件について聞いてるかな?」
「はい、俺が日本を離れた後、本人たちの努力で人気のアイドルになったそうですね、良かったですよ。」
「……彼女たちには会ったかい?」
「実際、付き合いはそこまでありませんでしたからね、そっと活躍を見守るつもりです。」
「そうか……」
「セッションして頂き、ありがとうございます。」
「どういたしまして、明里ちゃんもありがとね。」
「いえ、また来ます。」
明里はこの店の常連なのか?
オーナーとは親しそうだな
「ここ、高校生限定のセッションバンドがあるんです。」
「明里は、そこでバンドやってるのか?」
「いいえ、私はカバーバンドのドラムやってます。」
「楽しいか?」
「はい、色々な曲を演奏できるのでやりがいがあります!」
そう言って、明里は笑った
楽しく音楽をやれてるようで良かった、サポートの仕事も再開したそうだし、またどこかで会うことになるかもな
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「伊達さん……?」
「おっ梓か、こないだ振りだな。」
明里が帰って数分、俺は梓に出会った
そういや梓は、両親がジャズバンドを組んでるって言ってたな
「ギター弾きに来たのか?」
「来週、放課後ティータイムのライブですからね、私だけでも練習しておかなきゃ、本番大変ですから。」
唯たちは集まったら、まずお茶するもんな
梓は真面目だから、こういう時の練習も欠かさないし、尊敬するよ
「梓はよく来るのか?」
「一人で練習したい時によく来ます、セッションバンドの人たちの演奏も素晴らしくて勉強になりますから。」
「上手い人のプレイを観ることも勉強だもんな。」
ここのセッションバンドは高校生限定の割に、実力はかなり高い
プロの俺から見ても上手いと思う
「さてと、何か飲みたいものはあるか?」
「結構です、明日も学校があるので。」
「あれ? 梓ってアルコール飲めなかったっけ?」
「の、飲めますよ! 馬鹿にしないで下さい!」
「本当か〜?」
「あ、オーナー! ここで一番パンチが効いてるのをお願いします!」
お、乗り気になったな、梓め〜!
俺はこう見えて酒は強いからな、甘く見るなよ〜!
「ふぅ……久々に飲みました、もう降参ですか?」
「梓……お前っ……!」
梓、こんなに酒強かったのか……!
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「うぅ〜……少し飲み過ぎたな……」
梓とばったり会って、ついハメを外し過ぎちゃったな
以降は気をつけよう……
「おでん屋の屋台……あれ? あそこに居るのって……」
見覚えのある茶髪のストレート
そして清楚そうな雰囲気に反して、内面はかなりメタルな先生……
「ちょっと〜? 何だか聞き覚えのある声が聞こえたわよ〜?」
「さわ子先生、久しぶりですね。」
元桜高軽音部の顧問の先生で、DEATH DEVILのギターボーカルでもある
ギターの腕前は確かで、昔は一緒に弾いたこともあった
「俺も少しおでん食べていきましょうかね、大将、だいこんお願いします。」
「あいよ。」
「徹くん、帰ってきたことは唯たちから聞いてたけど……良かったわね。」
「唯の奴、いつの間に……」
「あいよ、だいこんお待ち。」
おっ、優しい味付け……
酔った時特有の気持ち悪さが和らいでいくようだ
「さわ子先生は知ってますか? あいつらが久しぶりにライブをやるって。」
「聞いたわよ、梓ちゃんの知り合いが声をかけてくれたそうね。」
「梓の両親はジャズバンドやってましたね、その辺の業界の人たちとは親しいんでしょう。」
「そういえば徹くんは? 突然日本を飛び出しちゃったから心配してたのよ?」
「あの時はご迷惑をおかけしました……けど、あいつらもかつての仲間たちも、皆幸せに過ごしてるようで安心しました。」
さわ子先生も、俺が日本を飛び出した理由を知っているはずだ
表情には出さないものの、梓曰く相当心配してくれていたらしい
「今日のおでんは、私の奢りでいいわよ。」
「そ、そんなの悪いですよ……」
「その代わり、一つだけ条件があるわ。」
「条件?」
さわ子先生は屋台の上に、あるチケットを置いた
「徹くん、放課後ティータイムのライブに来なさい、これがチケットよ。」
「あ、ありがとうございます。」
さわ子先生の帰って行く後ろ姿は、何故だかカッコよかった
あれ? おでん奢ってくれるはずじゃ……
忘れられちゃったのかな、これは……?
……結局、おでんはさわ子先生も含め、俺が払うことになったのだった
オリキャラと梓、そしてさわ子先生との絡みをお届けしました
次回もお楽しみに!!